2009-07-05
Mos Def「The Ecstatic」

MCとしても超一流、最近ではもう俳優としての顔が定着しているMos Defの通算四作目となる『The Ecstatic』を御紹介。Talib Kweliとの最強タッグBlack Starとしても有名なMos Def、僕はMos DefもTalib Kweliも大好きで御座います。本作もこれまた渋〜いジャケットで攻めてきましたねぇ、Mos Defの顔さえ認識できませんよ(笑)。
それでは本作の内容のついて簡単に触れたいと思います……まずはOh No製作の「Supermagic」で幕開け、Selda Bagcan「Ince Ince」を下敷きにしたエレキギターが始終暴れる荒れたRockトラックがもう最高に熱くてカッコイイ、ソウルフルさもきちんと感じる映画のワンシーンを観ているかのような一曲。「Twilite Speedball」はThe Neptunesの片割れ、Chad Hugoが単独で製作を担当。低く大きなホーン音が堂々鳴るトラックもThe Neptunesらしい作りだし、途中で木琴みたいな音がくすぐる様に入るのもThe Neptunes流の愛嬌。Chad Hugoだけでもこういう音が仕上がるんですね、The Neptunes流儀ながらも生音感があるMos Def仕様の一曲。冒頭でちょっとだけMos Defがサイボーグ化する「Auditorium」はMadlib製作、これもまた昔の映画BGMみたいな曇ったメロディが渋過ぎるトラックで、これぞMos DefのHip Hopだと感じる渾身の一撃。しかもこの曲ではあのSlick Rickが客演参加、彼の柔らかくて撫でる様なフロウが懐かしくもカッコイイ一曲(感動)。続いてもMadlib製作でBobby Hebb「Flower」をサンプリングした「Wahid」、これも上下するメロディが綺麗ながらもどこか妖しいドカドカ鳴らす一曲。ドラムスビートにオルガンっぽい音が埃っぽく鳴るオールディーズな「Priority」、小刻みに鳴る打楽器パーカッションにハンドクラップを叩いて突き進む民族アップビートがカッコイイ「Quiet Dog Bite Hard」の二曲はPreservationが製作を担当。「Life In Marvelous Times」はMr.Flash製作曲、これがダークな電子音の地鳴りにシャウトが挟まれるなんともギャングスタな一曲で新鮮、こういうイマドキなトラックでもMos Defはクールで超カッコイイ(惚)。続く「The Embassy」もMr.Flash製作でIhsan al Munze「The Joy of Lina」をサンプリング、ぶっといベース音が鼓膜にビンビン響くトラックが、突然インド民謡っぽい華やかさを帯びる摩訶不思議な一曲。再びPreservationが製作を担当した「No Hay Nada Mas」は、全編スペイン語のブルージーな一曲。「Pistola」は再びOh Noが製作を担当、Anthony Hester「In the Rain」使いのこの曲はどこか南国っぽいメロディにMos Defが歌うようにラップを乗せるナイスな一曲。「Pretty Dancer」はMadlib製作、これもゴチャゴチャした雑踏感(あと後ろで小さく鳴る泡ブクブク音)が面白い一曲。まるでWyclef Jeanみたいな歌い方で始まる「Workers Comp」はMr.Flash製作曲、Marvin Gaye「If This World Were Mine」をサンプリングしたRaggae風味の一曲ですが、Raggae風味は薄味なので僕も拒否反応起こしませんでした。Georgia Anne Muldrowなる女性シンガーを客演に招いた「Roses」はGeorgia Anne Muldrow製作、Georgia Anne Muldrowのコクのあるほろ苦い歌声がまず素晴らしくて感動、ピアノ鍵盤の音が心地良いソウルフルな曲で、Mos Defのラップと歌が楽しめるオシャレに煌めく一曲(最高)。「History」はなんとあの今は亡きJ Dillaが製作を担当、しかも客演には盟友Talib Kweliが参加(感涙)。Mary Wells「Two Lovers History」を45回転早回しした極上ソウルなトラックも素晴らしくて鳥肌モノですし(J Dillaの創る音ってやっぱりカッコイイ)、Mos DefとTalib Kweli双方のラップを一挙に楽しめるから正に“一粒で二度美味しい”な熱い一曲(失神)。そして最後を飾るのはPreservation製作の「Casa Bey」、これがまたBanda Black Rio「Casa Forte」をサンプリングしたホーンにエレクトロピアノにドラムスが鳴り回すバンドチックな一曲で、華やかだしファンキーだし美しいし、とにかくMos Defの颯爽と駆け抜けるラップと楽器の生音を楽しめる極上グルーヴ曲となっています(興奮)。
カッコイイ(痺)、やっぱりMos Defは芸術家肌だなと痛感しました(畏敬)。ここまで黒くて渋いHip Hopを出来るのは今の時代、もうMos Defぐらいなものかと思います。最近のHip Hopだって勿論好きですが、やはり時にはこういう骨太でタイトなHip Hopも聴かないと耳がダレてしまいますね(原点)。Mos Defカッコ良かったです、でも僕はTalib Kweliの方が結構好きだったりします(笑)。
2009-07-03
J.Holiday「Round 2」

「Bed」の特大ヒットで一躍スターとなったJ.Holidayの通算二作目となる『Round 2』を御紹介。あのしんなりしなやかで鼻にかかった甘い歌声が、これまたR&B愛好家にはたまらんくウケているのがこのJ.Holidayですね(個人的見解)。そんな売れに売れた前作があったからもっと評判あっても良さそうなのに、どことなく静かにひっそりと出された感がある2nd、僕の知らぬ間に発売されてました(笑)。
それでは内容をふんわりと御紹介しましょう……まずはJasper CameronとBif Reaseが製作を担当した「It's Yours」で幕開け、トリップするシンセサイザー音に儚く美しいピアノ旋律が絡む甘美なトラックで、これぞJ.Holidayな仕上がりにひとまず安心。「Bed」で培ったリフレインフックも健在で、耳に優しく馴染みます。「Fall」はThe Platinum Brothersが製作を担当したしんみり切なく響くピアノ曲で、大人な雰囲気が漂う艶っぽい一曲。Ne-Yo率いるCompound Productions所属のChuck Harmony製作(ソングライトはNe-Yoが担当)の「Don't Go」はやはりNe-Yo節の透明度、別れ去って行く恋人を引きとめようとする男の未練を歌った詞が悲しくて、涙出そうになります(感情移入)。「Wrong Lover」ではRick Rossが客演参加、製作はThe Platinum Brothersが担当。キラキラと輝きながらスムーズで甘美な歌声を聴かせるJ.Holidayはとてつもなく紳士的。またこういう感傷的な曲にもあの髭熊男の強面Rick Rossが渋く立ち回ってて、物凄く曲を盛り上げています(器用)。これまたThe Platinum Brothers製作の「Run Into My Arms」も、爪弾くギターサウンドにJ.Holidayのハイな歌声が時々エフェクトかかりながら響くナイスなミッド曲。「Sing 2 U」はReginald Hamletなる人物が製作、ゆったりトロっとしたスローでなかなか心地良いです。「Lights Go Out」はAllstar製作で、これはなんともネットリと悩ましいベッド曲でどっぷり溺れて浸かるしかないです。The Platinum Brothers製作の「Make That Sound」、ピアノ旋律の綺麗なしっとり曲で程よくうねった電子音を織り交ぜたトラックは官能的でどこか寂しげで素晴らしい出来上がり。J.Holidayの幾重にも重ねられたフック、時折溢れ出る裏声、どれをとっても頭がカーッと熱くなる悩ましい一曲。Jon OromとJules Wolfsonが製作したピアノ伴奏だけで聴かせる天使バラード「Forever Ain't Enough」は清らかでただただ神々しいラブソング、聴いているうちに心はだんだん空高く舞い上がります。The Co-Stars製作の「Fly」も本当に澄み切った美しさが眩しくて、J.Holidayの羽ばたくようなファルセットが胸の奥に沁み込んでくる美曲。Stateなる人物が製作した「I Tried」はエレキギターが唸るロキッシュな一曲で、こういうのも渋くて良いと思います、なんでもエレクトロでは退屈ですし(苦言)。なお国内盤にはこれらに加えて、The Platinum Brothers製作のストリートな香りのするビート曲「Holiday」と、Seamus HajiとPaul EmanuelがRemixした「Bed(Haji and Emanuel Remix)」が収録されています。
J.Holidayの歌声とか雰囲気は凄く好きですし、本作でも彼の甘ったるくちょっとけだるい歌声は気持ち良く聴き入る事が出来ました(上手)。しかし前作みたいなキラーチューンは一曲も見つからなかったというのが残念、やは前作で頑張ったThe-Dream、LOS Da Mystro、J.U.S.T.I.C.E. League、あとはRodney "Darkchild" Jerkinsなんかに曲依頼しても良かったかなぁと(我侭)。でもどれも水準以上の出来で、素敵な一枚なのには変わりありませんよ(念押)。
2009-07-03
Black Eyed Peas「The E.N.D. [Deluxe Edition]」

今や世界的な人気グループとなったBlack Eyed Peasの通算五作目となる『The E.N.D.』、その豪華盤である『The E.N.D. [Deluxe Edition]』を御紹介。リーダーであるwill.i.amは押しも押されぬ人気Producer、加入当初は否定的な輩も多かったFergieも今じゃ立派なセレブリティで驚き。Hip Hop好きでなくてもBlack Eyed Peasなら知っている、そんな方もきっと多い事と思います。ここ日本でも物凄い人気で、テレビにもよく出演していましたね。
そんなBlack Eyed Peas(以降はBEPで省略)の本作の中身は果たしてどうなっているのでしょうか……まずは先行シングルとなったwill.i.am製作の「Boom Boom Pow」で幕開け、すぐに覚えてしまう“ぶ〜んぶ〜んぶぅ〜〜ん♪”の連呼に思わずニンマリな面白さ、完全デジタルなシンプルビートも病みつき度高いです。続いてはRob Base & DJ EZ Rock「It Takes Two」をサンプリングしたDavid Guettaとwill.i.amと共同製作の「Rock That Body」、完全エレクトロな流麗ダンストラックに早回しした歌声が飛び出す、完全にハジけて遊んでいる一曲。Keith Harrisとwill.i.am製作の「Meet The Halfway」は、Fergieの飾り気のない歌声が伸びるゆるやかな一曲。Lil Wayne辺りが好んでやりそうな呪文フック“あまびー♪あまびー♪”が癖になるサウスなノリの「Imma Be」はKeith Harrisとwill.i.am共同制作、BEPらしい実験的な一曲で、なかなか技巧的な一曲でHip Hopしていてグッド。しかもこの曲は途中で一気にダークノイジーに転調する所が、小憎らしい一曲です。夏空の下をジャンプして跳ねながら聴きたい爽快トラック「I Gotta Feeling」はDavid Guetta製作、これはもう皆で叫びながら楽しまないと勿体無いキャッチーなポップ曲。のっけからwill.i.amがボコーダー使った歌声で攻めるwill.i.am製作の「Alive」、ゆったりしたギターサウンドの歌曲でKanye Westに負けじとwill.i.amが歌っています。Printz Boardとwill.i.am共同製作の「Missing You」では、Fergieが突き抜けるような高音での新たな歌唱技術を披露していてこれが耳にこびり付く。Keith Harris製作の「Ring-A-Ring」はリロリロ上下する電子音の流れに乗っかって、息もつかずの早口ラップと“りがりがりんりん♪りがりがりんりん♪”をぶつけるフックが面白過ぎるズカズカ曲でグッド。will.i.am製作の「Party All The Time」はとにかく壊れていて、歪んだ電子音で脳内をシェイクされます。ベース音にハンドクラップを効かせた「Out Of My Head」はPrintz Boardとwill.i.am製作、今回の彼らのテーマ曲ともいえるタイトルの電子Raggae曲「Electric City」はwill.i.am製作、BEP初期メンバーであるapl.de.apとDJ Replay製作の「Showdown」、思い切り昔のAerosmithみたいなRockなナンバー「Now Generation」はwill.i.am製作、南国っぽい打楽器音にFergieの歌声が響く常夏なラップ曲「One Tribe」はwill.i.am製作、シンセサイザーが飛び交うダンスディスコチューン「Rockin To The Beat」もwill.i.am製作。
とここまでが本編で、Deluxe EditionにはボーナスCDがもう一枚付いておりまして、計10曲も収録されているんです(驚)。ピアノ伴奏にハンドクラップで突き進む「Where Ya Wanna Go」はwill.i.amとBucky Jonsonの共同制作、Fergieの宇宙交信声で始まりそのまま皆がレロレロとボコーダー使いで疾走する完璧ハウス曲「Simple Little Melody」はBoys Noize製作、Swarnalatha and Hariharn「Hai Rama」使いのアジアン電撃曲「Mare」はapl.de.apとDJ Replay製作、BEPのヒット曲「Pump It」を切り刻んで遊んだ様な「Pump It Harder」はwill.i.am、BEP「Let's Get Retarded」のクラブRemix的な「Let's Get Re-Started」はwill.i.am、Funkadelic「(Not Just)Keep Deep」使いでどこなソウルフルさも香るBEP「Shut Up」のRemixっぽい「Shut The Phunk Up」はwill.i.am製作、Jazzyな演奏に耳がやっとリラックスして休まる「That's The Joint」はPaul Poli製作、煌びやかな流麗電子音が綺麗なひんやりクールな輝曲「Another Weekend」はwill.i.am製作、最後は大ヒットしたBEP「Don't Phunk With My Heart」をそんな弄らずに作ったRemixな「Don't Phunk Around」で幕切れ。
う〜ん、こういうエレクトロ路線は反対ではないですが、ここまで全編通してやらなくても良かったような(難色)。勿論彼らはこういうキャッチーならなんでもありなHip Hopグループだから、こういう攻め方で合っているのですが(外部Producerも多く起用していますし)、ちょっと面白みには欠けたかなと(辛口)。will.i.am単独でもかなり幅のある楽曲を作れるんだから、エレクトロから歌モノから王道Hip Hopな曲まで、ごちゃ混ぜで色々楽しみたかったというのが本音。最近のエレクトロハウスなHip HopやR&Bが大好きな方にはお薦め、あと若いBEPファンにはウケるであろう一枚かと。
2009-07-02
Charlie Wilson「Uncle Charlie」

R&B愛好家なら誰もが知っているGap Bandのリードボーカルを務めていたCharlie Wilsonの通算四作目となる『Uncle Charlie』を御紹介。いまだこれだけ精力的に新作をドロップしてくれる大御所Charlie Wilson、素晴らしいおじ様で御座います(天晴)。前作『Charlie, Last Name Wilson』ではイマドキのフレッシュなProducer陣を引き連れ、難なく乗りこなしたその姿がとてもカッコ良かったですね。本作も期待出来ます、まずこのジャケットが気品と余裕に満ち溢れているではありませんか(安心)。
それでは内容について触れましょう……まずはアジアンな香り漂うオリエンタルなアッパー曲「Musta Heard」で幕開け、製作はHarvey Mason Jr,とDamon Thomasで構成されるThe Underdogsが担当。どことなくScott Storch辺りが作ってそうなトラックで、誰かMCの客演を迎えるともっと派手になったかも。続く「Shawty Come Back」はGregg Pagani製作、鍵盤を叩く音が印象的なちょっぴりJazzyにも感じる一曲。続いてもGregg Paganiが製作(ソングライティングにはあのKenny "Babyface" EdmondsとDaryl Simmonsが参加)の一目惚れを歌った「There Goes My Baby」、エモーショナルで温もりたっぷりの懐かしいソウル曲で、Charlie Wilsonの渋く深みのある紳士な歌声が心地良く響き渡ります。「Can't Live Without You」はThe Underdogs製作曲、煌びやかでオシャレな深夜系のちょっぴりシンセが光るミッドナンバーで、これも本当に品が良くてCharlie Wilsonらしい仕上がりに思わずニンマリ。四つ打ちのビートに冒頭で揺れるCharlie Wilsonのエフェクト加工された歌声に一気に耳を略奪される「Back To Love」、製作は凄腕のLOS Da Mystroが担当だから納得の出来栄え。The-Dreamが書きそうなリフレインするフックも凄く印象的で口ずさんでしまうし、“君の愛をもう一度取り戻したい♪”と切々歌う詞も僕好みでかなりお気に入りの一曲、こういう青臭いテーマでもCharlie Wilsonは難なく歌い上げます(一流)。Bigg D製作(ソングライティングはJohnta Asutinが担当)の「One Time」もキラキラと輝く綺麗な一曲でウットリ、愛する女性とゆったりお酒でも飲みながら聴けばものすごく良い気分で酔えそうな、そんなしっとりラブバラード。「Let It Out」では甥っ子であるSnoop Doggが客演参加、制作はGregg Paganiが担当。程よく疾走する電子ディスコチューンで、Snoop Doggのユルユルなラップが彩りを添えます。ゆっくりのフックと途中早口な歌い回しの抑揚加減が良い塩梅の「Love, Love, Love」、製作はThe Underdogs一派(?)のRandomなる人物が担当。最近の流行であるのろのろしたシンセ使いの浮遊曲で、これも流れる“らぁ〜ぶ♪らぁ〜ぶ♪らぁ〜ぶ♪”が耳に残るナイスな一曲で好き。StarGateが作りそうな良い意味で白ポップな刹那系ミッド「What You To Do Me」は、Reed Vertelneyが製作を担当していて驚き。“君のすべてがたまらないから、だから止めないでほしい♪”と歌う“どんすとっぷ♪”と繰り返すフックが素敵、凄くキャッチーで心にスーッと浸透してくる甘酸っぱい一曲。The UnderdogsとRandom製作(ソングライティングでAntonio Dixonが参加)の「Homeless」は、彼らのらしさが出た真っ直ぐな純朴な大人の味わいスロー、Charlie Wilsonの渋くて太いバリトン声を思う存分に堪能して下さい(御馳走)。そのThe Underdogsが再度打って変わって電子アッパーで攻める「Thinkin' Of You」、彼らのアップは勿論カッコイイし文句無しですが、出来ればスローを多めの配分で投げて欲しかった(我侭)。そして最後を飾ると共に、おそらく要注意なのがT-Pain製作でT-PainとJamie Foxxが参加した「Supa Sexxy」ですね(決定)。硬質なドラムビートに絡む遊泳感たっぷりの宇宙シンセのうねり、これはT-Painのトラックメイクの巧さが爆発している電子チューン。Charlie Wilsonの渋声とは反対にあるT-Painのライトなロボット声、最後に登場するファルセット×オートチューンのJamie Foxxの甘くとろける歌声と、すべてが見事に融合した華やかな艶やかな一曲。国内盤にはこれらに加えて、ドカドカ太鼓音が鳴り終いにはエレキギターが絡む激情タッチの「Jump In」と、ピアノ旋律に清らかで涼しげな電子音が絡むトラック「Let You Go」を収録。特に後者ではCharlie Wilsonの神秘的な歌声がこだまする深遠な一曲で、聴いているだけで傷口が癒えてゆく美しいラブソングで素敵。ちなみに二曲ともThe Underdogsが製作を担当、大活躍で御座います。
あ〜〜〜〜素晴らしい、素敵で御座います(惚)。トラックはどれも現行R&Bなものばかりなんですが、Charlie Wilsonがそれに寄せる訳でなく、完璧に彼のソウル曲に仕上がっていて、なおかつとてもオシャレで御座います(華)。もっとスローな楽曲が入っていれば良かったんですが、充分に満足です、The Underdogs好きにもお薦めの一枚です。
2009-07-01
Ciara「Fantasy Ride」

“Princess Of Crunk & B”こと可愛くセクシーなCiaraの通算三作目となる『Fantasy Ride』を御紹介。顔も可愛くて歌も上手くて、しかも踊りがとってもお上手という事でデビュー時から期待度大だったCiara、ようやく本作もリリースされました。まずはジャケット、輸入盤のジャケットはあまり好きじゃなかったので、国内盤が変更されてて良かった(安堵)。ちなみに中のアートワークはCiaraがアメコミチックに描かれていたりコスプレしていたりで、これはアメコミ好きな僕にはたまらない仕上がりでした。Ciaraのナイスバディも綺麗に線が出ていて、良かったですよ(惚)。
それでは肝心の内容について触れますとですねぇ……まずはDon VitoとC. "Tricy" Stewartが共同制作の「Ciara To The Stage」でゆっくりと静かに幕開け、これがなんとも不思議なふんわりトラックで、そこに乗せられるCiaraの揺らめく歌声が妖艶で素敵で体中に徐々に浸透します。続いては本作の超目玉曲「Love Sex Magic」、The Y's製作(このThe Y'sとはJustin Timberlake、James FauntleroyとRob Knox(これはThe Underdogsの別名)から成るProduceチーム)であのJustin Timberlakeが客演で参加しています。完璧なまでのエッヂ効いた電子ダンスチューンで、このサイケでハイパーなトラック自体がもうカッコ良過ぎるんです(惚)。そのうえクールな歌声のCiaraとJustin Timberlakeの相性が抜群に良い、といってもJustin Timberlakeはファルセット駆使した歌声をバックで鳴らす程度の出現で、その具合がまたこの曲のファンタスティック度を高めているので素晴らしい(絶賛)。Ciaraもこういうダンスチューンには完璧に嵌ってて、水を得た魚状態。二人の歌声のセクシーで悩ましい絡みが、ものすごく魅力的。続いては僕の好きなLudacrisが援護射撃をかます「High Price」、製作はC. "Tricy" Stewart×Terius "The-Dream" Nashのタッグが担当。これが底辺を這うレロレロビートに、Ciaraのふざけた(?)様な甲高い歌声が流れる作りで、ちょっと取っ付き難い(苦笑)。そんな奇怪でドロドロなドラッグビートだから、Ludacrisには合っているみたいで、彼が登場した途端に曲が引き締まるから不思議。続く「Turntables」はDanja製作、暴力事件でいけ好かなくなったChris Brownが参加。ビュイビュイ鳴らすシンセビートはDanjaらしいクラブチューンで良いのですが、今の僕はChris Brownに拒絶反応を起こしてしまうんで勿体無い。「Like A Surgeon」はC. "Tricy" Stewart×Terius "The-Dream" Nash製作、ドロッとした沈んでゆく感覚のトラックは美しくも官能的で、正に彼らならではのトラックメイキング。Ciaraの艶っぽい歌声が深々と響き渡って、意外と好きな一曲かも。Polow Da DonとElvis Williams共同制作の「Never Ever」では、客演仕事でも多忙なYoung Jeezyが参加。さらさらと小川の様に流れる煌めくメロディも綺麗だし、Ciaraの優しい歌声が耳に優しい優美曲。Young Jeezyはいつもの如くなんですが、冒頭でのノイジーに加工された感じが結構面白かった。The-Dreamをfeat.した「Lover's Thing」はLOS Da Mystroが製作を担当、キラキラ輝きながらゆったり広がるトラックも素晴らしいし、Ciaraの“べいびー♪べいびー♪”にThe-Dreamの“えー♪えー♪”が絡まるリフレインフックも印象的なナイスミッド(好)。Missy Elliottが参加したガチャガチャ暴れる電子音に脳内が揺れる「Work It」は、Danjaが製作という事で納得。Ciaraのクールな歌声もこういう激走するビートにはお似合いだし、Missy Elliottは言うまでもなく得意のフィールド(当然)。Rodney "Darkchild" JerkinsとOsinach Nwaneriによる共同製作の「Pucker Up」もまず上がり下がりするビュイーンな電子音に脳天ヤラレる、そのうえCiaraのカッコイイ鋭く尖ったフック“Kiss My Swagg♪”に脳内を侵食されます。「G Is For Girl(A-Z)」は再びThe Y'sが製作を担当、絶え間なく鳴り響くドカドカ太鼓音とインドっぽいメロディが病み付きで、後ろの方で微かにJustin Timberlakeの歌声も聴こえています(最高)。「Keep Dancin' On Me」は再びC. "Tricy" Stewart×Terius "The-Dream" Nashが製作、どこか遠くの方から静かに聴こえてくる様な、だんだんと体にスーッと浸透してゆくようなトラックは摩訶不思議で、でもどこか癖もあって聴いてすぐに彼らの音だと分かる個性的な一曲。「Tell Me What Your Name Is」はDr.LukeとBenny Blancoの共同製作、これも静けさの中に煌びやかさと眩しさがあるシンセ曲でグッド。「I Don't Remember」はPolow Da Don製作(ソングライティングをShaffer SmithことNe-Yoが担当)、次第に速度を増してゆくビートが、詞の内容である“彼がいなくなった”不安から高まる胸の鼓動とリンクしていて凄く魅力的、可憐で綺麗な一曲。とここまでが本作の内容で、国内盤にはこれらに加えてボーナストラック三曲が収録されていまして。シンセサイザーの鳴りからしてThe Neptunesっぽいと感じた「Echo」はDanja製作(ソングライティングにThe ClutchのPatrick Michael "J. Que" Smithが参加)、ズカズカ突き進む感じが痛快な一曲でグッド。そして注目「Go Girl」はT-Painが製作&客演で参加、Ciaraの歌声もちょっぴりエフェクト加工されていて鼻につかない程度、T-Painのラップ援護射撃も面白くて味わい深い一曲に仕上がっています。
最初聴いた時は正直“う〜ん微妙かな”と思いました、購入決めるまで時間かかったし周りの評判もあまりよろしくない(?)感じですし。ただ何度も聴いているうちに結構僕は嵌ってきています、実験的な曲も多くてこれはこれでCiaraのチャレンジ精神が出ているかなぁと。Ciaraの歌声がどちらかというと“静かでクールでクリア”な印象なので、こういう深々と響く電子チューンとの相性も良かったかなと。それにきちんとダンス曲も満載で、意外と巧い一枚になっていると思うんですが、皆様はいかがお感じでしょうか。
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