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RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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SZA「Ctrl」
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現状最も勢いのあるレーベルと言っても過言ではない“Top Dawg Entertainment”の紅一点、SZAの記念すべきデビューアルバム『Ctrl』を御紹介。SZAは日本読みでは“シーザ、もしくはシザ”なのですね、僕はずっと“スーザ”と思っていたんで今だに間違って読んでしまいます(苦笑)。昔は大学で海洋生物学専攻をしていたという才女で、このアルバムの前に発表されたEP『S』、『Z』、『See.SZA.Run』でかなりの高評価を受けておりました。つまりかなり待ち望まれていたアルバムであり、第60回グラミー賞ノミネーションで最優秀新人賞、『Ctrl』が最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門に、「Supermodel」は最優秀R&Bソング、「The Weekend」は最優秀R&Bパフォーマンス、「Love Galore」が最優秀ラップ/歌唱パフォーマンス部門の候補となり、計5ノミネートを受けました。第60回グラミー賞主要部門女性最多ノミネートという、期待値通りの結果を受けましたね。ちなみにタイトルの『Ctrl』は彼女のインタビュー曰く、”本当はコントロールしたいのにコントロールできない溢れ出る感情”を指しているのだとか。
それでは気になってしまう内容をようやく書き出し・・・・・・水のせせらぎみたく乱反射して湛える、水面のような弦の音色がなんだか悲しく悩ましい「Supermodel」。Scumが制作(AddVocalにはPharrell Williamsも関与)したトラック上をこれまた悩ましげにゴロゴロと寝そべって転げるような、SZAのキュートでとろけたヴォーカルが魅力的。Thankgod4codyとCarter Langなる人物が共同制作した「Love Galore」では、Travis $cottが客演で参加。ゆっくりじっくりとベッドに沈んでは浮かびを繰り返すように、なんだか密着感のある温度が漂うトラックは幻想的で卑猥(賛辞)。SZAの蜂蜜のようなヴォーカルがとろーり鼓膜に絡まるのも良いし、Travis $cottのふわふわと歌って夢見心地と虚ろが混じってようなフックもグッド。Cam O'biが制作の「Doves In The Wind」では、レーベルメイトであるKendrick Lamarが客演で参加。Redman「Let's Get Dirty (I Can't Get in Da Club)」とBusta Rhymes「Turn Me Up Some」をネタ使いしたこの曲は、SZAの蜂蜜ヴォーカルを足した事で、ネタ元をトロトロ甘いジャム状にスロウダウンさせた事で熟した美味を堪能できる仕組み。Carter LangとScumが共同制作した「Drew Barrymore」は、そのどこか毛羽立ったようなサウンドが独特なフォーキーさを生んでいるミッドで、長閑に進行する牛歩ビートにまったりと溶けるSZAのヴォーカルが白昼夢のように虚ろに響きます。Scumが制作を担当した「Prom」はふわふわと浮いたカラーセロハンみたいな音色がポップでキュートな一曲で、こうなるとSZAの甘ったるいシロップのようなヴォーカルもドリーミー倍増。Thankgod4codyが制作した90年代っぽい極上スロウジャム「The Weekend」が最高で、蜂蜜のようなSZAのヴォーカルがまるで汗ばんだようにしっとりと鼓膜に絡みつき、重なってゆっくりと深くうねって震えて果てるのがどうにもたまらない(恍惚)。ゼンマイ仕掛けのようにきめ細かにチタチタと進んで動くトラックがATCQっぽい「Go Gina」は、Scumと Caretr Langが制作(Add制作にFrank Dukes)しており、ブリキのようにレトロで角張ったメロディラインで転がるSZAもキュート。BBkonが制作の「Garden (Say It Like Dat)」はとても流麗で、SZAのヴォーカルが花蜜となってその周囲を、音色は花園をひらひらと飛ぶ蝶々のように色彩と輝きをはためかせるのが幻想的。水面の波紋のようにゆらゆらと揺らぎを広げてゆくメロウ「Brken Clocks」はThank4codyが制作で、River Tiber「West」をサンプリングしており、静かにゆっくりと沈殿してゆくようなSZAの砂金ヴォーカルが繊細で美しい。Donna Summer「Spring Affair」を下敷きにした「Anything」はScumが制作を担当、シャボン玉のようにフワフワと浮かんで遊離する音色に、まるでSZAの蜂蜜のようなメレンゲのようなヴォーカルまで乗っかりフワフワは最大限に。Thank4codyとProphitが共同制作した「Wavy (Interlude)」ではJames Fauntleroyが客演参加しているのですが、これまでの彼の客演でもこれほどバッチリ輪郭ハッキリな甘酸っぱい歌声を確認できるのは初かも(驚)。Carter Langが制作の「Normal Girl」もなだらかに音色とビートが転げてゆく、花園のようにフローラルでドリーミーなミッドで、SZAの澄んで輝く蜂蜜ヴォーカルの甘さと絶妙マッチング。ScumとCarter Lang、Josef Leimbergが共同制作した「Pretty Little Birds」では、レーベルメイトであるIsaiah Rashadが客演で参加。この曲も霞みがかった薄桃色の空をひらひらと鳥が飛んでいるように、幻想的なトラックにSZAの開放的に弾けるヴォーカルがドリーミー。最後を飾るのはScumとCarter Langが共同制作した「20 Something」で、アコースティックギターをポロポロと奏でるトラックは、静かな緑の生い茂る原生林に深々と滴る雨音のようで、SZAの潤いたっぷりなヴォーカルに心を綺麗に洗われます。

ぼってりとしてトローリ甘い歌声はまるで蜂蜜そのもの、金色に輝き澄んだSZAの蜂蜜ヴォーカルにゆっくりと身を委ねるばかりです。なんて言えばいいだろう、この独特の間延び寸前のビート感触とか、それを甘くコーティングするトロトロのSZAのヴォーカルなどが、感情の微細な揺れや躊躇いや飲まれるように進む感じを、つまりコントロール出来るか出来ないか寸前の情動を絶妙に表現している気がします。ちなみに本作は昨年度の年間ランキングにおいて、第八位に選出しておりました。










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Kelela「Take Me Apart」
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エチオピア系アメリカ人の移民二世である新世代R&Bシンガー、Kelelaの記念すべきデビューアルバム『Take Me Apart』を御紹介。デビューアルバムではあるのですが初の作品ではなく、これまでに発表したMixTape『Cut 4 Me』、EP『Hallucinogen』の二作品を発表しており、特に後者に収録の「Rewind」はニューヨーク・タイムズ紙で“これからの音楽の方向性を感じさせる25曲”に選出されるなどして、一気に知名度を上げておりました。その後はSolangeやDanny Brown、Gorillazなどの楽曲に客演参加するなどして、リスナーの期待値をぐんぐん上げての本作となります。R&BやJazz、Bjorkなどを聴いて育ったという彼女、奇しくもそのKelelaの才能をそのBjorkが絶賛しているというから驚きです。
という訳で遅まきながら感想を書いてみたいと思いまして・・・・・・まずはJam Cityが制作した宵の明星のような妖しい光を放つ「Frontline」でゆっくりジワジワと幕開け、冷たく青い夜空のようなトラックにKelelaの満天の星空みたく煌めくヴォーカルが、見事なまでの美しさと神々しさ。同じくJam Cityが制作を担当した「Waitin」は黄金期のJanet Jacksonを彷彿とさせるミント系の壮麗ミッドで、柔らかくビートを弾ませるトラックに共振して、流星群のように抜けて光りながらも、どこか肉感と曲線を感じさせるヴォーカルがグッド(艶美)。表題曲となる「Take Me Apart」はAl ShuxとJam Cityによる共同制作で、Kelelaの潤んで弾くヴォーカルが最高で、冷たく濡れた樹海を駆け抜けて降って落ちるような星空に出逢うような一曲。夏の夜の海をVHSで撮影して映したようなざらつきとウェットさの混濁が美しい「Enough」はArcaが制作を担当、少し歪で尖った音色をも濾過して澄み切ったものに変えるKelelaのヴォーカルの成せる芸術。Aaron David Rossが制作した「Jupiter」はそれこそ宇宙を思わせる壮大で静かなスロウジャムながら、それはあくまで肉眼で見上げる落ちてきそうな夜空で、それはKelelaの歌声が夜の雨音となって鼓膜にそっと降るから感じるまで。MockyとBok Bok、Arielが共同制作した「Better」はもはや静かなる宇宙空間、その中をゆっくりと銀色の衛星が漂うように、緻密に金属的な音色とヴォーカルが転回するのがクールで幻想的。Jam Cityが制作した「LMK」はそれこそ彼女がポストAaliyahと謳われるのが分かる一曲で、ザクザクと尖って屈折する妖しいネオン光のようなトラックの中で、妖艶にくねくねと曲がりながら色香を発するKelelaのツヤツヤした銀色の歌声が素晴らしい。同じくJam Cityが制作した「Truth Or Dare」はボタボタと零れ落ちるビートが骨太で、だけどそれを溶かすメロディは海月の漂う海のようにミステリアスに輝いて、だからこそ鋭利に輝くメタリックなKelelaのヴォーカルも綺麗に反射。「S.O.S.」はKingdomが制作を担当した美スロウジャム、静かな青い湖面に映る月光のように、やはりKelelaのヴォーカルは冷たい輝きのようで美しい(溜息)。Dubble Dutchが制作を担当した「Blue Light」もやはり真夜中を思わせる一曲で、細く射し込んだ青白い月光が夜の闇を裁断し、その闇がひらひらと舞い上がっては飲み込むようにメロディが歪曲するのが凄まじい魔力(圧倒)。そんな夜の闇がどういうわけか細胞分裂を起こして沸々と踊り出すような感触がサイケな「Onanon」は再びArcaが制作、これも下手すればサイケ過ぎるのをKelelaの柔らかで艶やかなヴォーカルが戯れ、指先で弄ぶように歌うからセクシーに鳴る。またもやArcaが制作した「Turn Ta Dust」はストリングスなど挿入し、なんともキメ細かなメロディが紡がれたシナプス的メロウで、それがKelelaの薄明かりのような神秘的な歌声をより魅力的にしています。Jam Cityが制作した「Bluff」は広大な宇宙にポツンと銀色の宇宙船が遊泳しているような宇宙交信的メロウ、何万光年を思わせるKelelaのヴォーカルがまた幻想的な伸びでグッド。最後を飾るのもJam Cityが制作した「Altadena」で、花園のようなフローラルさに冷たく硬いメタリックな味わいも混じったSFメロウで(銀河戦争終戦後の兵器が散らばった荒れた大地に、何百年の後に花が咲いたよう)、鉄から花を咲かすようなKelelaの淡く甘いヴォーカルが素晴らしいのです(涙)。とここまでが本編の内容で、国内盤にはこれらに加え、AaliyahとTimbalandの蜜月を彷彿とさせる「A Massage」と、光と共に疾走して瞬くヒット曲「Rewind」も収録しております。

すっごく良い、R&Bかどうか問われると難しいのですが、僕は凄くこのアルバムを気に入って聴いていました。その結果、昨年の“僕が選ぶ2017年アルバムTop10[R&B部門]”においても、第六位という好成績を収めたほどです。巷では“ポストAaliyah”と称されているらしいし、それに関して僕も異論はないのですが、僕なんかは一時期のJanet Jacksonを感じる場面も多かった一枚。なかなか特殊な立ち位置に居るし、次回作にも大いに期待したい美人シンガーで御座います(結局)。








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Leela James「Did It For Love」
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その抜群の歌唱力でR&Bファンを漏れなく虜にしている稀有なシンガー、Leela Jamesの通算五作目となる『Did It For Love』を御紹介。ジャケット含め素晴らしかった前作『Fall For You』から、おおよそ三年ぶりとなる本作。入れ替わりの激しい(最近ではもうHip Hopのポップ化が凄くてR&Bの新陳代謝は遅れ気味だが)R&B界で、特にドデカいヒット曲など無くとも、長く活躍してアルバムをリリース出来ている事が凄い(賛辞)。僕の中ではLeela Jamesのアフロヘアが大好きなので、それを拝めない被り物はちょっと減点対象ですが(笑)。
でも肝心なのは中身じゃんって事で感想を・・・・・・まずはEvan Briceが制作を担当した「Hard For Me」でなんともほろ苦くスタート、シャキッとするような熱さのトラックは程よく刺激的で、まるで濃いエスプレッソのようにビターな香りが立つLeela Jamesのヴォーカルを引き立てます。Calvin "Tubby" Frazierが制作を担当した「Don't Mean A Thang」なんかもやはりコクの深いソウルフルでダークビターなミッドで、ジャリジャリとしたビートは珈琲豆を挽くかのようで、そこにLeela Jamesの力強くも艶やかなヴォーカルが注がれて美味。「Don't Want You Back」はLeela JamesとJ Hammondが共同制作したとてもフローラルで芳しいスロウジャムで、シルクというよりはヴェルヴェットのように重みのある光沢がラグジュアリなLeela Jamesの歌声が品良く御洒落(惚)。同じくLeela JamesとJ Hammondが共同制作した、透け感のあるドリーミーなスロウ「I Remember」も秀逸で、キラキラと夜空に星が瞬き星座を象るように連なるメロディと、星空のようにしとやかな濃紺にも似たLeela Jamesの歌声が美しい(溜息)。Leela JamesとJ Hammondが共同制作の「Good To Love You」ではDave Hollisterが本作唯一の客演で参加、まるで春風のように優しく吹き抜けるトラックは爽やか一点で、だからこそビタースウィートが魅力の両者のハーモニーがほろ苦く絡んで美味。カリッと香ばしいちょっぴりファンク風味な疾走ミッド「There 4 U」はButta-N-Bizkitが制作を担当、本作中で最もスモーキーにど渋いヴォーカルで鼓膜を燻してくるLeela Jamesもグッド。Jarius "JMo" Mozeeが制作を担当した「This Day For You」は木漏れ日のように柔らかく暖かなトラックに思わず溜息が漏れるナチュラルグリーンな好ミッド、Leela Jamesの潤んだヴォーカルはまるで朝露のように澄んで清らか。Leela JamesとJ Hammondが共同制作したブルージーなスロウ「Take Me」のゆっくりと醸造させるような味わいも素晴らしく、そんなソウル酵母の中でふわりと香るLeela Jamesの芳醇なヴォーカルがまたこの上ない美味です(酔)。同じくLeela JamesとJ Hammondが共同制作した壮麗な透明ピアノバラード「All Over Again」は、トラックの持つ明度にLeela Jamesの潤んだ歌声が重なり、まるで雨上がりの空のような色彩と肌触りが生まれ、涙腺を優しく撫でます(沁)。ベシベシと叩くドラムビートがエッヂーで乾いて響く「Our Love」もLeela JamesとJ Hammondの共同制作で、こういうHip Hopソウルみたいな楽曲はカフェインたっぷりでダークビターなLeela Jamesの歌声にぴったりマッチング。最後はPhil BeaugreauとDawaun "D Park" Parkerが共同制作した、これまたHip Hopソウルな重厚ミッド「Did It For Love」、黒檀のように黒光りするLeela Jamesの艶っぽいヴォーカルでビリビリと痺れるばかり。

毎回なんだけれども、何故に本作を昨年度の年間Top10に入れなかったのだろうか(阿呆)。Leela Jamesって僕の中で“良くて当然”な感じが強過ぎるのでしょうね(遡れば前作も年間Top10の最終候補で終わらせているみたい)。本作ではJ Hammondと主に楽曲を制作していますがこれも吉、すごく相性が良くてすんなり聴き易いです。このブラックコーヒーにそっとミルクを垂らしたような、ほろ苦いLeela Jamesの歌声に万歳三唱です。






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Demetria McKinney「Officially Yours」
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New MexicoはAlbuquerque出身のシンガー兼女優、Demetria McKinneyの記念すべきデビューアルバム『Officially Yours』を御紹介。Demetria McKinneyはは出身こそNew Mexicoですが、現在はAtlantaを拠点に活動しているシンガー。その経歴は意外にも長く、これまでにMusiq Soulchildとの「Still Believe In Love」やDa Bratとの「100」、Lyfe Jennings「Talkin About Love」に客演するなど、なかなか渋い結果を残している苦労人だったりします。そういった2011年のデビューから数えると本作は苦節六年にもなり、この美貌ながら年齢も38歳なのだとか(驚愕)。とは言いつつも僕は彼女をあまり知らず、単純に美しいジャケットと、Executive ProducerにあのKandi Burruss(元Xscape)が名を連ねていたのに惹かれ、さらりと購入しておりました。
という訳でザックリにはなりますが感想を書いてみますと・・・・・・まずは本作のほぼほぼの楽曲をTravis Cherryが手掛けておりまして、これがとても功を奏していてDemetria McKinneyとの相性も良く聴き易い一因になっております。そのTravis Cherryの制作曲から触れてゆきますと、まずは男性シンガーのDemarcoを客演に招いた「Set It Off」がそう。なかなかメタリックにビカビカと輝くシンセの尖ったアッパーで銀色クール、Demetria McKinneyの艶っぽく微熱混じりに滑るヴォーカルがまた最高にクールですし、どこかトロピカルなジューシーさを放つDemarcoのヴォーカルも濡れてグッド。やんわりと冷たく潤んだピアノ鍵盤の音色が、どこか雨上がりの空のような色彩で美しいバラード「All Or Nothing」は、トラックと聴き手の鼓膜に虹を架けるようにDemetria McKinneyのヴォーカルがキラキラと響くのがすごく優しく眩いのです。これぞA-Townな角切りゼリーのようなプルプル感が味わえるアッパー「Kissin」では、やはりA-Town味を濃くするためにかJazze Phaが客演参加。これはもうモロに昔のCiaraがやりそうなトラックでもはやAtlantaに伝わる伝統芸、プルプルと鼓膜触りのいい角切りゼリー様のシンセとスカスカなビート、その中を品良くカラフルに彩るDemetria McKinneyのセクシー過ぎるヴォーカルがたまりません(病付)。弦のキュルリと軋む音がとてもナチュラルグリーンで清々しいボタニカルミッド「Is This Love」は、そんなトラックの中でそよ風のように淡く甘く吹き抜けるDemetria McKinneyの歌声を、胸いっぱいに吸い込んで寝転がるだけでOK(癒)。燦々と真っ直ぐに降り注ぐ陽光のような温かさに包まれるゴスペル風味な純白バラード「Happy」も、レース地一枚で作ったドレスのようにシンプルなトラックに響く、すっきりと芯の通った彼女のヴォーカルはまるで一輪の花のように可憐でいて力強い。まるで水の中に響く泡音のようにサッパリしたフィルターのかかった音色が美しい「Sextraordinary」は、どこか初期のBeyonce的なアプローチも感じる一曲。トラックとヴォーカルがジャブジャブと鼓膜に流れ込んであっと言う間に浸水して、そのまま泳ぎ出してしまうような深層水メロウで素晴らしい(自由)。最後を飾る「You Give Good Love」はWhitney Houstonの同曲カバーなのですが、ここでの神々しいほどの伸びやかな歌声は原曲に迫る素晴らしさで、改めてDemetria McKinneyのシンプル且つ圧倒的な歌唱力を呈示しています(納得)。とここまでがTravis Cherryの制作曲でして、あとは違うProducerも楽曲提供しております。アルバムスタートを飾っている「Caught Up In The Moment」はGoodguysが制作で、真夜中の濡れたアスファルトを思わせるダークブルーなシンセミッドでクール、静かに滑らかに曲線を描き漂う夜風のようなDemetria McKinneyのヴォーカルも青白く輝いていてシンクロ率100%。Lakordrick Hillが制作を担当した「Easy」では、Loleatta Holloway「Cry To Me」をサンプリング使用。秋の舗道に鮮やかな色を落とした葉が落ちて鳴るようなトラックは繊細にして儚げで、しっとりと濡れて沈んで艶やかな褐色の、Demetria McKinneyのダウナーな歌声がもう胸をキュンキュンと締め付けます(刹那)。水が伝って流れて零れて滴るように変化しながら響くトラックとヴォーカルがなんともセクシーなステンレス製スロウ「Stay」、R&Bの持つリキッドな魅力を存分に発揮したMichael Snoody制作のこの曲は本当に素晴らしい出来映え(痺)。「No, No, No」はKid Classが制作を担当したA-Townらしいバウンスチューンで、歌唱力のある彼女が敢えてする必要もなかったかなと思うのも本音。最後はボーナス曲扱いでStephanie Millsがミュージカル『The Wiz』で歌ったという「Home」をカバー、もうとにかくDemetria McKinneyが往年の名シンガーに負けず劣らずの実力者だと素直に感じ入るばかり。

実は本作は毎年年末の恒例企画、“僕が選ぶ2017年アルバムTop10[R&B部門]”でも(あのSZAを抑えて)第七位に選出した程のお気に入りだったりします。アンビエント以降のR&Bアルバムは良い意味でトーンが統一されているのですが、本作はどこか90年〜00年代らしい、バラエティに富んだ小粒感のある一枚でそれが妙にツボでした。歌声も容姿も美しく華のあるDemetria McKinneyの歌声を存分に活かした、シンプルながらも上品なミッド曲の配分も素晴らしい。まだ聴けていないという方は損している、そう言いたくなる良質な一枚でした。








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Keyshia Cole「11:11 Reset」
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その圧倒的な実力からデビューより第一線で活躍を続ける歌姫、Keyshia Coleの通算七作目となる『11:11 Reset』を御紹介。そのダイナマイトで迫力あるヴォーカルと胸でファンを魅了し続けるKeyshia Cole、やはり安定して秀逸だった前作『Point Of No Return』よりおおよそ2年ぶりでの本作という事で、リリーススパンも安定しております。彼女が主演のリアリティショウ“Keyshia & Daniel: Family First”も好評だったようですし、かなり人気のあるシンガーなんでしょうね(推測)。彼女のキャリアも12歳の時にMC Hammerのレコーディングに参加した事があり、Messy MarvやDwayne Wigginsの作品に参加するなどしているらしいです。 Epic移籍第一弾となる本作は、彼女のエンジェルナンバー“1111”にあやかって付けられたそう。
そんなこんなで早速感想を書いてしまいますと・・・・・・まずはイマイチ僕には彼の職業がわからないDJ Khaledが客演参加した「Cole World (Intro)」で幕開け、これはもうほぼほぼインスト扱いかな。美曲を書かせたらピカイチなEric Hudson(そしてパワフルな女性ヴォーカルとの相性も抜群)が制作した「Unbothered」は、まるで水面を弾いたように飛沫にも似た音色が弾ける流麗曲で、そこにKeyshia Coleの艶やかでしなやかなヴォーカルが泳ぐのがもうたまらなく美しい。「You」はHarmony "H-Money" Samuelsが制作し、客演にはFrench MontanaとRemy Maが揃って参加。MC二人を迎えただけあって美曲ではあるもビートはなかなか硬質でHip Hopなアプローチが光る一曲。溜めて吐き出す打ビートはKeyshia Coleの歌声がやはり骨太さがセクシーなのでバッチリ成立するし、French MontanaはともかくRemy Maのドスの効いた啖呵切るラップが鮮やかで素晴らしい。クラシカルなメロディマナーで鼓膜をしっとり揺らす「Incapable」はまさかのDanjaが制作を担当、じんわりと陽光に暖められるように眩いトラックは優しくて、Keyshia Coleの鮮やかな歌声に彩られより一層と輝かしい(溜息)。「Best Friend」はAntwan "Amadeus" Thompsonが制作を担当した青黒い夜風を思わせるようなメタリックなミッドで、やはりこういうトラックに光沢を持たせるKeyshia Coleのエッヂーでいて艶かしい歌声にウットリしてしまう。Bongoが制作を担当した「Vault」は僕の本作で随一ともいえるお気に入りで、確認したらソングライトとBack VocalであのJeremihが参加していたので妙に納得。トロトロと光沢を溶かしたようなトラックはなんとも美味で芳醇そのもの、そこにどっぷり浸かって熟成させるように響くKeyshia Coleの柔らかく発酵し墜ちてゆくヴォーカルが素晴らしい(溜息)。Kevin Randolphが制作を担当した「Act Right」では、客演させたら妙に光ってしまうYoung Thugが参加。Keyshia Coleのじんわりと発する体温を蒸気に変えて空気を湿らせ、そこにYoung Thugのいい意味で腑抜けたヘロヘロとしたラップがポタポタと滴るように流れるのも酔狂。BigHeadDezとYonniが共同制作し、ソングライトにはElijah Blakeが参加している星の瞬くような煌めきチューン「Right Time」。指スナップにキラキラとキメ細かく宝石みたいな音色が施されたラグジュアリーなミッドで、Keyshia Coleだからこそ成立するドラマチック展開。Damon ThomasにOrlando Williamson、Eric Dawkinsが共同制作した「Emotional」も古き良きR&Bマナーを踏襲した実直な一曲で、ただただ真っ直ぐ力一杯に歌うKeyshia Coleに涙零すだけ。この力強さの中にもどこかたおやかさが滲むのがKeyshia Coleの素敵なところで、胸を打った後には必ず雨上がりのような空気感を残してくれるんです(感涙)。「Ride」はChristopher "Drumma Boy" Gholsonが制作を担当し、客演にはKamaiyahが参加。サンプリングには2Pac「Hail Mary」を使用しまるで夜空を滑落するような冷感ミッドでやはりクール、すっきりクリアなトラックでTupacのフレーズを流星のように刹那に輝かせる演出も最高。最後はあのToo $hortを客演に迎えた「Cole World (Outro)」で幕切れ、この使い方はかなり贅沢過ぎて思わず勿体無いと嘆いてしまう。

流石はKeyshia Coleといった感じで抜群の安定感と重量感、トラック数がやや少なめだったのは気になりますが十分に満足できるのも、彼女の歌力によるもの。目新しさは無かったけれどカッコイイ、最後のToo $hortの使い方があまりに贅沢過ぎて、せっかくならラップを聴きたかったというのが不満かな(無念)。




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