RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

09 2017
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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David Banner「The God Box」
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優れたProducerでありラッパーであり、俳優や市民活動家としても活躍する、David Bannerの通算六作目となる『The God Box』を御紹介。Mississippi州出身のDavid Bannerは主にラップしながら、南部のアーティストに重宝されたくさんの楽曲を提供している賢人。僕もソロ作品は1st以外は全て持っていて聴いているんですが、David Bannerにどハマりしたのはやはり、9th Wonderとタッグを組んだ力作『Death Of A Pop Star』でがっつり好きになってしまいまして。それからというのもDavid Bannerにハマって過去作を聴き返してみたりして、ずーっと長く彼の新作を待っていたんです。その『Death Of A Pop Star』から数えて約7年ぶりとなる本作、David BannerのInstagramとか見ていると、何やらいろんなグッズの入った豪華ボックス仕様のものもあるみたいでそれが欲しかった。
それではザックリとにはなりますが感想を書きましょうね・・・・・・まずは火花が散るほどに激しく尖ったドラムビートが炸裂するアッパー「Magnolia」、制作はChris "THX" Goodmanが担当。火薬で発破したようなトラックの推進力に乗ってDavid Bannerが轟々とラップを響かせ、化鳥のようなCeeLo Greenが歌フックとGlockapellaラップまで聴かせ、終盤ではそれらを鎮火させるようにウォータリーなRaheem DeVaughnのヴォーカルが響くという贅沢仕様。続く「My Uzi」はDavid Bannerが制作で、客演には相性抜群のBig K.R.I.T.が参加。これはもう完璧な南部マナーな泥濘重厚トラックで、その中を泥を撥ねさせてしまうビートに呼応して、David BannerとBig K.R.I.T.が歯切れのいいマッスルラップを絡ませて肉弾戦を繰り広げるのが痛快。再びChris "THX" Goodmanが制作を担当した「Who Want It」ではBlack ThoughtとWatchTheDuckが揃って客演参加、これも砂塵巻き上げるハリケーンのようなドラムの乱打の中で、三者三様のぶん殴るような豪快なアップがブンブンと空を切るのが渋く爽快。飛蚊のような羽音シンセがブンブンと五月蝿い(けれどカッコイイ)「Elvis」はSwiff Dが制作、David Bannerは筋肉質ながらもバキバキ動いて、こういうビートで微塵切りしたようなトラックも器用に調理するから面白い。「Amy」はDavid Bannerが制作を担当したどこかアジアンテイストな弦音が乾いて鳴る一曲で、そんな弦音をもぺしゃんこにするDavid Bannerの重量級のスクラップラップが最高にホット。Frest Factoryが制作を担当した「August」は、広大な銀河を逆さになって遊泳するようなサイケデリックなトラック中で、じわじわとDavid Bannerが幻覚作用を起こしそうなカメレオン模様のラップを変色させ繰り出す一曲。「Cleopatra Jones」はDavid Bannerが制作を担当しており、ギラギラとした輝きを放つシンセの瞬きがドぎつい燃えるようなオーロラ夜空みたく、David Bannerのどこか鉄鋼サイボーグみたいに角張ったラップも面白い。David Banner制作(BassにはDebra Killingsが参加!)した「Marry Me」では、Rudy Currenceが客演(Co制作も彼)で参加。まるで秋風のように少し寂しげで淡い色彩を揺らすアコースティックなバラードは繊細で、木枯らしのように心の隙間をくすぐるRudy Currenceのヴォーカルも、David Bannerの言葉がはらはらと落ちて散るようなラップ&フロウもなんとも儚げで美しい(溜息)。同じくDavid Bannerが制作し、客演にDevon Lewowが参加した「Judy Blare」は酸素たっぷりな鮮烈さが突き抜けた爽快ロックテイストで、ガミガミと噛み付くDavid Bannerの怪獣みたいなラップが案外ファニーでグッド。Kap GにWatchTheDuck、Tim Wise、Kenya Joriと大所帯でマイクを回す「Traffic On Mars」は、有刺鉄線のようにギザギザに張り巡らされたエレキギターの音色がエッヂーな一曲。8x8にD.O.、Speaks、Tyshane & Street Symphonyが共同制作した「Black Fist」では、客演のTITO LOと共に冷たい空気の張りつめる殺伐したダークトラックの中で、暗躍するDavid Bannerの破壊力抜群な拳骨ラップが凶器でカッコイイ。DJ Khalilが制作を担当した「AK」では、客演にRaheem DeVaughnとBig Rudeが揃って参加。これなんかはどこかOutKast的に宇宙が広がる神秘的な星屑トラックで、鉱石的な硬い輝きを放つDavid Bannerがビッグバンを起こしあちこちで弾けて、その後に星空のようにキラキラと瞬くRaheem DeVaughnのヴォーカルがたまりません。本作中で最も好きなのがDavid Banner制作の「Burning Thumbs」で、フルーティとも形容できる果汁滴りがちなアコースティックギターの弦音が甘美で、甘い香りの漂う果樹園のようなトラックも秀逸ですし、その中で転がり戯れるようなDavid Bannerの柔和でキュートな下手ウマな蕾フロウも最高に心地良いのです(夢見心地)。最後を飾るのはChris "THX" Goodmanが制作した「Wizdom Selah (Outro)」で、これもどこか宇宙に通ずるような蒼いトラックが無限に広がるファンクメロウで面白過ぎる。

本作の前哨戦であったMixTape『Before The Box』に収録されていた楽曲もいくつか収録されていましたが、きちんと研磨された状態だったので『The God Box』を購入する意義はあると思います。いかにもDavid Bannerらしい骨太で厳つい泥濘のようなトラックに、筋肉質な剛力ラップがぶつかるこの衝撃、やはりDavid Bannerにしか出せない味わい。なかなか実験的な楽曲も多いし、バラバラといろんなタイプの楽曲がありつつ散漫にはならない、David Bannerお見事といった感じです。




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B.o.B「Ether」
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Atlanta出身でOutKastのヒット曲よりMC名を名乗る中堅MC、B.o.Bの通算四作目となる『Ether』を御紹介。“XXL Freshman Class”にて2009年に選出されたB.o.B、ちなみにこの年には他にもKid Cudi、Curren$y、Wale、Ace Hoodなども選出されていたのでやはり強者揃いなのは確か。B.o.Bはそれこそデビューアルバム『B.o.B Presents : The Adventures of Bobby Ray』ほどヒットこそ出せてはいないものの、2nd『Strange Clouds』3rd『Underground Luxury』と立て続けに作品をリリースしていて目下稼働中。ちなみに前作からおよそ三年ぶりとなる本作もT.I.率いるGrand Hustleからのリリース、この象を模したジャケットがどうにも気に喰わない。裏面とか中身のアートワークはめちゃくちゃカッコイイのに惜しい、CD蒐集家としてはこういうの気になるのです。
それではジャケットの愚痴は抜きにして感想をつらつら・・・・・・まずはB.o.Bが制作を担当した「Fan Mail」で幕開け、古ぼけたオルゴールのように鳴るメロディにドムドムとへばりつくビートを乗せて、どこか語りかけるようなB.o.Bのラップが滑走します。同じくB.o.Bが制作を担当した「E.T.」では、客演にLil Wayneが参加しているのに注目。広大な宇宙銀河を巡るようなサテライトチューンはメタリックでクールだし、B.o.Bの銀色に輝くエッヂの効いたラップと、Lil Wayneのヘロヘロと天然ガスのようなラップが景色を鮮やかに歪ませる魔法も面白い。「Middle Man」は30 RocとB.o.Bが共同で制作しており、水面に広がる波紋のように延々と繰り出されるメロディの波間とそれに揺れるB.o.Bのゆるいフロウがナイス。「Peace Piece」では同郷のBig K.R.I.T.が制作&客演で参加しており、これはもうBig K.R.I.T.趣味などこか土臭いソウルフルな焙煎トラックがド渋くて格好良く、こうなるとBig K.R.I.T.が独壇場に活き活きし過ぎてB.o.Bが喰われた感はあるかなと(笑)。しかしそこは最近流行りの南国トロピカルなレゲエ(パトワ?)使いの「Finesse」でB.o.Bは本領を発揮、ビートこそ後ろに重心を置いたトロピカルな味わいだけれど、そこにピコポコと幻想的な電子音を明滅させてSFトリップ感を演出し、どこかサイバーで半導体チックなB.o.Bのヴォーカルとラップが響くのがサイケでカッコイイ(痺)。同じく30 Rocが制作を担当した「Xantastic」ではYoung Thugが参加、これは本当に暗闇を焼いて消滅させる朝焼けのような浸食トラックが美しい一曲で、まるで朝靄のように光を湿らせて溶かすような両者のフロウが幻想的でグッド。モヤモヤと毒ガスのような音色が充満するポイズントラップ風チューン「Twerkin」はJaqueBeatzが制作を担当し、客演のYoung Droと二人で悪魔的なラップをバサバサと羽ばたかせ援護射撃するのが痛快。どこか果肉っぽいプルプルした電子音とビートがフルーティなミッド「4 Lit」、制作は30 Rocで客演にはT.I.とTy Dolla $ignが揃って参加(鉄壁)。Ty Dolla $ignのオリーブオイルみたいなナチュラルな歌フックに、相変わらず骨太男前なT.I.の伊達男ラップとB.o.Bの切れ味のあるラップが空を切るのがグッド。ウイルス的に破壊し暴れるトラックがインパクトある「Substance Abuse」はJaqueBeatzが制作を担当、そんなウイルス的トラックの中で鋭く激しく弾け飛ぶB.o.Bのラップはそれらを破壊し鎮める抗生物質のよう。B.o.Bの旨味が存分に惹き出されているトリップメロウ「Avalanche」はJaqueBeatzが制作、これを聴くとその昔にB.o.BがAndre 3000の系譜だと囁かれていたのを思い出しますね。滑らか柔らかに鳴るホーンはまるで花の蜜みたくとろーりと甘く響くし、多重エフェクトの施されたB.o.Bの花嵐のようなフロウも眩く鮮やかで素敵。WurlDを客演に招いた「I Know」はJaqueBeatzが制作を担当し、水の中にもぐったり浮かんだりを繰り返すようなトラックに、B.o.Bのひらひらと沈んでゆくようなラップが繊細で虚ろで透けていて儚げ。最後はなんとUsherとCeeLo Greenの二人を一度に使った贅沢過ぎる「Big Kids」、制作はJaqueBeatzが担当。瑞々しくも青々と鮮やかな朝露滴る植物性のオーガニックポップに、UsherとCeeLo Greenが歌い(合わなそうだけどイイ!) B.o.Bがラップをすることで、もはや花鳥風月の趣でとても清々しく美しい。

ハッキリ言ってB.o.Bのことは結構好きなんで本作も躊躇せずに購入したんですが、当初はそれほどに期待もしていなかったんです(失礼)。確かにまだまだ1stは超えることは出来ていないけれど、確実にB.o.Bでしか出せない味ってのも配置してあってなかなか秀逸。絶対に年間Top10に食い込むかとなる微妙かもしれませんが、巷でここまで話題になっていないのはあまりに勿体ない(悲)。案外似た者同士な気がするYoung Thugとの合体曲「Xantastic」と、ラストを飾るUsherとCeeLo Greenを迎えた「Big Kids」は、2017年の重要曲だと個人的には思います。というかB.o.Bはこういう路線をもっとあからさまに歌ってしまえばいいのに。






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Machine Gun Kelly「Bloom」
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Eminem以降の白人MC、Machine Gun Kellyの通算二作目となる『Bloom』を御紹介。わざわざ白人MCなどと書くのは人種差別にあたるのか、僕にはわかりませんがこれもこのRap業界においては個性な気がするのであえて書きました(詫)。最近の新世代MCのアルバム記事を書く時の常套句になりつつある“XXL Freshman Class”出身であるMchine Gun Kelly、最近はこの企画通過者もシーンの中心人物になっていきますね。Asher RothやMac Miller、Action Bronson、Yelawolfと実力ある白人MCが群雄割拠している現シーンにおいて、Machine Gun Kelly(以降はMGKと省略)も重要なその一人。前作『Lace Up』は年間Top10入りこそ逃しましたが、本当に素晴らしくカッコイイ出来栄えでお気に入りのMCの一人です。前作よりおよそ四年ぶりとなる本作は、前作引き続き配給にはBad Boy Recordsが関与なのも嬉しいですし、何よりもこのジャケットが素晴らしくて鳥肌モノです。
という訳でそろそろ感想を書いていきたいなと思うのです・・・・・・まずはSlimmXXとBazeが共同制作した「The Gunner」は氷雨のように凍てつくメロディが刺さるようにドラマチックで、発砲するようにバンバンと撃ち込まれるMachine Gun Kellyのクールなラップで、早くも鼓膜は静かに蜂の巣状態。重たくのしかかる鉛雲の下、遠雷のようにじわりと鈍い振動を伝えるエレキギターの音色がなんとも渋くカッコいい「Wake + Bake」。制作はHarmony "H-Money" SamuelsとEdgar "JV" Etienneが共同で担当しており、この遠雷トラックにMGKの煙草の煙のように燻る気だるいラップも見事で、雰囲気が抜群。スッキリと爽やかな明色使いのロックチューン「Go For Broke」、制作はThe Runnersが担当。青空にも似た清々しいトラックは、なんだか飛行機雲のように白く淡く尖って伸びるMGKのラップも、客演のJames Arthurの夏風のようぬ吹き抜ける清涼感もバッチリとマッチ。どことなくEminem風味な「At My Best」は制作をHappy Prezが担当しており、客演にはHailee Steinfeldが参加。薔薇のように気品溢れる流麗で美しい旋律とHailee Steinfeldの歌フックにに、棘のように鋭い切っ先のビートとMGKのラップがエッヂーな感覚を生み出しているロック風味なミッド。光り輝く空から降る雨を見上げて濡れるようなトラックがなんとも壮麗な天地ミッド「Kiss The Sky」、制作はSlimXXが担当が担当。メロディが光ならば少し潤んだMGKのラップが雨粒で、映画『ショーシャンクの空に』な構図の光溢れる美曲で素晴らしい(溜息)。ゆっくりじわりと音色がピンボケを繰り返す沈殿系の毒ミッド「Golden Gold」、制作はSlimmXXが担当。眩暈のように揺らめき溺れるトラックの中で、MGKのラップが鋭く深くアスピリンのように鎮痛作用を起こし輪郭をシャープに美しく映えさせるのも素晴らしい。QuavoとTy Dolla $ignの売れっ子二人を客演に起用した「Trap Paris」は、若手実力者のSonny Digitalが制作を担当ということで要注目。キラキラと輝く電子鍵盤の音色がまるでオーロラのようにぼってりとした光芒を生むのがスタイリッシュで、そんな発光トラップの中で暈けて瞬く三者三様のヴォーカルの移ろいも毒々しくも幻想的。Lil Richが制作した「Moonwalkers」は、静かで冷たい月光のような音色が凛と響く月面歩行な浮遊感あるトラックに、MGKの流星のように滑らかなラップと闇夜のように覆う客演のDubXXのラップが月夜対比でシンプルに綺麗。「Can't Walk」はHarmony "H-Money" SamuelsとEdger "JV" Etienneが共同制作、あらゆるノイズを美しく研いでから濁りの中にボトンと落としたようなサイケなロックチューンで、こういうノイジーでドープなトラックでもMGKの弾丸ラップはゆっくり貫いて華々しく崩落させるのがまた美しい(溜息)。The Futuristicsが制作を担当した「Bad Things」では、元Fifth HarmonyのCamila Cabelloが客演参加。夏の夕風に涼むようなマッタリとしたサンセットチューンで、Camila Cabelloのキュートな歌フックもあってまるで炭酸ソーダみたく本作中でも最もポップな仕上がりでグッド。またもやHarmony "H-Money" Samuelsが制作を担当した「Rehab」はアコースティックギターをほろほろと奏でるブルージーな一曲で、ここではMGKがどこか埃っぽいヴィンテージなヴォーカルを聴かせていてそれがまた沁みる。「Let You Go」はJesse Shatkinが制作を担当しており、ここでもMGKは伸びやかで堂に入った歌声をミントのようにスッキリ響かせ、トラックも清涼なミネラル豊富なロックテイストで心地良いんです。最後を飾るのはSlimXXとBazeとMGKが共同制作した「27」で、どこかUKポップにも通ずるようなピアノ旋律の儚げなセピア曲で、MGKの憂いを帯びたラップ&ヴォーカルは風に吹かれて空へと散る花のようでドラマチックで切ない(涙)。

やはりMachine Gun Kellyらしく、どこかロックのミクスチャー感覚のあるサウンドで他と一線を画しているのが味噌。それこそ一曲一曲がとても粒揃いで、尖った弾丸を装填したように死角無しにして殺傷能力抜群な一枚です。制作陣やゲストもなにげに実力派がイイ感じで配置されていて、これはBad Boy幹部の入れ知恵かなとニヤリ。あんまり話題になっていないみたいなんだけど(今年は本当に大豊作だから致し方ないのだが)、僕的にはかなりのお気に入りでメチャクチャ格好良いなーと惚れ惚れしている次第で御座います(垂涎)。








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LeToya Luckett「Back 2 Life」
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元々はDestiny's Childのメンバーとして活躍した、LeToya Luckettの通算三作目となる『Back 2 Life』を御紹介。Destiny's Childでは2nd『The Writing's On The Wall』まで参加、その後は脱退しソロに転向しております。当然僕なんかはDestiny's Child世代なので(と言っても僕なんかは歴が浅いから三人編成の印象の方が強いが)、これまでのLeToya作品(それこそこれまではLeToya名義だった筈)も全て持って聴いているんですが、なかなかタイミングが合わずにこれがLeToya初レヴューとなります。最近ではその美貌も手伝って女優業も忙しいらしいLeToya Luckett(以降はLeToyaと表記)、今年の8月には企業家のTommicus Walkerとの婚約も発表し、まさにノリに乗っている年でのリリースで御座います。金髪のショートヘアとばっくり開いた胸元のジャケットがいたく素晴らしく、こういう素晴らしいジャケットの為にCD蒐集しているのです(眼福)。
それでは肝心の中身がどんな風かを早速書き出してみると・・・・・・霧氷のように澄んで白んだメロディにブリザードのようなビートが煌めくクールミッド「I'm Ready」でスタート、制作はD'Mileが担当。LeToyaのヴォーカルは女性らしい艶かしさもありつつ、でもどこかひんやりと脆く尖ったような繊細さがあってまるで硝子細工のよう。キラキラと青白く輝く氷点下のようなLeToyaのクールで美しいヴォーカルが、妖しくも艶麗に響く結露系のひんやりミッド「B2L」はJoseph "Jo Blaq" MacklinとYBZが共同で制作を担当。サンプリングにSoul II Soul「Back To Life (However Do You Want Me)」を使用したトラックは、透明感のあるLeToyaのヴォーカルは凍てつく程の零下で、それがトラックにキメ細かな霜のような輝きを施していてたまらない(痺)。ファンクなベース弦のグルーヴ振動に合わせて水飛沫をあげるようなクリアブルーなアッパー「Show Me」、制作はAnthony SaundersとJoseph "Jo Blaq" Macklinが共同で担当。バチバチにライトアップされたように鮮烈で眩いシンセが交錯する明度抜群なアップチューンは、LeToyaの潤んで瑞々しいピチピチのヴォーカルが気持ち良く泳ぎ戯れて、終いには溢れて聴き手を飲み込んでしまうのが痛快。だんだんと白んでゆく夜空のようなゆっくりとスローモーションで移ろうメロディがまろやかに美しい「Used To」、制作はJoseph "Jo Blaq" MacklinとJ Whiteが共同。夜更けからだんだんと陽が漏れて夜明けを迎えるように温度が移ろい、ビートを二段切り替えで敷きフックでは朝焼けトロピカルな雰囲気に包まれる逆光メロウで素晴らしく、LeToyaのヴィヴィッドでクールな歌声にもばっちりフィット。Rihannaみたいな妖しげダークな黒塗りソリッドな鉄甲チューン「Middle」はFirst BornとOh Goshが共同制作、鉄甲のように硬い輝きを鈍く放つトラックの中で、ひらひら舞うクロアゲハのようなLeToyaのヴォーカルが毒々しく体を巡るのもまた粋狂でグッド。個人的に速攻でヤラレタのがJoseph "Jo Blaq" MacklinとAndre Harris(!)が共同制作した「Grey」、その理由はAndre Harris関与なのとLudacrisが客演参加しているから(明白)。夜空の漆黒に銀色に輝く星を溶かして造ったような甘いグレーはとてもシルキーで滑らか、だからこそ声そのものがドレッシーで艶っぽいLeToyaの絢爛なヴォーカルがキラキラと映えるし、Ludacrisの相変わらず骨太ながらもビターでセクシーな味わいで昇天確実です(骨抜)。湧き水のようにきりりと清冽な岩清水ミッド「In The Name」、制作はなんとWarryn Campbellが担当。マイナスイオンが放出されている波紋トラックが聴き手の鼓膜を浄化してくれるし、水面に揺れてキラキラと輝くようなLeToyaのヴォーカルもなんとも透明感と潤いがあって清らかに美しい(溜息)。ちょっぴりベチャっとした癖のあるビートが跳ねるホイップクリームのようなキュートなミッド「My Love」、制作は同じくWarryn Campbellということで興奮。少し抜け感のある電子音のほんわかした連なりは黄金期のThe Neptunesサウンドを思い出させるけれど、LeToyaの歌声がやはり硝子細工みたく透明で煌びやかなのでばっちりシンクロ。Joseph "Jo Blaq" MacklinとAndre Harrisが共同制作した「Worlds Apart」はブルージーさが滲むダークモカな一曲ながら、LeToyaのヴォーカルが凛として甘美なためにいい塩梅でビタースウィートに仕上がっているのが聴き易い。ポタポタ滴る雫のような音色にダークに染み入り蠢く曲線ビート、時折と光瞬く鉱石シンセが混じった地下水脈ミッド「Weekend」、制作はJoseph "Jo Blaq" MacklinとBrandon BlackとGNBが担当。空気の薄いほどの高山の頂にいるような感覚の音色が漂う雲海ミッド「Higher」、制作はJoseph "Jo Blaq" Macklinが担当しており、白く霞んでじわりじわりと広がるLetoyaのミストヴォーカルにうっとりするばかり(昇天)。First BornとOh Goshが共同制作した「Loving You」は、ジャブジャブと水の中を転げて泳ぐようなトラックが潤いたっぷりなドリーミー曲で、水中のモーションに似たはらはらと揺らめくLeToyaの人魚ヴォーカルも幻想的で素晴らしい。最後を飾るのはLeToyaのステンドグラスのようなヴォーカルを透かせて光り輝くピアノバラード「Disconnected」、制作はJoseph "Jo Blaq" Macklinが担当。細く紡いだ光をそっときゅっと結んだようなメロディとヴォーカルがたまらない、印象派の絵画みたいな優しい光の溢れる一曲です(感涙)。

混じりっ気の無い純粋なR&Bアルバムといった趣で、やっぱり自然と再生回数が伸びているのが本作です。LeToyaのヴォーカルは昨今のR&B業界の中でも珍重な、とても輪郭のくっきりした光を纏った硝子細工のような性質でなかなか異彩を放っております。Executive Producerとして全編に渡って関与したJoseph "Jo Blaq" Macklinのサウンド指揮も素晴らしく、様々なタイプのR&Bを取り揃えながらも統一感バッチリでなかなかの死角無しアルバムだったと思います。






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Tinie Tempah「Youth」
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本名をPatrick Junior Chukwuemeka Okogwuという、 Tinie Tempahの通算三作目となる『Youth』を御紹介。名前からも少し伺える通り、Tinie Tempahは両親はナイジェリア出身の方なのだそう。12歳の頃にサウスロンドンに引っ越してきたTinie Tempahは現在28歳、やはり英国で音楽の影響を受けているため、僕なんかは一聴してすぐにSo Solid Crewなんかを思い出した(懐)音楽性で大好き。その証拠に1st『Disc-Overy』はその年の年間第九位に、続く2nd『Demonstration』はその年の年間第三位に選出しているぐらい、僕にとってはランキング常連のお気に入りMCなので御座います。という訳で本作『Youth』もずっと楽しみにしていたんですが、延期を重ねてなかなか発売されずやきもきしましたが、無事にリリースされて嬉しい限りです(安堵)。
という訳でここからは感想を書きたいなと思います・・・・・・まずは、グラスの中で氷が転がるように鳴る涼しげな清涼ミッド「Youth」、制作はNana Roguesが担当。畳み掛けるように連射するいつものTinie Tempahとは違い、半透明でカラフルな色彩を瞬かせるようにゆったりとしたラップを展開。要注目のシンガーMNEKを客演に招いた「Not For The Radio」、制作はUzoechi "Uzo" Emenike(MNEK)が担当。グニャグニャとアメーバ状に動く電子音とビートの中で無邪気に暴れるTinie Tempahの放電に似たラップと、MNEKの甘ったるいシロップみたいな歌フックがいい感じ。太陽光を変電したようなトロピカルでエレクトロなギザギザアッパー「Lightwork」はLewis Shay Jankelが制作を担当、こういう閃光みたくあちこち尖って棘立ったトラックとTinie Tempahの斬れ味鋭いラップの相性は抜群。客演に女性シンガーのNeaが参加した「Chasing Flies」はTroy Henryが制作を担当、陽光に照らされた熱帯植物のような鮮やかな音色が青々と茂るボタニカルなアッパー。Tinie Tempahのラップも光が揺れるように柔らかで、Neaの日陰のように涼しげなヴォーカルも色っぽくてナイス。ラテン風味で刺激的スパイシーで汗ばんだ情熱アッパー「Mamacita」はGareth Keaneが制作を担当、客演にはWizkidが参加。Tinie Tempahのスピード感溢れる熱気を纏ったラップが鋭く刺さって気持ちいいし、Wizkidのまったりと伸びる歌フックもスパイシーでグッド。水を弾いたような飛沫スプラッシュなトラックが潤ってクールなアッパー「Text From Your Ex」、制作はTimucin Fabian Kwong Wah Aluoが担当。Tinie Tempahの弾んで飛び交うラップが水飛沫に似た清冽なクールさで、そこに客演のTinasheのフルーティなヴォーカルがこれまた程良くエロカワで艶やかにして晴れやかな果汁たっぷりR&B(好物)。シャッター音の後にぼんやりと色彩と共に浮かび上がるような写真現像メロウ「Cameras」は、制作と客演はDavid Stewartが担当しており、ふわふわとした綿飴のようなサウンドとヴォーカルが夢見心地。キラキラとクリスタルに似た刺々しい音色が連なる冷たくシリアスな「If You Know」はUzezi Eddie Onikoが制作を担当し、客演にTiggs Da Authorが参加。Lewis Shay Jankelが制作した「Holy Moly」は、これぞガラージなトラックに南部っぽいドカドカ踏み潰すようなビートが組み合わさったド迫力の突進チューンで、粉塵巻き上げながらながら猛スピードで駆け抜けるTinie Tempahの突き刺すようなラップが鋭利。ベッタリとネオンカラーな眩い電子音が瞬いて刺激的に鋭いダンスチューン「Girls Like」、制作はNana Roguesで客演にはZara Larsonが参加の話題曲。とにかくピコポコと炭酸のように弾けて消える電子ビートの中で、Tinie TempahとZara Larsonがごちゃごちゃに混ざって溢れる一曲でベタなのが良い。同じくNana Roguesが制作したは悪魔的なトラックがなんともおどろおどろしく、噛み付く様につんざめくTinie Tempahの鋸歯のようなラップがグッド。「They Don't Know」はYogeshi Tulsianiが制作を担当し、客演にはKid InkとSteeflon、AoDが参加。これはもう完全にKid Ink節で彼のノリをそのままに踏襲していて、だからもうTinie Tempahが客演しているかのよう。Nana Roguesが制作した「So Close」では、Guy SebastianとBugzy Maloneが揃って客演参加。鉱物チックな硬い輝きが粒々と煌めく結晶石トラックの中で、Tinie TempahとBugzy Maloneのそれこそ鉱石のように光るゴツゴツしたラップと、Guy Sebastianの青く輝くコバルトブルーな歌フックもナイス化学反応な鉱山チューン。またまたNana Roguesが制作した「Find Me」ではJake Buggを客演に迎える飛び道具を用意、これがアコースティックギターの音色に針金のように細く尖ったビートが荒涼さを演出するブルージーなミッド。その乾いた空気を醸し出すトラック上をTinie Tempahのエッヂーなラップが虚空に響き、Jake Buggの涙に濡れたようにしとやかなヴォーカルが湿り気をもたらす美曲(溜息)。同じくNana Roguesが制作した「Rehab」はTiggs Da Authorが客演参加、長く降る雨のように優しく静かに零れる音色がとてもドリーミーで、Tinie TempahもTiggs Da Authorの水溶性のラップとヴォーカルも色彩を滲ませて美しい。 Bipolar Sunshineが客演参加した「Shadows」はTerrell Parhamが制作、まるで影絵のように輪郭が暈けたりくっきりシャープになったり繰り返すトラックはどこかオリエンタルな情緒があります。Tinie Tempahの陽炎ラップも勿論良いんですが、Bipolar Sunshineの遊牧民のように揺蕩うヴォーカルも幻想的で素晴らしい。最後はBless Beats制作の「Not Letting Go」で、Jess Glynneが客演参加なのだからもう完璧な布陣。もうこれでもかな陽光燦々な快晴アッパーが爽快の一言ですし眩し過ぎて目を細めてしまうほど、その中でプリズムとなって交錯するTinie TempahとJess Glynneの熱気を放出する華やかなヴォーカルがグッド(昇天)。

これまでの作品の中でもサウンドの振り幅が圧倒的に大きい一枚で、Tinie Tempahの進化を感じた力作で御座います。Tinie Tempahの得意とするエレクトロ要素が半減しているのが玉に瑕ですが、そういう点でもLabrinthの参加があったらなお良かったかとも思います。リリースが延期を重ねたのもあって、中身のサウンドのフレッシュさも少し落ちているのかも(Kid Inkとの共演なんかも)。しかしそんなのは所詮は負け犬の遠吠えで、死角無しな全方位型アルバムですし、Tinie Tempahは唯一無二の存在感なMCですしやはり格好良さは抜群、聴かないのは損ですよ。














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Trey Songz「Tremaine The Album」
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これからのR&Bを背負って立つ色男、Trey Songzの通算七作目となる『Tremaine The Album』を御紹介。まだまだ若いTrey Songzですがデビューは今から約12年前の『I Gotta Make It』、あのTroy Taylorに見出されはしましたが、この浮き沈みの激しいシーンの中で、その後もこれだけ長い間活躍出来るとは想像していたでしょうか。Trey Songzはグングンと大人の男性に成長し、今やお色気路線を真っしぐら、これだけ露骨でセクシーなスロウジャムを色っぽく歌えるのは、若いシンガーの中では絶対にTrey Songzが抜きん出ています。前作『Trigga』も毎度ながらの良作だったんですが、そこからまた約三年ぶりでの本作でアンストッパブルで御座います(精力的)。
それでは前置きはここらで止して本題に・・・・・・まずはさらさらとまるで砂金のような音色が、Trey Songzの熱を帯びて潤んだヴォーカルに洗われキラキラと舞い上がる「The Plelude」でスタート。トラックはTroy Taylorが制作で、ひらりひらりと舞い上がる砂金のような音色はそのままに次曲へ。もはやピチャピチャと水の滴っているような音色を零す水際スロウ「Come Over」もTroy Taylorが制作を担当、やはりここでも艶っぽく濡れたTrey Songzの悶えるような喘ぎヴォーカルが健在で、静かにチロチロと滴らせていた潤んだメロディも気付けば静かに満ちてこちらが溺れている始末です(満潮)。青空のように澄んで清らかな「#1 Fan」、制作はRico LoveとDwayne "D-Town" Nesmithが共同で担当。陽光のようにひらひらとプリズム化した結晶サウンドが眩くて、それを優しく包み込むようなTrey Songzのヴォーカルも木洩れ陽のような淡さでとても和やか。グングンと水を掻いて泳ぐように強く弾力のある遊泳感のあるビートが肝の「Nobody Else But You」、制作はAlex Isaakが担当。気ままにグラインドして波打つTrey Songzのヴォーカルが柔らかくも逞しく、涼しげな抜け感のある歌唱で思わずリズムを刻んで流してしまう好ミッド。“水も滴る好い男”を歌で体現しまくるTrey Songzらしい、濡れ濡れを超えて水飛沫まであげているスロウジャム「Playboy」は早くも本作のハイライト、制作はEarl & EとRico Loveが共同で担当。この手のエロス溢れるトラックはTrey Songzの十八番で、キラキラと汗ばんだサウンドの曲線を、まるで女性のボディラインを撫でるように歌うTrey Songzはやはり焦らしのテクニシャンで痺れっ放し(昇天)。Jonh "$K" McGeeが制作を担当した「The Sheets...Still」は、ふんわり柔らかくしなやかな裸婦みたいなトラックを、優しく繊細にエロティックに揉みほぐすTreyのヴォーカルにもはや悶絶。ひらひらと舞う音色がまるで、一晩愛し合って夜が明け、朝陽を遮る真白なシーツのように色香たっぷりの珠玉のベッドバラード(妄想)。ゆらゆらと深く揺蕩うようなとろんとした水深ミッド「Song Goes Off」はChristopher "C4" Umanaが制作を担当、ゆらゆらと揺れる水面を覗き込むような波紋にも似た揺らぎを派生させるTrey Songzのヴォーカルが鼓膜にじんわりと浸透します。ザクザクとして角の立ったアコースティックギターの弦音がピリリとスパイシーな「She Lovin It」、制作はCook ClassicsとJeff "Gitty" Gitlemanが担当。そのスパイシーさも手伝ってとても香ばしくも刺激的なミッドになり、Trey Songzのファルセットを交えたヴォーカルが熱帯夜のような熱気でジワジワと鼓膜に纏わりつくのがなんとも色っぽい。野生的に響くジャングル獰猛ビートが面白い「Animal」はCirkutとMade In Chinaが共同制作、ボタボタと落ちるようにドリップするTrey Songzの濃厚なヴォーカルが美味で濃密セクシーな四足歩行チューン。PipとSermstyleが共同制作した「1×1」は直角に突き刺さる光線みたいなシンセと、ボムボムと跳ねるビートが颯爽と響く爽やかなポップアッパーでグッド。「Priceless」は再びCirkutとMade In Chinaが制作を担当、白光のように眩くて色彩も飛ばすようなトラックに反射するように、Trey Songzの澄み切って瑞々しいヴォーカルが煌めくのが爽快で美味。Sons Of SonixとPoo Bearが共同制作したEDM風味の「What Are We Here For」は、澄んで冷え切った炭酸水みたいな透明ポップチューンで、フックですっと音数が少なくなる感触は水の中にドボンと飛び込んで外界の音が聴こえなくなるあの感触にも似てる(潤)。Patrick "Guiter Boy" Hayesが制作の「Games We Play」はMIKExANGELが客演参加、深い深い水の中へゆらゆらと沈んで溶けてゆくようなリキッドミッドで、Trey Songzのヴォーカルもひらひらときめ細かな水泡となって消えてゆくのが切なくセクシー。仄暗くダウナーなビートが聴き手をゆっくりと沈殿させる「Picture Perfect」はA Wallが制作を担当、Trey Songzの高音を封じたビターでブラックなヴォーカルが暗闇の中ぎらりと光るのがクール(痺)。最後はPoo BearとJeremy Snyderが共同制作した美しきピアノバラード「Break From Love」で幕切れ、雨上がりのように光を滲ませて潤むトラックの中で、Trey Songzのあの少し震えるような歌声が凛として切なく響くのが素晴らしいのです(胸打)。

やっぱりR&Bというのはこれぐらにセクシャルでなければ、と再認識させてくれる素晴らしい一枚。Trey Songzは昔から凄く大好きなシンガーですしアルバムどれも高品質なんですが、毎回と何曲かは不必要に感じる楽曲があって惜しいと感じるのですが(本作では「Animal」がそれスレスレだった気が)、本作はとってもスッキリと纏まっていて聴き易さ抜群でした。全てのエロスを牛耳り司っていたR. Kellyがスキャンダルに見舞われ失速している今、Trey Songzがその王位を継承すべき時なのかもしれない、そう思わせるシンプルにセクシーな優秀R&B盤で御座います(断言)。










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TLC「TLC」
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もはや伝説のガールズグループと言える存在、TLCの通算五作目となる『TLC』を御紹介。T-Boz、Left Eye、Chilliの三人で構成されその頭文字を取ってTLCという、なんとも単純明快な理由(Michael Jacksonの名曲「P.Y.T.」の一説“Tender lovin' care”も関係しているのかな)のTLC。もう90年代を語るには欠かせないグループだったTLC、飛ぶ鳥落とす勢いで大活躍していた矢先、Left Eyeが交通事故で亡くなるという悲劇が起き、やはり残ったT-BozとChilliもTLC活動をセーブせざるを得なくなりました(T-Bozの病気も関係しているだろうけれど)。その後も新規メンバーを募集したりして復活への準備を進めていたTLCですが、結局は残るオリジナルの二人で復活してくれました(感涙)。Left Eyeの死後にリリースされた『3D』以来、なんと15年ぶりとなる新作はその名もズバリ『TLC』、Left Eyeこそ居ませんがやはりファンとしては素直に嬉しいですね。
という訳でそろそろ感想を書いてしまいたいと思います・・・・・・まずは、クネクネと妖艶に動く蜃気楼のようなトラックが中近東テイストでスパイシーな「No Introduction」で幕開け、制作はCharles Dunlap、Joshua "Tipz" Richardson、Cory "Knotch" Marksが担当。熱気で咽せ返りそうなトラックの中にいて、そこにTLCのステンレス製の錆びつかないクールなハーモニーが光るのがトラックをクールダウンさせて汗ばみ濡らし、美しく研ぎ澄ましていているのがナイス。シャボン玉のようにポワポワと浮かんでは消えるシンセの音色がなんともドリーミーな「Way Back」、制作はDernst "D-Mile" Emile IIが担当。こういうファンタジーなトラックもTLCの金属的なヴォーカルが重なることでちょっぴりSF的に格好良くなるのが面白く、そこにSnoop Doggの柔らかく煙るラップが絡まることで、マシュマロ的な弾力も伴うメロウ感も生まれ心地良い。EWF的にホーンが炸裂する感じが燦々と射す陽光のように眩しい「It's Sunny」は久々の登場Ron Fairが制作を担当しており、それもそのはずEarth, Wind & Fire「September」をべったりサンプリング使用(反則技)。案外ここまでベタなファンクっぽいトラックに乗っかるTLCは意外で、金色ホーンに二人の銀色ヴォーカルが重なる眩い板金ファンク。信号的に電子音を連ねて明滅させる抜けミッド「Haters」はMichael BusbeeとCasper & Bが制作を担当、この曲に関してはそこまで好きでもないのが残念。本作でも最もお気に入りなのはやはり、TLCのステンレス製のヴォーカルが切なげな冷たさを帯びて、琴線に触れてプツンと断ってはまた結ぶ「Perfect Girls」はCarnoy "Ayo Kto" WatkinsにDavid "Davey Remix" Reed、Desmond "Motown" Washingtonが制作を担当。TLCのメタリックヴォーカルがアコースティックなトラックを映して反射し、それが切なさを倍増させる反射光的バラードでやはりTLCでないと創出できない質感。同じくアコースティックギター使い「Start A Fire」はCarnoy "Ayo Kato" Watkinsが制作を担当。トラックの持つ煌々とした輝きはまるで遠く彼方で燃える太陽のような神々しさがあり、それこそTLCの歌声に銀色の銀河を感じてしまう僕としては広大深淵なミッド。後半でスロウダウンする辺りなんかも秀逸で、ゆっくりと明光トーンを移ろう夜空のような壮大さがたまりません。荒涼とした金鉱ビードの上を吹き渡る壮麗な風のようなメロディがなんとも雄大なミッド「American Gold」、制作はCarnoy "Ayo Kato" Watkinsが担当。TLCの白銀のようなヴォーカルはまるで、風にたなびく白雲のように悠々と流れてなんとも雄大。妖しく蠢くビートと発光メロディがTLCの金属的なステンレス製ヴォーカルを暗闇に鋭利にフラッシュして写し出すのがクールな「Scandalous」はCory Moが制作を担当、どことなく最近のCiara風味にも感じたダークでソリッドな一曲で、そのヴォーカルですべてのサウンドを研磨し輝かせるTLCの技が光ります。これまでのTLC路線をバッチリ踏襲しているように思うソウルとエッヂーを融合させたミッド「Joy Ryde」はCory "Knotch" MarksとJoshua "Tipz" Richardsonが制作を担当、溜めを効かせて鳴るホーンやクラップの中でTLCのメタリックなヴォーカルが乱反射してキラキラと変幻して輝く鮮麗なミッドで、音の先まで美しく尖ってグルーヴィー。

やはり三十路の僕としては素直にTLCの新作を聴けたことは嬉しい、Lefteyeが亡くなった時から、もうTLCの新作は聴けないだろうと諦めていたから。確かにLefteyeのラップが入っていないからそこに隙間が空いてはいるけれど、T-BozとChilliの歌声は昔と全く変わらずで、僕が思うステンレス製のヴォーカルがキラキラと鋭く輝いています。あとは資金集めてでもいいから、Dallas Austinとがっつり組んでアルバムを作ってほしいところ(切望)。






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Kehlani「SweetSexySavage [Deluxe Edition]」

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鳴り物入りでデビューを待たれていた女性SSW、Kehlaniの記念すべきデビューアルバム『SweetSexySavage』を御紹介。アフリカ系アメリカ人、白人、ネイティヴ・アメリカン、スペイン人、フィリピン系ネイティヴ・アメリカンと多くの混血であるKehlani、全身タトゥーだらけのルックスもですがやはり独特な雰囲気を醸し出しているのはその影響もあるのでしょう。Kehlaniはその昔、14歳の頃にあのTony! Toni! Tone!のDwayne WigginsがプロデュースするPoplyfeなるグループにフロントマンとして所属していた経歴があるのだとか。その後二作のMixTapeを出してその名を馳せたKehlaniですが、特に二作目となる『You Should Be Here』は第58回グラミー賞で“最優秀アーバンコンテンポラリー・アルバム”にノミネートされるなどし大活躍し、このメジャーデビューはR&B愛好家にとっては皆が待ち望んだ作品と言えますね。
それではサクサクと感想をここに書いてゆくとしますか・・・・・・まずはPop & Oakのコンビが制作した「Keep On」はゴクゴクとミネラルウォーターを飲み干すように鳴るディープなビートと、軽妙にパチンパチンと弾ける音色がまるで微炭酸テイストなミッド。とても色味の少ない透明に近いトラックながら、Kehlaniの甘みのある歌声と後半のトークボックス使いがジューシーで程よい鮮やかさを演出。同じくPop & Oakの制作となる「Distraction」はどことなくオリエンタルな音色が漂う滑らかミッドに、Kehlaniのヴォーカルが華麗に棚引く桃源郷的な桃色ミッドで、やはりKehlaniのフレッシュでジューシーな歌声が糖度を持っていて鼓膜が美味さを感じます。まるでオアシスで沐浴をするように音色が優しく飛沫を上げる「Piece Of Mind」もPop & Oakが制作を担当し、もはやマーメイドのように滑らかに泳ぎ回るKehlaniのヴォーカルが優雅で幻想的。Charlie Heatが制作を担当した「Undercover」なんかはまるで90年代後半のMariah Careyを彷彿とさせるピチピチ感があるミッドで、色とりどりなフルーツゼリーのようにプルンプルンとした弾力のあるトラックにぴったりマッチ。「Crzy」はBrittany Chi Coneyが制作を担当、うっすらとした茜空のように眩いトラックの中で、鳥が飛び回るようにしゃくりあげて独特な歌い回しをするフックが印象的。Jahaan Sweetが制作した「Personal」は、Aaliyah「Come Over」をサンプリングに使用。ちょっぴり冷たくて暗い水の中を思わせるウォータリーメロウなトラックが潤んで時折溢れるのが美しく、そんなちょっぴり冷たく感じるウォータリーなトラックの中で、ヒラリヒラリと泳ぐKehlaniのヴォーカルはまるで鮮やかな色味の熱帯魚みたく綺麗。Rhian Sheehan「Waiting」をサンプリングした「Not Used To It」は、Some Randomsが制作を担当で、これこそなんだかAaliyahみたいなトラックとヴォーカルのシンクロの感触が懐かしい。ゆらゆら浮かんでは沈みを繰り返すローションみたく粘液チックなトラックに、柔らかな曲線を描くKehlaniの歌声がダイブし、その溝に緩やかに艶っぽく音色を落としてゆくのが鼓膜を伝う感覚。「Everything Is Yours」は"Downtown" Trevor BrownとZaire Koaloが共同制作しており、静寂に小さな穴を開けるようにポツンポツンと滴る音色とビートが、Kehlaniのヴォーカルに伝染して次第に線を描いてトラックを細く紡いでゆくのが幻想的。波紋のように広がってゆくメロディが潤んでいる「Advice」はPop & Oakが制作で、Kehlaniのスーッと澄み切って冷たいミネラルウォーターみたいな歌声がたまらなく渇きを癒す壮麗なミッド。現行のトラップをもっとシロップ足して糖度を上げたような甘美スロウ「Do U Ddirty」、制作はThe Featherstonesが担当しており、こうなるとKehlaniのプルンプルンとした果肉のような歌声が良いアクセントになっていてグッド。乾いたアコースティックギターの音色が涙を拭う風のように淡く爽やかな「Escape」は、Pop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが担当。一時期のNe-Yo(もしくはBryan Michael Cox)を彷彿とさせるギターと鍵盤音とビートスナップの三種の神器的なポップバラードで、Kehlaniの真っ直ぐで水彩絵具のようなヴォーカルがすーっと綺麗に広がるのがなんとも美しい。Picard Brothersが制作の「Too Much」はビートの鳴らし方や歌声の多重エフェクト、その歌声に乗せられた重さと沈殿加減なんかが、昔のAaliyahとTimbalandコンビのような質感でたまらなく興奮する。と思って聴いていたらそれもそのはず、Aaliyah「More Than A Woman」が使用されているのですね。なんだか水浴びをしてるように潤んだ音色が跳ねるSven Thomas制作の「Get Like」も、Kehlaniのヴォーカルが可愛くて、艶やかでいてヴィヴィットな感触が映えてグッド。搾りたてのフルーツジュースのように甘酸っぱくて色鮮やかでフレッシュなミッド「In My Feelings」はPop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが制作を担当、ちょっぴりEDMっぽいテイストもあって尖り過ぎずの種っぽいツブツブ感ビートがグッド。夏の日の水辺みたいにきめ細かな眩さをキラキラと反射させるよう天然水仕込みのさらさらしたミッド「Hold Me By The Heart」、制作はPop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが共同で担当。Kehlaniの清水のように冷たくキリリと澄み切ったヴォーカルも美しく溶け合い、鼓膜を伝って体中に駆け巡るのが心地いい(浸透)。「Thank You」はPop & Oakが共同制作したこれまた瑞々しいポップ風味の清涼ミッドで、Kehlaniの清流のように自由に透明に流れを変えるヴォーカルが壮麗でまるで湧き水のよう。とここまでが本編の内容で、ここからは豪華盤のみの収録曲が二曲収録。P-Loが制作を担当しSasha「Dat Sexy Body」をネタ使いしたトロピカルテイストの「I Wanna Be」なんかも、キュートでいてピチピチと弾けるKehlaniの歌声がなんとも美味でグッド。最後はJMIKEとDjembaが共同制作した「Gangsta」で、漏電するようにビリビリダラダラと鳴るシンセの中で、妖しく揺らめく毒の華のような歌声がじわじわと聴き手を麻痺させます。

最近はダウナーが流行しているせいか、囁くようにとか静かになだらかに歌うR&Bシンガーが多い中、Kehlaniは跳ねるようにキュートでピチピチとしたヴォーカルで全編を彩っていて色鮮やか。アルバムの大半の楽曲をPop & Oakが担当しているのも手伝って、全19曲とこれだけのボリュームながら統一感はあって、なおかつ90年代のR&Bを彷彿とさせるサウンドの連続でがっちり三十路のハートを掴んでくれました。








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Niia「I」
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ジャズを基調としたヴォーカルとピアノ演奏で魅せるSSW、Niiaの記念すべきデビューアルバム『I』を御紹介。LAを拠点に活動しているというNiia、僕は彼女のことは全く知らないつもりでいました。しかし、彼女との出逢いはWyclef Jean「Sweetest Girl」での客演だと後に判明、浅はかだった僕は(今も浅はかなのだが)Niiaの名前も歌声もまったく覚えていないという始末でした(懺悔)。New Yorkのオフブロードウェイで話題を集めているパフォーマンス“Sleep No More”なるものにも出演し注目は集めていたらしいNiia、何も知らない僕は美しいジャケットとRobin Hannibalが制作に関与ということで購入を決意。 Robin Hannibalと言えば、RhyeQuadronなどの活動でも知られる敏腕Producerで、やはり彼のプロダクションともなれば聴かずにはいられないのです。
それではお粗末で申し訳ないのですが感想を書いてみたいと思います・・・・・・まず本作の全曲の制作を手掛けるのはRobin Hannibal、そしてソングライトは全てNiia Bertino本人という二人で手製の一枚となっていて素晴らしい。やんわりとした飴細工のような音色が甘く伸びて花園を作り上げる「Prelude」、もうこの1分半の始まりでNiiaの彫刻のように滑らかに彫りの深いヴォーカルに胸を打たれます。そんなNiiaのふっと吐息を吹きかけるような甘美で線の細いヴォーカルが、聴き手の鼓膜を優しく絡め取って縛る「Hurt You First」も素晴らしい(溜息)。Robin Hannibalが織りなすシフォンのように薄く透けて柔らかな音色、そこから見え隠れするNiiaのスーッと伸びた白いヴォーカルが、水を蹴る爪先のように艶やかにして清冽。しとしとと降る長雨のように聴き手の鼓膜を濡らす「Sideline」、サンプリングにはChristine McVie「And That's Saying A Lot」とAl Green「I'm Glad You're Mine」を使用。雨に濡れたアスファルトのようにブルージーに色を暗くするメロディに、Niiaのヴォーカルは時に激しく呼応し、まるで空を仰いで雨粒を飲むような躍動感ある場面を思わせる濡れたモノクローム。Edwin Birdsong「Rapper Dapper Snapper」を下敷きにした「Nobody」では弾け跳ねる弦音の上を、まるで踊るようにして散る花吹雪のようにNiiaのヴォーカルがひらひらと落ちてゆくのが印象的。本作で最も好きなのが「Last Night In Los Feliz」で、夜明け前の空のようにうっすらと薄幸が微熱と共に滲んでゆくトラックに、Niiaの微睡みにも似た柔らかく曲線を描き揺らぐヴォーカルがなんとも幻想的で美しい(儚)。Robin HannibalのSade趣味が垣間見えるような「Girl Like Me」も中盤では、彼らしい電気的な断線ブレイクダウンが挿入されて聴き手のじんわり汗ばんだ熱を逃して巧いし、NiiaのヴォーカルはSadeほどに陰影を持たなくて、むしろ音色に対する反射光のように艶やかなプリズムを生んでいてとても綺麗。細く絡まり弾ける弦音がまるで夜空と朝焼けを結ぶ光の線のように綺麗な「Day & Night」、まるで朝露のようにキラキラと澄んだ輝きを放つNiiaのヴォーカルがなんとも麗しい。夜の雨のようにしとしとと静かにそぼ降る音色が潤んで消えるスロウジャム「Constantly Dissatisfied」、そんな潤いを含んだメロディの中を悠々と泳ぐNiiaの曲線ヴォーカルがまたしなやか繊細でグッド。遠くへ吹き渡る風のように壮大なメロディがそよぐ「California」も、美しい大理石の彫刻のような滑らかで透き通った光と流線を纏うNiiaのヴォーカルが映えます。秋になり葉が落ちるようにメロディが悲しげに散る「All I Need」、胸を震えて締め付けるNiiaの歌声は秋風のように、乾いて色を奪い、寂しげで、誰かをきゅっと抱きしめたい気持ちにさせる美曲です。1分半のインスト曲である「Mulholland」もやはり絶対に必要な一曲で、ここでこれまでを振り返り、光や影や匂いや色が断片的に蘇り褪せてゆくのが心地良いのです。最後はボーナス曲的な位置付けかと思われますが、新たにJazmine Sullivanを客演に迎えた「Sideline」が再び登場。Niiaの白く細い歌声とJazmine Sullivanの黒くふくよかな歌声が綺麗に混ざり、カフェオレのようにほろ苦な旨味を出していて素晴らしい化学反応を起こしています。

Robin Hannibalらしいまるで大理石で造られたギリシャ彫刻のような壮麗さ、完璧なまでの美しさでそこにNiiaの麗しく端正なヴォーカルが滑らかに響くのだから最高の一言に尽きます。Robin Hannibalが関与するとどうしてもSadeが引き合いに出るのですが、NiiaはSadeとはまた違う、ウィスパーな中にも力強さや筋のある隆起がそのヴォーカルにきちんとあって、そういう意味でも白く逞しい女神の彫刻を思わせる一枚だったなと感じたり。






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Run The Jewels「Run The Jewels 3」
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Killer MikeとEl-Pが組んだ超強力デュオ、Run The Jewelsの通算三作目となる『Run The Jewels 3』を御紹介。Killer Mikeに関してはもうかなりのベテランで、あのOutKastの一派として活躍していたMCです。それこそ僕はOutKast作品でKiller Mikeを知りましたし、その後のKiller Mikeの1st『Monster』を聴いたぐらい。あとはJay-Zとの共演曲「Poppin' Tags」なんだけれど、その時でさえBig Boiのバーターぐらいの認知でございました(陳謝)。しかしその後、あのKiller MikeがEl-Pと組んでここまでの大躍進を遂げるとは、結構誰も想像はしていなかったんじゃないでしょうか(憶測)。そのRun The Jewelsも驚くほどの人気でもう早くも三作目、前作『Run The Jewels 2』からも約二年でのリリースなので精力的ですね。このジャケットで次はどんな仕上がりになるのかも楽しみ(今作では拳がチェーンを握っていない)、なかなか策士で御座います。
それではざっくりとご無沙汰ながら感想を書き連ねたいと思います・・・・・・まず制作に関しては例に漏れずEl-Pがきちんと担当しており、だからこそのクオリティで安定しております。まずはKiller Mikeと同じくDungeon Family出身のJoiが客演参加した「Down」でスタート、ドムドムと津波を起こすように飲み込んで吐き出すビートの中で、肉弾的なRun The Jewels(以降はRTJと省略)のラップとコケティッシュでいて魔術みたいなJoiのヴォーカルが渦巻くのがナイスシンクロ。ソウルフルでロックなトラックに有刺鉄線を張ってザクザクと殺傷能力を高くして突っ込む刺々しいアッパー「Talk To Me」、両者のラップは鈍器のような重たさのくせして、鋭く空を裂くような軽やかさがあってやはりガツンとくる。いい意味で瓦礫チックにガラガラと破片が転がるようなトラックがオールドスタイルなブレイクをかます「Legend Has It」は、サンプリングにGentle Giant「Knots」を使用しており、バツバツと切れる電線のような危なっかしいトラックが鉄球のようなRTJと合致。「Call Ticktron」はビリビリと放電するメロディやカットを、両者のパワー溢れる重量級なラップがドカドカと踏み潰すのが痛快で、聴いているだけでザクザクと鼓膜に大きな風穴を開けられるのが痙攣してしまう感触に酔うばかり。油塗れのビートとメロディをドバドバと辺りに排水するようなドロドロな水浸し感がダートでイルな「Hey Kids (Bumaye)」、これは終盤に登場する客演のDanny Brownが全部掻っ攫っていくほどの痛快さで、Danny Brownらしい夢魔のような暴れっぷりが狂っていて面白すぎる(発狂)。カキンカキンと金鉱を採掘するような硬い輝きトラックが荒削りに角張って煌めく「Stay Gold」も、やはり金剛のように硬くぶん回すRTJの重量級ラップが滑らかに輝きながら脳天を吹っ飛ばすのが本当に気持ち良いばかり。ブォーブォーンとまるでスターセイバーを振り回すようなシンセが怪しく響く闇裂き曲「Don't Get Captured」は、そんな暗闇の中で相手を睨めつけて目を輝かせてのそのそ徘徊する夜行性の猛獣のようなRTJのラップが、ヒリヒリと恐ろしく尖っていてカッコイイ。「Thieves! (Screamed The Ghost)」では客演にTunde Adibempeが参加(ソングライトにはBoots、PianoにはDangermouseが参加)しており、なんだか密教めいたべったりと張り付く湿気サウンドが陰気でダーク、しかしRTJはこの中でもメラメラと静かに燃えるラップでジリジリ迫り、最後にはTunde Adebimpeの青白いヴォーカルが鎮火するという素敵な構成に。「2100」では要注目なSSWのBootsが客演で参加、そのBootsのヴォーカルがゆらゆらと揺れてRTJの重量級のラップを蜃気楼のようにして歪ませて、聴き手の意識の奥底に沈殿させるのがまた面白い。「Panther Like A Panther」ではなんだか久々のTrinaが客演参加しており、ポカスカと叩き暴れるパーカッションの中で踊るRTJの棍棒みたいなラップと、ブリンブリンに弾力のあるTrinaのセクシーで挑発的なラップがナイス配置でやはり興奮します。心電図的なビートが無機質に脈打つ静寂系のトラック「Everybody Stay Calm」もシリアスで、RTJの太いのに鋭利という特殊なラップが堪能できる一曲。重厚なギターのリフと通電するようなシンセで交互にザクザクと進行する「Oh Mama」は王道スタイルなトラックがハードで格好良く、ゆるゆると飛んでくるRTJの二連結のキャノン砲のようなラップに黙って被弾するしかありません(降参)。あのKamasi Washingtonが参加ということで巷では話題なのであろう「Thursday In The Danger Room」は、僕的にはあまり引っ掛からなかった一曲で残念。最後は二曲が繋がった「A Report To The Shareholders / Kill Your Masters」、後半のズルズルと齲蝕するおうなドロドロのトラックは中毒性が高くてかなり好きな酸ミッド。

二人共が似たようなヘヴィー級のラップをするので、そういう良い意味では両極端なタッグだったらもっと聴きやすいかもと僕はいつも思ってしまうRun The Jewels(我儘)。しかし燻し銀な格好良さは当然ながら健在でタフそのもの、こういう一本芯の通ったラップ盤を聴きたいのも事実で御座います。






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