RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

05 2017
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Chinx「Legends Never Die」
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31歳の若さでこの世を去った期待のMC、Chinxの通算二作目となる『Legend Never Die』を御紹介。当初はChinx Drugzを名乗り活動していたChinx、その後あのFrench Montanaに誘われ彼率いるCoke Boyz Recordsと契約し順風満帆に見えた矢先、ライブ帰りの運転中に銃撃に遭い帰らぬ人となりました。Chinxの訃報の際にはあのJay Zも哀悼のコメントを出し、他にもRick RossやA$AP Rocky、Meek Mill、Fabolousなど多くのMCが追悼曲などを発表したりもしました。生前に準備していたデビューアルバム『Welcome To JFK』もその事件後にリリースされましたが、それに続き本作もリリースされ、たくさんの楽曲を残していたのだと思うと残念ですね。
それではざっくりと感想を書いてしまうことになりますが・・・・・・まずはぼんやりと点滅するシンセがどこか南国めいた温かさを滲ませる「Like This」、制作はBlickie Blazeで客演にはChrisette MicheleとMeet Mimsが参加。ゆったりと間を取って弾けるメロウなトラックがどこかアジアンぽくもあり、Chinxの矢継ぎ早にフラットに滑らすようなラップも心地良く流れます。Austin & Smash Davidが共同制作した「Match That」は氷雨のように冷たくチクチク刺さる鍵盤音がぱらつき、そこにChinxのメロディを含み膨らんでは萎むラップが呼応するミッドチューン。Blickie Blazeが制作の「Hold Up」は溜めを効かせて大きく羽ばたくようなトラックがロック寄りでダークサイコ、Chinxのラップも黒鉄のようにビカビカに鈍く輝き硬くぶつかる感触でクール。同じくBlickie Blazeが制作を担当した「Around Me」は、どこかトロピカルめいたレイドバックチューンにだらだらと電撃を流すようなヴィヴィッドさが刺激的な一曲で、そういう細かなギザギザを含んだ波線の上で転がるプラチナみたいなピカピカで硬く滑らかなChinxのラップが面白い。BynoeにCau2G、Stack Bundlesが客演でマイクを回す「All Good」はYoung StokesとDJ Amazinが共同制作で、ピアノ鍵盤やシンセが白光のように鮮やかに透明に輝くのが美しい純白のくっきりメロウで、マイクリレーするMC陣も格好良くて昔のDipsetを思わせる一曲(興奮)。Young Stokesが制作しMeet Simsが客演参加した「For The Love」は、光が射して乱反射するように鉄琴のような音色が溶ける淡いミッドで、ChinxとMeet Simsのなだらかにメロディを転がるようなラップがなんとも軽やかにエアリーで心地良い。最近のトレンドを思わせるトラップ調の乱降下ボム「Crown Royal」はBlickie Blazeが制作で、こういう曲調だと重たくて思わず胃もたれ起こしそうになるのですが、Chinxのラップはプラチナ製で適度な輝きと硬さがありナイス。Harry FraudとBlickie Blazeが共同制作した「Legendary」では、MavadoとFrench Montanaという濃い客演が脇を固める美味曲。Young Stokesが制作の「Top Of The Year」は鉱物を含んだような妖しく美しいシンセが光る明滅ミッドで、Chinxのそれこそ鉱石のようにヒンヤリと冷たく硬いラップが結晶化してザクザクと連なるのがクール。ヒラヒラとはためくようにChinxが歌うフックがナイスな「WTF They On」はBlickie Blazeが制作、Chinxのメロディアスなラップが水面を打ち飛沫をあげ、ドボンドボンとビートは降ってくるようなウォータリーなトラックもクール。またまた盟友Meet Simsを客演に迎えた「Yeah I Do」はLee On The Beatが制作、フローズン的なシャリシャリとした感触のクールなシンセミッドで、Chinxのキラキラときめ細かな輝きを湛えるラップにフィット。Blickie Blaze制作の「Slide Up In Ya Bitch」は淡白にボトボトと切り落とすビートとメロディが、中毒性を高める一曲。Remo The Hitmakerが制作&客演した「Real Bitch」はトラップチューンで、これはもう鉄板な感じで必須か。最後はボーナス扱いの「Same Old Hood」がYoung Stokes制作のMeet Sims客演、左右に大きく振れるビートが印象的でChinxのプラチナ的な硬度と滑らかさの共存したラップがクール。

ルックスもカッコイイし滑らかに研磨されたメロディアスなフロウも抜群、亡くなってしまったのが本当に惜しいですね。French Montanaが最近は目立った活動していない気がしますが、そんな中でもChinxのアルバムを二枚もドロップするあたり、なかなか男前ですね。


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Mac Miller「The Divine Feminine」
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2010年代以降の若手の中でも抜きん出、白人MCの中でも随一ともいえるMac Millerの通算四作目となる『The Divine Feminine』を御紹介。もうMac Millerに関しての説明は不要でしょう、それぐらいに精力的に活動しているし、人気を獲得し活躍している若手MCです。これまでの作品も2nd『Watching Movies With The Sound Off』に、3rd『GO:OD AM』とどちらも素晴らしいMac Millerにしか出せない旨味の詰まった作品で僕を喜ばせてくれました。惜しむらくはまだMac Millerの1stを聴けていない点、これは発売当時に僕の近くのショップにはどこも置いてなく、買おうと思った時にはネットも在庫切れしていてそのまま買わないままになっているせい(物臭)。Mac Millerといえば最近は、あのAriana Grandeとの交際が話題にもなっていて、余計に男としての度量が鰻登りといったところでしょうか。
まあそんな下世話な話はもう止めにしないか・・・・・・まずはAja Grantが制作を担当した「Congratulation」でスタート。はらりはらりと花が散るように零れる鍵盤音と、Mac Millerのぽつねんとラップが佇む風景が儚くも美しい。客演には僕の大好きなシンガー(ここ最近は世間様での評価も急上昇)のBilalが参加していて、こういうドライフラワーのように乾いて美しい芳香フローラルなソウルミッドはBilalのお手の物といったところ(画角)。Pomoが制作を担当した「Dang!」では、あのAnderson .Paakが客演参加ということでポテンシャル高し。春の嵐みたいに温もりと散る花を吹き上げるようなフローラルなホーンが華やかな印象を生み、陽光に揺れる水面が反射して輝くようなプリズム感触のメロディが美しい。そんなトラック上を蝶のように舞うMac MillerとAnderson .Paakがもう素晴らしいのなんの(溜息)。なんというか女性のドレスをゆっくりじわりと脱がすような、そんなじれったく色っぽい指使いに似たホーンが垂れる「Stay」。制作はID Labsが担当していて、こういう極甘メロウなトラックではホイップクリームばりにふわふわと甘美なラップを奏でるMac Millerはやはり巧者。あのJMSNが制作を担当している「Skin」もやはり艶やか路線ながら、雨に濡れて冷えた躰を寄り添い温め合うような、Mac Millerの震えるようなラップの切なさとウェットさがたまらなく綺麗。少しMiguelが歌いそうな感触の「Cinderella」では制作がDJ Dahi、客演にはTy Dolla $ignということでやはり超重要な一曲。曇天が割れて陽光と雨粒が落ちて乾いた大地を湿らすような、そんな天気雨のような不安定な明度のメロディに、Mac Millerの風のようなラップとTy Dolla $ignの白く棚引く歌フックが好相性なミッド。VinylzとFrank Dukesが共同で制作を担当した「Right After Love」はR&Bっぽいメロウチューンで、真夜中に雨で濡れた窓に光が点滅してぼやけて繋がるような、そこに客演のNjomzaのひんやりとして滴る妖しいヴォーカルが鼓膜を伝うセクシーなミッド(痙攣)。容器の中の液体がチャプンチャプンと揺れるような、そんな波線絡まるシンセ音が海の中に、角切りゼリーみたいな弾力ビートを落とした「Soulmate」はまさかのDam Funkが制作を担当。うねうねと寄せて膨らむ波間に押され、気付けばそこはもう銀河の星雲の真っ只中で光が瞬いて美しく、ゆらゆらと浮遊するようなMac Millerのラップと共に遊泳するのみ(昇天)。Frank Dukesが制作を担当した「We」ではCeeLo Greenが客演参加、なにもCeeLo Greenが関与しているからとかでなく、これは聴いて直ぐにOutKastのあのサイケでスペイシーな感覚を思い出してしまった(宇宙旅行)。無数の惑星や星屑が廻り煌めき消滅するような、刹那的なのに連続して壮大な不思議チューンで、Mac Millerの静かなラップもCeeLo Greenの創造主のように神々しい不死鳥ヴォーカルも素敵です(恍惚)。恋人であるAriana Grandeと優しく絡み合う「My Favorite Part」は、MusicManTyが制作の文句無しな極上スウィートチューン。濃密ではなくそっと触れてチクリと痺れるような、そんな可愛くて甘美なメロディにじゃれ合うようなMac MillerとAriana Grande。特にAriana Grandeは最近ようやく自分の持ち味(歌のテリトリー)を見つけた感じで、そのAriana Grandeの華奢で小ぶりセクシーなヴォーカルが巧く惹き出されています。最後を締め括るのはKendrick Lamarを客演に迎えた「God Is Fair, Sexy, Nasty」で、制作はTae Beastが担当しており、これもどこかOutKast的な美しいコスモ曲、それこそどこか遠く彼方の惑星と交信するようなメルト電波なスロウテンポが病みつき度高い一曲。

いや、今こうやって聴き返していると途轍もない傑作で、何故に昨年度のTop10に入れなかったのかと悔やむばかり(後悔)。Mac Millerの魅力ももうガッチリ固まって抜群の安定感でクールですし、サウンドや客演陣ももう死角無しといった感じで、現状で考えうる最高の布陣を敷いてしまっています(軍師)。なにより恋人であるAriana Grandeもシンガーとして今が最も美しく、彼女の持ち味を最大限に出せている時で、そんな安定してきたAriana Grandeを客演&彼女にしているMac Millerも脂乗りまくりです(羨望)。










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Kool Keith「Feature Magnetic」
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88年のデビューから今なお現役で作品を大量に創作する奇人、Kool Keithの通算二十二作目(?)となる『Feature Magnetic』を御紹介。88年デビューというのはKool Keithが所属した(というより彼がフロントマンだった?)Ultramagnetic MCsでのデビュー年、グループ活動とは別にソロ名義でも活躍するKool Keithは、他にも“ポルノホラー”なるジャンルを創出したDr. Octagonをはじめ、Dr. Dooom、Black Elvisなど様々なキャラクター(オルターエゴ?)を使い分け作品を量産しています。そんなKool Keithが通が唸りそうなベテランMCばかりを迎えて新作をドロップ、このダイナマイトなジャケットがインパクト大で購入してしまいました(笑)。
という訳でそれほど知っていることもないので本題に・・・・・・まずは元々のホラー趣味を覗かせる「Stratocaster」で幕開け、制作はNumber One Producerが担当。オンボロみたくカラカラと不調子に音色を零す鍵盤音トラックが木製チックな味わいで、じわじわ忍び寄るように不穏で冷たいKool Keithと客演のGodfather Donのラップが肝。本国の同名ロボアニメから発想を得た(?)「MC Voltron」もNumber One Producerが制作を担当。やはりダークでスカスカなあばら屋的なトラックがスースーと寒々しく、その中で強靭かつ電撃みたいな輪郭で響くKool KeithとCraig Gの両者のラップがカッコイイ。ほぼほぼNumber One Producerの制作曲なので、それらからこのまま触れていきます。「Super Hero」ではまさかのMF Doomとの扮装オルターエゴ共演が実現。まるでブクブク湧くように、終始寒々しく鳴る電子音が炭酸マグネシウムみたくシュワシュワと溶けゆくのが鼓膜にヒリヒリ響くし、両者の黒灰のようなラップがそこに溶け滲み広がるのがグッド。B.A.R.S Murre & Dirt Nastyを客演に迎えた「World Wide Lamper」は、ピコポコとしたチープに飛び交う電子音をパチンと叩くようなハエ叩きビートとの交錯が面白い。いかにも熟練が得意としそうなブレイクビーツのみで突き刺す無機質フラットな「Bragging Rights」はPsyco Lesが客演、そんな炭焼きするようなトラックの上で踊る両者のラップはまるで炎のようにチロチロとホット。ジェル状の電子音が海月みたく浮かんでは沈むのがクールな「Girl Grab」もとにかく真っ直ぐ叩く感触で、声の調子を変えることで深度を自在にするKool Keithと、拳固でぶん殴るように強烈なNecroの共演が素敵。ここ最近と復活気味な西海岸風味(G Funk調)の「Bonneville」はMac Mallが客演参加、まるで夜風のようにウェットで冷たいトラックが颯爽と抜ける感じが心地よくて、やはり三十路以上の愛好家にはたまらないゆるさ。Ol Man 88zとFuturewaveが共同制作の「Tired」は、さっきとは打って変わって90年代の東海岸的な哀愁サンプリングメロウで、客演のEd O.G.と共になんとも燻し銀で美しい渋さを醸し出していて飲み込まれます(痺)。「Cold Freezer」はNumber One Producer制作でBumpy Knuclesが客演参加、これはそのまま霜が降りそうなほどに零下なトラックがチクチクと痛いエッヂー曲。AtmosphereのShugが客演参加した「Peer Pressure」もNumber One Producerが制作、このヒリヒリ感がカッコイイ。あのSadat Xが客演参加している木枯らし系のメロウチューン「Life」はGizが制作、Sadat Xの乾いて嗄れたラップがやはり最高に格好良くて、このトラックの妙味を倍増させていること必至。ビチビチチンチンと金属の刃が触れ合うようなトラックが神経質なほどに尖っている「Writers」はNumber One Producer制作、客演がRas Kassということでより鋭利に鼓膜をえぐってくるのがもう気持ちいい領域。最後はボーナス曲扱いのNumber One Producer制作の「Cheesecake」なんですが、これが唯一の単独曲でKool Keithのラップがどれだけ角が立ってタフでカッコイイのかが分かる一曲で、こういうブツブツとしたアバタービートの面白さをも痛感。

ハッキリ言って僕はこの世代ではないので(ラップ愛好歴が浅い)、もっとKool Keithに触れてきた世代ならば垂涎モノの一枚なんだと思います。それでもしっかりと一本芯の通った骨太な一枚で聴き応えアリ、若い方にも聴いて頂きたい一枚。






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The Game「1992」
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またもや最盛期を迎えているLAのタフガイ、The Gameの通算八作目となる『1992』を御紹介。G-Unitとの決別でとんだトラブル野郎かと思いきや、その後はあまりいざこざもなくコンスタントに豪華なゲストを招いて作品をドロップしているThe Game。2015年には傑作と誉れ高いデビューアルバム『The Documentary』の続編となる、『The Documentary 2』と『The Documentary 2.5』を立て続けにリリースするという力技も魅せてくれました(凄)。それだけでも凄いのに、The Gameは止まる事を知らずに翌06年にもこの『1992』をリリースしました。このジャケットの感じはやはり、当時のDeath Row Records的なグラフィティを意識したものなのでしょうか。
という訳で脱線してしまう前に本題に・・・・・・まずはBongoとThe Chemists Createが共同制作し、サンプリングにMarvin Gaye「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)」を使用した燻し銀な「Savage Lifestyle」で幕開け。前半部分はネタ元の持つ艶やかでスモーキーな雰囲気の中で、The Gameの紫煙のような熱を帯びたラップが燻り、後半部分ではDigable Planets「Black Ego」のドラムビートを鉄骨のように組み込み、タフで骨太なラップを飛ばすという切り替え部分が憎い。「True Colors / It's On」も再びBongoが制作を担当、Ice T「Colors」にBloods & Crips「Piru Love」、Mystikal「Here I Go」と複雑なネタ使いを披露。キュルキュルとキメ細かに擦り捲る音色がまるでドリルのように、鉄鋼じみたトラックを削り穴開け、そこに鉛玉のようなThe Gameのハードなラップがぶつかり跳ねるのが痛快。JP Did This 1が制作した「Bompton」はThe D.O.C.「It's Funky Enough」をサンプリングに使用、なのでいかにもなオールドスクール的なロックカットなループを延々回し、その中でThe Gameが厳つくてゴツゴツしたラップを転がす大味な感触がイイ。これまたLA西海岸なフルーティテイストがたまらなくツボな「F**k Orange Juice」はGameとBrian Summerの共同制作で、Grandmaster Flash and the Furious Five「The Massage」を大ネタ使い(堂々)。やっぱり三十路オーバーな僕としては、こういう果肉たっぷりに絞ったような甘酸っぱい音色は耳を奪われるし、The Gameのビチビチと跳ねるような砂利っぽいラップもこういう風合いにバッチリとフィットで好き。「The Juice」はThe Chemist Createが制作を担当した哀愁メロウなミッドで、黒く滲むようなトラックに少し射影の効いたThe Gameのラップと、客演のLorine Chiaの艶やかに濡れたヴォーカルもナイス。同じくThe Chemist Createが制作した「Young Niggas」は、枯葉の落ちるように散るピアノ鍵盤の音色が物悲しく、そこに木枯らしのように乾いて鳴るThe Gameのラップが渋い。W.L.P.W.Rが制作した「The Soundtrack」ではClams Casino「I'm God」をサンプリング、ネタ元の持つ冷たく鋭利な感触がThe Gameのラップと共に結晶化され、歪で鋭利な輝きを冷たく放ち、そこに少しErykah BaduめいたLorine Chiaのねっとりと絡まるヴォーカルも素敵。Bongo制作の「I Grew Up Wu-Tang」では、そのWu-Tang Clan屈指の名曲「C.R.E.A.M.」をネタ使い。それこそ黒いファンクにクリームを混ぜたようなほろ苦なメロウチューンで、The Gameの極めて焙煎された苦味のあるラップの味が引き立ちます。またもやBongoが制作した「However Do You Want It」では、Soul II Soul「Back to Life (However Do You Want Me)」をサンプリング使用、こういうセンチメンタルなネタ使いながら、トリップ感のあるピッチの糸引く感触が面白く、単語単語が砂金のように粒立ったThe Gameのラップがキラキラ輝きます(眩)。なんとあのCool & Dreが制作を担当した「Baby You」ではJason Deruloが客演参加、サンプリングにはThe Dells「You Can Depend on Me」を使用。まるで星空をそのまま液体に溶かしたようにキラキラと甘いトラックも抜群に反則ですし、そこにThe Gameのダイヤ原石のような硬いラップと、Jason Deruloのこれでもかというぐらいフルーティで甘酸っぱいヴォーカルがもう最高です。「What Your Life Like」はPhonixが制作した鉱物チックな硬い輝きが瞬く、鉱山掘削系のトラックでだからこそThe Gameの礫のようなラップとも相性が抜群。最後はTycoonが制作した「92 Bars」で90年代のJust Blazeを思わせるような、ビリビリと直線系の電撃シンセが交錯するエッヂーな一曲。本作はここまでなんですがアルバムにはもう一枚、ボーナスディスクが付属されていまして。それにはなんとJremihを客演に招いた話題曲「All Eyez」が収録されています。この曲はあのScott Storchが制作をしていて、ほどよくトロピカルで爽やかな音色が走るスカイブルーチューンで、熱っぽい風を受けて駆けるThe Gameと、柑橘系の果汁を滴らせるJeremihのヴォーカルがナイスアクセントでおまけ扱いが不思議です。

特にこれという突出したトラックこそ無いけれど、最近のThe Gameはそれほど客演に頼らず、淡々とラップを繰り出すのが渋くてカッコイイので許せます(痺)。もともとラップとフロウ(というか声質)は抜群だけれど、フックとかがイマイチな感は否めないThe Game、でもその無骨さがスッと三十路には入ってきます(笑)。






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Royce Da 5'9" 「Layers」
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Eminemと同郷のDtroit出身の苦労人MC、Royce Da 5'9"の通算六作目となる『Layers』を御紹介。Royce Da 5'9"といえばまずは、同郷のEminemのデビューアルバム収録の「Bad Meets Evil」で客演し、その後そのままBad Meets EvilなるユニットをEminemと組みアルバムもドロップしております。あとはドリームユニットSalughterhouseの一員としても有名ですし、DJ Premierと組んだPRhymeも素晴らしかった男です。という訳で実力は折り紙つきながらもあまり目立たない気がするRoyce Da 5'9"ですが、こうしてまた新作を届けてくれて嬉しい限り。ちなみに全てのRoyce Da 5'9"作品を持っている訳ではないんですが、ジャケは覚えていて本作が一番カッコイイと思います(個人的)。
という訳で早速とどんな内容を感じたかをあるがままに・・・・・・まずはS1とJ. Rhodesが共同制作した「Tabernacle」はピアノ鍵盤がチクチクと砂埃のように舞うラフな一曲で、Royce Da 5'9"の太くもしなやかで変幻自在なラップが吹き抜けるのがクール。Mr. Porterが制作を担当した「Pray」は電子鍵盤の音色がダラダラとRoyce Da 5'9"の焦がすような熱波ラップで溶けるのがホットで、そこにバツバツとシンプルに秘孔を突くようなドラムスが鳴るのも硬くてグッド。はち切れそうなホーンとドコドコベタベタと張り付くようなドラムスが、まるで練り出すような独特の感触グルーヴを生む「Hard」はAntman Wonderが制作、Royce Da 5'9"がラップと歌を両刀使いするのもナイス。続く「Startercoat」もMr. Porterが制作しており、分解して得たビートとシャウトと毒シンセの部品を歪ながら美しく組み立てたアッパーで、この毒々しくもガチガチの固体固体したトラックにRoyce Da 5'9"の掘削ラップが映える(見事)。「Wait」は敏腕のJake Oneが制作を担当して、これはいかにもJake Oneらしいソウルネタっぽいボウボウと火と黒煙を吐くようなトラックで、轟々と突き抜けるRoyce Da 5'9"とも相性抜群。「Shine」は嬉しいことに僕の大好きなNottzが制作を担当、ポムポムと叩くパーカッションのビートにシャラシャラと流れる音色がどこかナイル川のようなエキゾチックさを醸し出す流麗曲で、さらさらと変形しながら柔軟に流すRoyce Da 5'9"も抜群に渋い。DJ Khalilが制作した「Flesh」では弦音をゆらゆらと燻らせるような煙たいグルーヴが渋くて、木炭をエネルギーに滑走するようなRoyce Da 5'9"の焦げたような黒さが輝く一曲でカッコイイ。同じくDJ Khalilが制作を担当した「Misses」もソウルフルなトラックを下敷きにした様なモノクロ版画なトラックが激渋で、客演のK. Youngの青臭いヴォーカルがじんわりとぼけた色彩を滲ませるのが美味。Pain Oneが制作した「Dope」は真白な半紙に水墨で描く様なトラックとRoyce Da 5'9"の構図もドープだけれど、とにかくLoren W. Odenの野太くてソウル味濃厚タラタラなヴォーカルがもう鼓膜をとろけさせるという反則技です(骨抜)。無機質に平坦に鳴るビートが群衆の行進のように厳かに響く「America」はS1とEpikhが共同制作、これが鈍器のようで意外にも鋭利なRoyce Da 5'9"のサクサクと切れ味のあるラップにシンクロしていて妙味。Mr. Porter制作でPusha TとRick Rossが客演参加した表題曲「Layers」は、これだけキャラの立ったMCが居並ぶ事でシリアスなトラックに奥行きができた一曲。またまたMr. Porterが制作し、そのMr. PortrerのTiaraが客演参加した「Quiet」は、これも湿度を抜いてカピカピに乾燥させたようなビートがパリパリと鳴るのがクールで、砂塵のようにエフェクトかかったMr. Porterのフックも、キュートでいて派手なTiaraのラップもクール。「Gottaknow」はS1とEpikhが共同制作した弦リフに冷気を纏わせ氷結させたようなトラックで、Royce Da 5'9"のパチパチと炭酸のように弾けるラップが耳に残ります。最後はMr. Porterが制作した「Off」で伸び切ったテープでソウル曲を流したような弛緩メロウが神懸かりで、そんなだるんだるんな波線上でもバチッと硬く転がるRoyce Da 5'9"のラップは流石。

安定感ある重厚な一枚でやはり燻し銀、個人的にRoyce Da 5'9"のフロウはそこまで好きでもないですが、それでも彼がラップ巧者だという事は分かります。今回はなかなかMr. Porterの出番が多かった訳ですが、Mr. Porterの作るトラックもピリピリと香辛料が程よく効いたスパイシーさが美味で好みなので良かったです。たしかPRhymeの二作目も準備中とアナウンスされているので、そちらにも期待したいと思います。






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