RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

05 2017
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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De La Soul「And The Anonymous Nobody」
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PosdnousにDaveにMaseoの2MC1DJで構成されるベテラントリオ、De La Soulの通算八作目となる『And The Anonymous Nobody』を御紹介。Jungle BrothersやA Tribe Called Questらと共にNative Toungeとして一時代を築いたのがDe La Soul。そのスタイルのユーモア性やサンプリングなどの革新性でユニークな存在として他とは一線を画し、多くの人気作を残しています。そんなDe La Soulの新作は最近よく耳にするクラウドファンディング・サービスのひとつ、Kickstarterにて出資を募りなんと60万ドル(日本円にして7200万円!)もの資金援助を受けて制作されたもの。自主レーベル“A.O.I. Records”からのリリースとなる本作はサンプリングのクリアランス問題も避けて、スタジオセッションで録ったサウンドをサンプリングしたりと、文字通りDe La Soulメンバーが完全に掌握した形での制作リリースになったようです。しかも本作は前作よりおよそ12年ぶりの新作、その間にPosdnousとDaveのサイドプロジェクトのPlug 1 & Plug 2『First Serve』のリリースもあったりしましたが、こうして新作を聴けるのは嬉しい限り。
てなワケでざっくりとですが簡素な感想を書きますね・・・・・・まずは華麗なストリングスに乗せてJill Scottの優雅な語りが聴ける「Genesis」、幕開けとしては最高に贅沢だけれどやはりJill Scottには歌って欲しかったかな。続くDave制作の「Royalty Capes」はネットリと練り飴のようなホーンの造形の溝に沿って、De La Soulの渋みのある重厚なラップがズジンズシンと響く一曲。Supa Dave Westが制作した「Pain」ではSnoop Doggが客演参加、ペリペリと鳴らす弦音のささくれ立った音色に、ぼんやりとネオンカラーなシンセが瞬くのが軽妙でグッド。西海岸的な柔らかな陽風が鼓膜を撫でるのが素晴らしく、De La SoulとSnoop Doggの肩の力の抜けた軽く転がすようなラップの掛け合いも妙技。Daveが制作を担当した「Property Of Spitkikcer.com」はRoc Marcianoが客演参加、De La Soulらしいシタシタとドラムスを微かに鳴らすJazzっぽいトラックに、サイボーグの様にエフェクトをかけたロボ声ラップがなんともクールで面白い。しかもRoc Marcianoの骨太で重厚なラップがズシンと重心を落とさせるのが面白く、水と油なんだけれどその浮き沈みの差がナイス。続く「Memory Of... (US)」はあのPete Rockが制作を担当し、そのPete RockとEstelleが客演で参加しております。Jae Mason「Diana」をサンプリングしたトラックはそのキメの細かいシルキーな気品と滑らかさはそのままに、Estellleのけして張らない華やかなヴォーカルが飾り高貴な縫いを施し、Pete Rockらしい黒檀ビートに乗ってDe La Soulの脱力ラップが跳ねるのも心地良し。Posdnousが制作した「Lord Intended」ではthe DarknessのJustin Hawkinsが客演参加、稲妻型にザクザクと尖ったエレキギターの硬いメロディトラックは、昔のL.L. Cool JやBeastie Boysを思わせるロックチューンでカッコイイ(痺)。David Byrneが客演参加した「Snoopies」はPosdnousが制作で、Aap Ki Nazron Ne Samjha」をサンプリングした角切りゼリーみたいな電子音が鳴るキュービックなトラック挿入の後、ボムボムと弾力のあるビートと鬼スクラッチが横断しDe La Soulがここぞとばかりにラップをはめ込むリバーシブル仕様。Ethan Phillipsが制作した「Greyhounds」ではまさかのUsherが客演参加、夜光虫をそっと掌に閉じ込めたような淡く幻想的に明滅するトラックにスムースに囁くDe La Soulのラップ、そして静寂を壊さぬUsherの月光のように繊細で甘いヴォーカルとすべてが美しい(溜息)。Supa Dave West制作の「Trainwreck」はJames Brown「Sex Machine」を下敷きに、カンカンと打つ鐘音に揚々と抜けるトラックがまるで山の上の沿線を走る機関車のよう、しかし突然と脱線し大破するような終わりでバツン。The Anonymous Nobodiesが制作の「Drawn」ではLitlle Dragonが客演参加、と言ってもハープのような音色を爪弾き零すシャボンのようなトラックの大半はLittle Dragonの淡白なヴォーカルで、終盤30秒ほどでようやくとバツバツとビートを挫いてDe La Soulのタフな降ってくる意表を突く一曲。同じくThe Anonymous Nobodiesが制作の「Whoodeeni」では2 Chainz(これは驚きの起用)が客演参加、徐々に熱を放出しながら加速するオンボロモーターの様なトラックで、2 Chainzの相変わらずモッサリとした援護射撃ラップが抜群にカッコイイ一曲。De La SoulやATCQが得意とするベースのマットなグルーヴで硬く紡ぐ「Nosed Up」はSupa Dave Eastが制作、こういう勤倹質素な直角トラックこそ彼らの燻し銀なテイストが輝いてグッド。The Anonymous Nobodiesが制作で、あのDamon Albarnが客演参加した「Here In After」は南風のように乾いて軽い鮮やかなエアリートラックが翻るアッパーで、De La Soulの気張らないラップリレーも良いしDamon Albarnの土煙のように舞い上がるサラサラとしたヴォーカルもダメージ感を演出していてカッコイイ。最後を締め括るのもThe Anonymous Nobodies制作の「Exodus」で、太陽の端っこのように煌き散らす弦音の細やかな音色に、De La Soulの温かなポエトリーリーディングが漂うのがとっても心地良いのです。

De La Soulっぽさも残しつつも、あれこれと客演も招いて実験的な曲も多かった一枚で満足。生のセッションっぽいトラックの中で、De La Soulはふらっとラップして自由に出入りしてやっている感じがなんとも面白い。サウンドもラップも共に固めたものを回しているというよりも、三人が回しているうちに固まったものがそのままアルバムになったような。昔からのファンも新しいファンも単純に楽しめる一枚、Kickstarter万歳といった感じです。






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Banks & Steelz「Anything But Words」
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Wu-Tang ClanのRZAとInterpolのPaul Banksによるコラボプロジェクト、Banks & Steelzの企画盤『Anything But Words』を御紹介。僕はハッキリ言ってロックバンドInterpolも全く知らないのですが、RZAとPaul Banksに関しては2013年頃から既に共に音楽を作り始めていたのだそう。Rolling Stone誌でのインタビューでRZAは、マネージャーから“次は誰とやりたい?”と訊かれて、思いついたのがPaul Banksとのコラボだったんだとか。RZAは音楽活動も地道にやっていて(地道というのは妥当でないか、ラブコールが絶えない)、客演で呼ばれたりもしばしば。最近は映画制作にも通じていて、13年公開の『アイアン・フィスト』もいろんな意味で最高でしたし、この映画のサントラ盤も凄く豪華でお勧めです。
それでは横道に逸れるのはこの辺で終了して本題に入ろう・・・・・・まずはJohn HillとKid Harpoonが共同制作した、強烈なキックスネアに蹴飛ばされて疾風のようなメロディが吹き飛ぶ「Giant」で華々しくド派手にスタート。極限にまで鍛錬されたRZAの功夫ラップが瓦割りするようにビートをバキ折りながら突進し、Paul Banksの涼しげなクリスタルヴォーカルが光を反射するのがクール。ビリビリと低刺激な電撃を放出し、稲妻のように直角的なメロディを紡ぐシンセがカッコイイ「Ana Electronic」はBanks & Steelzの制作。電子が遊離し四方八方に暴れるトラックの中で、Paul Banksの氷のように青白く澄んだヴォーカルが鋭利に鼓膜を撫でるのも、RZAの青銅のようにくすんで硬い光沢のあるラップがゴツゴツと積み上がるのもたまらない。Banks & Steelzが制作の「Sword In The Stone」はDorian & Bob Callaghan Orchestra「Black Emmanuelle」をサンプリグし、古参でありエキセントリックなKool Keithが客演参加。黒煙のような弦音を重たく燻らしジワジワと充満させるトラックの中では、隠密のようにそっと忍び寄り的確に鼓膜を突き破るRZAの武術ラップの独壇場、そこにKool Keithのバチバチと火花を散らして滑空するようなラップが入るから暴発感がプラスされます。砂塵のような音色がザラザラと流れる砂嵐のような「Speedway Sonora」もBanks & Steelzが制作を担当、RZAの岩をも砕く少林寺ラップがその砂塵を纏って空を切り、Paul Banksのドライフラワーのように色褪せた色彩のヴォーカルが淡い。Andrew Wyattが制作し、あのFlorence Welchが客演参加した「Wild Season」も妙味。パカスカと鳴るパーカッションとメルティに鳴るマーブル模様のサウンド、Paul Banksのクリスタルのように透き通った白いヴォーカル、黒真珠のようなFlorence Welchの艶っぽくも重厚なヴォーカル、RZAの青銅のようにマットで深く濁った輝きを燃やすラップ、そのどれもが不思議と融合した歪な装飾品のような一曲(壮美)。「Anything But Words」はBanks & SteelzとAri Levineが共同制作しており、オルゴールが錆び付いたような軋んだ音色がゆっくり回るトラックに、Paul Banksの宵の明星のように暗く静かに輝くヴォーカルとRZAのドドメ色のラップが鈍色に輝きます。Banks & Steelz制作の「Conceal」はPaul Banksの朧げなヴォーカルが白い霧のようにしっとりと鼓膜を包み、RZAの鋼鉄製のラップが冷たく尖って刺さるロックメロウな繊細曲。言葉の端々まで丹念に研ぎ澄まし鍛錬したRZAの鋼鉄ラップだからこそ、この静寂を侘び寂びとして昇華できるのです(感嘆)。同じくBanks & Steelz制作の「Love And War」ではGhostface Killahが客演で参加、しとやかで哀愁の漂う枯れメロウなトラックの上で、砲弾のような勢いのあるGhostface Killahと隠密のように静かにそっと斬るRZAの対比が素晴らしい。Paul Banksの白昼夢のように甘く毒々しく蝕むヴォーカルがドリーミーな「Can't Hardly Feel」もBanks & Steelz制作、こういう霜が降りそうなほんのりと冷たいトラックだとRZAの鋼鉄のように静かで硬いラップが映える。Banks & Steelz制作の「One By One」は鉛空のように重たくて冷たいトラックに、Paul Banksの凍えそうなヴォーカルがヒリヒリと吹き抜けるので鼓膜がかじかむ。例のごとくRZAのラップは低温チルドな感触で、だんだんと凍傷になってしまいそうなほど鋭利クール。Banks & Steelzが制作の「Gonna Make It」の深々と雪が降り積もり雪化粧をするようなサウンド&ヴォーカルが幻想的、RZAの的確に迅速で痛点を突く(この場合は気持ち良い)青銅ラップも深みがあって鈍色でカッコイイ(痺)。最後を締め括るのは、Wu-Tang ClanからMethod ManとMasta Killaの両名を召喚した、Banks & Steelz制作の「Point Of View」。乾いた血が煙になって立ち上るように細く儚く揺れるPaul Banksの淡息のような歌声に、Method ManやMasta Killa、RZAといった暗澹を背に鋭利に斬りつける武術ラップが鼓膜を静かにシバきます(倒)。

チルウェイブ寄りやオルタナティブ寄りといった様に、最近はビートやサンプリングの溶解化が進むばかりのRapミュージックには首を傾げてしまう場面もありますが、こういう異種格闘技的にその分野のプロ同士が膝を突き合わせて音楽を創るのは好き。Wu-Tang Clanの中でも派手に暴れるのがGhostface KillahやOl' Dirty Basterd、Method Manとしたらば、RZAやGZA、Raekwonは静かな暗殺部隊といった感じ。そのRZAがロックをミクスチャーしたサウンドで得意の鉄拳ラップを突くんだから、やはり三十路オーバーな僕らWu-Tang Clan世代としては微笑ましいばかり、カッコ良かったです。これを機に、いつかはPaul Banks属するInterpolも聴いてみたいなとも思いました。






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Rae Sremmurd「SremmLife 2」
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Khalif “Swae Lee” BrownとAaquil “Slim Jimmy” Brownの兄弟で構成されるラップデュオ、Rae Sremmurdの通算二作目となる『SremmLife 2』を御紹介。Slim Jimmyが93年生まれ、Swae Leeが95年生まれということでまだまだ若い彼ら。売れっ子Producerの一人となったMike Will Made-Itにより見出され、彼主宰のレーベル“EarDrummers Entertainment”と契約、Mike Will Made-Itが制作した彼らの「No Flex Zone」がヒットし、Nicki MinajやPusha T、Ace HoodやKid InkやJuicy Jなんかもビートジャックして話題になりました。前作となるデビューアルバムもヒットし高評価を得て、その続編と銘打たれた本作も僅か1年後のリリースなんだから、本当に勢いのある兄弟ですね。ちなみにSwae Leeに至っては、Beyonce「Formation」でアドリブのヴォーカルを加えていたりするんだとか。
とまあよく知らない僕が能書きを垂れても仕方ないので本題に・・・・・・まずは金切り音のようなシンセのつんざめきが、まるで焼き切れるモーターを思わせる高温警報な「Start A Party」、制作はPluss(Co制作をP-Nazty)が担当。心拍数を測るように扁平に鳴るビープ音が異様さを際立たせ、Rae Sremmurdの悪戯っぽくパチパチと弾けるラップが四方八方に暴れます。30 RocとMike Will Made-Itが共同制作した「Real Chill」は、雪になりきれないじれったくじんわり冷たいみぞれの様なボタボタ重たいシンセが落ちるミッドで、客演のKodak Blackを含めて全員でジワジワと冷たいので気付けば鼓膜が霜焼け状態でタチが悪い一曲。「By Chance」はMike Will Made-Itが制作(Co制作はResource)で、まるで廃液を吐き出すようにドボドボとしたシンセが鼓膜を毒す一曲で、Rae Sremmurdの毒霧のようなラップも霞んで面白い。ShodとLouie Ji、Mike Will Made-Itが共同制作した「Look Alive」は、濃霧が辺りを包み込み月の光を遮るような、仄かな光が拡散するおどろおどろしくもどこか幻想的なスロウ。こういうダークメロウ物に関してはやはり、Swae Leeの青白くて冷め切ったヴォーカルがとてもクールでグッド。Mike Will Made-It制作の「Black Beatles」ではGucci Maneが客演参加、水分を含んで潤んだシンセの夜の海のような漣メロディが美しく、そんな漣に漕ぎ出すようなRae Sremmurdのほんのり甘いラップとGucci Maneのヘヴィーでビターなラップの対比が抜群に良い。Steve "The Sauce" HybickiとMike Will Made-Itが共同制作(Co制作にBryce Smith)した「Shake It Fast」は、ブツ切りチョップして飛び散ったシンセがウヨウヨとのたうち回るようなスライムビートに、不死身なゾンビ戦士のように不穏ダークで破壊力のあるJuicy Jの援護射撃も相俟って痺れる格好良さ。DJ MustardとMike Will Made-Itという当代きっての売れっ子がガッチリ共同制作した「Set The Roof」は、癇癪玉のように破裂するRae Sremmurdのラップと、なにより客演のLil Jonの火炎放射のようなホットなフックが強烈(笑)。氷雨のようなピアノ鍵盤が色を洗い流してモノクロにするような硝子メロウ「Came A Long Way」はThe Martianzが制作(Co制作にAdrian Jamal McKinnon)しており、ただ静かにラップをぽつぽつと紡ぐRae Sremmurdはまるで窓の外の雨音を聴くようで胸に沁みる。Mike Will Made-ItとScoolyが共同制作(Co制作にSparxxxpro)の「Now That I Know」は、蒸せるような熱気でグニャグニャと音の輪郭を曲げるような蜃気楼サウンドに、クールで鋭利なSlim JimmyのラップとミルキーなSwae Leeの繊細なヴォーカルの溶け合いが絶妙に美味。Swae Leeの糸引くようなハニーテイストな甘美な歌フックが絶品な「Take It Or Leave It」はHighdefrazjahとMike Will Made-Itが共同で制作を担当、水の中を潜らせるようにモイストなビートとメロディがなんとも幻想的で、聴いているうちに浸水されてしまっている一曲(深水)。Mike Will Made-ItとScooly、Resourceが共同制作した「Do Yoga」は、抹香のように妖しくユラユラと揺れるシンセサウンドがオリエンタルで面白いし、Rae Sremmurdの経文のように飾り気なく淡々と走るラップもグッド。Bobo Swaeが客演参加した「Over Here」は悪童っぽさがギラギラと鋭く輝く縦ノリで跳ねまくるバンガーで、無数の電極を武器に放電しまくるような無形シンセにボムボムと撃つビートと、MarzとP-NaztyとMike Will Made-Itが制作したトラックも文句無しに暴力的でカッコイイ(痺)。P-Naztyが制作した「Swang」は抹香を焚いたようにモクモクと妖しく立ち上る紫煙シンセに、Rae Sremmurdのボコボコと凹凸のあるラップが浮かんでは沈む一曲。最後を締め括る「Just Like Us」はPlussとMike Will Made-Itの共同制作で、トロピカルな甘味のあるシンセが瞬くスカイブルーなメロウチューンで、Rae Sremmurdの完熟でない青いラップがちょうど良い塩梅に軽くて、青い海を渡る鳥のような爽快感のある感触でグッド。

最初聴いた時はそんなに気に入っていなかったんですが、聴けば聴くほどにだんだんとはまっていく僕がいます。やはりMike Will Made-It一派の創るサウンドは最先端でクールですし、Rae Sremmurdの若くフレッシュでパワー溢れるラップはスタイリッシュでカッコイイ。Clipse以来の売れっ子になりそうな兄弟デュオ、そして弟のPusha Tの方が売れているようにRae Sremmurdも弟のSwae Leeの方が売れそうな感じ(芸能界は弟妹の方が成功する説を僕は唱えている、かく言う僕は男三人兄弟の長兄だが)。ただSwae Leeだけでは甘酸っぱすぎるのを、兄貴のSlim Jimmyのなかなか渋く落ち着いたラップが引き締めているから、これからもデュオでやった方が良いと思います。サウンドの振り幅も広ければ、彼らの両極なラップも守備範囲の広さに繋がっていて、結構好きな一枚で御座います。








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Havoc & Alchemist「The Silent Partner」
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玄人ラッパー(であり敏腕プロデューサー)のHavocと玄人プロデューサーのAlchemistがタッグを組んだ、Havoc & Alchemistのデビューアルバム『The Silent Partner』を御紹介。Havocといえば90年代の東海岸を代表するデュオ、Mobb Deepの片割れですね。Mobb Deepといえば『The Infamous』収録の「Shook Ones Pt. II」がクラシックとしていまだ絶大な人気を誇っていて、それを作ったのは言うまでもなくこのHavoc。その後も他アーティストにトラック提供などしつつ、一時期は50 Cent率いるG-Unit Recordsに所属してたりもしましたね。最近では全曲自身で制作したソロ作『13』が素晴らしかったHavoc、やはり三十路にはたまらない人物です。一方のAlchemistもMobb Deep作品をはじめとして、本当に様々なアーティストにトラック提供していて枚挙に暇がありませんので割愛しますが、名Producerの一人です。
それでは早速と中身の話に移りたいと思います・・・・・・まあこの連名タッグでお察しの通り、全曲の制作をAlchemistが担当しHavocがラップするというもの。まず「Impose My Will」はキリキリと細い針金が食い込むようにチクチクと痛いピアノ鍵盤と、バツバツと乾いたビートがHavocのイルなラップをジグザグと縫い合わせるシリアスな一曲。続く「Maintain (Fu** How You Feel)」は美しくソウルフルなトラックながらも、どこか混濁した雰囲気が薄黒くネットリした感触を生み出し、そんな中だからこそうっすら怪しく殺気立つHavocの鋭利なラップがクールに鈍く光ります。ボコボコと殴打するような太いビートの振動で、光を受けた埃が舞うように細やかなオルゴール音が散る「Out The Frame」は、本当にちょっとだけキュートで硝子ドリーミーな一曲。暗い路地裏に響く誰かの走る足音のように冷たく連なるビートが不穏さを煽る「Seize Power」は正にMobb Deep流儀、まるで雨垂れのように無情にポツポツと滴り堕ちるHavocのフラットなラップも凶器。「Never Trust A Soul」は砕いたドラムビートをループさせ、それを放射状に滑るHavocのラップとソウルフルなヴォーカルで接着した一曲。「The Gun Holds A Drum」では相方であるProdigyが客演参加、ジワリジワリと近づき迫ってくるような暗殺めいたトラックも恐ろしいけれど、Mobb Deep揃っての妖気がやはり凄まじく、なんだか聴いていて息苦しくなる重圧感が病みつき。Havocの硝煙のように漂い煙るラップだけでクールに滑走する「Smooth Ride Music」なんかは、ブルブルと低く震わすベースの音色だけでトラックは朧、こういうトラックでも淡々と殺気と冷徹さで聴く者をゆっくりと裂いてしまうのは流石。続く「Buck 50's &Bullet Wounds」はMethod Manが客演参加、ボタボタと重たく降ってくる鉛のような鍵盤音にオペラ調の声ループ、そんな中でひたひたと響くHavocとMethod Manの亡霊のようなラップがホラーでカッコイイ(痺)。単調なドラムパターンにキラキラとした破片のような音色を混ぜた「Just Being Me」も、とにかく淡々とラップを繰り出すHavocの乾燥したラップがなんともド渋くてカッチョイイんです。氷雨のように冷たく尖った鍵盤音が無慈悲に響き渡る「Throw In The Towel」も恐ろしく無味無臭、だからこそHavocの少しカビ臭い(賛辞)ラップが芳醇な香りを漂わせて、なんともいえない独特な味わいになって鼓膜を蝕むのです。最後はあのCormegaが客演参加しているというだけで鳥肌モノな「Hear Me Now」で幕引き、侘び寂びでしかないスカスカなトラックながらも、優れたラッパーにはもはやドラムビートしか要らないという事をしっかり示した骨太な一曲。

最後までずっと冷たい殺気が漂う一枚で、やはりこの不穏かつ殺伐な空気感はMobb Deepの十八番だなと痛感。客演も気心の知れたNew Yorkのベテラン勢のみ、ここまで硬質なサウンドとラップを聴かされて痺れない三十路はいないでしょう(遡)。たぶん最近の若者が聴いたら物足らないであろう質素なトラック群、これもAlchemistの素朴な旨味が味わえて僕的には好きでした。






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Twenty88「Twenty88」
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二枚目ラッパーのBig Seanと美女シンガーのJhene Aikoで結成されたデュオ、Twenty88のデビューアルバム『Twenty88』を御紹介。Big SeanといえばKanye Westに見初められ、これまでに『Finally Famous』『Hall Of Fame』『Dark Sky Paradise』と順調にリリースを重ね、人気とキャリアを築いている有望株。僕も最初こそあまりピンと来ませんでしたが、三作目の『Dark Sky Paradise』に関してはどハマりした一人であります。Jhene Aikoに関してはMixTapeで徐々に頭角を表し、デビューアルバム『Sail Out』が前評判通りにヒットしましたっけ。その二人が突如として二人で写る写真をSNSで拡散し始め、なにかコラボするのではと囁かれると同時に二人のユニット、Twenty88がお披露目された次第です。ずっと準備していたんでしょうが、本当に突然でしたし音速で作品がドロップされたのには驚きました。デジタル配信のみで終わるかなと心配しましたが、一応はフィジカルでもリリースされたので購入しておりました。
という訳で感想は簡単になりますが書かせてもらいますね・・・・・・まず先に述べておきますと、フィジカルにはブックレットが無いのでクレジットが一切不明(涙)、よってWikipediaの情報を頼りにクレジットは述べます。「Deja Vu」はKey WaneとCam O'bi、Amaire Johnsonが共同で制作、サンプリングにはXscape「Softest Place on Earth」を使用しています。もうこのスタートからして汗ばむような熱をじんわり放出する艶美なメロウで、Big Seanのじっとりと愛撫するような低音ラップもビリビリ来るし、Jhene Aikoの甘い吐息のように薄いヴォーカルもセクシーで、ぼんやりとした輪郭のサウンドエコーはまるでスチームのようでグッド。FlippaにSteve Lacy、Jproofが共同制作した「Selfish」はMat Zo「Time On Your Side」をサンプリング、ブーンブーンと重厚に響くベースにカラリと乾いて鳴る弦音の涼しげなグルーヴがクールで、香辛料を隠し味に使ったようなエスニックな香りのするトラックには、どこか微熱混じりで火照った二人の掛け合いが美しく映えます。Key Waneが制作した「On The Way」ではThe Singers Unlimited「Sentimental Journey」をサンプリングに使用、ザブザブと溢れる水流のようなシンセをぶつ切りにして繋いだトラックがモイストな感触を生み出すミッド。その中で柔らかく変幻自在にフロウを変える岩清水のようなBig Seanと、ヒアルロン酸ばりに保湿力たっぷりなJhene Aikoの潤んだヴォーカルがマッチング。FlippとJproofが共同制作した「Push It」は潤いと華やかさが共存した水中花のようなメロウで、ゆらゆらと優雅に泳ぐ二人のヴォーカルがなんとも可憐で素敵。「2 Minute Warning」はDetailが制作を担当し、そのDeteilとあのK-Ci & JoJoが客演参加の一曲。なるほどK-Ci & JoJoのエッセンスが入ることで濃厚バターのようなコクのある旨味のメロウに仕上がっていて、トロトロとした感触のメロディはまるで蜜のように、しかしビートはまるで粒マスタードのようにピリリとした辛味があったりして面白い。FlippaとJproofが共同制作した「Talk Show」はThe Natural Four「Love's Society」をサンプリング、飄々と吹き抜けるソウルフルなメロディがザックリした味わいを生んでいて、Big Seanのなんとも男前なラップを引き立てている一曲。不規則に寄せては返す細波のように揺れ、その揺れで月の光をキラキラと反射する水面のようにしとやかなメロウ「Memories Faded」はTommy Brown制作。そんなメロウな波音に揉まれて、潜って沈んで意識の奥底を氾濫させる二人のヴォーカルが心地いいんです(溺愛)。最後は残響に近いサウンドがゆるゆると糸を引く感触の「London Bridge」でKey Wane制作、Jhene Aikoのコケティッシュでスウィートな歌声がふわふわと舞うのが気持ちイイ。

とにかくハイセンスでカッコイイ、洗練されていて彼らが次世代を担っているのを濃厚に感じられる意欲作です(鳥肌)。全八曲入りのEPではありますが満足度は抜群、むしろここまでの高威力ならばLPで創って欲しかった(惜)。ルックス的にもやはり二人は格好良くスタイリッシュにキマるし、本当に相性は抜群だと思います(勿論、音楽的にという話)。僕はBig Seanはそれこそ最近になってかなり好きになって、Jhene Aikoはそこまでハマっている訳でもなかったんですが、このTwenty88の作品はよーく聴いています。








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