RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Wyclef Jean「J'ouvert」
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これまで多くのヒット曲を手掛けてきたシンガー兼ラッパー兼プロデューサー、Wyclef JeanのEPとなる『J'ouvert』を御紹介。ハイチ産まれで9歳の時にNew Yorkへと移住し、Lauryn HillとPrasと共にThe Fugeesを結成し瞬く間にスーパーグループへと成長。Wyclef JeanはそのThe Fugeesの中でもProuducerを務め、その類い稀で自身の出自を活かしたサウンドは他の追随を許さず、Destiny's Child「No, No, No, Pt. 2」やShakira「Hips Don't Lie」などのプロデュースで特大ヒットを放っているのは周知のこと。2010年8月5日には、同年11月に行われるハイチ大統領選挙への立候補届けを提出するも、選挙管理委員会が「過去5年間ハイチに在住することが必要」として結局は認められず断念してしまいました。そんな精力的なWyclef Jeanですが、本作はEP扱いということで買おうかどうか迷ったんですが、10曲収録ですしシングルで好きな曲が収録されていたので買いました(結局)。
という訳でコンパクトではありますが感想をつらつらと・・・・・・まずはWyclef JeanとBrandon "Wavie Boi" Washingtonが共同制作した「The Ring」でスタート。トロピカルな風味は残しつつも、聖者が行進するような荘厳さと、終盤の咽び泣くようなエレキギターの音色が印象的で、塩辛いWyclef Jeanのヴォーカルとの相性が抜群。DJ Marley Watersが制作を担当した「I Swear」ではなんとYoung Thugが客演、本作の狙いの曲のうち一曲はコレ。ピカピカ輝いて撥水性のある軽快なダンスホールチューンで、冷たい水飛沫を浴びるようなスプラッシュ感がたまらない水玉トラックでグッド。またこのトラックでは潮風のような味わいで抜けてゆくWyclef Jeanのヴォーカルも、陽光に溶けるアイスキャンディのようなYoung Thugのヘナヘナしたラップもナイス融合。Wyclef JeanとBrandon "Wavie Boi" Washingtonが共同制作の「Rear View」は、漣のような白い細かな輝きが押しては返す一曲で、Wyclef Jeanのヴォーカルがやはり潮風のように聴き手の鼓膜を撫でる爽やかな一曲。Nicholas Petriccaが制作し、あのWalk the Moonが客演参加した「Holding On The Edge」のレイドバック感は最高の一言で、水の中をゆったりと漂いながら、陽光の熱を掬って遊ぶようなウォータリー感と微熱感がたまりません。Wyclef JeanとDJ Reymoが共同制作した「Littele Things」では、T-BabyとAllyson Casadoが客演で参加。女性を迎えることで火照った体をクールダウンさせるような効果を実現、トロピカルなアルコールのようにじわじわと聴き手を酔わせて躍らせる妖艶な一曲。もう明け透けに陽気で晴れ晴れとした海岸沿いを思わせる「Lady Haiti」はWyclef Jeanが制作を担当、ここでもやはり海水と塩分同濃度のWyclef Jeanの塩辛く掠れたヴォーカルが聴きどころで、からりと乾燥したダンスチューンはWyclef Jeanの専売特許だと実感。Wyclef JeanとJube Altinoが共同制作した「Party Started」はFarinaとNurtonが客演参加、Wyclef Jeanが自身の錬金術でEDMなテイストを足したビートも、程よい熱感でジリジリと聴き手のテンションを上げる一曲で、客演二人の艶っぽくと熱っぽい援護射撃も汗ばみ滑らかでナイス。本作で最も注目だと思っているのが、現行のトラップをWyclef独自の製法で蒸留した素晴らしいブルース曲「Hendrix」、制作はWyclef JeanとDJ Buttahの共同制作でこれが素晴らしい(溜息)。熱を放出しきった夕陽が海へ沈んで冷めてゆくような煌めきを、Wyclefの潮風のようなラップとヴォーカルが彼方へと運ぶ好ミッドで、トラップにこれほど儚い微睡みを与えたのはきっとWyclef Jeanの辣腕だからこその仕事。昔ながらのWyclef Jeanの焙煎トラックが香ばしく鼓膜に響く「Life Matters」は当然Wyclef Jeanの制作で、この夏の夕間暮れ感のあるトラックはいつ聴いても彼なりのブルース。Wyclef Jeanの潰えた夢を歌ったであろう「If I Was President 2016」はRon "Point 1" Carrが制作で、アコースティクギターを昼下がりの揺れるそよ風のように奏でながら、塩辛いWyclef Jeanのヴォーカルが混じることで潮風のように鼓膜をさらってゆくミッドで心地よい。

僕は音楽に詳しくはないので、レゲエとかダンスホールとかソカとか全て同じように聴いてしまっているし、だからこそこのブログではどうしてもトロピカルという表現を多用してしまいます(苦笑)。Wyclef Jeanの場合はルーツがハイチ音楽にあるのだろうけれど、それがなにかもまた僕にはわからない訳で。最近はこういうサウンドがまたRihannaやDrakeによって隆盛している気もするし(DrakeはSean Paulに批判されていましたが)、そういう意味ではWyclef Jeanにとっては追い風なのかもしれません。ちなみに本作も「Hendrix」の一曲狙いで購入しても損はありませんし、年内には新作アルバム『The Carnival III』のリリースも控えているとのことなので、夏真っ盛りな今のうちに買って予習しておくといいかも。








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Rick Ross「Rather You Than Me」
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元看守という異色の過去を持つも圧倒的支持を集めるボス、Rick Rossの通算九作目となる『Rather You Than Me』を御紹介。その巨漢がトレードマークだったRick Rossも現在は34kgも体重を減らし、すっきりとした体躯になってちょっと寂しい感じもします(笑)。しかしその存在感は全く痩せることなくどんどんと巨大化、アルバムに関しても年イチぐらいのペースでリリースを続け、本作も前作『Black Market』からたったの一年でのリリース、本当にハスラーで御座います。自身のレーベルであるMMGを率い、その所属MC達もバッチリ活躍させているあたりもすごいですね。
それでは中身はどんな感じなのかを僕の拙い文章で・・・・・・まずはChad Nineが制作を担当した「Apple Of My Eye」でスタート、客演にあのRaphael Saadiqが参加しているというだけで高得点必至。Rick Rossにとっては十八番なしっとりと濡れた雨上がりの夜空のようなトラックが高貴で、そこにベロア生地のように柔らかく厚みのあり滑らかなRick Rossのラップと、Raphael Saadiqのシャンパンゴールドのようにライトな輝きと刺激を鼓膜に与える酸味ヴォーカルがたまりません(失神)。「Santorini Greece」はなんとあのB!nkが制作を担当し、サンプリングにはJudy Bailey Quartet「Colours Of My Dream」をべったりとサンプリング。B!nk手製らしい凝縮ソウルフルなトラックは飴細工のようにねっとりと絡む金色ホーンが艶かしく、そこに黒塗りビカビカに輝く高級車マイバッハのごとく、のっそりと美しく気品を纏って抜けてゆくのがカッコイイ(痺)。Black Metaphor制作の「Idols Become Rivals」ではChris Rockが冒頭に客演参加、サンプリングにはもはや鉄板ネタのCamilo Sesto「Agua De Dos Rios」を使用。原曲の持つあの氷雨のように静かにそぼ降る音色が鼓膜を冷やし、角張った氷のようなRick Rossのラップが妖しい光を反射させるアイシーな一曲でクール。Yung Coke制作の「Trap Trap Trap」ではYoung ThugとWaleを客演に配置、タイトルまんまにボトボトとビートを垂れ流すトラップチューンに、のそのそ闊歩するように乗るグリズリーみたいなRick Ross、千鳥足寸前で軽妙にリズムを刻むYoung Thug、軽々とビートを飛び越える強靭なWaleと三つ巴でカッコイイ。Beat Billionaire制作の「Dead Presidents」ではFutureにYoung Jeezy、Yo Gottiともう胃もたれ確実な脂っこいメンツが揃い踏み。トラックは鉄鋼チックなゴチゴチハードなもので鉄の苦味しかしないのが美味、そこにもう蜃気楼のようなFutureや金切り音のようなJeezy、怪力でこじ開けるYo Gottiとおしくら饅頭状態で凄まじい(汗)。ブルンブルンの肉弾ビートで弾みながら破壊する強烈アッパーチューン「She On My Dick」はBeat Billionaireが制作、このギラギラと凶悪バウンスを振り回すトラックに客演がGucci Maneというのはもうカッチリ合致、共に体型はスリムになりながらも吠えるように獰猛な猛獣ラップで重くのしかかります(快感)。C Gutta制作(Co制作にJ Pilot)の「I Think She Like Me」ではTy Dolla $ignが客演参加、The Stylistics「People Make The World Go Around」をネタ使いしたトラックはやはり深紅のヴェルヴェットのような華やかさと滑らかさで壮麗だし、そこに転がるRick Rossのモフモフした毛皮のようなラップも上品、そして極め付けはTy Dolla $ignのブランデーのように芳醇な酔いが回るという美しさ。Sap制作の「Powers That Be」ではNasが客演参加しており、ちょっぴりナンプラーで炒めたようなオリエンタルな香味トラックに、両者のバキバキと角張って正統派なラップが風穴を開ける硬派チューン。またもやB!nkが制作の「Game Ain't Based On Sympathy」はThe Lotus Sound「Thelicia」をサンプリング、もう兎にも角にもラグジュアリーでふわっと香る高級パルファムのようなトラック、Rick Rossの甘く深みのあるラップが鼓膜をくすぐるのがもう快感。続く「Scientology」もB!nkが制作を担当しており、夏の夜にスーッと上がる花火を逆再生するような光の収縮がなんとも美しいミッドチューン(最高)。StreetrunnerとTarik Azzouzが共同制作の「Lamborghini Doors」では、客演にMeek MillとAnthony Hamiltonを準備するという徹底ぶりで、これはもうAnthony Hamltonの茶カテキンのような渋くも甘いヴォーカルがすべてを抱いて淡く昇華させてしまう良曲。The OlympicksとAnalogicが共同制作の「Triple Platinum」ではMMGの伏兵Scrillaが客演参加、なかなか良いんです。僕的にしれっと好みなのがDej Loafが客演参加したシリーズ曲第五弾「Maybach Music V」、制作はBuda Da FutureとGrandz Muzik、Beat Butchaが共同で担当。夕立のような熱と潤いが混じって輝くようなトラックがすごく幻想的で、だからこそ重厚Rick Rossにコケティシュでメロウでいて跳ねるDej Loafのラップが重なるのが単純で綺麗。最後はまたもやYo Gottiを客演に迎えた「Summer Seventeen」、Beat Billionaire制作の回転乱打ビートのトラックが攻撃力抜群で最後に撃ち抜かれます。

やはり僕的には、大好きなProducerであるB!nkが三曲参加しているのが大きなトピック(興奮)。やはり重厚ソウルフルなトラックを上品に仕立てるのはお手の物で、これはRick Rossでしか出来ない芸当。誰だったかRick Rossを“現代のBiggie”みたく評した言葉があって、それもなんとなく理解できてしまう存在感かなと。Rick Rossはいつも当然のように高水準のアルバムをしれっと送り続けるものだから、僕もいつも評価しないまま(さも当然という傲慢が働いて)で年間Top10から外れてしまうんですが、こうして落ち着いて聴くと凄まじい重厚感で恐ろしく素晴らしいです(畏怖)。








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Dave East「Kairi Chanel」
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かのNasが率いる注目レーベル“Mass Appeal Records”からの新たな刺客(New York出身)、Dave Eastの記念すべきデビューアルバム『Kairi Chanel』を御紹介。Mass Appeal Recordsは今やこのDave Eastをはじめ、Run The JewelsBishop NheruFashawn、はたまたMannie FreshやDJ Shadowまで在籍する強力レーベル。最初Nas関与と知った時は上手く機能するのか疑問でしたが、順調にリリースとヒットをしている(そこはやはりNasの御眼鏡に適っただけあるので当然)から少々驚きですね。このDave Eastは例の人気企画“XXL Freshmen Class 2016”で選出されてもいるので、まあ順当で御座います。
それではざっくりとになってしまい失礼ではありますが感想に・・・・・・まずはMr. Authentic制作でFuture Islands「Seasons (Waiting on You) (BADBADNOTGOOD Reinterpretation)」をサンプリングしたウェットでブルージーな「It Was Written」でスタート、Nasの2ndアルバムと同タイトルというだけで思わずニンマリ。深い河がゆっくりと流れるような濁流メロウの中で、ギラギラと厳つく角張った輝きを放つ石炭のようなラップをぶつけるDave Eastは激渋でグッド。Cardoが制作した「Type Of Time」ではもはや鉄板で愛されるSade「Like A Tattoo」をサンプリングし、Sadeの持つあのシルクのようなすべすべとしとやかなメロディにゴツゴツと撃つ銃声ビートで刺繍を施し、それをDave Eastの黒煙のようなラップがじわじわと焦がしてゆくような侵食が美しい(刹那)。Reverend W.A. Donaldson「Baptizing Scene」の民族的な叫びリフレインを拝借した「Again」はRich IcyとMoney Montageが共同制作、そんな谺の間を塗ってボコボコとマグマのように湧き上がるDave Eastの高熱ラップがそのまま熱い。Cardoが再び制作した「Can'tIgnore」では意外にも2 Chainzが客演参加、ぶらんぶらんと重たくもたれたビートが催眠術よろしく揺れ、ギリギリと締め上げるような音色がつんざめく一曲。ゴツゴツと石炭のように硬いDave Eastのラップに対し、2 Chainzのもったりとボール状のラップが弾むのが面白い対比。BudaとGrandzが共同制作した「From The Heart」ではZhane「Sending My Love」を濾過サンプリング、原曲の持つフルーティなメロディを客演のSevyn Streeterが微炭酸に仕上げているのが味噌で、それまで黒煙と称したDave Eastのラップが曇天の切れ間から射す陽光のような温かみに変換。Chava Alberstein「At Summer's End」をサンプリング使用した「30 N***az」もBudaとGrandzが共同制作、ネタ曲に銀匙を突っ込んでクルクルと掻き回したようなマーブルさが妖艶で、だからこそそのマーブルに苦味を溶かす濃厚エスプレッソ的なDave Eastのラップが活きる。Mr. Authentic制作の「Keisha」はAdrian Younge and Venice Dawn「Sound of a Man」の墨汁のように黒々としたファンクネスをねっとりと練り上げ、その黒でベタベタとペイントするようなDave Eastのボツボツとドット柄のようなラップが印象的。Phonixが制作した「Eyes On Me」ではNew Yorkの古参となったFabolousが客演参加、サンプリングにはDonell Jones「Shorty (Got Her Eyes on Me)」を使用。これはもうネタ曲を沸々と熱してほんのり気化させたテイストもナイスですし、ここではこれまでに聴いたことのない毒霧変幻したFabolousの妖しいミストラップがなんとも素晴らしく、完全にDave Eastのラップを霞ませて行方不明にしています(捜索)。再びMr. Authenticが制作した「S.D.E」ではCam'ronが客演参加、ここでもCam'ronの2ndと同タイトルを持ってくるのが憎い演出です(失禁)。霜のようにゆっくりと氷結させるようなメロディに乱舞するビート、この喧騒の中ではCam'ronの鮮烈でいてパンチのあるハイファッションなピンクカラーのラップがインパクト大で凄まじい格好良さ。「Don Pablo」はTha Jermが制作を担当しており、無骨にひたすら撃ち込むDave Eastのラップがゴチゴチ。Mark Henry制作の「The Only Thing」は高貴フローラルな女性ヴォーカルがなんとも華やかで、Dave Eastのバチバチと弾ける強炭酸なラップが輝きを散らすラグジュアリーな一曲。Cashflowが制作した「The Real Is Black」ではBeanie Sigelが客演参加、シリアスなトラックに細く薄くガスみたく蔓延するBeanie Sigelのラップ(例の銃撃事件で肺をやられたためか?)が昔と違いすぎてちょっと困惑。またまたCardoが制作した「Slow Down」ではSlick Rick「Hey Young World」をサンプリング、光を受けて埃が舞うようなちょっぴり退廃したような美しさが光るメロウトラックに、黒煙のようなDave Eastと客演の女性シンガーJazzy Amraの艶やかなヴォーカルが溶けあいます。最後はTriple Aが制作した「Don't Shoot」で早回ししたようなトラックとヴォーカルが甘酸っぱいセピア色で、90年代の東海岸を彷彿とさせるトラックでなかなか好み。

やはりNas路線といいますか、かなりビターなテイストのフロウで三十路の僕好みの渋さが光ります。スモーキーではあるけれどWiz KhalifaやCurren$yらとは違う感じで、まるで黒煙のように重たくて支配的な強さのあるラップで重厚感アリです。やはり三十路の僕としてはFabolous、Cam'ron、Beanie Sigelの登場に胸が熱くなりましたね(感涙)。Dave Eastも凛々しくも力強くてカッコイイので、次回作にも期待しています。








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Raekwon「The Wild」
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Wu-Tang Clanの中で“The Chef”の異名を持つ男、Raekwonの通算七作目となる『The Wild』を御紹介。Wu-Tang Clanの中ではGhostface Killahに次いでソロアルバムを出しているのがRaekwonで、客演なんかが多いのもRaekwon。ここ最近はWu-Tang Clanが活動再開したり、特にWu-Tang Clanの頭脳であるRZAの活動が活発。カンフー映画『Iron Fists』を監督&主演し、サントラ盤までガッツリ制作したり。あとはJames BlakeやRauryに客演したりもして存在感を遺憾なく発揮しております。Raekwonも負けずとコンスタントにアルバムをドロップしており、前作『Fly International Luxurious Art』からおよそ二年ぶりとなる本作も、Raekwonが巨大化したようなDan Lish制作のイラストジャケットからして素晴らしい。
てな感じで前置きはいい感じになったので本題に入ろうと・・・・・・まずはXtremeが制作の「This Is What It Comes Too」でスタートなんですが、相変わらずのビリビリと空気を緊迫させる鋼鉄ビート使いの中で、まるで刃物を研ぐように、鋭利な金切り音みたくRaekwonのラップが飛び交うのがもう最高なんです(痺)。The Vibrettes「Humpty Dump」をサンプリングした「Nothing」はFrank Gが制作を担当、ソウルヴォーカルを鉄槌ビートで叩いてぺしゃんこに伸ばしたようなループに、ひらひらと舞って刺すRaekwonのでっぷりとした毒蜂みたいなラップがブンブンと飛び込みます。同じくFrank Gが制作を担当した「Marvin」はタイトルそのままMarvin Gaye使いかと思いきや、Banks & Hampton「Passion and Promises」とJackie Jackson「Is It Him or Me」をダブルネタ使い。雨が煙るようなしとやかな音色が立ち込める湿っぽいダークメロウに、Raekwonの柔らかながらも剛力なラップがバキバキと空気をへし降り、その空気の破片を客演のCee Lo Greenが鳳凰ヴォーカルで震わせ潤ませるという見事な演出です(鳥肌)。ソウルレコードをそのまま生搾りしたような果汁が甘酸っぱい、好ミッド「Can't You See」はRoadsArt制作もネタ元が分からず。こういう完熟甘味のあるソウルフルトラックはWu-Tang Clan面々の十八番ですし、Raekwonの胡椒の効いたラップもいいアクセントになって涙腺を刺激するナイス一曲。 G Sparkzが制作の「My Corner」では客演にLil Wayneが参加、漏電したように光を震わせ輝くトラックが歪な曲線を描くのが美しく、だからこそ変幻自在にチロチロと舌を出す様なLil Wayneのラップが映える策士曲。あのDame Greaseが制作を担当した「M&N」は、いかにもDame Greaseらしいオルガン鍵盤が不穏に響く荘厳なシリアス曲で、そんな漆黒の闇の中で暗殺術の使い手であるRaekwonがP.U.R.E.(このMCが負けず劣らずカッコイイ)を従えて、的確に斬撃ラップを繰り出すのが最高にイル。Mally the MartianとDan the Bandが共同制作した「Visiting Hour」ではMelvin Bliss「Synthetic Substitution」をサンプリングし、客演にはあのAndra Dayが参加というスルー厳禁な一曲。空気をも斬ってしまうようなRaekwonの美しき斬撃ラップに、それによって散って舞う花びらのように響くメロディとAndra Dayのヴォーカルで、綺麗にモノクロ(Raekwon)とカラー(Andra Day)が混じり切り立った芸術作品に昇華されているのです(溜息)。Mark Henry制作の「The Reign」もやはり燻し銀なソウル妙味なトラックながらもネタ元不明、ソウルフルなトラックを発酵させて甘味を増させたようなトロミのあるトラックと、気持ち良いぐらいにシンプルなドラムブレイクだけで聴かせるRaekwonの斬鉄拳ラップが最高。The Montclairs「Dreaming's Out of Season」をバッチリと早回しサンプリングした「Crown Of Thorns」はJ. Dotが制作、様々なブレイクが花火のように打ち上がり夜空に舞い散るような壮麗さが秀逸で、その後に香る火薬の匂いにも似たRaekwonのラップに情緒を感じるのです(風物詩)。「Purple Brick Road」はなんとJ.U.S.T.I.C.E. Leagueが制作で、客演にはG-Eazyが参加して夜風のようにしっとりと揺れるトラックを艶っぽく演出していてグッド。最後はRoadsArt制作の「You Hear Me」で幕切れ、これは止まない氷雨のように淡々と鼓膜を打つRaekwonの刺す様なラップに身を委ねるだけ。

ここ最近のRaekwon作品に比べるかなり客演が少なめで、だからこそ良い意味でとてもスリムで聴き易さ抜群。毎回と書いてしまうのですが、これでRZA制作曲が一曲でもあったらば最高なんだけど(我儘)。もはやRaekwonのアルバムに説明は不要、ただただこの味わいある錆声に(だけれども聴き手の鼓膜をスパッと斬り捨てる)聴き入るばかりです。やっぱり90年代を生きた三十路の僕としては、Wu-Tang Clanの面々は無条件に贔屓にしてしまいます(笑)。








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Common「Black America Again」
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Hip Hop界きっての賢者、Commonの通算十一作目となる『Black America Again』を御紹介。Chicagoの現状を憂いた前作『Nobody's Smiling』からおよそ二年ぶりとなった本作は、やはり社会派MCらしく昨今怒っている運動“Black Lives Matter“を軸にした黒人の尊厳を誇った内容になっている模様。本作も旧友であるNo I.D.がDef Jam傘下に立ち上げたレーベル“ARTium Recordings”からのリリースとなっているのですが、中身ではまた違った仕掛けがなされているのでそれはこの後に触れます。
それでは中身について書き書きしたいなと思いますが・・・・・・まずは本作の制作陣についてなのですが、No I.D.の名前は見当たらないのです。代わって全曲の制作を担当したのがKarriem Riggins、ジャズドラマーとしてもProducerとしても有名な彼(Jay Dillaと制作を共にしたり、Madlibとのコラボでも知られる)が本作の軸となっております。まずはGentle Giant「Empty City」をサンプリングした「Joy And Peace」で幕開け(Back VocalにBJ The Chicago KidやSyd、Marsha Ambrosius、Tasha Cobbs、PJが参加)、まるで光り輝く鱗のように波打った照り返りを魅せるトラックの上をド渋くラップで駆け抜けるCommonと、飴色にまったりと光コーティグを施すBilalの甘美な歌声がもう最高。O.V. Wright「I'm Going Home」をサンプリングに使用した「Home」、重たい鉛空を強引に引き裂く光のようなホーン&ビートが轟々唸るトラックが骨太で、こうなるとCommonでしか独特に渋い色味を乗せて完成させることが出来ないクラシックな一曲。表題曲となる「Black America Again」(Back VocalではChuck DとMC Lyte、BassではEsperanza Spalding、PianoではRobert Glasperが参加)では、あのStevie Wonderがハープではなくヴォーカルで参加。肌を掠めて斬るように鋭い疾風のようなビートと、それに半ばちぎられるように吹雪舞う花びらのような鍵盤音が儚く美しい。Commonの礫のように固く尖った言葉一音一音を爆発させるラップに、Stevie Wonderのまろやかなヴォーカルが芳しく奏でられ熱を優しくもみ消します。柔らかでうっすら桃色の綿飴みたいな、ふわふわした音色がドリーミーに響く「Love Star」はMtume「You, Me and He」をサンプリング使用。ほんのり甘味のあるトラックながらも芳醇で深みのあるCommonの焙煎ラップと、客演参加のMarshaのビターな歌声とPJの甘酸っぱい歌声の調味も素晴らしい。Edger Verey「Cormoran Blesse」をネタ使いした「Red Wine」では、Syd(The Internet)とElenaが客演参加。小さな水槽の中でユラユラと泳ぐ無数の小さな熱帯魚を見つめるようなサウンドは、これはもうSydの世界観を凝縮したような一曲で、そこにCommonが水面に波紋を幾重にも広げるようにラップを滴らせてゆくのがなんとも滑らかで美しい(溜息)。エレキテルとでも形容したくなる不揃いな電子音が、目の粗い乾いたビートに押されて波形を崩しながら弾ける「Pyramids」。こういうビート主張の強いトラックこそ、きっとアカペラでも色彩曲に仕上げることのできるCommonの精巧で芸術的なラップが映える。しかもこのビートの中にあのOl' Dirty Bastard「Brooklyn Zoo」の奇天烈ラップを粉砕混合することで、余計に刺々しくもタフなタッチに昇華しているという反則技が困ります(痙攣)。「Unfamiliar」では幾度と参加している謎の女性シンガーPJが客演参加、サンプリングにはJohn Cameron「Half Forgotten Daydreams」を使用しており、エコーのかかった靄にも似たしっとりしたメロウが鼓膜を湿らす好ミッド。Frank Dukes「Man」をネタ使いした「A Bigger Picture Called Free」では、SydとBilalが揃って客演参加(贅沢)。ボタボタと垂らした電子音がぼんやりと滲んで広がるようなトラック、訥々と語るようなCommonのラップとSydの吐息のような繊細なヴォーカル、終盤のねっとりと絡みつく蜜蝋のようなBilalのヴォーカルで余計に粘度が増し美味さ倍増。「The Day Women Took Over」では同郷のBJ The Chicago Kidが客演参加、Mark Blumberg「A Place To Hide」をネタ使いしたトラックは、ホーンやストリングスが星空のように煌めく金色曲線チューンで、知的スマートなクラシックスタイルのCommonのラップと、BJ The Chicago Kidの夜風のようにしっとりと滑らかなヴォーカルがたまりません(痺)。もはや名コンビとなったJohn Legendが客演参加した「Rain」は、鉄壁ともいうべき色鮮やかで希望に胸が湧くピアノバラード。CommonのラップもJohn Legendのヴォーカルも温もりがあって、雨上がりの濡れた陽光のような、あの冷たさの端々に温かみが溢れるような感触がなんとも美しいし胸を打つのです(涙)。またもやFrank Dukes「Stoner's Greek」をネタ使いした「Little Chicago Boy」ではゴスペルシンガーのTasha Cobbsが客演参加、荘厳にして凛とした神々しい一曲でとても瑞々しくて力強い。最後はBilalを客演に迎えた「Letter to The Free」(Robert Glasperも制作に関与)、鍵盤音にビートとクワイヤっぽいリフレインを加えた素朴でシンプルな一曲で、だからこそCommonの一語一語エッヂのある、極端に言えば濃淡だけで聴かせる(彩る)ラップがビカビカに映えるのです。

それはもうCommonですから文句なしにカッコイイ、それは誰が聴いても間違いない(痺)。最近はもっさりとしたラップ(マンブルラップだっけ?)が多いから、かえってこういうベテラン勢のタイトでバチバチに角張ったラップが愉しめます。特にCommonに関しては昔から思うけれど、アカペラでラップしてもビートを立体的に即構築できるヴォーカルの持ち主だと思っていて、本作でもKarriem Rigginsのジャズ基調なさらさらとした滑らか真鍮トラックでも、きりりとビートやメロディを立たせている気がします。昨年度の年間ベスト、迷ったけれど入れなかったんです、Commonならばこれぐらい当然という思いが手伝って(笑)。






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