RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Jose James「Love In A Time Of Madness」
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現行Jazzシーンにおいて重要なシンガーの一人であろう、Jose Jamesの通算七作目となる『Love In A Time Of Madness』を御紹介。まだR&Bならば少しは齧っているので知っている部分もあるのですが、ことJazzに関しては全くの無知なのでJose Jamesに関しても話せることは皆無(苦笑)。それでもJose JamesはR&B分野でも語られることの多いシンガーなので、一応『The Dreamer』と『No Beginning No End』の二作品は持っていて聴いています。そんなJose Jamesの本作『Love In A Time Of Madness』は、世界各地で起こっている貧困、人種、女性、移民への差別などの問題に向き合って、日々の暮らしや愛の大切さを歌ったR&Bアルバムになっているのだそう。そうなんです、R&Bアルバムなんです(驚)、という訳で気になって買ってみたんですね。
それではその路線変更は吉と出るか凶と出るか・・・・・・まず本作の制作に関しては、大半の楽曲をTarioなる人物が手掛けておりまして、なのでまずはTarioの制作曲から触れていきます。ひんやりとして霜が降りるようなキラキラした冷たさが美しいフローズンミッド「Always There」、Jose Jamesのそっと囁くようなヴォーカルが夜風のように揺れるのがなんとも心地良く、なんだかミステリアスでこれまでのJose Jamesとはやはり違う。そんな真夜中な空気感を保ちつつ妖しく漂うトラックが夜霧のような「What Good Is Love」、途中で鳴るピコポコとした音色がまるで霧散する月明かりのようで、Jose Jamesのひらひらとしたヴォーカルも妖艶で素敵。まったりと流れを変えて陽の光を採り込んだ「Let It Fall」では、なんと客演にMali Musicが参加。アコースティックギターと乾いたパーカッションが和やかに鳴るトラックはとてもボタニカルで、大きな河をゆったりと漕いでゆくような感触でとても長閑なソウル。こういう自然由来の無添加なトラックになると、どうしてもMali Musicの方が上手くて喰われてしまうJose James(惜敗)。コンピュータチックで少しノイジーな音色が明滅しながら流電するネオンみたいなミッド「Last Night」、Jose Jamesの真夜中に妖しげにぼやけて輝く電光のようなヴォーカルがまた趣深く、ねっとりと絡み合った昨夜の密会を湿やかに思い出して溺れるようなトリップ感。Jose Jamesなりのファンクをなんとも爽やかな薄荷味で仕上げた「Live Your Fantasy」は、Jose Jamesのふわっとしたキャラメルマキアートのようなヴォーカルでほんのり甘いのがナイスな塩梅。「Ladies Man」もまたベース弦がメリメリと鼓膜にめり込んでビートを強調して反り立たせるファンキーなトラックで、Curtis Mayfieldみたいに繊細で滑らかなファルセットを聴かせるJose Jamesが面白い。夜空に浮かぶ満月のように丸く柔らかな光に包まれるしとやかなムーンライトバラード「To Be With You」、これはもうJose Jamesの真骨頂という事でただただうっとりと鼓膜を任せて漂うだけで、月明かりの下で絹のドレスを着て踊るようなヴォーカルは美しいの一言に尽きます。「Closer」はちょっぴりチョップドスクリュー感の残ったトラックがエッヂーで格好良く、だからこそ果物をギュッと粗く絞ったようなドロッとしたJose Jamesの甘酸っぱいヴォーカルを鼓膜がゴクゴク聴く事の出来る旨味。Oleta Adamsを客演に迎えた「I'm Yours」はピアノ鍵盤の壮麗な響きが胸を打つバラードで、二人のヴォーカルが絡み合って大樹の様にどっしりとそびえる静かで大きな癒しの一曲。とここまでがTarioの制作で、あとの楽曲はLikemindsなる人物が制作を担当しておりまして。まずは、ツタツタと叩くドラムスがまるで、夜更けを超えて朝の陽の光を迎えて高揚する胸の鼓動にも似て愛おしい御来光ミッド「Remember Our Love」で、聴き手の体温をじわじわと上げてくれるJose Jamesの朝日のようなヴォーカルがたまりません(痺)。都会の夜にチカチカちらつくネオンサインに群がる虫の羽音のような電子音に、Jose Jamesのヴォーカルが優しくもひんやりと冷たく鼓膜をくすぶる夜風のような「You Know I Know」もダークでこれまでにないカッコ良さ。「Breakthrough」はぼわんぼわんと波紋を広げる音色が、まるでかじかんだ指を温めてやんわりと感触が戻るのに似ていて、それはひとえにJose Jamesのヴォーカルが澄み切って輝く陽光のようなだから(再認識)。

思ったより攻めたサウンドになっていて驚きを隠せないし、こういうサウンドをJose Jamesが纏う日が来ようとは。これはやはり賛否両論を巻き起こしそうな一枚で、純粋なJose Jamesファンには受け入れ難いのかなという印象が素直なもの。かといってR&B愛好家に歓迎されているかというと、なんだかそうでもない感じもしますし。僕も必ずしもこれをJose Jamesが歌う必要があったかと問われると迷うけれど、でもR&B好きな僕としては素直に聴き易かったです。Jazzシンガーとして優秀なJose Jamesだからこその難しさ、みなさんはどう受け取っているのだろう。






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Kid Cudi「Passion, Pain & Demon Slayin'」
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これだけ多種多様な才能が集う中でも異色を放つMC、Kid Cudiの通算六作目となる『Passion, Pain & Demon Slayin'』を御紹介。あのKanye Westが惚れ込み、そのサウンド世界観をも模倣した(と思われる)Kid Cudiの独特な月世界作品は見事の一言。デジタル配信のみであった四作目以外、1st『Man On The Moon: The End Of Day』2nd『Man On The Moon II: The Legend of Mr. Rager』3rd『Indicud』とどれもが僕のモロ好みで、年間Top10ランキングでも常にランクインしております。Kid CudiはKanye WestのG.O.O.D. Musicを円満離脱し自主レーベル“Wicked Awesome Records/Republic Records”を設立し活動するも、Kanye Westへの不満をぶちまけ不和が囁かれると、あのKanye WestがKid Cudiを讃える言を述べたことで不和も大きくならず収束。その後、鬱と自殺衝動のためにリハビリ施設に自ら入ったと告白、Kanye Westへの発言もそれがどうやら影響していたようで、皆がKid Cudiの精神面を安じておりました。しかしそんな中でこの新作をKid Cudiが発表、しかもゴッツリ二枚組という事で大ファンの僕としては涙が出る程に嬉しかったのです(歓喜)。
という訳で涙でPC画面が滲んで見えませんが感想を打ちます・・・・・・本作を語る上で重要なのはその構成、二枚組であるという点が一点。もう一点は大きく四分構成に分かれており、これは傑作デビューアルバムと同じ試みでこれも本作への期待値を一気に高めます。まずは第一部となる“Act I: Tuned”から。「Frequency」は制作をKid Cudi、Plain Pat、Mike Deanが共同で担当しており、地の底で蠢くマグマのようなトラックの中で、静かに延焼するように揺らめくKid Cudiの焔みたいなフロウが鼓膜をジリジリと焦がすのがもうたまらない(恍惚)。ぼんやりと海月が発光して漂う夜の海のように、妖しい月光を水に溶いてその中に溺れるような幻想的な「Swim In The Light」。制作はKid CudiとMike Deanが担当しており、Kid Cudiのヴォーカルもエフェクトを施してひらひらと泳ぎ回り、メロディをマーブルに仕上げ聴き手を音の深海へと溺れる錯覚を起こさせるのが魔法。闇夜の冷たい森の中を彷徨うようなトラックがなんとも恐ろしくも美しい「Releaser」、制作はKid CudiとPlain Pat、Mike Deanが担当。黒く棘のある暗闇を静かに踏みしめて、Kid Cudiの濃霧のようなフロウが聴き手を支配し纏わり包み込んでしまうのもまたKid Cudiならではの新感覚。Pharrell Williamsが制作を担当した「By Design」は、真夜中のネオンの瞬く街並みの遥か上空を滑空するような電子音と速度がスムースで心地良い。ビートやメロディのアプローチで言えば流行りのトロピカル風味なんだけれど、Kid Cudiのラップが絡まると、途端にそこに闇が生まれて音という光を瞬く程度にブラッシュしてしまうのが面白い。しかも客演にはAndre 3000 Benjaminが参加し、Andre 3000らしいコズミックでいて洒脱で鮮やかなラップが弾けるのも超絶クール。宵の明星のようにダークブルーの空間を鋭く引っ裂く一筋の光のようなシンセの輝きがシャープな「All In」、制作はMike Will Made Itが担当しており、その微細き光芒に声を絡めてダークな空間を遊泳するKid Cudiのラップがやはり幻想的でカッコイイ。続いては第二部、“Act II: Prophecy”です。大きな満月が輝く少し異様な明るさの真夜中、不思議な引力にみちびかれるように体中の水分が震えるような「Illusions」はMike Deanが制作を担当。このトラックもやはり月世界を自在に遊泳するロケットのような、Kid Cudiの無重力仕様なラップがふわふわと脳内をくるくる漂うのがたまらなく幻想的(溜息)。闇世の中を松明を掲げ行進するような力強く荘厳な黒瑪瑙チューン「Rose Golden」、制作はKid CudiにPlain Pat、Mike Deanが共同で担当しております。ここではWillow Smithが客演で参加しており、黒瑪瑙のように黒く重たく輝くKid Cudiの低音フロウが硬く尖った光を放ち、そこに薔薇の花びらのようなWillow Smithの艶やかで刺々しい歌声が伝うのも美しい。Kid CudiにPlain Pat、Mike Deanが共同制作し、Ataraxia「Deja Vu」を下敷きにした「Baptized In Fire」では、どこか似た世界観を構築しているように思うTravis $cottが客演参加。鋭く青白い月光が冷たい夜霧に散るようなトラックの中で、ひらひらと舞う夜光虫のように妖しく瞬く両者の暗澹としたラップが鼓膜を侵食する。再びPharrell Williamsが制作を担当した「Flight At First Sight / Advanced」ではPharrell Williamsが客演参加、サンプリングにはLeslie Davis「Cambell Soup Gospel! God Is Mmmmmm Gooood!」を使用。星屑のようにキメ細やかな粒々した輝きをちらつかせるシンセ&ビートのトラックはやはり壮麗で軽やかで、後半になるとジャングルチックに鼓ビートが踊り出し、Kid Cudiのシルバーに輝く滑らかなラップが滑空するのもグッド。真夜中に轟々と燃え盛る炎の前で踊るような民族的な「Does It」は、大気圏へと突入する時に轟々と炎を上げてそのまま宇宙空間に放たれるような、そんな闇夜を煌々と照らすようなKid Cudiのラップが躍動感溢れくっきりと鮮やかで美しい。
ここからはDisc 2になり、第三部となる“Act III: Niveaux De L'Amour”に突入。まずは「Dance 4 Eternity」、制作はKid CudiとPlain Patが共同で担当。波打つネオンシンセに接続して煌々と輝くトラックにはまるで、冬の星座のようにくっきりと澄み切って尖った輝きを放ち、夜風のようなKid Cudiのラップが煌めきをひらひらと瞬かせるのが美しく心地良い。同じくKid CudiとPlain Patが制作を担当した「Distant Fantasies」は、深夜に朦朧と夢魔に蝕まれるような深く暗く蠢くトラックと、そんなどっぷりとした夢遊感から切り離すようにKid Cudiの苦味が滲むカフェインみたいなラップが侵食し合うのもまた快感。月光を遮るように雲が流れるみたくダークな電子音がマーブル模様に広がるトリップスロウ「Wounds」、制作はKid CudiとJ Grammが共同で担当しており、その雲の切れ間から時折漏れる冷たい月光みたいなKid Cudiのラップがクール。「Mature Nature」はKid CudiとPlain Patが制作を担当し、嫋やかなストリングスがするりとほどけて鳴るミッドはまるで流星群が過ぎゆき消えるのを眺めるような繊細さで、Kid Cudiのオーロラのように闇に光の襞を閃かせるような柔らかなフロウが幻想的。スルスルと鳴り響くストリングスがまるで星降る夜のように煌めくミッド「Kitchen」はKid CudiにDot Da Genius、Plain Patが共同で制作を担当しており、Kid Cudiの無重力で銀河を漂うラップヴォーカルがなんとも面白い一曲。ここで第三部は終わり第四分、“Act IV: It's Bright And Heaven Is Warm”へ。まるで真夜中にあがる無数の花火のように輝いては散って消えゆく音色が儚くも美しい「Cosmic Warrior」、制作はDot Da Geniusが単独で取り仕切っています。そんな火花の波間をゆらゆらと揺蕩うKid Cudiの宇宙遊泳フロウがSFチックで、言葉の端々が無数の星のように瞬き光るのがまたカッコイイ(溜息)。Kid Cudiの呻きと吐息に囁きも含ませたフロウがじわりじわりと毒気を滴らせる、真夜中に虚ろに覚醒する不眠症チューン「The Guide」。制作はKid CudiにDot Da Genius、Plain Patが担当。ここで再びAndre 3000が客演参加するのですが、これがまたAndre 3000らしい綺麗に整列した粒選りの言葉を並べたダイヤのようなラップで美しい。偏頭痛で歪んだようなビートの乱立の中で、白昼夢みたく白んで暈けたメロディがズキズキと躍動する「The Commander」は、Kid CudiにPlain Pat、Mike Deanが制作を担当。Kid Cudiのインソムニアなラップがじんわりと浸食するのも味わい深く、カチカチと言葉(文字)が浮かんでは角砂糖のように溶けてゆくような感触がたまらなく素敵。最後を締め括るのはPharrell Williamsが制作&客演した「Surfin'」で、これはいかにもPharrell WilliamsらしいトラックでKid Cudiとの相性も抜群。パーカッシブなトラックはギター弦の爪弾きと小気味良いビートに乗せて、煌めく銀河をパドリングするように突き進むのが軽妙で、Kid Cudiの疾走感溢れるラップが星屑の飛沫をあげて煌々と輝くのが滑らかに綺麗。

Kid Cudiのラップはなんだかやはり幻想的で、彼の繰り出す言葉は、月明かりに照らされてぼんやりとした輪郭を浮かべて踊る、静かな真夜中のカーニバルのよう。Kid Cudiに関しては前作『Speedin' Bullet 2 Heaven』も持っているんですがかなりロック寄りな一枚で、そういった意味でも、かつてからの盟友たちと共に創り上げた久方の純粋なラップ作品でとても嬉しかったです。2017年の間違いなく優秀作品ですし、Kid Cudi作品の中でも一二を争う力作だと思います。アルバム一枚で物語を紡げる希有な才能の持ち主、ルックスもファッションセンスも抜群ですし、Kid Cudiのアルバムを題材にして映像化して欲しいと願うばかり(勿論、主演はKid Cudiだ)。それまではこの傑作を聴いて、自分で脳内映写して宇宙空間を彷徨いたいと思います。






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Calvin Harris「Funk Wav Bounces Vol.1」
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米経済紙フォーブスが選ぶ“世界で最も稼ぐDJ”ランキングにおいて2013年から4年連続で1位を獲得している、Calvin Harrisの通算五作目となる『Funk Wav Bounces Vol.1』を御紹介。RihannaやChris Brownなどとのコラボぐらいは知っているのですが、やはりEDMな印象の強いCalvin Harrisなのでアルバムを購入したのはこれが初。というのも本作では“Funk”と“Bounce”をタイトルに冠し、しかも参加している面子も今を時めくR&Bシンガーやラッパーばかり、これはもう買うしかありません。これは発売されて結構時間も経つのですが、発売当時からBlack Music好き界隈の間でもすこぶる評判が良いですね。
それでは今更な感じもしますが聴いた感想を僕なりに・・・・・・一応書いておくと全曲の制作をCalvin Harrisが担当、言わずもがな。まずは「Slide」でスッキリ壮麗にスタート、幕開けまるで淡水のような感触のキラキラ透き通ったトラックに、Frank Oceanの清らか水の流れのように変幻自在で潤いたっぷりなヴォーカルと、Migosの三連符で繋げてゆくラップも玉なりに滴る露のようでサラリ。「Cash Out」ではSchoolboy QにPARTYNEXTDOOR、D.R.A.M.とかなり濃い面々が参加。漣のように寄せてはキラキラとした輝きを弾けさせるトラックはやはり清涼で、そんな炭酸飲料みたいなメロディの中ではこの濃い面々も透明感のある艶やかな着色料となって絶妙アクセントになっていてグッド。Karl Walker & The Charmers「Music Talk」をサンプリングした「Heatstroke」では、Young ThugにPharrell Williams、Ariana Grandeが参加。ヘロヘロと溶けてまったりと絡み付くYoung Thugの甘ったるくも毒があり、そこにPharrell Williamsが彼特有の線の細いファルセットで酸味をプラスし、Ariana Grandeがそこに果汁を搾って踊ってしまうという気持ち良い一曲。 相性が抜群だなと感じたのが、KhalidとFutureが合流した「Rollin」。FutureもKhalidもどこかモヤモヤとした霞ヴォーカルでありながら、どこか淡く明るい色彩も施すことの出来るスタイルなので、朝焼け照らす海岸線にかかる朝靄のようにしっとりと冷たくスマートなファンクチューン。Travis $cottとA-Trackが参加した「Prayers」は、電子鍵盤のプルプルした角切りゼリーみたいなサウンドがカラフルで美しく、遥か彼方の上空で鳴く海鳥のようなTravis $cottの伸びやかなヴォーカルが心地良く響き渡る、思いのほか爽快な一曲でグッド。「Holiday」にはSnoop DoggにJohn Legend、MigosよりTakeoffが参加。これだけファンク風味満載ならばここではもうSnoop Doggが独壇場な訳で、泡のように弾けるSnoop DoggのラップにJohn Legendの優しく降り注ぐ太陽のようなヴォーカル、Migosでは一番目立たない気のするTakepffが海風のようなラップを走らせるのも爽快な沿岸チューン。Ish「I Could Love You」をサンプリングした常夏トロピカルな「Skrt On Me」はNicki Minajが登場し、Nicki Minajしか出来ない歌とラップ(キュートとシャープ)のスイッチで、果肉と果汁が同時に味わえるトロピカルなジュースのような仕上がり(美味)。「Feels」はPharrell WilliamsnとKaty Perry、Big Seanが参加しており、これもPharrell Williamsのミントグリーンな高音ヴォーカルが印象的で、Katy Perryの華やかなヴォーカルにBig Seanのクールで二枚目なラップがカッコイイ、どこか熱帯気候な汗ばんだトラックでホット。KehlaniとLil Yachtyが参加した「Faking It」は、本作中では最もポップ寄りな一曲で、ヴィヴィッドで撥水性のあるKhelaniのヴォーカルとぼんやりと滲むLil Yachtyのラップの対比が面白い。最後を締め括るのはどことなくJazzyなテイストのJessie Reyezの「Hard To Love」で、アコースティックギターの爪弾く音色が夕闇に染まる波音のように静かにそっと寄せては返すミッド。

Calvin Harrisは優れたProducerだろうとは思っていましたが、ここまで美しくFunkを昇華させるとは驚き。Calvin Harrisならではな繊細な味付けでほんのりと甘い、そんな柔らかなFunkに仕立てられていて、従来のポップファンだけでなくR&BやRapファンをも踊らせたのも納得。参加している面子も普段の濃い味トラックを脱して、Calvin Harrisの透明感のあるトラックの中で踊ることで、より鮮明クリアにヴォーカルを聴けるのがグッド。これを機にCalvin Harrisの過去作も聴いてみようと思いました、素直に気持ち良かったです。




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Devin The Dude「Acoustic Levitation」
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Texas州はHouston出身のベテランMC、Devin The Dudeの通算九作目となる『Acoustic Levitation』を御紹介。古くはあの老舗の名門レーベル“Rap-A-Lot“に籍を置き、自身の作品は勿論のこと沢山の名盤に客演もしているDevin The Dude。今はそのRap-A-Lotは円満離脱して、いろんなレーベルを渡り歩きながらもこうしてきちんとリリースを重ねているのは、やはり個性派なDevin The Dudeがシーンで必要とされている証拠ですね。僕もDevin The Dudeの作品は何作か持っているんですが(前作『One For The Load』も発売時に買うもブログ未掲載)、こうして書くのは初めてで御座います。
それではそんな四方山話はさておき本題の感想に・・・・・・まずはR. McQueenが制作を担当した「Can I?」で幕開け、低く渦巻くベース弦の野太い音が重厚で素敵。そんな木目調のシックな高級調度品のような弦音の隙間を縫うように、何処からともなく煙って漂うDevin The Dudeのスモーキーなラップがたまらなくイル(死語)。「Are You Goin' My Way?」はR. McQueenが制作を担当しており、重厚なヴェルヴェットのようにDevin The Dudeのラップが滑らかで心地良く、またクレジットこそされていないけれどL. Leeのソウルフルな甘渋い歌フックのヴォーカルもパルファムのように上品に香るのがたまらない、艶やかでエレガントなミッド。芳醇な美酒に溶かす溜息のように、甘く柔らかなDevin The Dudeのラップが最高に艶っぽくて素敵なヴォルドー色のミッド「Please Pass That To Me」、制作はRoc & Mayneが担当。とってもスローモーションなんだけれど沈鬱などではなく、ふわふわと虚空に舞い上がる煙のような抜け感がたまりません。あまりに煙が充満してどんよりと感覚が重たくなったように錯覚するスモーキーなダウナー「We High Right Now」、制作はR. McQueenが担当しており、客演のRob QuestやJugg Muggらとのマイクリレーも継ぎ目なく緩やかに接触し混ざるのが味噌。奏でる弦音までもがもはやゆらゆらと抹香のように燻るド渋いソウルフルテイストな「By」、制作はR. McQueenで客演にTony Macが参加。Devin The Dudeのヘロヘロと蔓延するラップを聴いているだけで、体のあちこちが麻痺して意識がハイになるのをここらで感じます(中毒)。表題曲となる「Acoustic Levitation」はR. McQueenが制作を担当し、しっとりと肌を撫でる湿っぽい夜風のような感触のR&Bチックなトラックの中で、Devin The Dudeのスチームのように鼓膜空間にじっとりと広がってゆくラップがなんとも艶っぽい。上下に振れて波線を描くシンセがまるで、真夜中に聴こえてくる街の喧噪のようでドラマチックな「I'm In The Galaxy」はJ. Johnsonが制作を担当、Devin The Dudeのラップももう歌に変わっていて、キラキラ輝く夜空を練って溶かしてキャンディにしたようなファンク風味な一曲。またまたR. McQueenが制作を担当した「Tonight」は、トロトロと微睡んだトラックが夢魔のように忍び寄り、眠気に似たあのぼんやりとしたラップを漂わせてDevin The Dudeが微笑むように揺れるのがグッド。どことなく西海岸なサウンドがゆるーく滲んでゆく「Apartment #8216」はSteven C. Espinozaが制作を担当、ドボドボと溢れるような濁流メロディの中でぷかぷかと浮かぶDevin The Dudeの白煙ラップ。ベチャベチャとしたビートがあちこちにこびり付いて侵食するスライムトラック「It's Cold In Here」、制作はChuck Heat-C. Hendersonが担当。ここでもDevin The Dudeはラップせずにファルセットを使ってソウルフルに歌っていて、グニュグニュと押し出される泥みたいな音色との相性も抜群のファンク風味な一曲。深夜のハイウェイを駆け抜けるヘッドライトのような壮麗な眩さがなんとも滑らかな「Due Yo Thang」、制作はR. McQueenで夜露のようにしっとりと冷たいトラックがきめ細かな輝きを反射させ、Devin The Dudeの夜風のように湿やかなラップが柔らかに吹き抜けるのもたまりません(痺)。ネットリと絡ませるしなやかな蜜蝋みたくツヤツヤ輝く甘美なスロウジャム「Don't Get Naked」、制作はRoc & Mayneが担当。ゆっくりと愛を交わすように優しく絡まる官能的なベッドサウンドに共振して、Devin The Dudeの脱力したラップはシルクのシーツに包まれたような滑らかな感触。しとしと降る長雨みたくウェットな90年代R&Bを思わせる低温メロウ「You Know I Wantcha'」、制作はまたもやRoc & Mayneが担当で、ここはDevin The Dudeの雨音みたくポツポツと零すラップで雨に煙るようでしっとり美しい。最後はL. Bakerが制作した「Do You Love Gettin' High?」も90年代R&Bを思わせるしっとりセクシーなトラックで、遥か上空をすーっと飛んでゆくような軽やかエアリーなDevin The Dudeのラップに乗ってただただ上昇するばかり。

煙が目に滲みるならぬ、煙が鼓膜に滲みるな風情を感じることの出来る丁寧な一枚で、流石は長年活躍しているベテランならではの貫禄。煙たいというのは感触としてあるのですが、それが聴いているうちに靄に変わって聴き手をふわふわと異世界へと誘い昇天させるという、昇天する時に漏れる吐息にも似たDevin The Dudeのラップは一点モノでやはり凄いです。






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David Banner「The God Box」
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優れたProducerでありラッパーであり、俳優や市民活動家としても活躍する、David Bannerの通算六作目となる『The God Box』を御紹介。Mississippi州出身のDavid Bannerは主にラップしながら、南部のアーティストに重宝されたくさんの楽曲を提供している賢人。僕もソロ作品は1st以外は全て持っていて聴いているんですが、David Bannerにどハマりしたのはやはり、9th Wonderとタッグを組んだ力作『Death Of A Pop Star』でがっつり好きになってしまいまして。それからというのもDavid Bannerにハマって過去作を聴き返してみたりして、ずーっと長く彼の新作を待っていたんです。その『Death Of A Pop Star』から数えて約7年ぶりとなる本作、David BannerのInstagramとか見ていると、何やらいろんなグッズの入った豪華ボックス仕様のものもあるみたいでそれが欲しかった。
それではザックリとにはなりますが感想を書きましょうね・・・・・・まずは火花が散るほどに激しく尖ったドラムビートが炸裂するアッパー「Magnolia」、制作はChris "THX" Goodmanが担当。火薬で発破したようなトラックの推進力に乗ってDavid Bannerが轟々とラップを響かせ、化鳥のようなCeeLo Greenが歌フックとGlockapellaラップまで聴かせ、終盤ではそれらを鎮火させるようにウォータリーなRaheem DeVaughnのヴォーカルが響くという贅沢仕様。続く「My Uzi」はDavid Bannerが制作で、客演には相性抜群のBig K.R.I.T.が参加。これはもう完璧な南部マナーな泥濘重厚トラックで、その中を泥を撥ねさせてしまうビートに呼応して、David BannerとBig K.R.I.T.が歯切れのいいマッスルラップを絡ませて肉弾戦を繰り広げるのが痛快。再びChris "THX" Goodmanが制作を担当した「Who Want It」ではBlack ThoughtとWatchTheDuckが揃って客演参加、これも砂塵巻き上げるハリケーンのようなドラムの乱打の中で、三者三様のぶん殴るような豪快なアップがブンブンと空を切るのが渋く爽快。飛蚊のような羽音シンセがブンブンと五月蝿い(けれどカッコイイ)「Elvis」はSwiff Dが制作、David Bannerは筋肉質ながらもバキバキ動いて、こういうビートで微塵切りしたようなトラックも器用に調理するから面白い。「Amy」はDavid Bannerが制作を担当したどこかアジアンテイストな弦音が乾いて鳴る一曲で、そんな弦音をもぺしゃんこにするDavid Bannerの重量級のスクラップラップが最高にホット。Frest Factoryが制作を担当した「August」は、広大な銀河を逆さになって遊泳するようなサイケデリックなトラック中で、じわじわとDavid Bannerが幻覚作用を起こしそうなカメレオン模様のラップを変色させ繰り出す一曲。「Cleopatra Jones」はDavid Bannerが制作を担当しており、ギラギラとした輝きを放つシンセの瞬きがドぎつい燃えるようなオーロラ夜空みたく、David Bannerのどこか鉄鋼サイボーグみたいに角張ったラップも面白い。David Banner制作(BassにはDebra Killingsが参加!)した「Marry Me」では、Rudy Currenceが客演(Co制作も彼)で参加。まるで秋風のように少し寂しげで淡い色彩を揺らすアコースティックなバラードは繊細で、木枯らしのように心の隙間をくすぐるRudy Currenceのヴォーカルも、David Bannerの言葉がはらはらと落ちて散るようなラップ&フロウもなんとも儚げで美しい(溜息)。同じくDavid Bannerが制作し、客演にDevon Lewowが参加した「Judy Blare」は酸素たっぷりな鮮烈さが突き抜けた爽快ロックテイストで、ガミガミと噛み付くDavid Bannerの怪獣みたいなラップが案外ファニーでグッド。Kap GにWatchTheDuck、Tim Wise、Kenya Joriと大所帯でマイクを回す「Traffic On Mars」は、有刺鉄線のようにギザギザに張り巡らされたエレキギターの音色がエッヂーな一曲。8x8にD.O.、Speaks、Tyshane & Street Symphonyが共同制作した「Black Fist」では、客演のTITO LOと共に冷たい空気の張りつめる殺伐したダークトラックの中で、暗躍するDavid Bannerの破壊力抜群な拳骨ラップが凶器でカッコイイ。DJ Khalilが制作を担当した「AK」では、客演にRaheem DeVaughnとBig Rudeが揃って参加。これなんかはどこかOutKast的に宇宙が広がる神秘的な星屑トラックで、鉱石的な硬い輝きを放つDavid Bannerがビッグバンを起こしあちこちで弾けて、その後に星空のようにキラキラと瞬くRaheem DeVaughnのヴォーカルがたまりません。本作中で最も好きなのがDavid Banner制作の「Burning Thumbs」で、フルーティとも形容できる果汁滴りがちなアコースティックギターの弦音が甘美で、甘い香りの漂う果樹園のようなトラックも秀逸ですし、その中で転がり戯れるようなDavid Bannerの柔和でキュートな下手ウマな蕾フロウも最高に心地良いのです(夢見心地)。最後を飾るのはChris "THX" Goodmanが制作した「Wizdom Selah (Outro)」で、これもどこか宇宙に通ずるような蒼いトラックが無限に広がるファンクメロウで面白過ぎる。

本作の前哨戦であったMixTape『Before The Box』に収録されていた楽曲もいくつか収録されていましたが、きちんと研磨された状態だったので『The God Box』を購入する意義はあると思います。いかにもDavid Bannerらしい骨太で厳つい泥濘のようなトラックに、筋肉質な剛力ラップがぶつかるこの衝撃、やはりDavid Bannerにしか出せない味わい。なかなか実験的な楽曲も多いし、バラバラといろんなタイプの楽曲がありつつ散漫にはならない、David Bannerお見事といった感じです。




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B.o.B「Ether」
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Atlanta出身でOutKastのヒット曲よりMC名を名乗る中堅MC、B.o.Bの通算四作目となる『Ether』を御紹介。“XXL Freshman Class”にて2009年に選出されたB.o.B、ちなみにこの年には他にもKid Cudi、Curren$y、Wale、Ace Hoodなども選出されていたのでやはり強者揃いなのは確か。B.o.Bはそれこそデビューアルバム『B.o.B Presents : The Adventures of Bobby Ray』ほどヒットこそ出せてはいないものの、2nd『Strange Clouds』3rd『Underground Luxury』と立て続けに作品をリリースしていて目下稼働中。ちなみに前作からおよそ三年ぶりとなる本作もT.I.率いるGrand Hustleからのリリース、この象を模したジャケットがどうにも気に喰わない。裏面とか中身のアートワークはめちゃくちゃカッコイイのに惜しい、CD蒐集家としてはこういうの気になるのです。
それではジャケットの愚痴は抜きにして感想をつらつら・・・・・・まずはB.o.Bが制作を担当した「Fan Mail」で幕開け、古ぼけたオルゴールのように鳴るメロディにドムドムとへばりつくビートを乗せて、どこか語りかけるようなB.o.Bのラップが滑走します。同じくB.o.Bが制作を担当した「E.T.」では、客演にLil Wayneが参加しているのに注目。広大な宇宙銀河を巡るようなサテライトチューンはメタリックでクールだし、B.o.Bの銀色に輝くエッヂの効いたラップと、Lil Wayneのヘロヘロと天然ガスのようなラップが景色を鮮やかに歪ませる魔法も面白い。「Middle Man」は30 RocとB.o.Bが共同で制作しており、水面に広がる波紋のように延々と繰り出されるメロディの波間とそれに揺れるB.o.Bのゆるいフロウがナイス。「Peace Piece」では同郷のBig K.R.I.T.が制作&客演で参加しており、これはもうBig K.R.I.T.趣味などこか土臭いソウルフルな焙煎トラックがド渋くて格好良く、こうなるとBig K.R.I.T.が独壇場に活き活きし過ぎてB.o.Bが喰われた感はあるかなと(笑)。しかしそこは最近流行りの南国トロピカルなレゲエ(パトワ?)使いの「Finesse」でB.o.Bは本領を発揮、ビートこそ後ろに重心を置いたトロピカルな味わいだけれど、そこにピコポコと幻想的な電子音を明滅させてSFトリップ感を演出し、どこかサイバーで半導体チックなB.o.Bのヴォーカルとラップが響くのがサイケでカッコイイ(痺)。同じく30 Rocが制作を担当した「Xantastic」ではYoung Thugが参加、これは本当に暗闇を焼いて消滅させる朝焼けのような浸食トラックが美しい一曲で、まるで朝靄のように光を湿らせて溶かすような両者のフロウが幻想的でグッド。モヤモヤと毒ガスのような音色が充満するポイズントラップ風チューン「Twerkin」はJaqueBeatzが制作を担当し、客演のYoung Droと二人で悪魔的なラップをバサバサと羽ばたかせ援護射撃するのが痛快。どこか果肉っぽいプルプルした電子音とビートがフルーティなミッド「4 Lit」、制作は30 Rocで客演にはT.I.とTy Dolla $ignが揃って参加(鉄壁)。Ty Dolla $ignのオリーブオイルみたいなナチュラルな歌フックに、相変わらず骨太男前なT.I.の伊達男ラップとB.o.Bの切れ味のあるラップが空を切るのがグッド。ウイルス的に破壊し暴れるトラックがインパクトある「Substance Abuse」はJaqueBeatzが制作を担当、そんなウイルス的トラックの中で鋭く激しく弾け飛ぶB.o.Bのラップはそれらを破壊し鎮める抗生物質のよう。B.o.Bの旨味が存分に惹き出されているトリップメロウ「Avalanche」はJaqueBeatzが制作、これを聴くとその昔にB.o.BがAndre 3000の系譜だと囁かれていたのを思い出しますね。滑らか柔らかに鳴るホーンはまるで花の蜜みたくとろーりと甘く響くし、多重エフェクトの施されたB.o.Bの花嵐のようなフロウも眩く鮮やかで素敵。WurlDを客演に招いた「I Know」はJaqueBeatzが制作を担当し、水の中にもぐったり浮かんだりを繰り返すようなトラックに、B.o.Bのひらひらと沈んでゆくようなラップが繊細で虚ろで透けていて儚げ。最後はなんとUsherとCeeLo Greenの二人を一度に使った贅沢過ぎる「Big Kids」、制作はJaqueBeatzが担当。瑞々しくも青々と鮮やかな朝露滴る植物性のオーガニックポップに、UsherとCeeLo Greenが歌い(合わなそうだけどイイ!) B.o.Bがラップをすることで、もはや花鳥風月の趣でとても清々しく美しい。

ハッキリ言ってB.o.Bのことは結構好きなんで本作も躊躇せずに購入したんですが、当初はそれほどに期待もしていなかったんです(失礼)。確かにまだまだ1stは超えることは出来ていないけれど、確実にB.o.Bでしか出せない味ってのも配置してあってなかなか秀逸。絶対に年間Top10に食い込むかとなる微妙かもしれませんが、巷でここまで話題になっていないのはあまりに勿体ない(悲)。案外似た者同士な気がするYoung Thugとの合体曲「Xantastic」と、ラストを飾るUsherとCeeLo Greenを迎えた「Big Kids」は、2017年の重要曲だと個人的には思います。というかB.o.Bはこういう路線をもっとあからさまに歌ってしまえばいいのに。






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Machine Gun Kelly「Bloom」
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Eminem以降の白人MC、Machine Gun Kellyの通算二作目となる『Bloom』を御紹介。わざわざ白人MCなどと書くのは人種差別にあたるのか、僕にはわかりませんがこれもこのRap業界においては個性な気がするのであえて書きました(詫)。最近の新世代MCのアルバム記事を書く時の常套句になりつつある“XXL Freshman Class”出身であるMchine Gun Kelly、最近はこの企画通過者もシーンの中心人物になっていきますね。Asher RothやMac Miller、Action Bronson、Yelawolfと実力ある白人MCが群雄割拠している現シーンにおいて、Machine Gun Kelly(以降はMGKと省略)も重要なその一人。前作『Lace Up』は年間Top10入りこそ逃しましたが、本当に素晴らしくカッコイイ出来栄えでお気に入りのMCの一人です。前作よりおよそ四年ぶりとなる本作は、前作引き続き配給にはBad Boy Recordsが関与なのも嬉しいですし、何よりもこのジャケットが素晴らしくて鳥肌モノです。
という訳でそろそろ感想を書いていきたいなと思うのです・・・・・・まずはSlimmXXとBazeが共同制作した「The Gunner」は氷雨のように凍てつくメロディが刺さるようにドラマチックで、発砲するようにバンバンと撃ち込まれるMachine Gun Kellyのクールなラップで、早くも鼓膜は静かに蜂の巣状態。重たくのしかかる鉛雲の下、遠雷のようにじわりと鈍い振動を伝えるエレキギターの音色がなんとも渋くカッコいい「Wake + Bake」。制作はHarmony "H-Money" SamuelsとEdgar "JV" Etienneが共同で担当しており、この遠雷トラックにMGKの煙草の煙のように燻る気だるいラップも見事で、雰囲気が抜群。スッキリと爽やかな明色使いのロックチューン「Go For Broke」、制作はThe Runnersが担当。青空にも似た清々しいトラックは、なんだか飛行機雲のように白く淡く尖って伸びるMGKのラップも、客演のJames Arthurの夏風のようぬ吹き抜ける清涼感もバッチリとマッチ。どことなくEminem風味な「At My Best」は制作をHappy Prezが担当しており、客演にはHailee Steinfeldが参加。薔薇のように気品溢れる流麗で美しい旋律とHailee Steinfeldの歌フックにに、棘のように鋭い切っ先のビートとMGKのラップがエッヂーな感覚を生み出しているロック風味なミッド。光り輝く空から降る雨を見上げて濡れるようなトラックがなんとも壮麗な天地ミッド「Kiss The Sky」、制作はSlimXXが担当が担当。メロディが光ならば少し潤んだMGKのラップが雨粒で、映画『ショーシャンクの空に』な構図の光溢れる美曲で素晴らしい(溜息)。ゆっくりじわりと音色がピンボケを繰り返す沈殿系の毒ミッド「Golden Gold」、制作はSlimmXXが担当。眩暈のように揺らめき溺れるトラックの中で、MGKのラップが鋭く深くアスピリンのように鎮痛作用を起こし輪郭をシャープに美しく映えさせるのも素晴らしい。QuavoとTy Dolla $ignの売れっ子二人を客演に起用した「Trap Paris」は、若手実力者のSonny Digitalが制作を担当ということで要注目。キラキラと輝く電子鍵盤の音色がまるでオーロラのようにぼってりとした光芒を生むのがスタイリッシュで、そんな発光トラップの中で暈けて瞬く三者三様のヴォーカルの移ろいも毒々しくも幻想的。Lil Richが制作した「Moonwalkers」は、静かで冷たい月光のような音色が凛と響く月面歩行な浮遊感あるトラックに、MGKの流星のように滑らかなラップと闇夜のように覆う客演のDubXXのラップが月夜対比でシンプルに綺麗。「Can't Walk」はHarmony "H-Money" SamuelsとEdger "JV" Etienneが共同制作、あらゆるノイズを美しく研いでから濁りの中にボトンと落としたようなサイケなロックチューンで、こういうノイジーでドープなトラックでもMGKの弾丸ラップはゆっくり貫いて華々しく崩落させるのがまた美しい(溜息)。The Futuristicsが制作を担当した「Bad Things」では、元Fifth HarmonyのCamila Cabelloが客演参加。夏の夕風に涼むようなマッタリとしたサンセットチューンで、Camila Cabelloのキュートな歌フックもあってまるで炭酸ソーダみたく本作中でも最もポップな仕上がりでグッド。またもやHarmony "H-Money" Samuelsが制作を担当した「Rehab」はアコースティックギターをほろほろと奏でるブルージーな一曲で、ここではMGKがどこか埃っぽいヴィンテージなヴォーカルを聴かせていてそれがまた沁みる。「Let You Go」はJesse Shatkinが制作を担当しており、ここでもMGKは伸びやかで堂に入った歌声をミントのようにスッキリ響かせ、トラックも清涼なミネラル豊富なロックテイストで心地良いんです。最後を飾るのはSlimXXとBazeとMGKが共同制作した「27」で、どこかUKポップにも通ずるようなピアノ旋律の儚げなセピア曲で、MGKの憂いを帯びたラップ&ヴォーカルは風に吹かれて空へと散る花のようでドラマチックで切ない(涙)。

やはりMachine Gun Kellyらしく、どこかロックのミクスチャー感覚のあるサウンドで他と一線を画しているのが味噌。それこそ一曲一曲がとても粒揃いで、尖った弾丸を装填したように死角無しにして殺傷能力抜群な一枚です。制作陣やゲストもなにげに実力派がイイ感じで配置されていて、これはBad Boy幹部の入れ知恵かなとニヤリ。あんまり話題になっていないみたいなんだけど(今年は本当に大豊作だから致し方ないのだが)、僕的にはかなりのお気に入りでメチャクチャ格好良いなーと惚れ惚れしている次第で御座います(垂涎)。








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LeToya Luckett「Back 2 Life」
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元々はDestiny's Childのメンバーとして活躍した、LeToya Luckettの通算三作目となる『Back 2 Life』を御紹介。Destiny's Childでは2nd『The Writing's On The Wall』まで参加、その後は脱退しソロに転向しております。当然僕なんかはDestiny's Child世代なので(と言っても僕なんかは歴が浅いから三人編成の印象の方が強いが)、これまでのLeToya作品(それこそこれまではLeToya名義だった筈)も全て持って聴いているんですが、なかなかタイミングが合わずにこれがLeToya初レヴューとなります。最近ではその美貌も手伝って女優業も忙しいらしいLeToya Luckett(以降はLeToyaと表記)、今年の8月には企業家のTommicus Walkerとの婚約も発表し、まさにノリに乗っている年でのリリースで御座います。金髪のショートヘアとばっくり開いた胸元のジャケットがいたく素晴らしく、こういう素晴らしいジャケットの為にCD蒐集しているのです(眼福)。
それでは肝心の中身がどんな風かを早速書き出してみると・・・・・・霧氷のように澄んで白んだメロディにブリザードのようなビートが煌めくクールミッド「I'm Ready」でスタート、制作はD'Mileが担当。LeToyaのヴォーカルは女性らしい艶かしさもありつつ、でもどこかひんやりと脆く尖ったような繊細さがあってまるで硝子細工のよう。キラキラと青白く輝く氷点下のようなLeToyaのクールで美しいヴォーカルが、妖しくも艶麗に響く結露系のひんやりミッド「B2L」はJoseph "Jo Blaq" MacklinとYBZが共同で制作を担当。サンプリングにSoul II Soul「Back To Life (However Do You Want Me)」を使用したトラックは、透明感のあるLeToyaのヴォーカルは凍てつく程の零下で、それがトラックにキメ細かな霜のような輝きを施していてたまらない(痺)。ファンクなベース弦のグルーヴ振動に合わせて水飛沫をあげるようなクリアブルーなアッパー「Show Me」、制作はAnthony SaundersとJoseph "Jo Blaq" Macklinが共同で担当。バチバチにライトアップされたように鮮烈で眩いシンセが交錯する明度抜群なアップチューンは、LeToyaの潤んで瑞々しいピチピチのヴォーカルが気持ち良く泳ぎ戯れて、終いには溢れて聴き手を飲み込んでしまうのが痛快。だんだんと白んでゆく夜空のようなゆっくりとスローモーションで移ろうメロディがまろやかに美しい「Used To」、制作はJoseph "Jo Blaq" MacklinとJ Whiteが共同。夜更けからだんだんと陽が漏れて夜明けを迎えるように温度が移ろい、ビートを二段切り替えで敷きフックでは朝焼けトロピカルな雰囲気に包まれる逆光メロウで素晴らしく、LeToyaのヴィヴィッドでクールな歌声にもばっちりフィット。Rihannaみたいな妖しげダークな黒塗りソリッドな鉄甲チューン「Middle」はFirst BornとOh Goshが共同制作、鉄甲のように硬い輝きを鈍く放つトラックの中で、ひらひら舞うクロアゲハのようなLeToyaのヴォーカルが毒々しく体を巡るのもまた粋狂でグッド。個人的に速攻でヤラレタのがJoseph "Jo Blaq" MacklinとAndre Harris(!)が共同制作した「Grey」、その理由はAndre Harris関与なのとLudacrisが客演参加しているから(明白)。夜空の漆黒に銀色に輝く星を溶かして造ったような甘いグレーはとてもシルキーで滑らか、だからこそ声そのものがドレッシーで艶っぽいLeToyaの絢爛なヴォーカルがキラキラと映えるし、Ludacrisの相変わらず骨太ながらもビターでセクシーな味わいで昇天確実です(骨抜)。湧き水のようにきりりと清冽な岩清水ミッド「In The Name」、制作はなんとWarryn Campbellが担当。マイナスイオンが放出されている波紋トラックが聴き手の鼓膜を浄化してくれるし、水面に揺れてキラキラと輝くようなLeToyaのヴォーカルもなんとも透明感と潤いがあって清らかに美しい(溜息)。ちょっぴりベチャっとした癖のあるビートが跳ねるホイップクリームのようなキュートなミッド「My Love」、制作は同じくWarryn Campbellということで興奮。少し抜け感のある電子音のほんわかした連なりは黄金期のThe Neptunesサウンドを思い出させるけれど、LeToyaの歌声がやはり硝子細工みたく透明で煌びやかなのでばっちりシンクロ。Joseph "Jo Blaq" MacklinとAndre Harrisが共同制作した「Worlds Apart」はブルージーさが滲むダークモカな一曲ながら、LeToyaのヴォーカルが凛として甘美なためにいい塩梅でビタースウィートに仕上がっているのが聴き易い。ポタポタ滴る雫のような音色にダークに染み入り蠢く曲線ビート、時折と光瞬く鉱石シンセが混じった地下水脈ミッド「Weekend」、制作はJoseph "Jo Blaq" MacklinとBrandon BlackとGNBが担当。空気の薄いほどの高山の頂にいるような感覚の音色が漂う雲海ミッド「Higher」、制作はJoseph "Jo Blaq" Macklinが担当しており、白く霞んでじわりじわりと広がるLetoyaのミストヴォーカルにうっとりするばかり(昇天)。First BornとOh Goshが共同制作した「Loving You」は、ジャブジャブと水の中を転げて泳ぐようなトラックが潤いたっぷりなドリーミー曲で、水中のモーションに似たはらはらと揺らめくLeToyaの人魚ヴォーカルも幻想的で素晴らしい。最後を飾るのはLeToyaのステンドグラスのようなヴォーカルを透かせて光り輝くピアノバラード「Disconnected」、制作はJoseph "Jo Blaq" Macklinが担当。細く紡いだ光をそっときゅっと結んだようなメロディとヴォーカルがたまらない、印象派の絵画みたいな優しい光の溢れる一曲です(感涙)。

混じりっ気の無い純粋なR&Bアルバムといった趣で、やっぱり自然と再生回数が伸びているのが本作です。LeToyaのヴォーカルは昨今のR&B業界の中でも珍重な、とても輪郭のくっきりした光を纏った硝子細工のような性質でなかなか異彩を放っております。Executive Producerとして全編に渡って関与したJoseph "Jo Blaq" Macklinのサウンド指揮も素晴らしく、様々なタイプのR&Bを取り揃えながらも統一感バッチリでなかなかの死角無しアルバムだったと思います。






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Tinie Tempah「Youth」
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本名をPatrick Junior Chukwuemeka Okogwuという、 Tinie Tempahの通算三作目となる『Youth』を御紹介。名前からも少し伺える通り、Tinie Tempahは両親はナイジェリア出身の方なのだそう。12歳の頃にサウスロンドンに引っ越してきたTinie Tempahは現在28歳、やはり英国で音楽の影響を受けているため、僕なんかは一聴してすぐにSo Solid Crewなんかを思い出した(懐)音楽性で大好き。その証拠に1st『Disc-Overy』はその年の年間第九位に、続く2nd『Demonstration』はその年の年間第三位に選出しているぐらい、僕にとってはランキング常連のお気に入りMCなので御座います。という訳で本作『Youth』もずっと楽しみにしていたんですが、延期を重ねてなかなか発売されずやきもきしましたが、無事にリリースされて嬉しい限りです(安堵)。
という訳でここからは感想を書きたいなと思います・・・・・・まずは、グラスの中で氷が転がるように鳴る涼しげな清涼ミッド「Youth」、制作はNana Roguesが担当。畳み掛けるように連射するいつものTinie Tempahとは違い、半透明でカラフルな色彩を瞬かせるようにゆったりとしたラップを展開。要注目のシンガーMNEKを客演に招いた「Not For The Radio」、制作はUzoechi "Uzo" Emenike(MNEK)が担当。グニャグニャとアメーバ状に動く電子音とビートの中で無邪気に暴れるTinie Tempahの放電に似たラップと、MNEKの甘ったるいシロップみたいな歌フックがいい感じ。太陽光を変電したようなトロピカルでエレクトロなギザギザアッパー「Lightwork」はLewis Shay Jankelが制作を担当、こういう閃光みたくあちこち尖って棘立ったトラックとTinie Tempahの斬れ味鋭いラップの相性は抜群。客演に女性シンガーのNeaが参加した「Chasing Flies」はTroy Henryが制作を担当、陽光に照らされた熱帯植物のような鮮やかな音色が青々と茂るボタニカルなアッパー。Tinie Tempahのラップも光が揺れるように柔らかで、Neaの日陰のように涼しげなヴォーカルも色っぽくてナイス。ラテン風味で刺激的スパイシーで汗ばんだ情熱アッパー「Mamacita」はGareth Keaneが制作を担当、客演にはWizkidが参加。Tinie Tempahのスピード感溢れる熱気を纏ったラップが鋭く刺さって気持ちいいし、Wizkidのまったりと伸びる歌フックもスパイシーでグッド。水を弾いたような飛沫スプラッシュなトラックが潤ってクールなアッパー「Text From Your Ex」、制作はTimucin Fabian Kwong Wah Aluoが担当。Tinie Tempahの弾んで飛び交うラップが水飛沫に似た清冽なクールさで、そこに客演のTinasheのフルーティなヴォーカルがこれまた程良くエロカワで艶やかにして晴れやかな果汁たっぷりR&B(好物)。シャッター音の後にぼんやりと色彩と共に浮かび上がるような写真現像メロウ「Cameras」は、制作と客演はDavid Stewartが担当しており、ふわふわとした綿飴のようなサウンドとヴォーカルが夢見心地。キラキラとクリスタルに似た刺々しい音色が連なる冷たくシリアスな「If You Know」はUzezi Eddie Onikoが制作を担当し、客演にTiggs Da Authorが参加。Lewis Shay Jankelが制作した「Holy Moly」は、これぞガラージなトラックに南部っぽいドカドカ踏み潰すようなビートが組み合わさったド迫力の突進チューンで、粉塵巻き上げながらながら猛スピードで駆け抜けるTinie Tempahの突き刺すようなラップが鋭利。ベッタリとネオンカラーな眩い電子音が瞬いて刺激的に鋭いダンスチューン「Girls Like」、制作はNana Roguesで客演にはZara Larsonが参加の話題曲。とにかくピコポコと炭酸のように弾けて消える電子ビートの中で、Tinie TempahとZara Larsonがごちゃごちゃに混ざって溢れる一曲でベタなのが良い。同じくNana Roguesが制作したは悪魔的なトラックがなんともおどろおどろしく、噛み付く様につんざめくTinie Tempahの鋸歯のようなラップがグッド。「They Don't Know」はYogeshi Tulsianiが制作を担当し、客演にはKid InkとSteeflon、AoDが参加。これはもう完全にKid Ink節で彼のノリをそのままに踏襲していて、だからもうTinie Tempahが客演しているかのよう。Nana Roguesが制作した「So Close」では、Guy SebastianとBugzy Maloneが揃って客演参加。鉱物チックな硬い輝きが粒々と煌めく結晶石トラックの中で、Tinie TempahとBugzy Maloneのそれこそ鉱石のように光るゴツゴツしたラップと、Guy Sebastianの青く輝くコバルトブルーな歌フックもナイス化学反応な鉱山チューン。またまたNana Roguesが制作した「Find Me」ではJake Buggを客演に迎える飛び道具を用意、これがアコースティックギターの音色に針金のように細く尖ったビートが荒涼さを演出するブルージーなミッド。その乾いた空気を醸し出すトラック上をTinie Tempahのエッヂーなラップが虚空に響き、Jake Buggの涙に濡れたようにしとやかなヴォーカルが湿り気をもたらす美曲(溜息)。同じくNana Roguesが制作した「Rehab」はTiggs Da Authorが客演参加、長く降る雨のように優しく静かに零れる音色がとてもドリーミーで、Tinie TempahもTiggs Da Authorの水溶性のラップとヴォーカルも色彩を滲ませて美しい。 Bipolar Sunshineが客演参加した「Shadows」はTerrell Parhamが制作、まるで影絵のように輪郭が暈けたりくっきりシャープになったり繰り返すトラックはどこかオリエンタルな情緒があります。Tinie Tempahの陽炎ラップも勿論良いんですが、Bipolar Sunshineの遊牧民のように揺蕩うヴォーカルも幻想的で素晴らしい。最後はBless Beats制作の「Not Letting Go」で、Jess Glynneが客演参加なのだからもう完璧な布陣。もうこれでもかな陽光燦々な快晴アッパーが爽快の一言ですし眩し過ぎて目を細めてしまうほど、その中でプリズムとなって交錯するTinie TempahとJess Glynneの熱気を放出する華やかなヴォーカルがグッド(昇天)。

これまでの作品の中でもサウンドの振り幅が圧倒的に大きい一枚で、Tinie Tempahの進化を感じた力作で御座います。Tinie Tempahの得意とするエレクトロ要素が半減しているのが玉に瑕ですが、そういう点でもLabrinthの参加があったらなお良かったかとも思います。リリースが延期を重ねたのもあって、中身のサウンドのフレッシュさも少し落ちているのかも(Kid Inkとの共演なんかも)。しかしそんなのは所詮は負け犬の遠吠えで、死角無しな全方位型アルバムですし、Tinie Tempahは唯一無二の存在感なMCですしやはり格好良さは抜群、聴かないのは損ですよ。














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Trey Songz「Tremaine The Album」
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これからのR&Bを背負って立つ色男、Trey Songzの通算七作目となる『Tremaine The Album』を御紹介。まだまだ若いTrey Songzですがデビューは今から約12年前の『I Gotta Make It』、あのTroy Taylorに見出されはしましたが、この浮き沈みの激しいシーンの中で、その後もこれだけ長い間活躍出来るとは想像していたでしょうか。Trey Songzはグングンと大人の男性に成長し、今やお色気路線を真っしぐら、これだけ露骨でセクシーなスロウジャムを色っぽく歌えるのは、若いシンガーの中では絶対にTrey Songzが抜きん出ています。前作『Trigga』も毎度ながらの良作だったんですが、そこからまた約三年ぶりでの本作でアンストッパブルで御座います(精力的)。
それでは前置きはここらで止して本題に・・・・・・まずはさらさらとまるで砂金のような音色が、Trey Songzの熱を帯びて潤んだヴォーカルに洗われキラキラと舞い上がる「The Plelude」でスタート。トラックはTroy Taylorが制作で、ひらりひらりと舞い上がる砂金のような音色はそのままに次曲へ。もはやピチャピチャと水の滴っているような音色を零す水際スロウ「Come Over」もTroy Taylorが制作を担当、やはりここでも艶っぽく濡れたTrey Songzの悶えるような喘ぎヴォーカルが健在で、静かにチロチロと滴らせていた潤んだメロディも気付けば静かに満ちてこちらが溺れている始末です(満潮)。青空のように澄んで清らかな「#1 Fan」、制作はRico LoveとDwayne "D-Town" Nesmithが共同で担当。陽光のようにひらひらとプリズム化した結晶サウンドが眩くて、それを優しく包み込むようなTrey Songzのヴォーカルも木洩れ陽のような淡さでとても和やか。グングンと水を掻いて泳ぐように強く弾力のある遊泳感のあるビートが肝の「Nobody Else But You」、制作はAlex Isaakが担当。気ままにグラインドして波打つTrey Songzのヴォーカルが柔らかくも逞しく、涼しげな抜け感のある歌唱で思わずリズムを刻んで流してしまう好ミッド。“水も滴る好い男”を歌で体現しまくるTrey Songzらしい、濡れ濡れを超えて水飛沫まであげているスロウジャム「Playboy」は早くも本作のハイライト、制作はEarl & EとRico Loveが共同で担当。この手のエロス溢れるトラックはTrey Songzの十八番で、キラキラと汗ばんだサウンドの曲線を、まるで女性のボディラインを撫でるように歌うTrey Songzはやはり焦らしのテクニシャンで痺れっ放し(昇天)。Jonh "$K" McGeeが制作を担当した「The Sheets...Still」は、ふんわり柔らかくしなやかな裸婦みたいなトラックを、優しく繊細にエロティックに揉みほぐすTreyのヴォーカルにもはや悶絶。ひらひらと舞う音色がまるで、一晩愛し合って夜が明け、朝陽を遮る真白なシーツのように色香たっぷりの珠玉のベッドバラード(妄想)。ゆらゆらと深く揺蕩うようなとろんとした水深ミッド「Song Goes Off」はChristopher "C4" Umanaが制作を担当、ゆらゆらと揺れる水面を覗き込むような波紋にも似た揺らぎを派生させるTrey Songzのヴォーカルが鼓膜にじんわりと浸透します。ザクザクとして角の立ったアコースティックギターの弦音がピリリとスパイシーな「She Lovin It」、制作はCook ClassicsとJeff "Gitty" Gitlemanが担当。そのスパイシーさも手伝ってとても香ばしくも刺激的なミッドになり、Trey Songzのファルセットを交えたヴォーカルが熱帯夜のような熱気でジワジワと鼓膜に纏わりつくのがなんとも色っぽい。野生的に響くジャングル獰猛ビートが面白い「Animal」はCirkutとMade In Chinaが共同制作、ボタボタと落ちるようにドリップするTrey Songzの濃厚なヴォーカルが美味で濃密セクシーな四足歩行チューン。PipとSermstyleが共同制作した「1×1」は直角に突き刺さる光線みたいなシンセと、ボムボムと跳ねるビートが颯爽と響く爽やかなポップアッパーでグッド。「Priceless」は再びCirkutとMade In Chinaが制作を担当、白光のように眩くて色彩も飛ばすようなトラックに反射するように、Trey Songzの澄み切って瑞々しいヴォーカルが煌めくのが爽快で美味。Sons Of SonixとPoo Bearが共同制作したEDM風味の「What Are We Here For」は、澄んで冷え切った炭酸水みたいな透明ポップチューンで、フックですっと音数が少なくなる感触は水の中にドボンと飛び込んで外界の音が聴こえなくなるあの感触にも似てる(潤)。Patrick "Guiter Boy" Hayesが制作の「Games We Play」はMIKExANGELが客演参加、深い深い水の中へゆらゆらと沈んで溶けてゆくようなリキッドミッドで、Trey Songzのヴォーカルもひらひらときめ細かな水泡となって消えてゆくのが切なくセクシー。仄暗くダウナーなビートが聴き手をゆっくりと沈殿させる「Picture Perfect」はA Wallが制作を担当、Trey Songzの高音を封じたビターでブラックなヴォーカルが暗闇の中ぎらりと光るのがクール(痺)。最後はPoo BearとJeremy Snyderが共同制作した美しきピアノバラード「Break From Love」で幕切れ、雨上がりのように光を滲ませて潤むトラックの中で、Trey Songzのあの少し震えるような歌声が凛として切なく響くのが素晴らしいのです(胸打)。

やっぱりR&Bというのはこれぐらにセクシャルでなければ、と再認識させてくれる素晴らしい一枚。Trey Songzは昔から凄く大好きなシンガーですしアルバムどれも高品質なんですが、毎回と何曲かは不必要に感じる楽曲があって惜しいと感じるのですが(本作では「Animal」がそれスレスレだった気が)、本作はとってもスッキリと纏まっていて聴き易さ抜群でした。全てのエロスを牛耳り司っていたR. Kellyがスキャンダルに見舞われ失速している今、Trey Songzがその王位を継承すべき時なのかもしれない、そう思わせるシンプルにセクシーな優秀R&B盤で御座います(断言)。










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