2009-11-07
Michael Jackson「This Is It [Deluxe Edition]」

Michael Jacksonが最後の公演と銘打ったロンドン公演のリハーサル映像を綴った映画のサントラ盤であり、新たなベスト盤ともいえる『This Is It』を御紹介。映画『This Is It』を観た方なら絶対に購入して聴きたくなる一枚だと思います、なんといったって劇中で流れる曲順にMichael Jacksonの名曲が収録されているのですから、映画を観た興奮をそのままに味わえます。そう言う僕はちなみに映画を観る前に購入しました(笑)、TOWER RECORDSのポイントが一万円分貯まっていたので、それを使って。ちなみに本作は1CDの通常盤と、ボーナスCDを特典とした2CDのDeluxe盤の二種類がありまして、僕は勿論後者を購入しました。
それでは内容をずらりと御紹介したいと思います……まずは特筆すべき一曲、新たに発掘され本作に収録された未発表曲「This Is It」ですね、Michael Jackson(以降はMJと表記)とPaul Ankaの共同制作との事。MJの温もりのある優しい“1,2,3,4♪”の掛け声で始まるピアノ鍵盤のメロディが美しい純粋スローのラヴソング、録音の時期は『Thriller』の様でまだ若くハリのある歌声が凛と響き渡ります(感動)。「This Is It(Orchestra Version)」ではバックトラックにオーケストラの綺麗で壮大な演奏を敷き、Jacksonsの面々がバックコーラスで彩を添えています。MJの意思に反した形で発表されたかもしれないけれど、それでもこうやって彼の歌声を聴けるのは、やっぱり素直に嬉しいです(感謝)。あとはもう完全なベスト盤な内容、MJのオリジナルアルバムはどれも紹介しているので、ここでは曲にまつわるエピソードを添えて。その詞の意味合いからもオープニングに演奏される事が多かった「Wanna Be Startin' Somethin'」、最後の方で流れるアフリカ音楽っぽいあのメロディはMJのお気に入りだったManu Dibango「Soul Makossa」を敷いたものだったそう。詩の中ではあのBillie Jeanも登場、“人にすり寄っては嘘をつく♪”と歌われています。ガチャガチャとぶっ壊しながら突進する「Jam」、PVではMichael JordanとMichael共演しましたね。怒りに満ち溢れたMJが咆哮しまくる「They Don't Care About Us」、一説ではあのドカドカと叩かれるビートはQueenの名曲「We Will Rock You」からの着想ではとの話も。そのトラックの透明感とMJの透き通った綺麗な歌声が素晴らしい「Human Nature」はTOTOのSteven Porcaroが書いた曲で、彼らが当時送ったデモ数曲の中で唯一骨組みだけのラフな曲だったのを、Quincy Jonesが気に入って採用したのだとか。「Smooth Criminal」はもう文句無しにカッコイイ、ダンスでギャングを殺すだなんて凡人には考え付かない発想(天才)。MJ製作でそのアルバム『Bad』収録の「The Way You Make Me Feel」は、そのメロディ調から『Thriller』の頃に書かれた曲なのではなんて話も。The Jacksons時代の曲「Shake Your Body(Down To The Ground)」は、MJが初めてペンを執って書く事の出来たターニングポイントな一曲としての収録でしょうか。「I Just Can't Stop Loving You 」はSiedah Garrettとのデュエットですが、当初はBarbra Streisandにデュエットの依頼を申し込んでいたのだとか。Rod Tempertonが書いた「Thriller」は当初「Starlight」という曲名で書かれていたのを、Rod TempertonがMJがホラー映画好きなのを知り、ああいった不気味な詩の内容に変えたのだとか。「Beat It」であの激しいギターソロを聴かせているのは御存知あのEdward Van Halen、彼はQuincy Jonesからのオファーで参加を快諾、“あれ(この曲への参加)は好意だから”とセッション代は受け取らなかったとか(美談)。完璧にロックしてくれた「Black Or White」はGuns N' Roses(当時)のギタリストSlashが参加、この曲も大好き。地球の危機を歌った「Earth Song」は、環境破壊に疎かった米国でなく興味の高い英国でヒットした曲で、ロンドン公演だからこそ(でないと)収録されなかったであろう一曲かも。そして誰も思わず踊りたくなる不朽の名曲「Billie Jean」、この曲は後にデモも公開され、実質MJが一人で殆どこの曲は完成させていた事が分かります。MJが腰振り踊るあのベースとビートのみのイントロは当初、Quincy Jonesに“長過ぎるから短くした方が良い”と助言されたのを、MJは“そこが良いんじゃないか、あれを聴いていると踊りたくなるんだ”と言ってそのままにしたのだとか。ちなみにMJはこの曲の登場人物である女性、Billie Jeanは“あなたに妊娠させられたという内容で自殺する日時と方法を書いた手紙と凶器を送ってきた”実在の人物だとも発言していたり、“あれは僕の長年に渡って悩ませてきた類の人達の象徴を表した”架空の人物だとも話しています(ちなみみにQuincy Jonesは“無断で敷地内に入るなり“あなたは私の双子の片方の父親だ(!?)”と詰め寄った女の子の事だ”と発言している)。最後を飾るのはゴスペル調のあの煌びやかなメッセージ曲(作詞作曲にはSiedah Garrettが参加)「Man In The Mirror」、名門一家The WinansやAndrae Crouchが参加した重厚で輝きに満ちた一曲が素敵。
そしてDeluxe Editionにはもう一枚、CDが付いていて、僕はこちらが目当てで購入したとも言えます。まずはMJの、そして世界を代表する“泣きの一曲”といえる失恋バラードのデモ「She's Out Of My Life(Demo)」、アコースティックギター一本で聴かせるこのバージョンも良い、冒頭の“間違えたからもう一度いいかな?”と聴くMJが可愛い。この曲をレコーディングする時、“MJが歌う度に泣き、毎回最後のところで必ず泣くんだ、11回くらい録り直したと思う”と後にQuincy Jonesは語っています。あとは「Wanna Be Startin' Somethin'(Demo)」、MJの細いファルセットと多重録音のみで一人アカペラの如き「Beat It(Demo)」も収録。特に後者はMJの歌声を存分に堪能できてまた違った味わい、これはこれでカッコイイです(痺)。そして最後には地球を愛し大事にしたMJが綴った詩の朗読「Planet Earth」も収録、たくさんの音源がまだ残っているのですねぇ。
普通のベスト盤とはちょっと違った趣で(絶対にベスト盤としては収録しなければ成立しない曲が、やっぱり収録されていない)、やはりこれは映画『This Is It』のサントラ盤なんだと痛感しました。とにかく映画を観に行った帰り、その足でレコード屋に立ち寄ってこの一枚を手にして欲しいし、そうすべきです。まぁそう言わなくてもきっと、映画を観た人は絶対に欲しくなってこの一枚を購入するでしょうね(笑)。
2009-11-06
映画『This Is It』を観てきました……

10月28日より二週間限定で全世界同時公開され、ここ日本では二週間延長上映も決まった、Michael Jacksonの遺作『This Is It』、先ほどやっと観る事が出来ました(待望)。
ずっと観たかったけれど休みで行ける日が無くて、しかもレイトショーで1000円でないと観れなくて(貧乏)、その二つのタイミングが合致したのが今日、もう日付変わってますが(笑)。“King Of Pop”のMichael Jacksonの雄姿を観られるという事で、かなり多くの観客がいてそこに驚き、やっぱりMichael Jackson(以降はMJと表記)って凄い存在なんだなぁとしみじみ実感。ちなみに僕は、独りで観に行きました、じっくりと感傷に浸りながら鑑賞したかったので。

監督は大人気映画『High School Musical』を手掛けたKenny Ortega、本編にもかなり出演しており、MJとの会話などによって自然と舞台裏を案内する案内役となってくれています。ミュージカル映画を手掛けただけあって、観せ方も本当に素敵で、なんの違和感なく本編を楽しむ事が出来ました。MJと監督の会話のやりとりもまた、MJの人柄が滲み出ていて、なんか心が温かくなりました。ちなみにKenny OrtegaはMJのヒット曲「Beat It」のPVで、振り付けを考案しギャングのボス役で出演しダンスしていた人物なんだとか(凄)。

とにかくダンスシーンも満載、本編で特筆すべきは選ばれし若きダンサー達。ダンサーの皆がMJとの共演を夢に見て、それが叶ってもう大興奮、気合の入り様が半端ないです(感)。それにダンサーのオーディション風景があったんですがこれも凄くて、大勢のダンサーがステージに上がり一斉に同じ曲を踊る、その様も圧巻で見応えあり。特に女性陣が凄く綺麗だしセクシーだし、もうナイスバディで、それこそその時だけはMJそっちのけの僕がいました(下心)。中でもとりわけMJがソロで「Billie Jean」のリハーサルをやっているのを、舞台下から見守るダンサー達(というよりスタッフ全員)の興奮ぶりったらない(笑)、じっと固唾を呑みながら見守っているかと思うと、次の瞬間には大きな歓声を上げていたり、もうすごく純粋に嬉しそうで。

リハーサル映像という事でMJも歌もダンスも軽く流していて、それが逆にまた新鮮で感動しました。いつだって完璧主義のMJは完璧なステー人グのみを魅せていた訳で、普通ならば絶対に観られないであろう映像だったと思います。だからこそ“MJはこの映像を明るみに出して欲しくなかったのでは?”と考えるファンも多い様ですが、MJが亡くなった今、こういう形であれMJの歌って踊る最後の姿を観れたのは、もうただただ感動するばかりでした(涙)。

そして全編を通じて驚いたのがMJのエンターテイナーとしての才能、彼はバンドの演奏からバックのコーラス、ダンサー達のダンスの細かい指導から照明のタイミング、音響の大きさや質、そしてステージの演出まで、全てに関してMJのアイデアが溢れ、徹底的に構築されていきます。MJの感覚的なもの(感性)でのみ表現されるものだから周囲は大変(笑)、スタッフから“もっと具体的にいうと?”なんて言われる場面もあったりします。でもMJは嫌な顔ひとつせず熱心に説明し、納得いくものを仕上げる為の努力を惜しみません(完璧)。

このライヴ、本当に生で観たかった(悔)、ここに映るMJは元気で輝きに溢れていて、観ているとMJがもうこの世にいないだなんて事が信じられなくなります(涙)。彼ほどの突出したアーティストはもう誕生しないんじゃないかと思います、それぐらい圧倒的なセンスと存在感をスクリーンを通じて感じました(感動)。Michael Jacksonを知らない人でも観たら絶対に彼のファンになる、絶対に劇場に足を運んで観て欲しい一本です。劇中で流れる曲もすべてが誰もが聴いた事のある名曲ばかりで、僕は観ている間ずっと口ずさんでしまいました(恥)。早くDVD化されないかな、もう一回観たいです。
追伸: あと、エンドロールは最後まで観た方が良いですよ、最後にもワンシーンがありますので。
2009-11-03
Xzibit「Man Vs. Machine」

西海岸はL.A.出身の濁声MC、Xzibitの通算四作目となる『Man Vs. Machine』を御紹介。その編み編みな頭でMTVの人気番組“Pimp My Ride”のホストを務めたXzibit、人気者で御座います。その濁声も結構インパクトがあって、ハードコアな部分もキッチリと持っててそこもアルバムが売れた一因なのかな。
それでは内容を簡単に触れておきたいと思います……まずはRockwilder製作の鉄工所チューン「Release Date」で幕開け、Rockwilderらしいガチガチ硬いトラックにXzibitの喉をガラガラ通す濁声フロウが低く這うシリアスな一曲。「Symphony In X Major」はDr.Dreが客演参加、なんですが製作はRick Rockが担当(Dr,DreはMix担当)。ちょっぴりオペラ交えたこのシンセオペラがなんとも奇怪な一曲で、これならBusta Rhymesの方がもっと面白く出来たのではないかと思います(辛口)。Denaun Porter製作の「Multiply」はNate Doggが客演参加、プワプワと上下する変てこなシンセに単調なビートが乗っかり、その上をXzibitが冷徹に滑走し、Nate Doggがマッタリとベタな歌声で彩るウェッサイなノリの一曲。「Break Yourself」は再びRick Rock製作曲(Additional VocalでTruth Hurtsが参加)、ティロティロと上下し流れてゆく垂れ流し系の宇宙シンセ曲に、Xzibitの男臭い濁声が唾飛ばし歯切れよく走り回るThe Neptunesっぽくもある一曲。「Heart Of A Man」はJelly Rollが製作を担当、あのTotoの名曲「Africa」をネタ使いしたふんわりと浮遊する流麗なメロディが素敵だし、結構澄んだ歌声で華やかに染め上げるJelly Rollの歌フックにも注目のナイスな一曲。そのJelly Rollが次はRockwilder顔負けのバキバキ鋼鉄チューンで尖って跳ねるビートを提供した「Harder」もアガる、Golden State Projectが客演で参加。Dr.Dre製作の重低音鳴らすドカドカ突き進む迫力がたまらない「Choke Me, Spank Me(Pull My Hair)」は痺れる出来映え、Xzibitの声色変えたフロウも癖があってかなり巧い。しかしここで特筆すべきは舐める様な挑発的な歌フックがエロい女性シンガーTraci Nelson、彼女の分かり易いエロフックが素晴らしいスパイスに。続いてもDr.Dreが彼らしいシンプルでダークで音数少なく仕上げた「Losin' Your Mind」、Xzibitのしゃがれた男臭いラップとは好対照のSnoop Doggのユルユルだるいラップが混ざります。「BK To LA」はBrooklynの猛者M.O.P.が参戦、製作はそのM.O.P.の盟友ともいえるTy Fyffeという事で間違いなし(興奮)。シリアスでゴシック調のトラックにM.O.P.が灼熱声で吠えるこの曲は、完全にXzibitが喰われていますが仕方ありませんね(健闘)。「My Name」はEminemが製作を担当、ここでもEminemが客演参加し完全にXzibitを喰い散らかしています(毒々)。Eminemを中心にしてXzibitとNate Doggが援護射撃している感は否めませんが(Nate Doggもコンピュータチックな歌声加工がイカシてます)、かなりナイスな一曲な事は間違いなし。「The Gambler」は僕的にたまらない組み合わせ、B!nk製作でAnthony Hamiltonという粋なコンボ炸裂で速攻でやられます。B!nkらしいシンプルに硬質に鳴るブレイクビートがソウルフルでタイト、そこに絡むAnthony Hamiltonの渋い緑茶声で一気に煙たくソウル感が増します(痺)。Rick Rock製作の「Missin' U」はマッタリソウルフルなトラックに、宇宙船がトリップする様なシンセが飛んで絡む面白い一曲。ここでなかなか甘い歌声を披露しているのは、Andre "Dre Boogie" Wilsonなる男性シンガー。「Right On」はErick Sermon製作の木琴叩く様なポカポカ音が面白い、ちょっぴりファミコンチックなチープな電子曲。
本作にはこれらに加えてもう一枚、ボーナスCDが付属していまして、こちらがまた侮れない曲が収録されています。まずはB!nkが製作でTraci Nelsonが客演の「My Life, My World」、シリアスで甲高いキンキン金属ビートがひんやり格好良くて素晴らしい。「What a Mess」はなんとあのDJ Premierが製作、Primoらしいディープで影のあるピアノループにピュンピュン光線音が走り抜ける&鬼スクラッチがギュルギュル鳴る激渋な一曲で、Xzibitもバッチリ決めてくれています。最後を締め括る「(Hit U)Where It Hurts」はRockwilderが製作を担当、どこかG-Unitっぽい重低音がおどろおどろしい危険な香りプンプンの男臭いストリート曲でカッコ良さも抜群。
うん、Xzibitはまず声がキャラ立ってるんで僕も結構好きです。本作ではかなり豪華な製作陣&ゲスト陣が配されていて、その点でもそんな聴いていて飽きる事もないと思います。僕としては大好きなProducerのB!nkが製作している曲が多かったので、そこもお薦めの点かと思います。
2009-11-02
Nate Dogg「Music & Me」

西海岸を代表するベテランギャングシンガーNate Doggの通算二作目となる『Music & Me』を御紹介。その上手いのかどうか時々微妙に感じてしまう“下手ウマ”な歌声が最大の魅力のNate Dogg、その客演の多さは凄まじく、数々のヒット曲で素晴らしい援護射撃を撃ち放っています(功績)。あのSnoop Doggの従兄弟で、そのSnoop DoggとWarren Gと三人で、213なるグループも結成していますね。
それでは気になる内容を御紹介致しますと……幕開けからして僕は要注目、僕のお気に入りのあのB!nkが製作した「I Got Love」だからです。Donny Hathaway「I Believe To My Soul」を敷いた燻し銀ソウルフルがギラギラ光る真っ黒なトラックに、Nate Doggのゆる〜く震わす喉がマッタリ味わい深い一曲。続く「Backdoor」もB!nkが製作、ここではなんというかちょっぴりアラビアンで異国情緒の溢れる砂漠なトラックを提供。Megahertz製作のギュイギュイと歪んで唸る電子音とぐわぐわ鳴るトークボックスが奇怪で機械な「Keep It G.A.N.G.S.T.A.」はLil' MoとXzibitが客演参加、こういうダークでドロっとしたトラックだとNate Doggの歌声が澄んで聴こえるから不思議(笑)、Lil' Moは相変わらず可愛くも力のある歌声で華を添えてます。Xzibitは濁声で吠えていてこの曲によくお似合い、というかこの曲はカッコイイですねぇ。「I Pledge Allegiance」はDr.Dreの右腕(?)Mel-Manが製作を担当、Clay Pitts「Tiger Theme」をあしらった真っ黒70年代ソウルの香りプンプンのトラックが渋い、Nate Doggの平坦に歌い上げるフックもカチッと嵌ってますね。しかも途中からあのPharoahe Monchが火を吹くラップで援護射撃を撃ち放つから痛快、これがナイスアクセントでバッチリ盛り上げます。「Your Woman Has Just Been Sighted(Ring the Alarm)」はJermaine DupriとBryan Michael-Coxの御馴染みタッグが製作、彼ららしいちょっぴりアジアンな弦音っぽいシンセが軽やかに鳴るメロディに、絶えずアラーム音が騒々しくなる完璧So So Defな作りの一曲。これだけ騒々しい分、Nate Doggの単調でマッドな歌声がより誇張されて耳にこびり付きます、そこに絡むJermaine Dupriの鼻声ネチネチラップが良いスパイス。「Your Wife」はDr.Dreが製作&客演参加(Mike Elizandoとの共同制作)、これまたDr.Dreらしい単調な鋼鉄ビートがガッチガチな一曲。再びMegahertzが製作の「Can't Nobody」はKuruptが客演、これまたバッチバチなシンセクラップが弾ける様に跳ねるビートで、Nate Doggの多重録音された歌声とKuruptのラップがワルにキメてくれるナイスな一曲。「Concrete Streets」は西の大御所Battlecatが製作を担当、これが西らしいゆるめのビートにピュンピュピュピュンな宇宙光線音が面白い一曲で、Nate Doggのまったりマッドな歌声に難なくフィット。「Real Pimp」はB!nk製作でビュイーンビュイーンと波打ち鳴る電子メロディに、民族っぽい打楽器音がポカポカ鳴るR.Kelly節の一曲で妙味です。そこにあのLudacrisがあの野太い声で、骨太に木っ端ドカンとかましてくれます。Fredwreck Nassar製作の「Ditty Dum Ditty Doo」は盟友Snoop DoggとTha Eastsidazが客演、やはりSnoop Doggとの相性が抜群で、カッチリ音が聞こえそうな程にハマッててしっくりきます。「Music & Me」はDimizzaが製作、うんコレはこれで良い感じ。最後を締め括るのはオマケな感じのRemix物「I Got Love(Remix)」、しかし侮るなかれあのFabolousが冒頭から登場しガツンと鼻声スウィートなラップで魅せてくれます(惚)。他にもB.R.E.T.T.とKuruptもマイクを回していますが、ここはFabolousに要注目かと。しかし本作のハイライトは中盤に登場する「Another Short Story」で決まり、製作はあのMike Cityですからねぇ(感動)。Mike Cityらしいオシャレに煌めくキラキラスムージーチューンがほんのり甘酸っぱく、そこに絡むNate Doggのまったりとまどろむ甘めの歌声が気持ちよ〜く伸びる素敵なミッド曲、これがかなり気持ち良くほんのり輝いてて僕は好きです。
Nate Doggの歌声は結構好きなので、それなりに楽しめました。ただやはり下手ウマな印象なので、じっくりと聴かせる(聴かせられる)一曲がなかったが惜しいかな、やはりR&B盤となるとそういう一曲を求めてしまうから(我侭)。そういう意味でも彼が客演の名手なのが頷けるかもしれません、でも適度に客演も呼んでいるのでそこも上手い。最近はどうも体調が良くないらしいNate Dogg、早く回復してその下手ウマな歌声を聴かせて頂きたいです。
2009-10-29
Take 6「Beautiful World」

Alvin Chea、Cedric Dent、Joey Kibble、Mark Kibble、Claude McKnight、David Thomasの六人から構成されるアカペラコーラスグループ、Take6が贈るカバー&リメイク楽曲を集めたアルバム『Beautiful World』を御紹介。圧倒的なコーラスワークで世界を魅了し続けるTake 6、彼らが20世紀を代表する素敵な楽曲をカバーして歌うという夢みたいな一枚で御座います(御馳走)。このセピア調のジャケットがまた素敵じゃないですか、すごく期待が高まりますよねぇ。
それでは気になる内容について書いておきます……まず特筆すべきは本作の全曲製作を務めたProducer、これがなんとあの大御所Marcus Millerなんで御座います(拍手)。Marcus MillerといえばあのLuther Vandrossと多くの名曲を生み出した人物、これならもう安心で御座います。まずはドゥーワップ的なノリがなんともアカペラの極意な「Takin' It To The Streets」はMichael McDonaldのカバー、もうほぼ楽器の音は聴こえなくてTake 6のハーモニーだけで極上のグルーヴを生み出しています。ただ途中でDavid Sanbornのサックスが炸裂してて、それがまた躍動感を生み出しています(最高)。そのイントロからしっとりと柔らかなメロディに溶けてしまう美曲「People Get Ready」はCurtis Mayfieldのカバー、繊細で高らかクリーミーなファルセットがどんどんと熱を帯び包み込む、最高にウォーミーな一曲にウットリ(恍惚)。乾いたギターをビンビンと爪弾くフォーキーでタイトなブルース調の「Grandma's Hands」はBill Withersのカバー、Hip Hopっぽいアプローチで少し斜に構えたようなハーモニーが悪カッコイイし、途中で挟まるトランペットがまた渋くてたまらない。「Love's In Need Of Love Today」は王道Stevie Wonderのカバー、ちょっぴりJazzyでライトなタッチの明るく輝くメロディで胸が躍るし、Take 6のキラキラと輝く優しくスムーズなハーモニーが気持ち良く響き渡ります(愛)。「Beautiful World」はDonald Faganの同名曲を詞やメロディにTake 6がアレンジを加えたリメイク曲、ちょっぴりファンキーな演奏にスナッピンを被せ、そこにTake 6の幾重にも織られた美し過ぎるクールなハーモニーが冴える、エッヂの効いた一曲。ミステリアスなメロディにTake 6のコーラスが深々と染み込んでゆく「Don't Give Up」はPeter Gabrielのカバー、ただ途中から雲が消えて晴れ間が差すようにメロディが綺麗に明るくなって、その転調具合にハンドクラップとTake 6の高らかな歌声がハイに響いて、完璧にゴスペル曲になるのが痛快で好き。「Wade in the Water」はRamsey Lewisのカバー、これもTake 6のハーモニーにゴクリ飲み込まれて跳ねちゃうし、最後のMichael Stewartのトランペットが最高に渋い。「Someday We'll All Be Free」はDonny Hathawayのカバーで、そこに愛娘のLala Hathawayをゲストに迎えるという嬉しいコンボ技(興奮)。キラキラと眩しくも自由にゆっくりと駆け回るようなメロディは最高に心地良いし、Lala Hathawayの温もりと艶やかさを感じる綺麗な歌声もすごく透ってて素直に美しい(惚)。「Everlasting」はMarcus Millerによるインスト曲、これも聴き逃し厳禁でインストといえどその楽器の中にはTake 6のハーモニーも入ってます。「Fragile」はあのStingのカバー、ちょっぴり悲しげで影のある風吹きすさぶようなメロディセンスはStingならでは。ギター旋律も寂しげな、非暴力を唱えるメッセージソング。「Peace In The Valley」はThomas Dorseyのカバー、もうこれは王道中の王道なアカペラナンバーでどっぷりと聴き惚れるより無い一曲。最後を飾る「Lovely Day」は再びBill Withersのカバー、輝かしく温かな希望に満ちた明るくハッピーな一曲で、Take 6の舞い上がるようなハーモニーと共に気持ちも踊る名曲中の名曲で素敵。国内盤にはこれらに加えて、新たにラップパートも加えたちょっぴりガチャガチャな「Takin' It To The Streets(Remix)」
をボーナス曲として収録しています。
こういう形で古き良き音楽に出逢えるのは嬉しい限りですね、しかもそのプレゼンターがTake 6、もう最高の組み合わせで御座います(幸福)。知らない曲が多かったけれど、とてもTake 6の歌力のおかげで充分に楽しめました。たまにこういうアカペラ曲を聴きたくなる時ありますよね、そんな時はTake 6がうってつけで御座います。個人的にお気に入りはLala Hathawayと共演した「Someday We'll All Be Free」、この一曲狙いで購入しても損はしませんよ。
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