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RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

09 2019
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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N*E*R*D「No One Ever Really Dies」
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Pharrell WilliamsとChad Hugo、Shay Haleyの友人三人で構成されるグループ、N*E*R*Dの通算五作目となる『No One Ever Really Dies』を御紹介。前作『Nothing』からなんと6年ぶりとなる本作、まさかまたこうしてN*E*R*Dのアルバムを聴ける日が来ようとは、と当時はなかなか驚きました(感涙)。というのもPharrell WilliamsとChad Hugoの制作チーム“The Neptunes”での仕事はほとんど無くなり、元々客演もこなし表舞台が好きだったPharrellが単独で活動を始め、極め付けには彼のソロ曲「Happy」が全世界で特大ヒットをしたから。やはりそこは高校時代からの友人ということで、繋がりはあったのでしょう(憶測)。そんなPharrellがまたN*E*R*Dとしての新作を、しかも“誰も本当の意味では死なない”というグループ名をセルフタイトルにして戻ってきたんだから興奮です。
なんやかんやと言わずに感想書きます・・・・・・まず本作を書く上で特筆すべきなのが、全曲の制作をPharrell Williamsが単独で担当しているという事。僕個人としてはこんな時ぐらい、 Chad HugoとのThe Neptunesとしての制作曲を聴きたかったですが、Chad Hugoが今回はあまり制作には関与したくなかったのでしょうか(疑問)。本作からのシングル曲となったのが「Lemon」でスタート、客演にはRihannaが参加という事でこれだけで価値あり。Pharrellらしいパキンパキンとプチ折る様に鳴る小気味良い音色に機械的なビート、元々このトラックはPuff Daddyへの献上用だったのだそう。そこにそれこそ絞り出すようなPharrellのレモン果汁のごとき酸っぱいヴォーカルが迸ってグッドだし、後ろに重心を置いてネットリと絡みつくRihannaの妖艶なヴォーカルもまた刺激的でたまらない。これぞN*E*R*Dな独特なブルージーさが滲むロック調な疾走チューン「Deep Down Body Thurst」は、少し曇ったオルガンのような鍵盤の跳ね方が土埃に似て乾き、Pharrellの鋭く尖って柔らかく空を裂くカイトのようなヴォーカルが心地良くて、こういう時にPharrellのヴォーカルの有り難みを知る。AppleのCMでもここ日本でガンガン流れていた「Voila」(BassにはThundercat)では前半部分にGucci Mane、後半部分にWaleを客演として配していて、この前後半が全く違うという(そしてこれはアルバム全体を通してあちこちで)面白い仕掛け。ゼリー状のサウンドとビートをグシャグシャと潰した様なカラフルなトラックに、Gucci Maneのプルンプルンの弾力あるラップ(いや音色)が最高のトッピング。後半部分は夜通し踊る祈祷儀式のようなトロピカルな舞踊曲に、Waleがもったりとしたラップを呪術的に乗せるのがグッド。「1000」ではもうただただ激しく弾けて燃え上がるようなエーテルアッパーで、そこに客演のFutureが降臨した途端に超強力な磁場を形成して曲をガチガチに固形化するのが面白い(妙技)。ゆったりとレイドバックした冒頭から、徐々にヒリヒリとスリリングに加速する「Don't Don't Do It!」では、Kendrick Lamarが客演参加(ソングライトにはFrank Oceanが参加)。緩やかな時間が突如として緊迫し、その瞬間にPharrellが叫び訴える、そしてKendrick Lamarがハリケーンのように荒く刺々しくラップを暴走させるのもクール。「ESP」でようやくChad HugoがAdd制作の形で参加、弾力性のあるゴムボール的なビートを跳ねさせたトラックが無機質だからこそ印象的。本作中で最も気に入って入るのは、これぞPharrell流メロウの極みとも言える「Lighting Fire Magic Prayer」(鳥肌)。曲線を帯びたメタリックシルバーなトラックは正にStarTrak産で壮麗でクールですし(前半)、と思えば流水音の中でタイムワープするようにビートが捻れる遊び心(後半)、こういう時のPharellの線の細い流星のようなヴォーカルは映える。Pharrell解釈の全速力なロックでありファンクな気もする「Rollinem 7's」では中盤でそのトラックをネバネバなスライム状に一旦変形させ、またビートを戻したところでAndre 3000を召喚して美しきビッグバンを眩く起こす仕掛けがグッド。Kendrick LamarにM.I.A.が客演参加した「Kites」(Add VocalではA$AP RockyとMary J. Bligeの名も)はブツ切りチョップして飛び散るシンセが神経を刺激しっ放し、でも音数が極端に少ないから騒々しさはなくシンプル機能美。「Secret Life Of Tigers」では女優のCara Delevivingne、それからBillie Idle @よりSummer UikaとMomose Momoも参加、だけれどこれ自体は単純すぎて面白さはゼロ。最後を締め括る「Lifting You」ではEd Sheeranが客演参加、こういういなたいダウン気味のトロピカルチューンはThe Neptunesの十八番ではあるし聴いた事もある感満載。ピコポコ音なんかは懐かしく単に嬉しくなるけれど、Ed Sheeranがちょっとアクセントになっているかなという程度。

嫌いじゃないし良い曲も勿論あるけれど、単純にこれをN*E*R*D名義でやる必要は無かったかなというのが正直な感想。これならばもうPharrellのソロアルバムにしていい、N*E*R*Dでしかやれないサウンドを目指すべきだったかな。N*E*R*Dは純粋にバンドだと僕は思っているので、そのバンド部分を削ぎ落とした感のあるこのアルバムは、今後また聴くかどうか微妙かもしれません。








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Wu-Tang Clan「The Saga Continues」
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Hip Hop界最強のクルーであろう、Wu-Tang Clanの通算七作目となる『The Saga Continues』を御紹介。2014年に発表された前作、六作目『A Better Tomorrow』からおよそ三年ぶりとなるのが本作(この『A Better Tommorow』が素晴らしく、その年の年間第九位に選んだほど)。レーベル移籍を繰り返しながら結局は、統帥RZAが立ち上げた自身のレーベル"36 Chambers Alc"からのリリースで落ち着いた模様です。
それではザックリと今更な感想を書いていきますと・・・・・・まず本作はWu-Tang Clan名義のアルバムなんですが、実はRZAではなく、これまでも沢山のWu-Tang Clan楽曲の制作をし活動を共にしてきたRonald "Mathematics" Beanが全曲のプロデュースをしています(MathematicsはあのWu-Tang Clanの“W”のロゴのデザインをした人物でもある。RZAはExecutive Prouducerとしてクレジットされていますが、RZA以外のプロデューサーが全曲プロデュースしているWu-Tang Clanアルバムはこれが初めての事なのだそう。まずは「Lesson Learn'd」で幕開け、ここではInspektah DeckとRedmanが参加。サンプリングにDavid Porter「I'm Afraid the Masquerade Is Over」を使用しており、いかにもWu-Tangサウンドなヒリヒリと冷たく鋭い氷雨のようなトラックとピアノの旋律、その中で雨の飛沫をあげて空を切り裂くInspektah DeckとRedmanの的確に突くラップが無骨でカッコイイ。「Fast And Furious」ではHue HefなるMCとRaekwonが参加、せせらぎの音のように鳴るピアノ鍵盤と流水のように滑らかな速度で進行するトラックの中では、あのごつい図体ながらもその流れに呼応しつつ弱点(鼓膜)を涼しげに圧迫してくるRaekwonの巧者っぷりが際立ちます。「If Time Is Money (Fly Navigation)」ではMethod Manが単独で参加、夜風に舞う花吹雪のように淡く軽やかな鍵盤音に、流麗しなやかにラップで空を切るMethod Manの演武術のようなラップがもはや芸術品の域。「Frozen」ではMethod ManにKilla Priest、Chris Daveが参加しており、絶対零度で凝結したような鍵盤音のゴツゴツしたトラックに、三者の拳骨のように尖った鈍いラップが絡み合うのが痛快。「Pearl Harbor」ではGhostface KillahにMethod Man、RZA、そして今は亡きSean Priceが参加しております。ねっとりと繰り出されるホーンとビートはまるで、鉛のように重たい曇天とその遠くでゴロゴロと呻く雷鳴のようで、そのトラック上でまるで涙を流す様にド渋いラップの雨を降らし、黒く濡れる彼らは最高に燻し銀(痺)。Wu-Tang Clan名義(Method Man→Raekwon→Inspektah Deck→Masta Killa→最後の語りをOl' Dirty Bastard)で、Redmanが客演となっている「People Say」は、サンプリングにThe Diplomats「I've Got the Kind of Love」を濃厚に使用。 フックは原曲をそのまま拝借しギラギラに発酵させて昇華し、その円熟味を武器に末梢神経まで研ぎ澄まし金剛のような艶と硬度をもって繋ぐマイクリレーは永遠の輝きを放ちます。静かに暗躍するWu-Tang Clanの面々の中に、火薬仕掛けのRedmanが飛び込むことであちこち発破するのもアクセントで醍醐味。「Why Why Why」ではRZAが単独で登場、歌フックには女性シンガーのSwnkahが参加し囁くようにしてうっすらとした艶を演出。ヒリヒリするような静寂の中を、騒ぐ血を漲らせて鼓動を打つ様な脈拍ビートの中で暗躍するRZAの暗殺拳法ラップが最高にイル(痺)。筋張って腱のような鍵盤音と鍛錬された曇ったビートが煙る「G'd Up」は、Method ManにR-Mean、Mzee Jonesが客演参加。淡々と仕事をこなす漆黒のMethod Manと甲高いラップで刺すR-Meanもなかなかの手練。Wu-Tang Clan名義で盟友(舎弟)のStreetlifeが客演参加した「If What You Say Is True」は、剣が鎬を削る音と共に暗澹たるホーンが血の様に流れ出る功夫チューン。永遠の悪童デュオことMethod ManとRedmanがタッグを組んだ「Hood Go Bang!」では、シンプルにピアノループを繰り続けることでシンプルな演武曲を実現。Steven Latorreの甘ったるい歌フックがトラックに憂いと湿り気を与える「My Only One」は、サンプリングにRenaldo Domino「Nevermore」を単調ループさせたほろ苦いソウルミッド。ここでマイクを回すのもGhostface KillahにRZA、そして準レギュラーなCappadonnaという劇渋で芳醇なマイクリレーでまるで墨汁で書いた書物のようなラップを披露。最後を締め括るRZAの「The Saga Continues Outro」も、淡々と語るようなRZAの有り難い説法のようなラップが神経を研ぎ澄ましてくれるナイスアウトロ。

蓋を開ければ「People Say」と「If What You Say s True」の二曲のみがWu-Tang Clanの名義で、あとはソロ曲の寄せ集めのような一枚でやはりそこは残念。GZAとU-Godが参加していないのは不和のせいなのか、それとも法的な問題なのか僕はちょっと覚えていません。Masta KillaがBillboard誌に明かした情報によれば、デビュー25周年に向けて制作中のアルバムがあり、そのアルバムではRZAが監督という立場で、Ghostface Killahが楽曲制作を担当しているという情報もあるので、そこでの全員揃い踏みに期待したいですね。








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Bone Thugs「New Waves」
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90年代のRapシーンを席巻し今でも唯一無二の存在であるBone Thugs-N-Harmony、その一員であるKrazie BoneとBizzy Boneが初タッグを組み、Bone Thugsを名乗り作った『New Waves』を御紹介。Bone Thugs-N-Harmonyといえばその類希なハーモニーと早口でのラップが特徴のグループで、そんなグループの中でも最も対極のヴォーカルを持つのが、このKrazie BoneとBizzy Boneじゃないかと僕は思います。自分の印象ではBizzy Boneは薬物依存などで脱退させられた経緯もあり、Lazie Boneとはタッグを組んでいたけれどKrazie Boneと組んだのは聴いていないので(前作『Art Of War III』もKrazie BoneとWish Boneは実質不参加だった)、この二人が組んだこと自体が驚きでした。やはり五人でなければ完全なハーモニーが出来ないということで、グループ名をHarmonyを抜いたBone Thugs(以降はBTと省略表記)にしたのでしょうか(憶測)。
それでは四方山話はもう止して感想に参りたいと思います・・・・・・まず本作を語る上で大きいのが製作陣、Avedonなる人物が全曲の制作に携わっておりまして。このAvedonを調べたところオランダ出身のEDM系のProducerらしく、少しだけ不安が過ったのも事実ですが如何に。まるで荘厳な大地を俯瞰するようなトラックがまるで自然的で美しく、BTの高低が見事に折り重なったラップハーモニーが勇壮な風となって吹き抜ける「Coming Home」でスタート。Clifford GolioとAvedonが共同制作したこの清涼感溢れるトラックも良いし、そこに客演のStephen Marleyのなんともオーガニックな歌フックが踊るのも鮮やか。静かにしとやかな夜風を思わせるスムースな音色が艶やかな極甘なメロウ「If Heaven Had A Cellphone」、制作はDamizzaとAvedonが共同で担当。BTのラタタタタタタと繰り出すラップはまるで、深夜の高速道路を走り抜けるヘッドライトのような滑らかさで流麗。客演にTankが参加することによって、逞しくも色香の滴る光芒トラックへと昇華されているのが素晴らしい(溜息)。「Good Person」はAvedonが単独で制作を担当し、柔らかに甘い霧のようにしっとりと辺りを支配するトラックはなんとも幻想的で、その中で花弁が舞う様なBizzy Boneのラップと、そんな風に散らし舞わせる風のようなKrazie Boneのラップ、艶やかに雨のように降るJoelle Jamesのヴォーカルとすべてがシンクロした花鳥風月メロウ。同じくAvedonが制作の「Fantasy」はどこかレトロなカッティングで跳ねる軽妙ファンクで、そんな跳ねるトラックに乗せてBTのラップもキラキラとめくるめくのが綺麗だし、Cee-Loっぽい歌声のJesse Rankinsの嘶くようなヴォーカルもド渋くてカッコイイ(痺)。なんだかファンタジーな雰囲気に溢れる桃源郷的ミッド「That Girl」、Avedonが制作を担当しており、乾いた感触のKrazie Boneが砂漠ならば潤んで溢れるBizzy Boneがオアシス、そしてそこに咲く一輪の大きな花が客演のKaci Brown嬢といった感じで素晴らしい。Avedon制作の「Let It All Out」は荒涼とした大地を思わせる赤土のようなトラックに、これでもかと早口で駆けるBTの二人のラップがまるで砂塵のように舞い、極めつけは遊牧民的に伸びやかに漂うJazze Phaの歌フックが昇天させるカラクリでグッド。Lazie BoneにWish Bone、Flesh-N-BoneとBone Thugs-N-Hamoryが集結した「Waves」はその事実だけで興奮確実、しかも制作はあのScott Storchというのも三十路には嬉しい特典。やはり巧者であるScott Storchが手掛けたトラックは息をのむ美しさで、まるで地中海を沈んで泳ぎ、見上げた水面のようにキラキラと澄んで美しく、そこにBone Thugs-N-Harmory全員の波紋のように半ば催眠効果を含んで広がるハーモニーラップが滑らかで綺麗。Clifford Golio制作の「Whatever Goes Up」では、KORNのJonathan Davisが客演参加しているのも面白い点。ザクザクと奏でる乾いたアコースティックギターの弦音はまるで荒野を吹き渡る風のようで、そんなトラックに乗せてBTのラップがはためくのがなんとも壮麗な土埃チューンがクール。漆黒を背景にさらさらと白い粉のような音色が舞うのがシリアスな「Cocaine Love」、制作はAvedon制作ながらもなかなかBTNHっぽいヒリヒリと低温でスリリングなトラックはナイス。それも客演にBun Bが参加することでよりハードでぶっとい鉛のようなマットな輝きが加わったのも大きいし、Jesse Rankinsの怪鳥のような歌フックもやはり乙です。小気味良く滑走するファンク風味な「Bad Dream」はAvedonが制作を担当し、ちょっぴり懐かしいIYAZが客演で参加。Krazie BoneとBizzy Boneがキメ細かなドット柄のようなラップが曲線美を描くのが流線型で滑らかになり、そこにIYAZのミント風味の歌フックが挿入されることで爽やかに鼓膜を吹き抜けるのがグッド。Far East Movementが制作した「Gravity」は、辺り一面に尖ったビートが浮かび空中で震えて止まるようなマトリックス的360度トラックが格好良い。その中で音速で飛び交うKrazie BoneとBizzy Boneのラップと、客演参加のYelawolfの負けじと弾丸みたいに速いラップが正面衝突して火花を散らすのが美しい。多分これこそAvedonの真骨頂であろう、EDMなシンセの眩い瞬きとテンポが炸裂している「Bottle Service」は閃光弾のようなアッパーで、そこから放射状に光線のように放たれる二人のラップはビカビカと鋭く刺さります。標高の高い山頂で澄んで冷たい空気を吸い込むような青いトラックが壮麗な「Change The Story」もAvedonが制作で、こういう少し白んだような秘境めいたトラック上で聴くBone兄弟の流水のようなラップはもはや鍛錬を終えた仙人の域に達したメロウさで、客演のUncle Murdaは恰好良いものの不必要だったかと思える程。Layzie BoneとFresh-N-Boneの二人も合流しまたもやBTNHの面々が揃い踏み、なんともブルージーなラップを聴かせてくる「Ruthless」もAvedonが制作を担当。乾いた空気を転がして鳴る風のようなBTNHのラップハーモニーに、Eric Bellingerの甘美で切ない歌声がしんみり響くのがまた憎い演出。最後はボーナス曲扱いなんですが、フローズンジュースみたいにキラキラと冷たくてキーンと鼓膜に響くのが美味な「Don't Let Go」。AvendonとVincent Berryが共同制作した曲で、こういう甘酸っぱいトロピカルな味を客演のRico Loveが演出し、そこにKrazie BoneとBizzy Boneの速射ラップがまるでシャリシャリとした氷食感に似た食感を生んで、つまりフローズンみたいな喉越し(ならぬ鼓膜越し)でたまらなく美味い。

裏方の主導者であるAvedonがそこまでEDMに振り切らずポップ程度に味付けしたトラック群は、元々よりメロディアスでハーモニーもあるBone Thugsにはなかなかお似合いで違和感はありませんでした。あとはKrazie BoneとBizzy Boneの二人に、ここまで明度の高い楽曲を求めるのかどうかかな。せっかくBone Thugs-N-HarmonyでなくBone Thugsとしてやるのだから、同じ路線でやっては面白くないだろうという判断だとは思います。僕はこの聴き易さは全然嫌いでなく、コアでなく広く聴いてもらうには成功だったんじゃないかと思います。もっと尖った曲は、Bone Thugs-N-Harmonyが勢揃いしてやればいいですし。







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Run The Jewels「Run The Jewels 3」
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Killer MikeとEl-Pが組んだ超強力デュオ、Run The Jewelsの通算三作目となる『Run The Jewels 3』を御紹介。Killer Mikeに関してはもうかなりのベテランで、あのOutKastの一派として活躍していたMCです。それこそ僕はOutKast作品でKiller Mikeを知りましたし、その後のKiller Mikeの1st『Monster』を聴いたぐらい。あとはJay-Zとの共演曲「Poppin' Tags」なんだけれど、その時でさえBig Boiのバーターぐらいの認知でございました(陳謝)。しかしその後、あのKiller MikeがEl-Pと組んでここまでの大躍進を遂げるとは、結構誰も想像はしていなかったんじゃないでしょうか(憶測)。そのRun The Jewelsも驚くほどの人気でもう早くも三作目、前作『Run The Jewels 2』からも約二年でのリリースなので精力的ですね。このジャケットで次はどんな仕上がりになるのかも楽しみ(今作では拳がチェーンを握っていない)、なかなか策士で御座います。
それではざっくりとご無沙汰ながら感想を書き連ねたいと思います・・・・・・まず制作に関しては例に漏れずEl-Pがきちんと担当しており、だからこそのクオリティで安定しております。まずはKiller Mikeと同じくDungeon Family出身のJoiが客演参加した「Down」でスタート、ドムドムと津波を起こすように飲み込んで吐き出すビートの中で、肉弾的なRun The Jewels(以降はRTJと省略)のラップとコケティッシュでいて魔術みたいなJoiのヴォーカルが渦巻くのがナイスシンクロ。ソウルフルでロックなトラックに有刺鉄線を張ってザクザクと殺傷能力を高くして突っ込む刺々しいアッパー「Talk To Me」、両者のラップは鈍器のような重たさのくせして、鋭く空を裂くような軽やかさがあってやはりガツンとくる。いい意味で瓦礫チックにガラガラと破片が転がるようなトラックがオールドスタイルなブレイクをかます「Legend Has It」は、サンプリングにGentle Giant「Knots」を使用しており、バツバツと切れる電線のような危なっかしいトラックが鉄球のようなRTJと合致。「Call Ticktron」はビリビリと放電するメロディやカットを、両者のパワー溢れる重量級なラップがドカドカと踏み潰すのが痛快で、聴いているだけでザクザクと鼓膜に大きな風穴を開けられるのが痙攣してしまう感触に酔うばかり。油塗れのビートとメロディをドバドバと辺りに排水するようなドロドロな水浸し感がダートでイルな「Hey Kids (Bumaye)」、これは終盤に登場する客演のDanny Brownが全部掻っ攫っていくほどの痛快さで、Danny Brownらしい夢魔のような暴れっぷりが狂っていて面白すぎる(発狂)。カキンカキンと金鉱を採掘するような硬い輝きトラックが荒削りに角張って煌めく「Stay Gold」も、やはり金剛のように硬くぶん回すRTJの重量級ラップが滑らかに輝きながら脳天を吹っ飛ばすのが本当に気持ち良いばかり。ブォーブォーンとまるでスターセイバーを振り回すようなシンセが怪しく響く闇裂き曲「Don't Get Captured」は、そんな暗闇の中で相手を睨めつけて目を輝かせてのそのそ徘徊する夜行性の猛獣のようなRTJのラップが、ヒリヒリと恐ろしく尖っていてカッコイイ。「Thieves! (Screamed The Ghost)」では客演にTunde Adibempeが参加(ソングライトにはBoots、PianoにはDangermouseが参加)しており、なんだか密教めいたべったりと張り付く湿気サウンドが陰気でダーク、しかしRTJはこの中でもメラメラと静かに燃えるラップでジリジリ迫り、最後にはTunde Adebimpeの青白いヴォーカルが鎮火するという素敵な構成に。「2100」では要注目なSSWのBootsが客演で参加、そのBootsのヴォーカルがゆらゆらと揺れてRTJの重量級のラップを蜃気楼のようにして歪ませて、聴き手の意識の奥底に沈殿させるのがまた面白い。「Panther Like A Panther」ではなんだか久々のTrinaが客演参加しており、ポカスカと叩き暴れるパーカッションの中で踊るRTJの棍棒みたいなラップと、ブリンブリンに弾力のあるTrinaのセクシーで挑発的なラップがナイス配置でやはり興奮します。心電図的なビートが無機質に脈打つ静寂系のトラック「Everybody Stay Calm」もシリアスで、RTJの太いのに鋭利という特殊なラップが堪能できる一曲。重厚なギターのリフと通電するようなシンセで交互にザクザクと進行する「Oh Mama」は王道スタイルなトラックがハードで格好良く、ゆるゆると飛んでくるRTJの二連結のキャノン砲のようなラップに黙って被弾するしかありません(降参)。あのKamasi Washingtonが参加ということで巷では話題なのであろう「Thursday In The Danger Room」は、僕的にはあまり引っ掛からなかった一曲で残念。最後は二曲が繋がった「A Report To The Shareholders / Kill Your Masters」、後半のズルズルと齲蝕するおうなドロドロのトラックは中毒性が高くてかなり好きな酸ミッド。

二人共が似たようなヘヴィー級のラップをするので、そういう良い意味では両極端なタッグだったらもっと聴きやすいかもと僕はいつも思ってしまうRun The Jewels(我儘)。しかし燻し銀な格好良さは当然ながら健在でタフそのもの、こういう一本芯の通ったラップ盤を聴きたいのも事実で御座います。






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The Lox「Filthy America…It's Beautiful」
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あのThe Notorious B.I.G.との現役共演の経験もあるベテラン衆、The Loxの通算三作目となる『Filthy America…It's Beautiful』を御紹介。The LoxはNew YorkはYonkersで結成され、言わずと知れたJadakiss、Styles P、Sheek Louchの3人で構成される実力者トリオ。デビュー当時はBad Boy Records、次にRuff Rydersと人気レーベルを牽引しました。その後はそれぞれがソロ作を発表し人気を獲得、特にJadakissとStyles Pは揃って外部客演することも多く、存在感も抜群です。そんな個々に人気のある彼らがおよそ16年ぶりとなる新作をドロップ、しかもあのJay Z率いるRoc Nationとパートナー契約を結んでです。もともとはJadakissとJay Zの間にビーフがあったと思うんですが(結局は側近のBeanie Sigelとのビーフにすり替わったような)、その後のJay Z「Roc Boys (And The Winner Is...)」にもカメオ出演していて、Roc-A-Fella(Roc Nationの前身)とも契約し傑作『The Last Kiss』もリリースしていましたっけ。その流れでか、The LoxのグループでRoc Nationと契約し新作まで発表したのは嬉しい限り。The Loxではなかったけれど、それを包括したより大所帯のD-Blockでは、あのWu-Tang Clanと合体したWu Block『Wu Block』なんてのもリリースしましたね。
という訳でお得意のザックリ感想をここで披露・・・・・・まずはBuda And Grandzが制作したオカルトホラーな「Omen」でスタート、ヒューヒューと隙間風のようにこだまする霊的な声ループが恐ろしく、冷酷で青白く光るThe Loxのラップと見事にマッチング。Daysel The Machineが制作した「What Else You Need To Know」はカリカリと氷を砕くように弾け鳴る鍵盤音がシリアスさを増幅させる一曲で、やはり氷点下なほどに冷たく悴むマイクリレー(Sheek Louchだけは熱っぽいが)がThe Loxらしい斬れ味。V Don制作の「The Family」ではSummer Witch Music「Ambient Dreams」をサンプリング、鉱石のような角張ったプリズム模様のシンセがふわふわと瞬くミッドトラックに、それを美しくカットするように綺麗に研磨されたThe Loxのラップがザクザクと突き出るのがなんともクール。Jimmy DukesとSmiley's Peopleが共同制作した「The Agreement」では、Fetty WapとDyce Payneが客演で参加。モヤモヤと薄明かりを溶かす朝靄のような電子音の揺らめきがなんとも美しく、これはフックに白い吐息のように靄のかかったFetty Wapの歌声を起用したのが巧く、その中でThe Loxもゆっくりジワジワと霜が降りるようにラップを垂れるのがグッド。「Move Forward」はあのDJ Premierが制作を担当しており、ピアノ鍵盤のループにビートとスクラッチをゴツゴツにドッキングさせたPrimo節な硬い一曲で、こういう白黒のシンプルな曲がThe Loxの燻し銀で研ぎ澄まされた熟練三羽烏のマイクリレーにばっちりハマります。Isaac Hayes「Hyperbolicsyllabicsquedalymistic」を大胆ネタ使いした「Savior」はDaysel The Machineが制作、これはもう下敷きのネタがナイスで鍵盤音からベースからドス黒いファンクが破裂していて、こういうビートビートしたトタン造りなトラックの方が、The Loxの硬質でエッヂーなラップを堪能できます。「Don't You Cry」はPav Bundyが制作を担当、90年代の東海岸を彷彿とさせるチクチクと棘の立った殺伐としたドラムスコーティングのアッパーで、冷気をも纏い殺気立ったThe Loxのマイクリレーに思わず凍り付いてしまうシリアスチューン。あのDame Greaseが制作した「Hard Life」では、同じくN.Y.出身の盟友Mobb Deepが客演参加。夜の霧を散らす月光のような瞬きが美しいトラックの中で、The LoxとMobb Deepというシリアスで鋭利なマイクリレーが飛び交うのが恐ろしくも綺麗。表題曲となる「Filthy America」はなんとPete Rockが制作を担当、Pete Rockらしい繻子のように滑らかで緻密な音色を編んだソウルフルなメロウで、The Loxの三者三様のラップがそこに艶やかな彩りを加えるのもナイス。最後はなんとGucci ManeとInfaRedを客演に招いた「Secure The Bag」で、Itrez Beatzが制作を担当したビコボコとチープな電子音をベタンベタンとスタンプしたトラックに、いかにもGucci Maneなラップで乗っかるThe Loxに少し違和感を覚えるラスト。でもとにかく全曲において、“ぶん殴る”ラップのSheek Louch、“突き刺す”ラップのStyles P、“切り裂く”ラップのJadakissの華麗なマイクリレーで聞き手を魅了するのは昔ながらの高度な芸当で素晴らしいです(拍手)。

本当になんの捻りもないトラックとラップで(褒言葉)、驚くほどに純正のRapアルバムといったところ。せっかくのRoc Nation配給なので、Jay Zやらその周辺が参加して欲しかったけれど叶わずなのは残念だったかな。確かに玄人受けするようなサウンドなんだろうけれど、それでもThe Loxの作品の中では最も地味な一枚になってしまっているのが残念な印象。やはりBad BoyやRuff Rydersの面々にも参加して欲しかった、つまりは久々の復帰作だからもっとド派手でも良かったかなと思います(我儘)。と言いつつもThe Loxは好きなMCの塊なので、またこうして集結してもらいたいです。








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