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RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Anderson .Paak「Malibu」
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あのDr. Dreが惚れ込み突如として出現した新星、Anderson .Paakの記念すべきデビューアルバム『Malibu』を御紹介。CaliforniaはOxnard出身のAnderson .Paakは、黒人と韓国人の間に生まれたのだそう。その昔はSa-RaのメンバーであるShafiq Husaynのアシスタントとして働きながら、ドラムやラップ、歌の活動を始めたのだとか。Knxwledgeと共にやっているグループNxWorriesの「Suede」を聴いて気に入ったDJ Dahiから、進行中のDr. Dreとのプロジェクトに誘われ、そのままあのDr. Dre『Compton』に6曲参加する事になったのだとか。
それではちょこっとだけこの感想を書きたいと思います・・・・・・まずはAnderson .Paakが制作した「The Bird」で幕開け、このメロディとAnderson .Paakの描く柔らかな放物線は、じんわりと沈んでゆくオレンジ色の落陽のような美しさと眩さで素晴らしい。それこそ全編を通して感じるのはAnderson .Paakの海鳥の啼き声のような、潮気を含んだ軽やかなヴォーカルの持つ、彼独特なファンクの心地良さ。「Heart Don't Stand A Chance」はDJ Khalilが制作を担当しており、半ばラップ仕込みで滑走するAnderson .Paakの酸味のあるヴォーカルが最高で、べったりと打ち込むビートに潮風のようなトラックがなびいて鼓膜に絡まるのが気持ち良い。なんとあのMadlibが制作を担当した「The Waters」では、若手の中でもド渋い味わいで突出しているBJ The Chicago Kidが客演参加。ここでも小気味良く乾いて弾けるラップ歌唱を聴かせるAndeson .Paakが最高で、そこにBJ The Chicago Kidがカラメルのような甘美なハーモ二ーを重ねるので極上のビタースウィーツに(美味)。「The Season/Carry Me」は9th WonderとMatthew "Callum Connor" Merisolaが制作を担当、前半はトラックを繊維質に分解してキメ細かに紡いだような感触が面白く、後半はほんのりとレゲエな風味を利かせた濡れた汗も乾く焙煎チューンで、Anderson .Paakの気化熱にも似たヴォーカルが余計にジリジリと鼓膜を灼いてくれる一曲。奏でるギターに跳ねた鍵盤音がなんともスモーキーな「Put Me Thru」はAndesron .Paakが制作、これは途中で多重エフェクトで進行しフローラルな輝きも放つゴスペルっぽい一曲。Pomoが制作した「Am I Wrong」ではSchoolboy Qが客演参加していて、銀色の絢爛な光をキラキラと展開させるディスコブギーなトラックはベタだからこそ最高で、ネオンライトのように妖艶でいてノスタルジックなAnderson .Paakの歌声に、時として奇怪でもあるSchoolboy Qのもはや流星群と化して降り注ぐラップが最高に痺れるアッパー。再び9th Wonderが制作の「Without You」ではRapsodyが客演参加しており、これが9th Wonderらしいソウルネタを粉砕して欠片で装飾品にしたような煌びやかさで、そこにRapsodyのキュートな啖呵ラップが合致した燻し銀なメロウチューン。「Parking Lot」は制作をAnderson .PaakとJose Riosが担当しており、星空を見上げたときに星がちらちらと瞬くようなトラックの華やぎとヴォーカルのシンクロが気持ち良い一曲。「Lite Weight」はこれまた気鋭のKaytranadaが制作を担当しており、浜辺に吹く夜風のように温度が混じったような混濁した感触がサイケさを増幅させた疾風チューン。LIKE制作の「Room In Here」ではThe GameとSonya Eliseが客演参加しており、室内で聴く雨音のようにくぐもって湿ったAnderson .Paakのヴォーカルエフェクトも素晴らしいし、そんな湿り気に絡まるThe Gameのスモーキーなラップがこれまた最高に渋くてグッド。DJ Khalilが再び制作した「Your Prime」は陽光に照らされて青に金色を溶かしたように揺れる海面のようなトラック上を、海鳥のように軽やかに悠々と羽ばたくAndeson .Paakのヴォーカルに乗っかり心地良くなるのみ。聴いた途端にThe Neptunesの仕業かと思ってしまった「Come Down」はまさかのHi-Tekが制作で嬉しい驚き(降臨)、いかにもHi-Tekらしいエッヂーでいて真っ黒で硬質なグルーヴが美しくも突進するトラックが最高で、塩っ辛いAnderson .Paakのヴォーカルにもバッチリとマッチ(融合)。「Silicon Valley」なんとDem Jointzが制作を担当しており、静と動を美しくスウィッチングしたトラックが異常な程に妖艶で、そんな熱の急勾配にもきっちりと対応して、切なく激しくよじれては吸い込み放出するAnderson .Paakの色っぽいヴォーカルに息も絶え絶え(悶絶)。Anderson .PaakとVicky Farewellが共同制作した「Celebrate」のほんわかとした温もりたっぷりのミッドもナイスですし、最後のTalib KweliとTiman Family Choirが客演参加したMatthew "Callum Connor" Merisola制作の「The Dreamer」は、「Get By」の焼き直し的な一曲なのでTalib Kweliと眩く輝いて太陽をも溶かすこの得策以外は有り得ない(笑)。

ハッキリ言います、僕の平成最後の大失敗はどう考えても、このAnderson .Paakの素晴らしさに気付かないまま過ごしてしまった事(恥)。Bilalをこよなく愛する僕は、Bilalを強く愛しているばかりに、Anderson .Paakをふわっと聴いて“Bilalっぽくないか”と思ってあまり聴かずじまいでした。しかし本当に素晴らしいSSWだと今更ながら脱帽しっぱなし、音楽に浸かる時間が極端に少なっていたので、一聴してあんまりだと置きっ放しの状況だったとはいえ、Anderon .Paakの3rd『Ventura』を聴くまで素通りしていたのは、愚の骨頂でした(天邪鬼)。だから『Ventura』から『Oxnard』、そしてこの『Malibu』と遡っていまして、このブログの為に聴き直して本当に心底から気持ち良くなっています。Rap隆盛の今、ソウル/R&Bの救世主になるのはAnderson .Paakでしょうね。


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Ty Dolla $ign「Beach House 3」
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本名はTyrone William Griffin, Jr.で85年生まれのSSW、Ty Dolla $ignの通算二作目となる『Beach House 3』を御紹介。以前にも御紹介しましたが、彼の父親は「Fantastic Voyage」で知られる70年代のアメリカのファンクバンド、LakesideのメンバーであるTyrone Griffinなのだそう。だからかTy Dolla $ignは作詞作曲でメキメキと頭角を現し、楽器もベースギターにドラムやギター、キーボード、電子音楽機器のMPCなども習得しているというのだから驚き。前作でありメジャーデビューアルバムである『Free TC』から、およそ一年の短いスパンでリリースされた本作は、MixTapeで人気を博した“Beach House”シリーズの三作目となっております。
それでは遅ればせながら感想をちょこっと書きますと・・・・・・まずはJason "Poo Bear" BoydとThe Audibles、Sasha Sirota、Ty Dolla $ign(以降はTD$と省略)が共同制作したアコースティックギター一本で聴かせるミッド「Famous」で幕開け。僕はTD$の歌声をこれまでオリーブオイルと表現していた訳ですが、ここでの素朴で軽やかな風合いは正にサラダのようなフレッシュさで、TD$の優しく乾いたヴォーカルが潮風のように鼓膜を撫でます。しかも終盤にはあのJohn Mayerのヴォーカルが滲んで消えるという、まるで雨上がりの虹のような美しさ。Dijon "DJ Mustard" McFarlaneとTwice as Niceが共同制作した「Love U Better」では、Lil WayneとThe-Dreamという軟性ヴォーカルを配置する面白さ。Peabo Bryson「Feel The Fire」をサンプリングしたトラックは程よく甘酸っぱくて色鮮やか、Lil Wayneのチロチロと舌を出す様な爬虫類ラップは相変わらずの原始的な中毒を起こすし、The-Dreamの汗ばんだ様に甘く濡れたヴォーカルと、灼け焦がす陽光のようなTD$のヴォーカルの対比が最高に面白い。Christian "Hitmaka" WardとBongo ByTheWayが共同制作した「EX」ではYGが客演参加、112「Only You(Bad Boy Remix)」をネタ使いしている時点で反則。この果肉ゴロゴロといった具合に弾力のある甘味が炸裂するビートが肝なトラックは西海岸風でグッドだし、だからこそ鉄球のように重たく黒光りするYGのラップが美しく映えるし、TD$のオリーブオイルのようにナチュラルに滑らかに輝くヴォーカルが色っぽい(痺)。ゆっくりと褪せて色味を失うように、色彩が結露し雫となって音色とシンクロする「Droptop In The Rain」はChristian "Hitmaka" WardとLee On The Beatzが共同制作し、客演にはこれまた曲者なTory Lanezが参加。TD$のスコールのようにボタボタと響くラップと、遠くで静かに止んでゆくようなTory Lanezの雨上がり的ヴォーカルの遠近感覚が、天気雨のような不思議なマーブル模様を演出していて不安定で美しい(溜息)。Mike Will Made-Itと30 Rocが共同制作の「Don't Judge Me」では、客演にFutureとSwae Leeが揃って参加。 コバルトブルーの海のように冷たく澄んだトラックをすいすい泳ぐ様な三者のシンギンラップが滑らかにレイドバックして、TD$のザクザクと抑揚ある歌唱がまるで細波のように乱反射して輝くのが素敵だし、Futureの夏雲のように重厚で勇壮に漂うラップと、Swae Leeの潮風のように甘酸っぱいフックもグッド。Mike Will Made-ItとPlussが共同制作した「Dawkin's Breek」ではJeremihが客演参加し、いかにもMike Will Made-Itらしいドテッとしたビートをごろごろと転がした平坦なトラックで、だからこそヴォーカルの癖が強い二人で彩ります。再びFutureと24hrsが客演参加した「Don't Sleep」は、SouthsideとJake One、Sam Wishが共同で制作。夏の海のように暑さと冷たさの温度が入り混じった様なサウンドが波紋のように広がり、そこに油分であるTD$のオリーブオイルのようなヴォーカルがぷかぷか分離して浮かぶのが面白い。Pharrell Williamsが制作した「Stare」では、そのPharrell WilliamsとWiz Khalifaが客演参加。ぐんぐんと深海に潜ってゆくように響くビートの反復のみでシンプルそのもの、PharrellもWiz Khalifaもマイクを回すも、もうTD$のオリーブオイルなヴォーカルと塩味のみで召し上がるヘルシーなミッド。「So Am I」はJason "Poo Bear" BoydとSkrillex、Sasha Sirotaが共同制作し、Damian MarleyとSkrillexが客演参加。Damian Marley参加なので当然レゲエテイストな灼熱焦んがりなミッドながら、Skrillex仕込みなデジタルノイジーなエッヂも少しあり、TD$のオリーブグリーンなヴォーカルが味付けを決めるボタニカルな一曲で爽快。ただその爽快感だけで終わるところを、Damian Marleyの焙煎された苦味のあるヴォーカルが混じる事で刺激的にもしているの最高。Christopher "Chrishan" DotsonとFloyd "A1" Bentley、Christian "Hitmaka" Wardが共同制作した「Lil Favorite」では、MadeinTYOが客演で参加。トロピカルソーダの様に色鮮やかに発泡するトラックは、澄んだ海のようにエメラルドグリーン色に輝くTD$のヴォーカルにバッチリシンクロ。Fifth HarmonyのメンバーでTD$の恋人でもあるLauren Jaureguiが客演参加した「In Your Phone」はDun Deal制作で、二人の密着感と溶け合うフィーリングが如実に反映されたとろけるミッドで、その清冽な青さも含めると、海底の沈没船に静かに眠る宝石箱のような神秘さも感じたり(浪漫)。「All The Time」はJohn James StokesにFloyd "A1" Bentley、Christian "Hitmaka" Wardが共同制作しており、青い海にダイブして潜るような壮麗なミッドでやはり気持ち良い。Sons Of SonixとJason "Poo Bear" Boydが共同制作した「Side Effects」も南国を思わせる灼熱感のあるダンストラックで、TD$の焦んがりビターなヴォーカルと絶妙なマッチング。「Massage In A Bottle」はDarhyl "DJ" Camper, Jr.が制作を担当したアコースティックなスロウで、生野菜と果実をぎゅっと搾ったような繊維質なグリーンスムージー的なスロウジャムで心地良いのです。あと細かくは書かなかったですが、ブリッジとして「Famous Lies」「Famous Excuse」「Famous Friends」「Famous Amy」「Famous Last Words」が配置されていて、そのどれもが良い味を出しています。

全部で20曲という大ボリュームながら、どこか前作に比べるとかなりコンパクトにまとまっている様に感じるのはなぜ。最初はサウンドアプローチが集約されているからかなとかも思いましたが、単に僕の耳がTy Dolla $ignをきちんと処理できるように慣れたのかもしれません(笑)。ただ本作はTy Dolla $ignの自然味溢れるオリーブオイル的な旨味を存分に引き出した良作で、きっちりと時代の先端も捉えた歴たるR&B盤だと思っております。あとはしれっと活躍している、本作でも数曲に関与したChristian "Hitmaka" Wardが、あのYung Bergだというのも追記しておきたいです。












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Tank「Savage」
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R&B界きっての肉体派SSW、Tankの通算八作目となる『Savage』を御紹介。もうとにかく男性ホルモンを放出するのがこのTankで、性スキャンダルで表舞台から姿を消しそうなR. Kellyとは違ったクリーンなエロスで存在感を発揮し続けています。前作『Sex Love & Pain II』よりおよそ一年ぐらいのスパンで届いた本作、本作ではいつも魅せてくれている逞しい裸体を封印してのジャケット、という事でなぜか少し不安を覚える僕がいました(笑)。
それではそんな不安は的中したのか感想を書くと・・・・・・まずはJovan J. DawkinsにBangerz、Jevon Hill、Stanley Green, Jr.が共同制作した表題曲「Savage」でスタート。まるでガラス片のように尖って不安定な寝音色を束ねたひんやりと冷たいミッドで、低く唸るように響くTankの静かなヴォーカルがひりひりとした獣感を漂わせていてグッド。SlikkMuzikが制作を担当した「Everything」では、Trey SongzとLudacrisが客演参加。Tankに客演は基本要らないと思っているし、こういう時には必ずChris Brownが起用されていたけれど、今回はエロス継承者としてTrey Songzを起用したのが抜群に良い(興奮)。 ゆっくりと深く深くグラインドするトラックは女性的の肉感ににも似てふくよかで残酷で。熱に反応して汗ばみ濡れるTankとTrey Songzのヴォーカルも相性抜群ですし、Ludacrisの骨太ながらエロく曲線をスラップするようなラップもバッチリ。同じくSlikkMuzikとJustin Lyonsが共同で制作を担当した「Do For Me」は、真っ暗な浴室でバシャバシャと浴びるシャワーのように、ほんのり騒々しく交錯し飛沫をあげる音色がセクシーで、だからこそ太くてしなやかなTankの筋張ったヴォーカルがより美しく際立ちます。なぜだかびしょ濡れで雫を滴らせたアコースティックギターの音色が凛と響く、美しくも幻想的な濡れミッド「Only One」は、SilkkMuzikとJustin LyonsとJeremy Haristonが共同制作。このギターと雫ならば普通ボタニカルになるところ、Tankはきっちりと女性の濡れ髪のような線の細さと熱気に変換、ちょっぴりエコーのかかったTankのヴォーカルが余計に愛で濡れた浴室を彷彿とさせてたまらなく切なくエロい(悶)。Cardiakが制作を担当した「You Belong To Me」は真夏の夜風みたく熱が冷めてゆくような感覚に似たミッドで、夜明け前にも似た透き通るようなブルーを放ちます。ファルセットを翻して颯爽と吹き抜けるTankのヴォーカルは稀有で、ここまでエアリーなTankは聴いたことがないくらい。SlikkMuzikとJustin Lyonsが共同制作した「Good Things」では、Candice Boydが客演参加。まるで高級ホテルの浴室にムラムラと立ち込めるスチームと、石鹸と汗の匂いが混じったような生温かな艶やかさが素晴らしく、筋骨隆々でしとやかに愛撫するように優しいTankのヴォーカルと、それに呼応して曲線を描いて絡み付くCandice Boydの色っぽいヴォーカルも綺麗。CardiakとSwiff Dが共同制作したド直球な「Sexy」は、重ねた体がどんどん深く沈んでゆくように波打ち鼓動を打ち、そんなトラックに思わず仰け反りたくなること必至(昇天)。どこか捩れて喘ぐように高く鳴り響くTankのヴォーカルがまたなんとも官能的で、男性の僕でも高揚してしまう悶絶スロウジャムで素晴らしい(絶賛)。静寂とビートの対比がまるで、真夜中に秒針の音を聴くような、少しチクリとした感触に似た、Cardiakが制作の「When We」。汗と愛液がじんわりと熱で浮かされて溶け合うようなトラックが夜空をゆっくりと青白く燃やす、Tankでしか表現し得ないであろう濃密で官能的なスロウジャム(溜息)。低く濃厚ビターなTankの歌声がしとやかに優しく性感帯を刺激する「F It Up」、激しく甘い情事を終えて朝焼けに照らされて目覚めるような淡い色彩と、細く射し込む朝陽のように眩い煌びやかなTnakのファルセットがたまらない「Nothing On」と、この二曲のみがTank自身による制作。最後を飾るのはDa Internzが制作し、客演にJ. Valentineが参加した、度数の高いアルコールのように灼けたミッド「Stay Where You Are」。最後の最後にこのブルージーさが鼓膜にやけに沁みて、男の慕情をじわじわとくすぐるのがナイスです。

R&Bに不可欠な要素にやはり情事やエロスというものがありまして、それをバッチリ体現し芸術にしているのがTank。真夜中の濡れた浴室のようなエコーと湿度を、Tankの筋骨隆々なヴォーカルがその熱とフェロモンで蒸発させ、その時に生じる色香と音色がTankの音楽を構築しています(痺)。毎度と不思議に思うのは、聴いている僕は男性なのに、どうしてかTankのセクシーさは鼓膜に突き刺さり抜けないという点(笑)。とにかくやはりマッチョとエロスは切って離せないことを実証し続ける、Tankの通常運転の傑作でした。






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Kenny Lattimore「Vulnerable」
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爽やかなルックスと歌声で長く活躍している正当派、Kenny Lattimoreの通算六作目となる『Vulnerable』を御紹介。前作にあたる『Anatomy Of A Love Song』は素晴らしい快作で、このブログの年末企画“ 僕が選ぶ2015年アルバムTop10[R&B部門]”では堂々の第一位に選出した程でした(賞賛)。良き美しき妻Chante Mooreとの離婚は、お似合いだっただけに本当に悲しかったですが、その後もこうして素晴らしい活躍を続けてくれているので、とりあえずはOKとしましょう。前作から約二年ぐらいのスパンでの本作ですので、自主レーベルでの活動も順風満帆なんだと思います。
という訳で早速と感想を書いてみたいと思うのですが・・・・・・本作のブックレットにはProducerがクレジットが記載されておらず、ソングライトだけで書けばKenny Lattimoreは全曲に関与している模様です。まずはここ数年はRihannaやらDrakeが再びメインストリームに押し上げた感のある、トロピカル風味の快感ミッド「Vulnerable」でスタート。これがレゲエ風味ではあるけれども常夏などではなく、夕涼みのようにまったりとクールダウンしたメロディが美しく、Kenny Lattimoreの清涼感溢れる潮風のようなヴォーカルが心地良く吹き抜けます。どこか80年代ポップ(というかMichael Jacksonの『Bad』期)を彷彿とさせる、漂白系のミッド「Push」なんかもサラリと翻るKenny Lattimoreのミントグリーンな歌声がなんともスッキリ爽やか。ひらひらと舞い降るような鍵盤音がとっても優美なバラード「Stay On My Mind」は、Kenny Lattimoreらしいスマートで洒落たR&Bチューンでやはり三十路はうっとり(溺)。スナップというよりも水を弾くような飛沫音に似たビートが、どこまでも滑らかで麗しいKenny Lattimoreの端正なヴォーカルの滑りをより良くします(滑走)。都会の夜に瞬く街の灯みたいな明滅が美しい「Perfection」もただただオシャレ、シルクの様に滑らかに上品なトラックとヴォーカルがドレッシーに踊る一曲。水に打った波紋のように均整とって広がる湿潤メロウ「Curtains Closed」、滴る雫の響かせる音色のように優しく深々と響く歌声が鼓膜にバッチリ浸透します。Kenny Lattimoreがほぼほぼ繊細なファルセットで聴かせる「Priceless」は、もうポタポタと鳴るほどに熟れて果汁の滴るジューシーメロウでもう甘い甘い(糖度)。澄み切った天空を渡る様な感触を味わえる壮麗ミッド「Deserve」、そんな天空を裂いて降る雨粒のようにキメ細かに光り輝くKenny Lattimoreの歌声がなんだか神々しくて、聴いているだけで鼓膜とハートが浄化し昇天します。そのまま昇天した先に広がる極楽浄土に抱かれる感覚に溺れる「Falling For You」が最高、メロディの持つ明度を最大限まで引き出して後光の射し、Kenny Lattimoreの真っ直ぐで清らかなヴォーカルが心を優しく揺さぶるバラードにただ涙(燦々)。「One More Night」ではサックス奏者のGerald Albrightが客演参加、これも朝靄を切り裂いて輝く朝の斜光のようなメロディとヴォーカルがシンクロしていて、終盤に流れるサックスがじわじわと朝の温度を上げる様な仕組みでグッド。最後はなかなか洒脱なR&Bライクミッド「More Than Life」もなだらかなグラインドを描いてグルーヴするのが心地良く、Kenny Lattimoreの潔癖なヴォーカルがパリッと響くのがカッコイイ。あとはボーナストラック扱いで「Never Too Busy (Live)」を収録、Kenny Lattimioreの喋り声は一段低くもっと男性的なセクシーさが感じられて、そんな中で酔って踊るように堕ちてゆくJazzyな音色がなんとも美しいのです。

相も変わらずの爽やかさ、最近のR&Bも勿論好きですがやはりこういうサウンドとヴォーカルに立ち戻ってしまうのも三十路の宿命。一時期Ne-Yoが隆盛した頃に比べると、こういう潔癖無菌なR&Bも少なくなった気がするので、かえって新鮮な気持ちと懐かしい気持ちを混在させて楽しめます。






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Sammie「Coming Of Age」
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わずか12歳でアルバムデビューを果たしているベテランシンガー、Sammieの通算三作目となる『Coming Of Age』を御紹介。かのDallas Austinのバックアップを受けて『From The Bottom To The Top』をヒットさせたSammie、その後はキッズシンガーならば誰もが通る変声期で休業し、2006年には『Sammie』をリリースし変わらず美しい青いヴォーカルでR&Bを湧かせた逸材。その後もずっとMixTapeなどを精力的に発表し、名前も一時はLeigh Bushなどに変えたりして活動を続けておりました。その前二作とも持っている僕としてはやはり、Sammieの11年ぶりとなる新作は嬉しい限りで御座います(感動)。
まずはキラキラと水面に反射するように輝く鍵盤音のせせらぎに、鼓膜も心もスッキリと浄化される美しいバラード「COA」で幕開け。制作はBryan "K-City" ElmoreとJason Cathyが担当しており、相変わらずと透明に澄んだ原水のようなSammieのヴォーカルが美味で、乾いたハートがゴクゴクと飲み干して潤ってしまいます。続く「Expiration Date」はXeryus Gittensが制作を担当した極潤ミッドで、トロトロとまるでアルコールで酔いが回るようなアダルトな音色の澱みに、Sammieのキリリと清冽な原水ヴォーカルが混じることで水割り状態になってより美味に。Dwight "Doh Boy" Richardsonが制作を担当した「Good Life」では、客演にどういう繋がりなのかRick Rossが参加。夜の闇に青い吐息を溶かすような妖艶なトラックの中で、悩ましげに曲線を描き堕ちてゆくSammieの繊細なヴォーカルと、Rick Rossのソウルフルにしてシックなバリトンのラップが闇を重たく沈殿させるのもグッド。ひらりひらりと鳴るギター弦の音がまるで、寄せては砕けて散る白波のように儚げなアコースティックメロウ「Tsunami」はFayo & Chillが制作を担当。遠く彼方で揺れる波音を聴く様な静寂トラックに、柔らかにウェーブし聴き手を飲み込むSammieのモイストなヴォーカルもなんだか幻想的。Bryan "K-City" Elmoreが制作した「Bad Girl」はトロピカルなビートとメロディが踊る心地良いミッドで、カラリと乾いているというよりは、波と戯れてビショビショに濡れたようなウェットな音色が悩ましくて面白い。「I Left...Because I Love You」はTroy Taylor(!)とBryan "Composer" Nelsonが制作を担当しており、ポタポタと滴る水滴のような音色が湿って心地良く響くオアシスみたいなミッドで、Michael Jackson的に少し震えるSammieの瑞々しいヴォーカルに見事にマッチ。またまたBryan "K-City" Elmoreが制作を担当した「Shoes」も90年代を思わせる良質な艶麗ミッドで、水を含んだようにプルプルと潤んだトラックに甘美で悩ましいSammieのヴォーカルが溶け合うのが綺麗。Justin "Henny Tha Bizness" Hendersonが制作を担当した「Show And Tell」では、これまたSammieと同じく苦労人なEric Bellingerが客演で参加。軽妙で鮮やかな絹糸のような音色が紡がれてトラックを成すミッドで、SammieとEric Bellingerの小気味良く跳ねるヴォーカルも軽快でキラキラと輝いていてグッド。Winston "Kangstunna" Draytonが制作を担当した「Good Girls」は真っ青な宇宙空間を思わせるヒンヤリとしたミッドで、メタリックみたくキラキラと鋭く銀色に輝くSammieの華奢なヴォーカルがクール。Troy TaylorにVontae Thomas、88Keys(!)が共同制作した「Be Alone」もバーボンで満たされたグラスで氷がカランと音を立てるような、そんんなアダルトな色香の漂うほろ酔いミッドで、Sammieの微かに震えるような悶絶ヴォーカルがひしひしと五感を刺激するのがたまりません(昇天)。Bryan "K-City" Elmoreが制作した「Too Long」は秋風のようにしんみりと心の隙間を吹き抜けてくすぐる哀愁ミッドで、優しく淡く響くSammieのヴォーカルにそっと鼓膜を差し出し温めてもらうのみ。「Daddy」はDwight "Doh Boy" Richardsonが制作しており、エコーが響くようにあちこちで反響して弾けるようなトラックがなんとも不思議な魅力を放ちます。最後を飾る「Confessional」はSean Marshallが制作を担当した砂煙舞うようなアコースティックバラードで、Sammieの叫び祈るようなヴォーカルが天を仰いで震えるブルージーな一曲で渋い(沁)。

僕みたいな三十路が聴いてホッと安心してしまう良質で純正なR&Bアルバム、Sammieに求めているものをきちんと理解していらっしゃる(嬉)。Sammieのヴォーカルの質も全く落ちていなくて綺麗で澄み切ったまま、なぜこんなにも不遇なのかが本当に不思議なほど。しかしこうなると惜しむらくはこのアルバムジャケット、Sammieも格好良く成熟している訳ですし、大人の男になったセクシーなSammieを全面に押し出したら良かったのに。






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