RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

02 2018
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Wyclef Jean「Carnival III : The Fall And Rise Of A Refugee」
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伝説的なグループThe Fugeesのリーダーであり優れたProducer、Wyclef Jeanの通算七作目となる『Carnival III : The Fall And Rise Of A Refugee』を御紹介。Wyclef Jeanの本作は実は昨年リリースされているのですが、昨年はEPでこそありますが『J'ouvert』もリリースしていたので、本当にパワフルな一年だったかと思います。そもそもから『J'ouvert』は前哨戦的な作品だと公言していた訳ですが、すっごく出来も良かったのでそんな添え物だとはつゆとも思わず。そんな訳でなんだかんだで買ってしまうのがWyclef Jean、本当にがっつりとアルバム一枚を届けてくれてました。
それではザクザクとした粗忽な感想で申し訳ないのですが・・・・・・まずはBranden "Wavie Boi" Washingtonが制作(Wyclef JeanがCo制作)した「Slums」で幕開け、客演にはJazzy ArmaにH1DaHook、Marx Solvilaが参加。Wyclef Jeanのなんとも煙たくてブルージーなヴォーカルが充満し、鼓膜をヒリヒリと燻してくるのがド渋くて重厚でグッド。Chris "Flict" Aparriが制作を担当したカリビアン嗜好なトロピカルミッド「Turn Me God」、音少なくもギターを爪弾き木工ビートを鳴らすトラックがどこか長閑で心和みます。Wyclef Jean制作(Co制作をAlberto Vaccarino)の「Borrowed Time」は淀みなく晴れた雨上がりのように、純粋に煌めきすべてを温める陽光のような眩さがとても綺麗で、晴れ間に虹が架かるように鮮やかで優美なWyclef Jeanの歌声にホッコリ癒されます。「Fela Kuti」はSupah Marioなる人物が制作を担当しており、バリバリと裂けて弾けて鳴る塩気たっぷりなホーンがアクセントのソカっぽい曲で、そんな情熱的なトラック上で茹だるように熱気ムンムンなヴォーカルを炸裂させるWyclef Jeanが憎い(笑)。Sidney Swift制作(Co制作をMotiv)の「Warrior」ではT-Babyが客演参加、溜めてステップを蹴り出すようなカルメン調のトラックに、鮮烈なWyclef Jeanのシャウトが弾けて悶絶させられるスパイシーな一曲。Wyclef Jean制作の「Shotta Boys」ではStixが客演参加しており、現行のトラップチューンをWyclef Jeanらしくキッチリ焙煎して苦味を足した作りで最高に面白いし、こうなると他のトラップ曲とは全く違ってドクドクと鼓膜にドリップされてギンギン冴えます(興奮)。Wyclef Jean制作の「Double Dutch」なんかもやはりWyclef Jean節炸裂な妖しげなネオンアッパーで、電極繋ぎまくりで通電し明滅するトラックがギザギザで、その閃光の中でマッタリと歌って微睡むWiclef Jeanの佇まいに痺れる。Lunch Money LewisとThe Knocksが揃って客演参加した「What Happend To Love」はThe Knocksが制作を担当、これがまた風に乗せて潮の香りを楽しむようなクリアブルーに輝く爽快な一曲。聴いているだけで踊り出したくなること必至ですし、水飛沫を上げてクラッシュするようなWyclef Jeanの泳ぐヴォーカルも最高に心地良いんです。Wyclef Jean制作でなんとあのEmeli Sandeが客演参加した「Carry On」はもう天国へと召された気持ちになる壮麗スロウジャムで、Emeli Sandeの神々しい歌声とWyclef Jeanの芳醇で優しい歌声とが、キラキラと乱反射してははらりと涙を誘う美曲(溜息)。Wyclef JeanとBranden "Wavie Boi" Washingtonが共同制作した「Concrete Rose」では、IzolanとHannah Eggenが客演参加し、バフーンと噴き出すホーンの音色と砂利ビートを敷き詰めたトラックは土着的でありつつフューチャリスティックで、その中でエスニックな味わいのマイクリレーが熱波のように押し寄せるのがカッコイイ。同じくWyclef JeanとBranden "Wavie Boi" Washingtonが共同制作した、Celia Cruz「Por Si Acaso No Regreso」をサンプリングしたラテン調の「Trapcabana」も面白くて、Wyclef Jeanが優れたラッパーである事を痛感できる地中海ソルトなフロウでバッチリと美味。最後はWyclef Jean制作の眩くキュートなゴスペルライクなピアノバラード「Thank God For The Culture」、最後まで指揮者としての才能を遺憾なく発揮するWyclef Jeanの、Kanye Westも真っ青な神様っぷりに拍手喝采。

ごくたまーに聴きたくなるあのWyclef Jeanの歌声、僕的には『J'ouvert』の方がお気に入りではあるのですが、それでも粒揃いで色々と発見のある一枚なのは流石の一言。Producerとしてももっと評価されていい気がするし、これだけの人物なのにThe Fugeesを再結成できないのが本当に残念。絶対に買わなきゃ、とまでは言えなくても聴かないのは損な気もする不思議な一枚で御座います。




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Krayzie Bone「Eternal Legend」
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90年代を席巻したBone Thugs-N-Harmonyの長身痩躯、Krazyzie Boneのソロ通算五作目となる『Eternal Legend』を御紹介。メロディアスに早口でラップを紡ぐ集団Bone Thugs-N-Harmony、いまだかつてこの様なグループは無いですし、だからこそ今でも彼らは愛され続けている訳で。そのメンバーの中でも群を抜いて客演依頼が多いのは、このKrayzie Boneで御座います(他のメンバーが収監されたりするのも要因かも)。ここ最近でもBone Thugs-N-Harmonyの動きも活発になりつつあるし、昨年はBizzy Boneとのユニット作もリリースするなど精力的なKrayzie Boneでございます。そんなユニット活動と並行してリリースされたのが(他にもYoung Nobleとのユニット作も出した!)、このアルバムで御座います。
さてさて、それではどんなアルバムになっているか僕の言葉で・・・・・・まず制作に関して先に述べると、全曲の制作にはReal Talk Ent.とレーベル名のみ記載されていて詳細は不明、ネタ元なんかも全く分かりません。まずはそれこそ熟成した甘味ソウル曲をサンプリングしていそうな「Make You Wanna Get High」で幕開け、紫煙のようにまったりと空間内を漂い充満するような白んだトラックに、Krayzie Boneのきめ細かにメロディを紡ぐラップも良いし、尻上がりに上がってゆくフックもまるで虚空に消えゆく紫煙のようで美しい。90年代のラップミュージックみたいなスッキリと酸味のある燻し銀なソウルアッパー「On My Kray Shit」は、三十路のリスナーにはもうたまらない仕上がりで、ダダダダダダダダと散弾しながらも鼓膜の痛点を完璧に撃ち抜く、Krayzie Boneの速射式のラップが乾いて響くのも効果的。冷たい金属のようにキーンと鋭く響くトラックがなんとも鋭利な「Stuck In My Ways」では、やんわりと抜けたKrayzie Boneのラップがまるで氷雨のようにぽつぽつと降りしきるのが良いし、客演参加のYoung Nobleのゴリッと剛力なラップは雷鳴のようでまた渋い。約30秒のアカペラ「Thug Mode」でも、もうKrayzie Boneのラップが秒速でいてメロディを奏でているのが痛感できてイイ。ここ最近のトラックに噛み合う暗澹ダウナーでいて、ビートを無機質にボトボトとドリップした「This Is Real Life」も超イルで、Krayzie Boneの緩急自在にして撃ち込む意識の奥底へと言葉の弾丸を埋没させるラップに浸食必至。どちらかというとNellyが得意にしそうな爽やかなメロディポップ「Let Me Learn」も最高にツボで、まるで朝焼けみたいにキラキラと眩くて澄んだメロディに、白い息を吐いて朝陽に溶かすようなKrayzie Boneの滲んで鮮やかなラップが心に沁みます(感涙)。ゆっくりと沈んでゆくように漆黒ドープでスリリングな「Apparently」も、Krayzie Boneのさらりと翻し羽ばたくラップが軽やかさを足して聴き易く調合しています。Krayzie Boneのビターなフロウが弧を描いて地平線に消えゆく「Those Kind Of Words」もドラマチックで、まるで漆黒の夜空にギラギラと銀色の星を瞬かせるように、Krayzie Boneのラップが煌めき転回するのが幻想的。再びYoung Nobleが客演参加した「Eternal Fight」はヒリヒリと痛ましいコーラスが響くコロッセオチューンで、刺々しくも逞しいKrayzie Bone(技)とYoung Noble(力)の衝突がまたまた劇的。最後を飾るのは涙無しでは聴く事の出来ない淡いメロウチューン「If U Could See Me Now」、まるで雨上がりのような湿り気を漂わせて鼓膜を揺らすトラックもさることながら、やはりその湿度を保ちつつ温もりをじんわりと伝えるKrayzie Boneの雨上がりの空に似た鮮やかさがたまりません(胸打)。

Bone Thugs-N-Harmonyと名乗るのだから、当然とメンバーでのあの早口流麗なハーモニーラップが一番の魅力でもあり、その点では各自ソロを聴くと寂しくあるのも否めない。しかし、Krayzie Bone一人でもやはりそのメロディアスさはくっきりと顕在で、この低音で男前な鋭利フロウは誰にも真似出来ない伝家の宝刀で御座います。もっとゴリゴリに攻めたKrayzie Boneも聴きたいなとは思うけれど、このアルバムも程よくメロウも混じっていて単純に好きです。




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Jay-Z「4:44」
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Rapミュージックにおける絶対的王者、Jay-Zの通算十三作目となる『4:44』を御紹介。このアルバム『4:44』を紹介するにあたっては、前段もかなりあって何から触れればいいのか分かりません。『4:44』はいろいろな噂が立つ中で(New YorkやLAなどの街中に突如“4:44”と書かれた広告があちこち出現)、Jay-Zが運営する定額制ストリーミングサービス“TIDAL”から、突如として独占先行配信されました。この“4”を並べた数字に関していえば、これまでにもJay-ZとBeyonceを繋げ象徴する数字として何度も互いの作品で重要視されていましたし、また第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが重要なインスピレーション源であるともJay-Zが述べているため、その可能性も示唆されていましたっけ。実際のこのアルバムタイトルの理由は、Jay-Zが朝4:44に思いつきリリックを書き留め、収録したところ曲時間もピッタリ4:44になったという(こういう仕掛け(演出)こそがJay-Zの面白さ)という、本作収録の「4:44」から来ているのだとか。
さてこのアルバムは様々な識者がすでに考察しまくりなので、僕は一ファンとしてただシンプルに聴いた感想を書きますね・・・・・・まず本作の楽曲制作のすべてを任されたのは、大ベテランであり今また王権復古しているNo I.D.で御座います。まずは、警報音が鳴りながら螺旋を描き仄暗い意識の奥底へと沈んでゆき、そこから小さな光が射すようにしてメロディが白んでくる「Kill Jay Z」。The Alan Parsons Project「Don't Let It Show」をネタ使いしたトラックは闇を光が裂くようで、脱皮するように軽やかになってゆくJay-Zが(これまでの最強のJay ZをJay-Z自身が責め殺すことで、内面に眠っていたJay-Zが出現し)、鈍色から次第に鋭く光を取り戻し加速してゆくのが美しい。モノクロ映画で観る雨の情景のように静かで、冷たさの中にほろ苦さの混じった全体に黒を基調とした名曲「The Story Of O.J.」、サンプリングにはNina Simone「Four Women」とThe Kool & The Gang「Kool Back Again」を使用。戦う黒人にその精神と生き方を説く中身もそうではあるけれど、これほどまでに荘厳で力強い“音色としての黒”を聴いたことはないし、Jay-Zは淡々と言葉を吐き出すも、その言葉ひとつひとつが黒真珠のように磨かれ高貴に輝き、そのずっしりと重みのある黒を静かに輝かせます(鳥肌)。“100万ドルの絵画が800万ドルに価値が上がった”と、いかにも実業家らしい先行投資を謳う詩をここで聴くと、物質主義と邪揄された前作収録「Picasso Baby」まで美しく回収していることが分かります。讃美歌をスパイラル状にして放ったような優しい光に溢れたトラック「Smile」、Stevie Wonder「Love's in Need of Love Today」をサンプリングし、実母であるGloria Carter(彼女が同性愛者だと告白している)もヴォーカルを寄せているこの曲では、Jay-Zにいつもの迫力というか圧が全く無く、ヒラヒラと光に煽られて軽やかに駆けてゆくのが印象的。Nina Simone「Baltimore」をサンプリングしたなんとも優美で長閑な「Caught Their Eyes」では、Frank Oceanが客演で参加。陽光に照らされ熱くなった砂浜の熱を、白波が熱ごとさらってゆくような微熱感がなんとも穏やかで美しい。がしかし詩の内容は自分を騙し利益を得ようとする輩に注意しろと謳う訓戒で、この少し抜けるように軽やかなJay-Zはそういう欺瞞を見抜き俯瞰している感を出し、それがこの熱された砂浜をクールダウンさせた感触に繋がっているのかも。Hannah Williams and The Affirmations「Late Nights & Heartbreak」とThe Isley Brothers「(At Your Best) You Are Love」を下敷きにしたアルバム表題曲「4:44」、サンプリングされたトラックとKim Burrellの熱っぽいヴォーカルを激しく揺さぶり破裂させるように奏で、その裂け目からJay-Zの懺悔が冷たく流れ出る感触が、まるで石榴のようなグロテスクな美しさのドラマチックな一曲。Jay-Zのラップをかき消しそうな程に叫ぶトラックが熱を内包していて、それを破裂させてメロディが熱い涙となり、Jay-Zの詞を伝って流れ溢れてゆくのもまた美しい(感涙)。なんだか美しい想い出が破壊され砕け散り、その破片がそれぞれ音色となって乱反射させながらも修復し歪にも美しい芸術品に仕上げたようなトラックが神懸かりな「Family Feud」では奥方で女王様のBeyonceが客演参加。これまでの暗いトーンは影を潜め、それこそJay-Zらしいシャンパンゴールドの絢爛なトラックはラグジュアリーでお似合い。雨上がりのアスファルトのような匂いと熱気がむっと立ち込めるレゲエ使いな「Bam」、客演にはDamian "Jr. Gong" Marleyが参加。そんなもわっとした熱帯の湿度を焦がすように、音色は火花を散るらすように、Jay-Zは夜空を焦がす炎のように眩く煌めき、Damianの焙煎されたヴォーカルがまたなんとも刺激的で香ばしい。「Moonlight」では元が大ネタ使いなだけにあまり使われない、The Fugees「Fu-Gee-La」をサンプリングに使用する飛び道具。青い夜空から冷たく細く射す月光、しかしその月光ではなく、その静かに囁くような月光がそっと切り出す闇を立体的なサウンドに。その月光と闇の狭間で、踊るとも蠢くともつかぬラップを幻想的に冷たく尖らせるJay-Zの格好良さが神懸かりで素晴らしい鳥肌)。音色をゆらゆらと発酵させるように熟成させた醸造酒チューン「Marcy Me」では、Quarteto「Todo o Mundo e Ninguém」をネタ使用。Jay-Zが生まれ育ったMarcyを題材にこれまでの歩みと支えてくれた偉人への感謝を謳うこの曲、終盤で登場するThe-Dreamの甘ったるいともいえる生クリームみたいな甘美なヴォーカルが、人生の苦味を優しく溶かします。愛娘Blue Ivyの“パパ、遺産ってなに?”の問いから始まる「Legacy」は、Donny Hathaway「Someday We'll All Be Free」をサンプリングに使用しており、艶っぽく丸みを帯びた金色ホーンの音色がそのままJay-Zの作り上げた黄金郷を容易に連想させるゴージャスなメロウで、Jay-Zのラップも余裕綽々で言葉ひとつひとつ綻んでいます。とここまでが本編の内容で、一応残る三曲はボーナストラック扱いかと思います。父Adnisに捧げた「Adnis」はJames BlakeとNo I.D.の共同制作で、美しい花がゆっくりと色褪せ枯れて散りゆくのを逆再生するような色彩の移ろいが美しい、なんともJames Blakeらしいサウンド。Blue Ivyのラップで始まる「Blue's Freestyle/We Family」はNo I.D.が制作を担当、 Totó la Momposina「La Verdolaga」をサンプリングしたごった煮スパイシーな一曲。最後はまたもやJames BlakeとNo I.D.が共同制作した「MaNyfaCedGod」で、ここでは客演にJames Blakeも参加。音色に白い吐息を吐いて曇らせコーティングした前半の淡いメロウ部分はこれまでの成功で浮き足立っていたJay Z、後半の冷たくそぼ降る雨のような部分は頭を冷やし現実と冷静に向き合う青いJay-Z。

多くのRapファンがこのJay-Zの本作を賞賛しているし(説明不要)、今年のGrammy Awardsにも多数ノミネートもされている、もはや僕が語らずとも素晴らしい作品であるのは確か(ただし本作も『Moonlight』よろしく、Jay-Zの手をすり抜けKendrick Lamarの手に渡るだろう。いや、それだけKendrick Lamar『DAMN.』は素晴らしい)。優れたソングライターとして“Songwriters Hall Of Fame”にラッパーとして初めて名を刻んだJay-Zだけれど、それは単純にJay-Zの書く詩がどうのではなくて、やはりその時代やタイミングに合った詩をエンターテイメントとして書けるからだと思う(天賦)。これまでの自分語りとは違い、弱さや過ち、苦悩を吐露しラップしたJay-Z。だがしかし、それもやはりBeyonceの傑作『Lemonade』があったからだし(ビジネスマンとして時流を読んだ)、それこそソングライトの殿堂入りを果たした直後だからこそ、これまでと違い、人間としての深みが出るこの内省的内容でいこうと戦略を立てた気がする。これまでのJay-Zアルバムをそんな聴いてないリスナーも諸手を挙げて本作に賛辞を贈っていたけれど、これはむしろこれまでのJay-Zアルバムを聴いた人でないと(アルバムを通してこれまでのJay-Zのキャラを理解していないと)、その凄さや反動、面白さはそもそも分からない筈。それこそ、あまり評価されなかった前作『Magna Carta Holy Grail』の物質主義な内容やトラックを楽しめていれば、本作をよりもっと純粋に心打たれ愉しめるだろう筈です。とまぁ、僕はJay-Z贔屓なのでどれをとっても傑作だと思うし、そんなファンの戯言ばかり書いてしまいました(笑)。ちなみに僕は先に発売された輸入盤を購入した後に、国内盤も買い直しました。
















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Lupe Fiasco「Drogas Light」
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あのJay-Zに認められデビュー時にも異例のバックアップを受けた中堅、Lupe Fiascoの通算六作目となる『Drogas Light』を御紹介。とても素晴らしかった(その年の年間ランキングでも第七位に選出)前作『Tetsuo & Youth』を最後に揉めていたメジャーレーベル“Atlantic Records”から離脱、インディとなって初のアルバムとなるのが本作『Drogas Light』で御座います。『DROGAS』と『DROGAS Light』と『SKULLS』の三部作を発表すると宣言していたんですが結局は実現ならず、その後も引退宣言をして撤回するなどして、なんだかんだで世間を騒がせるLupe Fiasco。いつもそうしてウダウダしながらも、こうして無事に作品をドロップするから面白い(笑)。
それではザックリとですけれど感想を書かせて下さい・・・・・・まずはSoundtrakkが制作を担当した「Dopamine Lit (Intro)」でスタート、神経物質が光の速さで伝わり感覚を刺激するように音色が波を打ち走り、Lupe Fiascoの閃光のようなラップがバチバチと瞬くのも眩くてビリビリ刺激的。続くS-X制作の「NGL」では、客演に元レーベルメイトであるTy Dolla $ignが客演参加。力強く打つビートはまるで朝日の昇る音のようで、Lupe Fiascoのラップは朝露を払いのけ乾かすほどの朝陽の烈日、そこに漂うTy Dolla $ignの歌フックはまるで朝焼けのように鮮やかにそれらを溶かしまろやかにさせます。いったん光を消し去り鼓膜が眩む感覚に陥る漆黒ダウナーな「Promise」、制作はSoundtrakkが担当。そんな深い漆黒の中でもLupe Fiascoの閃光の如きラップは強烈で、ゆっくりと光が漏れるようにしてトラックを濃淡を変化させて幻惑に誘います。乾いた天空に向かってバンバン撃ち放つ銃声をビートに敷いた「Made In The USA」はStreetrunnerが制作を担当、ザクザクとエッヂの立ったLupe Fiascoの攻撃的なラップに、客演のBianca Singsの可愛くもロックな歌声が響くハードコアな一曲。シンプルながらもガブガブした捕食ビートが蠢き踊るのが、かなり癖になる肉食アッパー「Jump」は最高のキラーチューン。制作はSoundtrakkが担当しており、サンプリングにはGigi D'Agostino「Bla Bla Bla」を使用。その捕食ビートを的確に急所にぶっ刺し仕留めるようなLupe Fiascoのギザギザに尖った閃光ラップが最高にホットだし、客演参加の女性MCのGizzleも超絶クールで冷たく鋭くてグッド。Bsides制作の「City Of The Year」はRondoが客演参加しており、これはコンクリートに包まれた都会の夜に溶ける青い光のようなひんやりしたトラックに、Lupe Fiascoのネオンライトのようにねっとりと浮かび上がって輝くラップが妖しく美しい。Simon Sayzが制作&客演参加した「High (Interlude)」は早回しの歌フックがとにかく鮮烈で眩く、夜空のような艶っぽいトラックにLupe Fiascoの光芒ラップが帚星のように駆け抜けるのが流麗。Floss & Fameが制作した「Tranquillo」ではRick RossとBig K.R.I.T.とド渋い面子が客演参加、これもやはり冷たい青をすーっと溶かしたような夜景のようなトラックに、それぞれのMCが煌々と輝く大きな星を瞬かせて、大きな星座を輝かせる壮大ソウルフルな一曲で素晴らしい(鳥肌)。音色のひとつひとつを美しい油膜が覆うオイリーな美曲「Kill」はD'mileが制作を担当し、客演にはTy Dolla $ignとVictoria Monetが揃って参加。オリーブオイルのようにトロリトロリと揺蕩うTy Dolla Signのヴォーカルに、火花散らすようなLupe Fiascoのラップが触れ着火し(無論オリーブオイルで発火は出来ないけれど)煌々とまろやかに燃え上がるのが美しい。その光に照らされてゆらゆらと煌めき反射するVictoria Monetの艶っぽい歌声も最高で、ただただこの光の粘度の中で溺れていたい(夢想)。地層の奥深くで静かに流れる澄んだ深層水のような音色が滴る「Law」はFloss & Fameが制作を担当、潤んだトラックに光を射しキラキラ反射させるLupe Fiascoのラップと、客演のSimon Sayzの清冽なヴォーカルもキリリと冷たくて美味。Ishiが制作を担当した「Pick Up The Phone」はアコースティックギターの音色も奏でる晴れやかなポップチューンで、こういう軽妙にして燦々と眩いトラックならば光を蹴って滑るスケーターのLupe Fiascoは独壇場。Simon SayzとBsidesが共同制作した直球四つ打ちなディスコブギーなアッパー「It's Not Design」も単純に痛快で愉しく、こうなればLupe Fiascoはライムを丸く固めてミラーボールに昇華しキラキラと旋回する器用さ。Jake TorreyとSimon Sayzが共同制作した「Wild Child」は昔の懐かしいポップチューンみたいなトラックが格好良く、軽やかに踊るLupe Fiascoのラップもクール。最後を飾るのはSoundtrakkが制作した「More Than My Heart」で、客演はRxmnとSalimが参加。これがなんともエレガントにしてラグジュアリーな滑らか美曲でして、ヴェルヴェットのようにフカフカとして豪奢で高貴なトラックに、Lupe Fiascoのラップが光沢コーティングをしてより美しく仕立てているドレッシーな一曲。

まるでどこかの卵のロゴみたいな、“光”のみ描かれたアルバムジャケットはあまり好きにはなれないけれど、しかし如何なる時もこのLupe Fiascoは光を纏ったMCだなと実感。Lupe Fiascoの吐き出す言葉が聖なる光の剣となって、闇を切り裂き照らし出す様を鼓膜で感じることのできる、光の騎士の聖戦のような絵巻物アルバムで素晴らしい。いつだったか闇と対峙したLupe Fiascoは、僕の中では光の騎士なのです。レーベルとの諍いによる暗い話題に尽きた『Lasers』にあっても、やはりLupe Fiascoはその闇を切り裂いていたし、そういう意味ではやっと光を手に入れてこれからもっと真価を発揮するかもですね。






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Mali Music「The Transition Of Mali」
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デビューして瞬く間にR&B界に旋風を巻き起こした、Mali Musicの通算二作目となる『The Transition Of Mali』を御紹介。Mali Musicと言えばMiguelも所属するBystorm Entertainmentに所属している点と、やはりグラミー賞にノミネートされた1st『Mali Is...』が大絶賛されたのが記憶に新しいですね。しかしよくよく調べていると、あのAkon率いるKonvick Musicとも契約していた過去もあるそうで、本当に引く手数多な逸材だったのですね。前作もそうでしたがMali Musicはジャケットセンスが秀逸で、本作もジャケットだけで言えば年間順位で三指に入る出来映えかなと。
それでは誠に僭越ながら感想を書かせてもらいましょう・・・・・・まずは、昇る朝陽の眩さに眠った大地がゆっくりと目醒めるような、壮大オーガニックなミッド「Bow Out」。制作はHarmony "H-Money" SamuelsとMali Musicが共同で、Mali Musicのちょっぴり熱で灼けたようなヴォーカルが、このトラックにピッタリでじんわりとハートを温めて焦がしてくれます。冒頭のTake 6「Spread Love」のサンプリングの妙技がとてつもない切れ味を生み出している「Gonna Be Alright」、制作はSalaam Remiという事で納得の技術。あとはIke & Tina Turner「Cussin' And Carryin' On」も同時サンプリングし、はらはらと舞い散るような鍵盤音と乾いたシックなビートでキメて、Mali Musicの焦がしキャラメルみたいなほろ苦いヴォーカルが優しく鼓膜に溶ける美曲でグッド。Kortney "Mali Music" PollardとDernst "D'Mile" Emileが共同製作の「Loved By You」では、客演のJazmine Sullivanとの切なくも艶やかな共演が実現。男女がじれったい距離で重ねる吐息のように奏でられる柔らかなストリングスに、どちらもほんのりとビターなヴォーカルで共振しながらひらひら堕ちてゆくのが切なく素晴らしい。それこそポロポロと涙を零すようにアコースティックギターの弦音が溢れる「Cryin'」、制作はButta-N-Bizkitが担当。トラックは中盤で転調してHip Hop調ビートに砕けるのも面白いし、Mali Musicのどこかレゲエ風味にレイドバックした日暮れのようなヴォーカルが響きます。美しく旋回しながら熱を奔放に放出する「Dolla」はDernst "D'Mile" Emileが制作した、ピリリとスパイシーなトラックがWyclef Jean的なミッドで、これも焙煎されて黒光りするMali Musicのヴォーカルがばっちり似合っていて鼓膜が気持ち良くヒリつきます。満天の星空を眺めるような壮麗さがたまらないクラシカルなバラード「Still」、制作はMali MusicとDernst "D'Mile" Emileが共同で担当。ファルセット混じりにキラキラと歌い上げるMali Musicの、夜空を焦がすように昇る夜明けヴォーカルがまた静かに鮮やかでグッド。キーボードを打つようなカチカチ音に、強いアルコールで意識がトロトロと淡く揺れて歪曲するようなメロディが刺激的で艶っぽいスロウジャム「Contradiction」。レゲエテイストなこの曲は制作をSunnyが担当し、客演にはこれまでにない感じでJhene Aikoを起用しており、いつもより輪郭のキリッとした色香たちこめるパルファム声で妖しく支配。再びDernst "D'Mile" Emileが制作の「My Life」は野太く硬いビートが荒涼としたトラックを弾けさせ、嗄れた声でシャウトするMali Musicの焦がしキャラメルヴォーカルがビターで美味。粉雪が深々と舞う白銀のバラード「Sit Down For This」はPeter "Baxsta" Martinが制作、Seal風味なのが僕的には完璧に好み。雪景色を窓に見ながら暖炉に火を焼べたように、メラメラ煌々と響き鼓膜を温めるMali Musicのヴォーカルがなんとも優しく心地良い(溜息)。冷たい水の中を揺蕩うようなウォータリーなミッド「Worth It」はDJ Khalilが制作を担当、熱っぽいMali Musicのヴォーカルが水を浴びて熱を失い青く染まってゆくのがとても鮮烈で鼓膜を潤します。Mali Musicの出自を思わせる最もゴスペルチックな「I Will」はHarmony "H-Money" Samuelsが制作、H-Moneyらしい光に満ち溢れた透明感のある眩い美曲で、Mali Musicのそっと羽ばたく様に奔放なヴォーカルがまた素敵。最後はMali MusicとDernst "D'Mile" Emileが共同制作した「What You Done」、ゆったりと木漏れ日の下で転寝するようなトロミがなんだかドリーミーで気持ち良過ぎます。

本当にMali Music独特のR&Bに仕上がっていて唯一無二、前作よりも洗練されてサッパリとして聴き易かった印象も受けました。製作陣も僕の好きなProducerばかりなのでやはりツボ、とにかくMali Musicの焦がしキャラメルみたいな絶妙なほろ苦さの歌声に痺れるばかり。本作もグラミー賞にノミネートされ念願の獲得までしてしまうか、とっても楽しみですね。






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