RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

08 2005
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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2Pac「Me Against The World」
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死してなお絶大な人気を誇る天才MC、2Pacの通算二作目となる『Me Against The World』を御紹介。死後もなお次々と新作(未発表曲)が発表され、“Tupacはまだ生きているのではないか”なんていう憶測までもが実しやかに流れる程。西海岸を代表するMCとして、東海岸のNotorious B.I.G.と共にHip Hop黄金期を創り上げた重要な人物で御座います。
そんな本作をするすると触れますと……まずはEasy Mo B.が製作を担当した「If I Die 2 Nite」で厳かに幕開け、Betty Wright「Tonight's The Night」とDr.Dre「Deep Cover(187)」を下敷きにしたダークながらもちょっぴりファンキーなトラックに、2Pacの唾吐く歯切れの良いラップが力強く突き進むトラック、確かにこのラップは今聴いても格好良い。DramacydalなるMC集団をゲストに招いた柑橘系のR&Bマナー曲「Me Against The World」はあのSoulshock & Karlinが製作を担当、ネタ元はIsaac Hayes「Walk On By」で御座います。Stevie Wonder「That Girl」をサンプリングした硬質な電子音にハーモニカ音が絡む「So Many Tears」、製作はD-Fliznoが担当。くぐもった音に豪な2Pacの男気ラップがぶつかる「Temptations」はEasy Mo B.がZapp「Computer Love」を下敷きに製作、どこかヒンヤリと冷たい異空間トラックもさることながら、ここでの2Pacの歌うフロウが耳に残って仕方がない。Cameo「She's Strange」をサンプリングしたキラキラぽわわんな宇宙曲「Young Niggaz」はMoe Z.M.D.なる人物が製作を担当、彼は歌フックも担当していてこれがまたなかなか絶妙でグッジョブで御座います。Mike MosleyとSam Bosticによる共同制作曲「Heavy In The Game」はRichie Richがゲスト参加、これは完全に西海岸なG-Funkサウンドではないでしょうか。The Blackvyrds「All I Ask」を下敷きにした感情高まるメロウトラック「Lord Knows」はMoe Z.M.D.が製作を再び担当、こういう流麗R&B曲にも筋肉質な2Pacのラップはカチっとマッチするから不思議、歌フックを務める女性シンガーNatasha Walkerも素敵です。Tony PizarroがJoe Sample「In My Wildest Dreams」を下敷きに製作した激メロウな泣きの一曲「Dear Mama」、その美しさに鳥肌モノで御座います。この曲でやっとこさ気付いたのが2Pacの声の奥に秘められた優しさ、この母親賛歌ではすべてを抱き締めるかのようなラップで一気に聴き手を深みへと導きます(溜息)。Mike Mosleyが製作の「Can U Get Away」でも可愛げなトラックに逆らわず、敢えてスローにリラックスしたラップを披露。SoulshockがThe Soul Seachers「We Share」とBrand Nubian「Dedication」をサンプリングしたトラックも面白い、これぞオールドスクールといった趣で懐かしさも感じたり。Johnny "J"が製作した完全に電子音構成でカチカチと迫る「Death Around The Corner」もカッコイイし、彼の為の言葉とも思える「Outlaw」での、ドロっとまったりとしたトラックで見せるThugなラップも震える格好良さですし。

今聴いてもその魅力は全然衰えていなくて、むしろ今聴くと古き良き時代の音に触れられて、かえって新鮮にさえ感じてしまう一枚です。2Pacのラップ(声質)もありそうでなかなか居ない感じで、今もまだ2Pacが求められている理由がしかと伝わってきます。

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Nas「Illmatic 10 Year Anniversary Platinum Series」
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N.Y.が生んだ天才lyricistことNasの傑作デビューアルバムの記念盤「Illmatic 10 Year Anniversary Platinum Series」を御紹介。誰もが口を揃えて“Nas史上最高傑作"と断言するのがこの一枚、ここまで一枚を取り上げて支持されるのも凄まじい事。しかしそれほどにHip Hopを語る上では絶対に外せないクラシックで、90年代を代表する一枚といっても過言ではないでしょう。
そんな誰もが知っている粒揃いの楽曲達……まずここで紹介するのは記念盤なので、オリジナルの10曲(順番もそのまま)にRemixを4曲と新曲を2曲追加しています。さてまずはDJ Premierが製作した不穏な空気漂う「N.Y. State Of Mind」で厳かに幕開け、Joe Chambers「Mind Rain」を下敷きにしたシンプルダークなピアノ音鳴るトラックに、淡々としたあのラップでストリートの日常を映し出すNasの神業に注目。この曲がNasの代表曲だと言う方も多いのではないでしょうか、僕個人もNas×Primoの最高傑作だと思います。同郷のAZをゲストに招いた「Life's A Bitch」はL.E.S.による製作(Trumpetで父親のOlu Daraが参加)、The Gap Band「Yearning For Your Love」をサンプリングした涼しげなトラック。“世界はお前の物”をリフレインする「The World Is Yours」はPete RockがLa Rock「It's Yours」をサンプリング、Jazzyな味わいながらもキッチリHip Hopしているビートは職人Pete Rockならではの仕上がりでグッド。「Halftime」はThe Large Professorが製作を担当、これまた殺伐とした飾り気の無いトラックにNasのクールなラップが淡々と乗っかる格好良さ。Reuben Wilson「We're In Love」をサンプリングした心地良さ100%の「Memory Lane(Sittin' In Da Park)」、途中で挟まる声ネタスクラッチでも分かる様にDJ Premier製作曲。A Tribe Called QuestのフロントマンQ-Tipが製作を担当した「One Love」はThe Heath Brothers「Smilin' Billy Suite Pt.Ⅱ」が下敷き、木琴叩く様な高音ポロロンなんかが独特の味気を出す流石の一曲は僕のお気に入り、Q-Tipによる鼻声の“わんらぁぶ♪わんらぁぶ♪わんらぁぶ♪”フックも最高に痺れる。完全にDJ Premier節炸裂の疾走感抜群の「Represent」も最高、シンプルなループでこれだけ中毒性の高い至高の一曲を創り出すPrimoはやはり神様に近い存在(崇)。The Large ProfessorがMichael Jacksonのあの名曲「Human Nature」を絶妙サンプリングした「It Ain't Hard To Tell」も最高、優しくキラキラと煌びやかなメロウトラックにこだまする声、フワフワと一気に昇天させられます。そしてここからが記念盤のボーナストラック群、これがまた絶対に聴き逃しは勿体無い仕上がりでして(警告)。まずはRockwilderによる「Life's A Bitch(Remix)」、Teddy Pendergrasss「Close The Door」を下敷きにした程よくメロウでソウルフルなトラックが秀逸、そのままR&Bにしても味わい深い事間違い無し(惚)。Vibesmenなる人物がKenny Rankin「I Love You」をサンプリングした「The World Is Yours(Remix)」も巧妙、原曲の魅力を損なわずにまた違ったメロディラインで幻想度も一気にアップしています。Nick "Fury"なる人物がDenice Williams「Waiting My The Hotline」をサンプリングしためちゃスイートな「One Love(Remix)」なんか涎モノな仕上がり、メロウ好きになたまらないRemixでちょっとオリジナルを超えそうな勢い(笑)、そのまま使われているQ-Tip声もスウィーティーでお洒落にキマッてますから(賛辞)。そのNick "Fury"がこれまたBiz Markie「Nobody Beats The Biz」を使ったエレクトロにファンキーな「It Aint Hard To Tell(Remix)」もカッコイイ、ネタ選びからして正解以外の何物でもないですね(鉄板)。新曲となる「On The Real」は凄まじい事にあのMarley MarlとKevin Crouseが製作を担当、The Soul Children「Move Over」の凛としたピアノループを軸にした哀愁トラックはオリジナルにそのまま収録されていてもおかしくないざらついた感触、流石はMarley Marlとしか言い様がないです(脱帽)。Large Professor製作の「Star Wars」は、タイトルそのままに完全に宇宙戦争な電子音交錯、しかし派手さはなくあくまで主役はNasのストイックなラップです。

まだこの名盤を購入してない方にはこの記念盤はお薦め、曲順もオリジナルと変わらないし(これがかなり重要)Remixも手抜きでなくガチ(本気)作りで聴いて絶対に損はしませんから。今聴いても色褪せずに格好良いんですから、もう十年、五十年、百年経っても変わらずカッコイイんでしょうねぇ、いやはや素晴らしい傑作です。Nasがいつの日か自分自身でこの傑作『Illmatic』を超える日は来るのか、其処もまた嗜好家達の注目の的で御座います。

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Kanye West「Late Registration」
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天才Producerの名を欲しいままにしたKanye Westの通算二作目『Late Registration』を御紹介。そのトラックメイキング能力だけでなく、自虐ネタやコンシャス要素、ギャングスタな要素までも織り交ぜたそのラップ能力も高く評価されたKanye West。まさかここまでの大物になろうとは、流石のJay-Zも予想していなかったんではないでしょうか。最近の自惚れ発言があまり好きになれないせいか(それだけ自信あっても当然の結果を持っているんですが)、MCとしての彼はあまり好きでもなかったり(笑)。それでもやはり気になったので即購入、彼の創る音はいつだって最高に冴えてますから。
そんなこんなで内容に触れますと……誰もが期待し待ち望んだ本作、けして期待を裏切らない仕上がりになっているかと思います。まず本作で先述すべきはKanye Westが得意の45回転早回しを多用していない事、そして外部ProducerとしてPop畑の奇才Jon Brionとの共同制作曲が多いという点ですね。まずはそのKanye West×Jon Brion製作曲群から紹介、先頭はあのMaroon 5よりAdam Levineをゲストに迎えた「Heard 'Em Say」で幕開け。Natalie Cole「Someone That I Used To Love」を下敷きにしたピアノ旋律基調のキラキラトラックにKanye Westの優しく語り掛ける様なラップが心地良いし、Adam Levineのあの鼻にかかったたるい歌声がまどろむ一曲。Ray Charles「異Got A Woman」を下敷きにしたホーンとハンドクラップを散らす「Gold Digger」、Ray CharlesのフレーズをJamie Foxxに歌わせる粋な計らい(策略)、思わず体を揺らしてしまう黒魂漲るトラックが大好物です(涎)。「Crack Music」ではThe Gameを客演に招きダークに振舞う、ここではThe Gameにフックだけ謳わせているんですがそれだけで充分の存在感(Additional VocalsにKeyshia Cole、Charlie Wilsonの名前も)、New York Community Choir「Since You Came In My Life」を下敷きにした無機質ドラム鳴るトラックが緊迫感を高める。Bill Withers「Roise」をべったり使った「Roses」のドラマチックさ、これはJon Brionあっての味わいなのかな。「Bring Me Down」では歌姫Brandyを招いてオーケストラ仕様の劇的なトラックを準備、清涼感のあるBradyの歌声が儚くて内容にもフィット。Etta James「My Funny Valentino」使いの「Addiction」の浮遊感爆発ながらもしっかり疾走する生音っぽさが最高、こういう埃被ったような曇った音使いにいつも痺れます。映画『007』の劇中歌であるShirley Bassey「Diamonds Are Forever」をネタに使ったこれまたドラマチックな「Diamonds From Sierra Leone(Remix)」はJay-Zを迎えたバージョン、申し訳ないけれどJay-Zが登場した途端に主役はJay-Z、どんなトラックでさえも完全に自分の物にする、Jay-Zのその柔軟さが光る実力差を見せつける一曲。Donal Leace「Today Won't Come Again」を早回しサンプリングしたKanye West流奥義の「Hey Mama」が最高、愛する母親に捧げた詩もとても素晴らしくあたたかい(涙)、ナルシストな顔の奥にこういう人間臭い顔も持っているのもKanye Westの魅力の一つなんでしょうね。KayGee's「Heavenly Dream」を下敷きにした生音たっぷりに電子音が乗っかる不思議な「Celebration」(Additional VocalsにJohn Legend参加)、これもHip Hopをちょっと通り越した新たな魅力の詰まった遊園地曲。とここまでがKanye West×Jon Brion製作曲、あと一曲この二人に加えてあのWarryn "Baby Dubb" Campbellが製作に加わったキラキラと煌く「We Major」も素敵、NasとReally Doeの援護射撃もキマッています。Lupe Fiascoなる新星をゲストに迎えた「Touch The Sky」では公私共に仲の良いJust Blazeが製作を担当、超有名曲であるCurtis Mayfield「Move On It」使いのスピード感溢れるトラックは流石はJust Blaze、こういう分かり易くノれる曲って大好きなんですよ。あとはKanye Westが単独で手掛けた曲、Paul WallとGLCをゲストに招いたブルージーな「Drive Slow」、CommonがKanye Westトラックとの抜群の相性を証明する渋過ぎる「My Way Home」、Otis Redding「It's Too Late」をざく切りサンプリングした「Gone」ではCam'ronとConsequenceが参加。こうやって見るとかなりバラエティに富んだゲスト陣も本作の魅力の一つ、国内盤にのみ収録のボーナストラック「We Can Make It Better」「Back To Basics」も侮れない快作ですしね。前者は可愛さ溢れる早回し曲にTalib Kweli、Q-Tip(!)、Common、Rhymefestがマイクを繋げる玄人好みの抹茶曲。後者もCommonが参加した聴き逃せないナイスな一曲で、これらがボーナスとは勿体無い(溜息)。

うん、やはりトラックに関しては抜きん出ている事は確か、Jon Brionを招いた事でまた普通のHip Hopとは一味違った魅力を生み出しています。ただそこが僕的にはちょっと物足りなくも感じたかな、もっと黒くHip Hopしていても良かったかなぁって。ただこのトラック群でもしJay-Zがラップしていたら……なんて考えるのは僕だけでしょうが(失礼)、そのぐらいKanye Westのラップのみを長く聴くのは個人的意見として疲れる(飽きる)んですよね。とは言っても聴いて損は無いです、てか聴くべきですね。

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Kanye West「The College Dropout」
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Roc-A-Fellaが送り出す大型新人Kanye Westのデビューアルバム『The College Dropout』を御紹介。敏腕Producerとして数多くの楽曲を手掛けヒットに導いたKanye Westが、遂に自身でマイクを握り、表舞台でこれ以上ない賞賛を浴びた話題の一枚で御座います。Jay-Z嗜好家でありRoc-A-Fella好きである僕にとっては馴染みの深いKanye West、まさかMCとしてここまでの成功を収めようとは(意外)。彼の作る楽曲は好きである僕は当然このアルバムを購入、ジャケットのクマも可愛いですね。
それではもう皆様持っているでしょうが内容を……まず最初に書いておくと全曲をKanye Westが製作(当然)、この時点で僕的には購入決定かと思います。まずは幕開けを飾る朝の目覚めの様な伸びやか爽やかな「We Don't Care」、Gino Vannelli「I Just Wanna Stop」をネタに彼得意の45回転を仕掛けるニンマリ曲。続いてはあのLauryn Hill「Mystery Of Iniquity」をベッタリと乾いたギター音まで拝借した反則曲「All Falls Down」、ゲストにLauryn Hill御本人を呼びたくも断られたそうで残念。がしかし代打が素晴らしいSyleena Johnson、このちょっぴりブルージーなトラックにはSyleena Johnsonのちょっぴり擦れた歌声がしっくり来ます。どことなく空虚感のある寂しげな「Spaceship」ではGLCとQ-Tipの従兄弟のConsequenceが客演参加、Marvin Gaye「Distant Lover」使いだそうで独特の雰囲気も納得。そして大絶賛を浴びたシングル曲でキリスト賛歌の「Jesus Walks」、行列が厳かに一歩一歩踏みしめる様に行進するようなインパクト大のこのトラックはArc Choir「Walk With Me」をサンプリング、Kanye Westのインテリ部分が垣間見えます。この曲に関してはKanye Westがライブで見せる歩くようなステップ踏むダンスが素敵です。Ken Lewis「Maybe It's The Power Of Love」を下敷きにした哀愁漂うドラマチックな「Never Let Me Down」、ゲストには彼を見出しここまで育てた恩人Jay-ZとJ.Ivyなる人物が参加。申し訳ないけれどこの曲では完全にJay-Zが主役のKanye Westを喰ってしまってます、担当Verseもかなり長いですしね。「Get Em High」ではTalib KweliにCommonが援護射撃と通にはたまらない人選、三者三様に魅力たっぷりのラップを披露、やっぱTalib Kweliの真面目ハイトーンなラップが好物かなと。Miri Ben-Ariの奏でるViolin(この旋律はMiri Ben-Ariによる製作)を最大限に活かし切った「The New Workout Plan」、急いでなくとも急かされる脱走曲で面白い。そして超キラーチューンとなった「Slow Jamz」も収録、元々はTwistaの曲なんですがまぁ其処はお構いなしという事で(笑)。Luther Vandross「A House Is Not A Home」を下敷きにした眩し過ぎる程にキラキラな45回転曲はKanye Westの真骨頂、これはKanye West製作曲の中でも確実に五本の指に入る出来栄え。ここでは甘くも渋く色っぽい歌声を披露するJamie Foxxの配分を少し多めにしてあって好き、しかし肝心のTwistaの配分はちょっぴり少なくなって残念。ゴリゴリと地響き鳴らして邁進する「Breathe In Breathe Out」はLudacrisが参加、この曲はLudacrisの男臭いあのラップフックあっての格好良さ、Ludacrisの破壊力は恐るべしです。「School Spirit」はAretha Franklin「Spirit In The Dark」をサンプリング、これも面白いですね。ざらついて荒涼としたトラックが燻し銀のカッコ良さの「Two Words」はMandrill「Peace And Love」をサンプリング、Mos DefとFreewayの客演。トラックの感じからもコンシャスなMos Defの起用は正解だし適任かと思います、がしかし数あるMCの中からFreewayの起用というのは驚きました。僕はFreewayのしゃがれた絞り出すラップが好きなので嵌っていたと確信しています、Mos Defに負けないFreewayの魅力が引き出された一曲ですね(嬉)。そして僕が本作で最もお気に入りなのがこの曲「Through The Wire」、Chaka Khan「Through The Fire」を早回ししたトラックは可愛くてモロにKanye West印だし、自虐的なネタ使いも面白くてかなりこの曲はヘビーローテーションで御座います。美しいピアノ音でセピア色に染まる「Family Business」も好き、Kanye Westって本当に素晴らしいトラックを作る、この味わいは彼にしか出せない(特許)。最後はJay-Zの高らかな笑い声が入る「Last Call」で幕引き、12分にも及ぶ長尺曲で輸入盤にて内容の分からない僕には苦痛(悲)。書き損ねましたが、あちこちの曲でJohn Legendが歌声を添えています。

まさかまさかの大物成長ぶりにちょっと戸惑いさえ覚えます(苦笑)、彼の詩の世界がこれだけ多くのファンを増やしているのでしょうか。音楽的センスはもう文句無しに超一流だと思いますが、MCとしては少々物足りないかなというのが僕個人の印象です(辛口)。しかし凄腕トラックメイクは溜息が出る程に繊細に作られていて、圧巻で御座います。

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Jay-Z「Reasonable Doubt」
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“King Of Hip Hop”と呼ぶに相応しい男Jay-Zの記念すべきデビューアルバム『Reasonable Doubt』を御紹介。Jay-Z自らが“二度と書けないぐらい完全なリリック集”と称した本作、今のJay-Z作品の様な爆発的ヒットには至りませんでしたが、それでも最終的にはプラチナムアルバム認定となるヒット、クラシックアルバムとして今なお高い評価を得ています。“Jay-Zはこの一枚が最高だった”と語るファンも多い筈、それほどこの一枚は重要で貴重な一枚なのです。
そんな泣く子も黙る名盤を頑張って紹介すると……まず幕開けからしてもう鳥肌モノな「Can't Knock The Hustle」、製作をKnowbodyが担当しサンプリングにMarcus Miller「Much Too Much」をサンプリング。キラキラと美しい黒魂光るトラックも最高ながら、負けじと熱い歌声を添える若かりし頃のMary J. Bligeにも感動せずにはいられません(涙)。もうこの曲でのJay-Zは正に神の如き輝き、今なおこの曲が素晴らしく色褪せないのは当然の結果です。元Original FlavorのSkiが定番The Stylisticsの「Hurry Up This Way」を下敷きに製作した「Politics As Usual」、耳障りが優しくスムーズながらもどこか危険な香りもする独特の一曲は流石の仕上がり。「Brooklyn's Finest」では高校が一緒だったという親友で伝説のMC、Notorious B.I.G.が援護射撃を撃つ失神モノの豪華曲。製作はClark KentでサンプリングにThe Ohio Players「Ecstacy」を使用した疾走感溢れるトラックも素晴らしい、Jay-Z(柔)とBiggie(剛)の威風堂々なラップが絶妙なコントラストを魅せる永遠の名曲。再びSkiが製作を担当した「Dead Presidents II」は、皆様御存知のNasの名曲「The World Is Yours」をベッタリと下敷きにした悲哀メロウの突出した一曲。その後のNasとのBeef勃発の引鉄曲としても重要ですが、ここはやはりJay-Zの詩の世界が殺伐としてざらついたストリートを見事に創り出している事だと思います。Nas「The World Is Yours」が無くしてこの曲は誕生しなかったけれど、この曲の誕生もまたNas「The World Is Yours」に付加価値を与えているのではないでしょうか。流麗なピアノ音が艶やかでしなやかな夜のひと時を感じさせる甘美な「Feeling It」はSki製作、女性シンガーMeccaによる歌フックも控えめながらも色っぽくて最高に渋い(誉)。「D'evils」ではあのDJ Premierが製作を担当、Primoならではのピアノループを基調としたシンプルなトラックに声ネタスクラッチが噛むダークな味わいの一曲(最高)。またもやSki製作の「22 Two's」では冒頭でA Tribe Called Questの名曲「Can I Kick It」のフレーズを引用、これだけで興奮するには充分の要素です。「Can I Live」はDJ Irv(Irv Gottiかな)が製作を担当、しっとりとホーン鳴る危険な香りのトラックはIsaac Hayes「The Look Of Love」をサンプリングに使用。“俺は生きられるのか”と自問自答するHustlerなJay-Zの詞に思わず身震い、この頃にはもうこれほどの貫禄があったんだから存命は確実。続いては誰もが知っているFoxy Brownを迎えた超キラーチューン「Ain't No Nigga」、製作はJay-Zを見出した恩師Big Jazが担当。The Whole Darn Family「Seven Minutes Of Funk」とThe Four Tops「Ain't No Woman Like The One I've Got」使いの滑走するトラックも乗り心地抜群ですし、Foxy Brownの男顔負けの根性据わったラップも痺れます。「Friend Or Foe」はDJ Premierが製作を担当、ここでのJay-ZはFree Style風なラップを披露。Clark Kentが製作を担当した流麗な「Coming Of Age」はEddie Henderson「Inside You」を下敷き使い、ここでは当時まだ無名の弟分Memphis Bleekを大胆に起用し、Roc-A-Fellaプロモーションをそつなくこなす実業家なJay-Zが顔を覗かせます。続いてもClark Kentが製作を担当したファンキーな肌触りが印象的な「Cashmere Thoughts」、サンプリングにはBohannon「Save Their Souls」を使用。Peter Panixなる人物が製作した本作唯一のキラキラゆるやかスロウ曲「Regrets」も白眉、こういうメロウ物が好きな僕にはたまらない御馳走です。最後にはMeli'sa Morgan「Fools Paradise」を使用した激甘な「Can't Knock The Hustle(Fool's Paradise Remix)」を収録、Irv Gottiが手掛けたこのRemixトラック自体も当然素晴らしいんですが、ここでは本家Meli'sa Morganを召還している辺りが熱い(涙)、彼女の歌声でこの曲の違った魅力が誕生しています(賛辞)。

今のJay-Zを語る上ではけして避けては通れない作品ですし、Hip Hopの歴史上でも存在感抜群の価値ある一枚であることは確か(断言)。Jay-Z嗜好家の僕からしても少し地味な印象は否めませんが、やはり粒揃いの名曲がギッシリ詰まっていますので、是非聴いて頂きたいです。今のJay-Zには出せない味わいかと思います(今は今の味があって素晴らしいんですが)、古き良きHip Hopに溺れたい方には絶対にお薦めで御座います(激薦)。

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Beyonce「Live At Wenbley」
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LondonはWenbleyで行われたBeyonceのライヴの模様を完全収録したDVD+CD『Live At Wenbley』を御紹介。その圧倒的な歌唱力と美貌(そしてナイスボディ)、売れるビートをすぐに取り込むその慧眼さ、これらがBeyonceの武器なのは皆様も御承知の事。しかしBeyonceといえば外せないのがその迫力抜群な派手で豪華なステージング、Beyonceのステージングはいつも完璧で、曲の魅力も聴いているだけより三倍にはなります(断言)。という事でとっても楽しみなDVDで御座います、動くBeyonceが僕は大好きです(溺愛)。
それでは気になる内容を御紹介したいと思います……まずはBeyonceが逆さ宙吊りの状態でステージ天井から降りてくる「Baby Boy」、あの腰&おしりを振りながらグルグル回るダンスがセクシー過ぎて一瞬で悩殺されてしまいます(下心)。Beyonceの“いけない娘はいる?”という問いから始まるこれまたエロ熱上昇する「Naughty Girl」、赤いアジアンテイストの衣装がこのアラビアンなメロディにバッチリ合っててグッド、妖艶とはまさにこの事ですねぇ(溜息)。真っ白なハット&ジャケットスーツでクールに決める「Fever」、まるで映画のワンシーンを観ているかのようなシックさ。OutKastのBig BoiとSleepy Brownが参加したのも話題となった「Hip Hop Star」、ドカドカと派手なビートに合わせて騒がしく光るライト、Bボーイな格好の男性ダンサーと激しく踊るBeyonceがカッコイイです。ステージ上に手摺りみたいなバーが設けられ、そこにBeyonceと女性ダンサーが悩ましく絡みながらしっとりと歌い上げる「Yes」は美しい、吐息混じりのBeyonceの歌声で心はもうトロトロに溶かされてしまいます(骨抜)。スパンコールを散りばめた衣装も素敵で、夢見心地で聴き入ってしまいますよ。The Neptunesが手掛けたレトロファンキーなナンバー「Work It Out」ではBeyonceがステージを縦横無尽に駆け回って暴れる暴れる、この吠える様な歌声がたまらなくファンキーでタフで僕は大好きです。黄色いシーツで織られて作られたハンモックみたいな布ブランコに乗って登場する「Gift from Virgo」、この黄色い衣装がモカスキンのBeyonceに超似合っててグッと来ます(興奮)。そんな華やかで美しい衣装のまま流れ込むRich Harrison製作のしっとりスローバラード「Be With You」、ドリーミーで艶やかな極上バラード、Beyonceがだんだんと熱っぽく歌い上げる様も官能的でたまらない。エレキギターの音色がたまらないじっとり濡れてしまう囁き曲「Speechless」も、Beyonceがムッチリした太股を組んだまま歌う姿がたまらないです(鼻血)。そしてここからはDestiny's Child曲をメドレーで披露、早口でリズミカルに突き進む切れ味抜群の「Bug A Boo」をHip HopビートでDJがスクラッチ、Wyclef Jeanと30分で録音したという逸話も飛び出すRaggaeチックな「No, No, No Part 2」、Beyonceがお尻を振り振りして観客を煽りまくって踊る「Bootylicious」、Beyonceも観客も皆で跳ねてジャンプして盛り上がる「Jumpin' Jumpin'」、観客に“質問よ、私の名前は?”と尋ねて煽る演出が憎い「Say My Name」、会場にシーッと静まらせてから“クエスチョン?”と始める大ヒット曲「Independent Women Part I」、恋人Jay-Zとの共演曲「'03 Bonnie & Clyde」では男性陣と女性陣で交互に掛け合い、人生の苦難を題材に力強く拳を突き上げて歌う代表曲「Survivor」でDC Medleyは堂々の幕切れ。自分自身を見つめて歌うしっとりしながらも力強い「Me, Myself and I」、僕はこの曲もPVも大好きです。映画サントラ曲でP.Diddy製作の「Summertime」では、シカゴ発祥のダンス“ステッパーズ”で楽しく踊って舞う姿がとってもキュート。ドラマチックで繊細でそして激しい「Dangerously In Love」はもうどっぷりと聴き浸るしかない名曲、ソロアルバムのタイトルに冠した事からもBeyonceのお気に入りの一曲である事がうかがえます。そして最後を飾るのは勿論この曲、Beyonceがソロのアーティストとして快進撃を開始する狼煙となった「Crazy In Love」、その奇抜な振り付けもそのまま威風堂々と腰振りシェイクするBeyonceが最高にクールでカッコイイ(惚)。この曲聴いて盛り上がらない人は絶対にいない、歴史的な名曲と言ってもけして過言ではないですね(断言)。惜しむらくはJay-Zが登場しなかった事、これでJay-Zが登場したら物凄いパワーだったろうに(惜)。
DVD本編はここまで、あとは“VIP Admittance”が用意されていてそこもファンならば必見。ステージ裏の様子やライヴが出来上がるまでのプロセス、Beyonceのアーティストとしての意識の高さが分かるインタヴュー映像など特典満載で見応えバッチリです。中でも絶対に観なくちゃならないのがやっぱりパワフルなステージが素晴らしい「"Crazy in Love" Live from the 2004 BRIT Awards」、あとここ日本では絶対に観れないCM映像「L'Oréal Commercial」なんかも僕のお気に入り。
あとはボーナスCDが付属しておりまして、こちらも聞き逃すにはちょっと惜しい楽曲が収録されています。まずは往年の名曲、Rose Royceのカバー「Wishing On A Star」が冒頭から流れるんだから痺れますよ(失神寸前)。しっとり濡れたドラマチックな夜会系のスローチューンに、Beyonceの囁くような滑らかな歌声が体中を撫でてくるナイスなバラード。「My First Time」はThe Neptunesが製作したマッタリ煌めくスムージーなシンセチューン、The Neptunesらしいフワフワと遊泳するようなライトなタッチのメロウ曲で素敵。そして新たに“Queen Of Bitch”ことLil' Kimを新たに客演に招いたリメイク曲「Naughty Girl」が痺れるほどの格好良さ、これはもうLil' Kimの歯切れの良いストリップラップが一撃悩殺してくれてクール。あとは妹のSolangeとのデュエットでDa Bratも参加した「Naive」も収録されていて、抜群の相性を示してくれています。

ヒット曲満載で飽きさせない、圧巻のステージを存分に堪能できます。Beyonceはやはり歌って踊っている姿を拝むのが一番、セクシーでパワフルで可愛くて、もう本当に素敵で御座います。これだけのボリュームなのに税込みで2940円だと言うんだからかなりお買い得、是非とも皆様購入してみて下さい。

Category: 女性R&B  Tags: ---

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Beyonce「Dangerously In Love」
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女性ボーカルグループDestiny's Childのフロントマンであり、僕の“恋人にしたい女性No.1”でもあるBeyonceのソロデビューアルバム『Dangerously In Love』を御紹介。Destiny's Childの中でも突出した歌唱力と容姿で常に注目されてきたBeyonce、僕はDestiny's Child時代から彼女のムチっとした健康的なナイスバディが大好きでたまりませんでした……ってまず歌声が好きなんですよ、あと顔も好きですし。とにかく遅かれ早かれ発表されるであろうと思っていたBeyonceのソロ盤、これを早いと取るか遅いと取るかはその人次第ではありましょうが、誰もが待ち望んでいた事は証明されました。
皆様もう殆ど聴いた事のある曲ばかりでしょうが……まず幕開けからして誰もが知っているメガヒット曲「Crazy In Love」で華々しく登場、Rich Harrison製作のChi-Lites「Are You My Woman?(Tell Me So)」を下敷きにしたホーン鳴り回すジャカジャカと騒々しいトラックがド派手でBeyonceの他を圧倒するパワーにぴったり匹敵。そして援護射撃には恋人のJay-Zがしっかりサポート、まさにKingとQueenの共演で向かうところ敵無し。PVで見せる踊りもすんごいカッコよくてグッド、全てが完璧に完成されていました。どことなくアジアンな香り漂うScott Storch製作の「Naughty Girl」、いけない女の子を色っぽく歌い上げるBeyonceに翻弄され捲くり。これまたアジアンテイスト爆発な妖艶曲「Baby Boy」はScott Storchが再び製作を担当、Reggae界の貴公子Sean Paulをゲストに迎える事で強度も中毒性もより強力になっております。OutKastのBig BoiとSleepy Brownがゲスト参加したちょっぴりロキッシュな一曲「Hip Hop Star」はBeyonce Knowles製作曲、Big Boiのラップは当然カッコイイんですが、急な参加となったSleepy Brownをもっと強めに使って頂けたら嬉しかったのに(我侭)。Rich HarrisonがShuggie Otis「Strawberry Letter 23」をサンプリングして作り上げた悩ましい極上スロウ「Be With You」、ここからは聴き手の予想を裏切って(?)バラード曲ばかりが続くから驚き。ではバラードは無しか、と聞かれればそれは否、この曲も力強さと微細さが絶妙なバランスで構成された歌で、シンガーとしてのBeyonceにどっぷり浸れます。Scott Storchが製作を担当した「Me, Myself And I」は本作でも僕が最も好きなバラード曲、過去に傷ついた女性達に等身大の自分をぶつけるBeyonceにも好感が持てるし、Scott Storchが時折魅せるこの美味スロウに不意打ち喰らってヤラレました。「Yes」はBeyonce Knowlesが製作、空間を生みながらその隙間にレコードのプツプツ音を入れたノスタルジックな一曲。「Signs」ではMissy Elliottが製作&ゲストで登場、これまたキラキラと脆く儚いトラック上で射手座の男(Jay-Zは12月4日生まれで射手座)と恋に堕ちたことを歌ったラヴバラード、フックでのファルセット駆使で一気に昇天してしまいます。再び恋人Jay-Zとのデュエット「That's How You Like It」はD-Royによる製作曲、DeBargeの名曲「I Like It」を引用した完全二人の世界に嫉妬(笑)。でもなんだかんだでこの二人の相性は抜群で、ここでのJay-Zno一歩引いたラップが紳士でグッド。「The Closer I Get To You」ではあの大御所Luther Vandrossと濃厚デュエットでシルキーな夜を演出(製作はNat Adderley Jr.)、しかしこの曲はやはりLuther Vandross『Dance With My Father』に収録されて然るべきな一曲かと思います。「Dangerously In Love 2」はDestiny's Child時代のアルバム『Survivor』に収録されていた同曲を録り直して収録、製作はBeyonce Knowles自身によるもの。アルバムタイトルとなっている事からも判るように、Beyonceはこの曲がいたく気に入った様子で。でも静けさの中にも力強さと熱い想いを一途に届けるこの曲は、本当に素敵で感動できるバラードで僕も好きな一曲です。国内盤にはこれらに加えてキラキラと飛び跳ねるビートがキュートで愛らしい「What's It Gonna Be」、Jay-Z主軸でBeyonceがfeat.され話題となった(勿論ヒットした)「’03 Bonnie & Clyde」、そしてThe Neptunesが製作した生バンドっぽい音使いでファンキーに攻め上げる「Work It Out」、マネージメントも務めている父親への感謝ソング「Daddy」を収録しており、どれも聴き逃すのは勿体無い楽曲となっています。

これまでのBeyonceを彷彿させるアッパーでダンサブルな楽曲は前半数曲のみで、あとは本当にバラード中心、しかも全てをBeyonce自身がソングライティングしています。Beyonceが一人の女性シンガーとしての実力を発揮する事に全力を注いだ、渾身の一枚となっております。「Crazy In Love」狙いで購入しても損は絶対にしませんし、女の子なら気に入って聴ける一枚になっているのではないかと思います(賛辞)。

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Mobb Deep「The Infamous」
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N.Y.はQueens出身のラップデュオ、Mobb Deepの通算二作目となる『The Infamous』を御紹介。HavocとProdigyで結成されたMobb Deep、当時の東海岸を代表するデュオで、中でも本作は彼らの最高傑作で御座います。最近でもEminem主演の映画『8Mile』でそのトラックが大々的に使用されていたりして、いまだ衰えぬMobb Deepの魅力を感じます。
そんな歴史的大作であるといえる本作の中身は……まずはMobb Deep製作曲から御紹介、Mobb Deepというよりきっと(いや確実に)Havocが製作だと思いますが。ピアノ旋律のループに硬質なスネアが絡む幕開け曲「The Start of Your Ending(41st Side)」からもう不穏、危険な香りがプンプンします、これぞMobb Deepの世界観です。「Survival Of The Fittest」なんかはまるで葬送曲、暗黒を身に纏った二人が淡々と、しかし力強くラップを叩きつける身の毛よだつ格好良さの一曲。「Eye for an Eye(Your Beef Is Mines)」ではNasとRaekwonがゲスト参加、これもシンプルなループが耳にこびり付くダークなトラックで、そこにNasとRaekwonのシリアスなラップが絡みより迫力を増しています。「Up North Trip」ではThe Spinners「I'm Tired Of Giving」をサンプリング、相変わらず硬質なキック&スネア構成にちょっぴりメロディが乗っかる程度のシンプルなトラックで、だからこそMobb Deepの二人の尖ったラップを堪能する事が出来ます。Norman Connors「You Are My Starship」を下敷きにした「Trife Life」、Quincy Jones「Kitty With The Bent Frame」を下敷きにした「Q.U.–Hectic」と、何かメロディを下敷きにしながらも、それは敢えて薄めにして、頑として殺伐としたビートを紡ぎ出す職人Havocには拍手を贈りたいです(流石)。「Right Back At You」ではIsaac Hayes「Bumpy's Lament」をサンプリング、援護射撃に再びRaekwonとGhostface KillerのWu-Tang Clanメンバーが参加しています。「Cradle To The Grave」もめちゃカッコイイ、Teddy Pendergrass「And If I Had」をサンプリングしたこれまたドカドカ音のみ流れるシンプルトラックで、N.Y.の路地裏がぶぁ~っと脳裏に浮かぶナイスな一曲。とこういった秀逸なHavoc製作曲の他にも、The Abstractなる人物の製作曲が三曲収録されていまして。このThe AbstractとはあのQ-Tipの事なんです、僕もかなり後で知りましたが(無知)。でも聴いたら確かにQ-Tipの肌触りで、Esther Phillips 「That's All Right With Me」をサンプリングしたちょっぴり浮遊感のあるスペーシーな「Give Up The Goods(Just Step」なんかはそれが顕著にあらわれています。女性シンガーCrystal Johnsonをゲストに迎えた「Temperature's Rising」もQ-Tip製作曲、これもどこか懐かしいメロディがふわふわと乗っかるATCQ仕込みのトラックで、そこにMobb Deepの殺伐ラップが乗っかる事でまたちょっと違った味わいに。Crystal Johnsonの歌声がまた瑞々しくて素敵、良い味出しています。「Drink Away the Pain(Situations)」ではQ-Tipが製作だけでなくゲストでも参加(狂喜)、いかにもQ-Tipらしいホーンの音が効いたちょっぴりJazzyなトラックは秀逸、Q-Tipのあの鼻声ハイなラップも聴けて“やっぱりQ-Tipってカッコイイなぁ”と痛感できる一曲。しかしそんな中でも群を抜いて格好良いのはやはり、Havoc製作でMobb Deepの代表曲でもある「Shook Ones Pt. II」でしょう(決定)、警報のように鳴る冒頭の音、一触即発な印象を受ける危険が漂う殺伐トラック、冷静にしかし着実に攻めてくるMobb Deepの鬼気迫るラップ、そのどれをとっても最高級のカッコ良さです(鳥肌)。

とにかく「Shook Ones Pt. II」目当てで購入しても全然惜しくはない古典な一枚、勿論どの楽曲も格好良くて一枚として評価すべきですが。当時の東海岸は本当に輝いていましたよねぇ、ここ最近のサウス優勢は嘘のよう。王権復古を目指して、Mobb Deepにも是非とも頑張って頂きたいです。

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A Tribe Called Quest「The Low End Theory」
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今なおその輝かしい栄光が衰えることのないA Tribe Called Questの通算二作目となる『The Low End Theory』を御紹介。通算五作のアルバムを発表しているA Tribe Called Quest(以降はATCQと省略)、その中でも本作『The Low End Theory』を最高傑作と位置づける方も多いのではないでしょうか。それほどATCQにとっても重要な一枚ですし、Hip Hopの歴史の中でも重要な一枚です。
それでは早速内容を簡単に御紹介致しましょう……本作を語る上で欠かせないのが、そのJazzっぽいサウンド。これまでにも無かったし、その後にもここまで巧く綺麗にこういう世界を創出できているアーティストはいないのではないでしょうか。ベースにドラムス、時たま鳴るホーン、そういった生楽器を演奏しえいるような生温かさ、荒々しくなく優しく撫でるようなグルーヴ、全てがATCQ流のHip Hopを表現しています。まずは骨太なベース音に思わず背筋がゾクゾクするほど興奮してしまう「Excursions」、The Last Poets「Time」「Tribute to Obabi」を下敷きにしたJazz風味たっぷりの素晴らしい滑り出し。またまたベース音主軸のJazzっぽいタッチの「Buggin' Out」、こういうJazzっぽい空気感こそが本作の最大の魅力のひとつ。硬質なドラムパターンにハイハッとが鳴り、あまりにシンプルなビートが凛としている「Rap Promoter」なんか、本当に無駄がない。「Butter」では前作で感じた空気感が少しだけ蘇り、ちょっぴりメロウなメロディが綺麗で良い。「Verses From The Abstract」はまたまた音を削ぎ落としたシンプル過ぎるほどに飾りのないビートで勝負。ほんの少しピッチを上げて切り込んでゆく「Show Business」では、Lord JamarにSadat XにDiamond DとHip Hop黄金期を創り支えた鉄人MCが集結しています(興奮)。「The Infamous Date Rape」ではQ-Tipのあの鼻にかかった甘い声で“くらぁ~しっく♪くらぁ~しっく”が炸裂、誰かこのフレーズをそのまま声ネタにして一曲作ったら面白いだろうに(惜)。久々の声ネタ使いにちょっぴり嬉しくなる「Everything is Fair」、タイトル通りのJazzテイストにポワワンとメルヘンな音が遠くで鳴る「Jazz」、Paul Humphrey「Uncle Willie's Dream」をサンプリングしたファニーな音使いの「What?」と、どれもがATCQならでは音楽となっています。しかし僕の本作のお気に入り曲はやはり最後を飾る「Scenario」、理由は若かりし頃のBusta Rhymesが参加しているから(単純)。ドカドカと突き進むトラックなもんだから、Busta Rhymesの威力が充分に破棄されていて、Busta Rhymesが登場した途端にもう耳を完全奪取されてしまいます(虜)。

A Tribe Called Quest作品群の中でも、最もJazzのテイストが濃い作品で、そこがATCQの史上最高傑作と名高い所以でしょう。凄くカッコイイし確かに当時の彼らでないと創出しえない質感、でもこれがATCQ作品の中で一番好きかと言われたら僕はちょっと違うかも。それでも好きですけどね、ただ後期の作品の方が好きかもしれません。

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A Tribe Called Quest「People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm」
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90年代を代表するHip HopグループA Tribe Called Questのデビューアルバム『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』を御紹介。Q-Tip、Phife、Ali Shaheed Muhammadの三人で組まれたこのグループ、彼らの曲は最近の曲でもサンプリングに使われていたりして、今でもたまに聴いたりします。という訳で、Hip Hopの歴史で見てもかなり重要な一枚となっています。
その魅力を上手く説明できないのが本当に残念なんですが……当時の空気を存分に堪能できる、もの凄く良いアルバムなんです(訴)。一応ます書いておきますと、全曲の製作をA Tribe Called Quest(以降はATCQと表記)が(というよりQ-TipとAli Shaheed Muhammadだと思うんですが)担当しています。本作で最も重要なのはやはり「Can I Kick It?」でしょう、これはもうクラシック(認定)。太いベースで繰り出される緩めのグルーヴ、そこに衝突かる鋭いスクラッチとドカドカキック、Q-TipとPhifeのシンプルなラップも聴いてて痺れる格好良さ。あの“きゃなぁ~いきっき♪”のフックは耳に残る、一緒に口ずさめば自分もATCQの一員になれた気分に(阿呆)。他の曲もどれもがシンプルなビートが今となっては逆に斬新で、聴いていてとてもクール。Jazzyな雰囲気をばっちり醸し出している「Push It Along」、The Beatles「All You Need Is Love」を下敷きにしているルパン3世っぽいノリが怪しくてカッコイイ「Luck of Lucien」、ギュルギュルと皿を回す音に一気に酩酊気分になってしまって気持ち良くなる「After Hours」はSly Stone「Remember Who You Are」をサンプリング、Stevie Wonderの名曲「Sir Duke」の一節も飛び出すミステリアスな浮遊感がヒンヤリ気持ち良い「Footprints」、Q-Tipのしゃっくりっぽい声音から始まる跳ねたぶっ飛び曲「Pubic Enemy」は楽しいの一言に尽きる、“これぞATCQ!”と思わず唸ってしまう美しくも鮮明な流麗トラックにうっとりの「Bonita Applebum」、ドラムスの音と電子鍵盤の音にQ-Tipの鼻声ラップが撫でるように優しく絡む「Youthful Expression」、Funkadelic「Get Off Your Ass And Jam」をサンプリングしたファンタジーチックでまろやかな電子音に身を委ねる「Rhythm」も最高、同じくFunkadelicの「Nappy Dugout」を下敷きにした真っ黒ソウルフルな「Ham 'n' Eggs」が渋い、Jimi Hendrix「Rain Day, Dream Away」をサンプリングした荒くファンキーな「Go Ahead In The Rain」も聴き応え充分、最後を締め括るSly & the Family Stone「Running Away」使いの「Description Of A Fool」も一筋縄ではいかない四次元グルーヴチューンで摩訶不思議な魅力が爆発しています。どの曲をとっても本当にカッコ良くて大好きなんですが、中でも僕が反応せずにいられないのが「Mr. Muhammad」ですかねぇ。理由は大好きなEarth, Wind & Fireの「Brazilian Rhyme」のあのライン、“ぱぁ~いや♪ぱぁ~いや♪”を拝借して独特のグルーヴを生み出しているから(巧妙)。EW&F使いはやっぱりズルイ、僕は反応せずにいられない(敏感)。でもこの曲ではその使い方が大袈裟じゃなくて、控えめで美しいんですよねぇ(溜息)。

今こうやって聴いても革新性に満ちていて素晴らしいエッセンスが凝縮されています、ATCQ聴いていると最近のHip Hopは似たり寄ったりのクローン曲ばかりだなぁと痛感します。どの楽曲も昔の曲を多数サンプリングしていて、どこか懐かしさを感じるんですが、しかしそこには極めて斬新で独創性に満ちたグルーヴがあるんです(賛辞)。それもこれもQ-Tipの音楽に対する探究心の深さと、感覚の鋭さの賜物なんでしょうねぇ。Ali Shaheed Muhammadも多くの素晴らしい楽曲を他アーティストに提供し続けていますし、やはり後世に残した影響は大きいですね。

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Fugees「The Score」
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Wyclef Jean、Pras、Lauryn Hillの三人で結成されたFugeesの通算二作目となる『The Score』を御紹介。当時本当に売れに売れた衝撃の一枚、600万枚ものセールスを記録したそうですよ(驚愕)。僕はまずLauryn HillでBlack Musicに触れたので、この一枚を購入したのはそれから間もなく経ってから。高校一年生の時の行きと帰り道は、自転車こぎながらMDウォークマンでこの一枚を擦り切れる程に聴いてましたよ(懐)。
そんな歴史的大作をほんのちょっぴり御紹介しますと……まずはFugeesの頭脳であり、いまだその製作能力で楽曲を提供し続けるWyclef JeanとLauryn Hillが殆どの曲を共同製作しており、まずはそんな楽曲群から御紹介したいと思います。幕開けを飾る「How Many Mics」からして、路地裏を思わせる不穏でダークなトラックでもうガッツリやられます。Lauryn Hillの男顔負けなクールでインテリなラップが冴えていて、そこに絡むWyclef Jeanのゆるっとリラックスした歌フックも良い味付け。次の「Ready Or Not」はFugeesの最大のヒット曲で代表曲、あのEnyaの「Boadicea」を無断(?)でネタ使いして訴訟問題にまで発展した問題曲でもありますね(苦)。しかしそのEnyaの歌声がバックで絶えず揺らめくこのトラックはやはり今聴き返しても痺れる素晴らしさ、もう一曲The Delfonics「Ready Or Not, Here I Come(Can't Hide From Love)」も拝借しています。このトラックの持つ蜃気楼のような魅力と硬質なドラムパターンの融合、Lauryn Hillの歌声混じったフロウ、もうどれをとっても傑作で御座います。「Zealots」ではThe Flamingos「I Only Have Eyes For You」のドゥーワップ部分をべったりとサンプリング、これがまた不思議なグルーヴ感を生み出していて凄く面白い。細かいスクラッチに“あーあぁっあーあ♪”なる奇声が面白い「The Beast」、プツプツとレコードっぽい音にこれぞHip Hopな燻し銀な殺伐トラックがあまりにストイックな「Family Business」、どこかWu-Tang Clanっぽいアプローチを感じるアジアンテイストな「Cowboys」、完璧にWyclef Jean味な南国の風吹く「No Woman, No Cry」と、どれもが素晴らしい楽曲ばかり。しかしその中でも僕が特に好きな曲がありまして、それはRoberta Flackの同名曲「Killing Me Softly With His Song」のラインをLauryn Hillがそのまま歌う「Killing Me Softly」ですね(感動)、完璧にLauryn Hillの独壇場のこの曲、もうLauryn Hillのあの表情豊かで温もりある歌声を聴くだけで失神してしまいます。曲こそ有名なれどシンプルなドラムパターンのみなので、Lauryn Hillの歌声がより鮮明に胸に響き渡ります(涙)。あとは外部Producerによる楽曲を二曲紹介、しかしこれも絶対に聴き逃してはなりません(命令)。まずはシングルとしてもヒットした「Fu-Gee-La」、製作はNas作品で御馴染みのSalaam Remiが担当しています。Ramsey Lewis「If Loving You Is Wrong, I Don't Want To Be Right」をサンプリングしたトラックに、Lauryn HillがTeena Marie「Ooh La La La」ラインをそのまま拝借した歌フックがズルイ(反則)。でもこれが凄く良い味出してて、思わずLauryn Hillと一緒に“ふーらーらーらー♪”と口ずさんでしまいます、Salaam Remiはやはり一流ですね(拍手)。あとはあのDiggin InDa CratesのDiamond Dが製作を担当した「The Score」、硬派で緊迫感溢れる黒いトラックは流石で、最後の方ではDiamond Dもラップをかましています。

当時はその奥深さについていけてない部分もありましたが、今こうやって聴き返すと更にカッコイイですねぇ、惚れ直しました。Wyclef JeanもPrasも勿論カッコイイんですが、やはりLauryn Hillが圧倒的に輝いていて、その存在感は凄まじいですね(圧巻)。歌っても良し、ラップしても良し、そのうえ頭も良しなんですから最強です(無敵)。もう一度この三人で一枚作って欲しいですよねぇ、それが無理ならせめてLauryn Hillの作品を届けてほしい(切実)。

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Lauryn Hill「The Miseducation Of Lauryn Hill」
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Wyclef Jean率いるThe Fugeesの一員であり、実質のフロントマンだったLauryn Hillのソロデビューアルバム『The Miseducation Of Lauryn Hill』を御紹介。このアルバムも当時大ヒットを飛ばしましたね、日本でもCM曲に使われていたり。僕は彼女をまず映画『Sister Act 2(邦題:天使にラヴソングを 2)』で知りました、その後彼女のソロアルバムが売られているのを見つけて即購入、これが僕のR&Bアルバム第一号なので御座います(祝)。そういう意味では本当に入り口が彼女で良かった、その後こうやってBlack Musicを心底好きになっている自分がいるから。そういう意味でもLauryn Hillのこの一枚は、僕の歴史の中でも重要な一枚なんですよねぇ。
誰もが持っているこのアルバムの曲目をさらり……一応最初に書いておきますが全曲がLauryn Hillによる製作で御座います、まずは期待通りの渋さで口火を切る「Lost Ones」で幕開け。Synth BassであのJames Poyserも参加したこの曲は完全なるHip Hop曲、しかしながらこういう直球Hip Hop曲はこの一曲であとは大半が歌中心のソウルアルバムなんで御座います。傷つきながらの恋愛に囚われる切なさを切々と歌う「Ex-Factor」(Wurlitzer、Organ、RhodesでJames Poyserが参加)、Wu-Tang Clan「Can't It Be So Simple」を下敷きにしたキラキラトラックからはちょっと想像つかない悲恋に胸を締め付けられます。息子の授かった喜びを最上の美しさで優しく表現する「To Zion」は誰でも一度は耳にしたことがある筈、あまりに大きく美しいLauryn Hillの歌声(そして歌詞)に多くの母親が涙して共感できる一曲です。GuiterであのCarlos Santannaが流麗な旋律を奏でているのも素敵なエッセンス、サンプリングには「And The Feeling's Good」なる曲が使われています。跳ねて弾けるビートとコーラスが可愛らしい「Doo Wop(That Thing)」、引用や隠喩を多用したLauryn Hillのインテリ部分が垣間見れる一曲。クリエイティブでもなく一流でもないアーティストに発破をかける挑戦的な「Superstar」(サンプリングにThe Doors「Light My Fire」使用)、雨が降るような物悲しいビートがストリート仕様の殺伐トラック「Final Hour」、出だしのストリングスで一気に惹き付けられる悲恋ソング「When It Hurts So Bad」と、Lauryn Hillならではの説教にも近い深い歌詞世界が素敵なトラックに包まれて胸を打ちます。そしてあのMary J. Bligeとのデュエットとなる「Used To Love Him」の登場、Lauryn HillとMJBの組み合わせというだけでもう興奮と感動が一緒に得られるのに、そのうえ歌詞が失恋から立ち直ろうとする強い女性を描いているというのが憎い、これはMJBの魅力を爆発させる内容だから。Bob Marley「Concrete Jungle」を下敷きにしたReggae風味の強い「Forgive Them Father」なんかは、The Fugees時代に得たノウハウをフルに活かした一曲でグッド。David Axelrod「Tony Poem」を下敷きにしたGhettoを生きる事の過酷さを謳った「Ever Ghetto, Every City」なんかも、曲の作りが斬新で超お気に入り。「Nothing Even The Matters」ではなんとあのD'Angeloととろけるようなデュエットを披露、Lauryn HillとD'Angeloの相性はもうカチッと音がするほどにピッタリで、ひとつの愛を紡ぎ合うかのような優しい歌声にただただ深く深く堕ちてゆくばかり(溺)。この曲は数あるデュエット曲の中でもかなり上位に入る一曲だと思います、恋人と一緒に聴いたら愛は深まるばかりです(薦)。若者達を力強く励ます応援ソング「Everything Is Everything」では、なんとあのJohn LegendがPianoで参加していたりします(驚)。プツプツと鳴るレコードの様な音とピアノの美しい旋律に涙がこぼれそうになる「The Miseducation Of Lauryn Hill」、トラックがシンプルで控えめなだけにLauryn Hillの伸びやかな歌声を心行くまで堪能できる嬉しい一曲。最後にはBoys Town Gangの名曲「Can't Take My Eyes Off You」のカバー「Can't Take My Eyes Off You」で茶目っ気も魅せるLauryn Hill、原曲とはまた違ったLauryn Hill節なグルーヴで聴かせるこの曲も大好きです。

Lauryn Hill自らの言葉をもってして歌う“教育”に多くの黒人の子供達が学んだんではないでしょうか、僕みたいな黒人文化を解らない人間にとってもひとつの勉強になった気がします。とまぁそんな堅苦しい事はさて置いて、兎にも角にも素晴らしいソウルアルバムなんですよね、素敵な楽曲がいっぱい詰まってます。これを聴かないのは絶対に損ですよね、海に行く時でも、夜の街をドライブする時でも、家で食器を洗う時でも、勉強する時でも、どんな時でもこのアルバムがあれば素敵なひと時にしてくれます(最高)。

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Mary J. Blige「No More Drama」
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Queen Of Hip Hop/SoulことMary J. Blige(以降MJBと表記)の通算五作目となる『No More Drama』を御紹介。常にR&B界の最前線でシーンを牽引し続けているMJB、様々な苦難を乗り越え発表された本作はMJB快心の一撃でもありました。いずれも敏腕Producerを従えて作られた渾身の楽曲達、いつも満足させてくれるから全く不安などありません(安心)。
そんなこんなで安心しきって内容に……まずはRon "Amen-Ra" Lawrens製作のラッパ音がパラパラ鳴る「Love」で幕開け、うん無難な幕開けです。「Family Affair」はあのDr.Dreが製作したシングル曲、このシンプルで響く重いビートの連なりは正にDr.Dreの構築曲、MJBのクールさを加速させるナイスメイクなトラック。The Neptunesが製作を担当した異次元へとゆっくりトリップするメロウ曲「Steal Away」は僕の好きな感じ、リラックスしたMJBの歌声も、フックを担当するPharrell Williamsのよろめく裏声使い(“ファルセット”ならぬ通称“ファレルセット”)もたまらなく痺れる。「He Think I Don't Know」はGerald Isaac製作のスロウ、ゆらめくトラックにまどろむMJBの歌声に完全癒されます。玄人Chucky Thompsonが製作した哀愁ギターがポロロンな「Pms」は異質、まるでカントリーっぽい匂いもして、これはこれで良いですね。Jimmy Jam & Terry Lewisの間違いない黄金コンビが製作を担当した「No More Drama」は文句なしの最高傑作、悲しげに流れるピアノ旋律とMJBの激情込めた歌声が聴き手の感情を揺さぶるドラマチックな一曲。胸を激しく打たれずにはいられない、女王MJBならではの力強い一曲(感動)。ねじれた細い電子音に綺麗なメロディが絡む「Rainy Dayz」はIrv Gotti製作でJa Ruleがゲスト参加、僕はJa Ruleの濁声で歌うフックが結構好き、ラップもメロディアスで(濁声もなかなかの逸品)聴き易い、しっとりした楽曲にもピタっと合っている。Swizz Beatzが製作しEveが参加した「Where I've Been」は正直いまひとつ、この頃のSwizz Beatzらしい音なんですがそれが物足らない(惜)。The Police「The Bed's Too Big Without You」を使ったDame Grease製作の「Dance For Me」ではCommonをゲストに起用、ちょっぴり南国風味の楽しげトラックにもCommonの生真面目なラップは合うんですね。「No More Drama(Remix)」では久しぶりのP.Diddyとの共演(鳥肌)、Remix手掛けるのは勿論Sean "P.Diddy" CombsとMario "Yellow Man" Winansの強力タッグ。The Chic「You Can't Do It Alone」使いのメロディアスながらも大ネタ使いっぽい懐古趣味のトラックは僕好み、P.Diddyのラップもやはり水を得た魚状態で活き活き。伸び伸びしたトラックに心地よさを覚える「Flying Away」Kiyamma Griffin製作、下敷きネタはBrenda Russell「God Bless You」です。「Never Been」はMissy "Misdemeanor" Elliott製作のスィート過ぎる胸キュン曲、McFadden & Whitehead「Why Oh Why」を使った懐かしさと温もりを感じるトラックメイクは素晴らしい、女性R&B書かせたらMissy Elliottはかなり良い仕事っぷりで御座います(賛辞)。「In The Meantime」はあのRich Harrison製作の生音っぽいスムージーな一曲、ドカドカ派手にホーン吹き鳴らすトラックも好きですが、こういう穏やかトラックもなかなかイケルではないですか(褒)。最後を締め括る晴れ渡る青空の様に透き通った「Testimony」はKenny Flav製作曲、爽やかに優しい気分で聴き入ってしまいます。

素晴らしいシンガーMary J. Bligeと決まりきった称賛しか与えられないですが、彼女の歌声には魂(ソウル)を間違いなく感じます。彼女が今なお最前線で活躍し、大きな成功を収めているのは当然の結果なんですね。

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Alicia Keys「The Diary Of Alicia Keys」
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彗星の如く現れた若き女性シンガーソングライター、Alicia Keysの通算二作目となる『The Diary Of Alicia Keys』を御紹介。その端正な顔立ちでまず僕のハートをギュッと鷲掴みにしてくれたAlicia Keysですが、そんなルックスから想像もつかない程に熱っぽく力強いソウルフルな歌声で聴き手を魅了します。そんな彼女の2ndは世界中が待ち望んでいたといってもけして過言ではないでしょう、彼女の溢れんばかりの才能に溺れる者続出で御座います。
それでは曲目にふんわりと触れてゆきます……まずはAlicia KeysとKerry "Krucial" Brothersが共同制作した「Karma」で幕開け、Hip Hopに通ずる野太いビートに悲劇的なヴァイオリンが絡む劇的なトラックはAlicia Keysらしいセンスの光る一曲。続く「Heartburn」は驚く事にあのTimbalandとAlicia Keysが共同で製作を担当、彼得意の歪んだ電子音などの変態趣味は息を潜め、あくまで細かく刻まれるドラムビートを主軸としたクールな一曲。こういう生音っぽいトラックもするりと作れてしまうTimbalandはやはり凄腕一流Producerなんだなぁと痛感、きちんと中毒性(Timbalandっぽさ)は残ってますし。二曲が連なる「If I Was Your Woman/Walk On By」はAlicia Keysに加えて、あのEasy Mo BeeにDwayne Wigginsも製作に携わった要注目曲。Isaac Hayes「Walk On By」を下敷きにしたトラックは秀逸、Alicia Keysの持つ空気感を思う存分に味わえます。そして特大ヒットとなったシングル「You Don't Know My Name」は御存知Kanye Westによる製作曲、彼らしいソウルマナーを踏襲し45回転早回ししたキラキラソウル曲は恐ろしい程にAlicia Keysの歌声にフィット(失神寸前)。The Main Ingredient「Let Me Proove My Love To You」を下敷きにこの曲を書いたKanye Westは天晴れです、そして途中に語りを入れたAlicia Keysの伸びやかながら切なさもぎゅっと詰まった歌声に思わずキュンとなります(惚)。そしてこれまたロングヒットとなったAlicia Keys代表曲といっても過言でない「If I Ain't Got You」、Alicia Keys自身によるソングライティングでピアノ弾き語り。冬になるとなぜか聴きたくなる温かみのあるトラックとAlicia Keysの伸びやかで力強い歌声。優しく歌っている途中にサビで盛り上がる曲調は素晴らしいし、愛を歌う歌詞も美しくて優しい(賛辞)。そして僕が本作でかなり気に入っているのがAlicia Keys製作の「Diary」、ゲストにはなんとあのTony! Toni! Tone!が参加しています。とは言ってもメンバーの一人であるDwayne Wigginsがギターで参加しているのみ、Raphael Saadiqが参加していたら最強だった(惜)。しかしそんな事抜きで充分カッコイイんです、途中から熱っぽいボーカルで滑り込んでくる男性シンガーJermaine Paulも素晴らしい歌いっぷりで感動。パッと聞きのタイトルでは童話を思い浮かべる「Dragon Days」はAlicia Keys製作(Co製作はKerry "Krucial" Brothers)、低音と高音のピアノ音が絡まる生音重視な一曲。真っ黒ソウルがギラギラ輝く「Wake Up」のサビで柔らかな音に転調する辺りが好き、製作はAlicia Keys。硬質ながらも生音っぽいHip Hopっぽいトラックが先鋭的な「So Simple」はAndre HarrisとVidal Davisの名コンビが製作を担当、段階的にハイになるAlicia Keysの歌声が艶っぽくて素敵、ゲストにLellowなる人物が参加。これぞAlicia Keysといった具合の陰影の浮き出るピアノ弾き語り曲「When You Really Love Someone」。Alicia KeysとKumasiが共同制作した流麗なピアノがどこか物悲しげな「Slow Down」、キラキラしたイントロに思わずうっとりしてそのまま飲み込まれる「Samsonite Man」、Kerry "Krucial" Brothersと組んで製作したホーン鳴る都会の夜な大人な一曲「Nobody Not Really」も素敵、これは単純にR&Bではなく、それこそAlicia Keysが創り上げたあらゆるBlack Musicのエッセンスを取り込んだ融合曲で御座います(心地良)。国内盤の最後にはHip Hopファン泣かせの粋な計らい、Nasのクラシック曲「NY State Of Mind」をベッタリ使ったAlicia Keys製作の「Streets Of New York」を収録。このネタ選びだけでも充分興奮できるのに、原曲のNas声をほぼそのまま使用して、最後にはさらに生ける伝説Rakimまでも参加させたんだから、Alicia Keysの魅力は計り知れないですよねぇ。

外部Producerもちょうどいい塩梅で呼び込んでいて、Alicia Keysの幅をより一層と広げる事に成功しています。夜にお酒でも飲みながら聴くと、気分も安らいで気持ち良く酔えること必至です。古き良き音楽を充分に心得ながら、それを自身の中で上手く消化してより黒いソウルを詰め込むAlicia Keysは正に歌姫。才色兼備とはまさにAlicia Keysの事を言うんですね、最初に書きましたが顔が綺麗なんでそこもかなりポイント高いです。

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OutKast「Aquemini」
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その革新的なサウンドと奇抜な世界観で聴き手を魅了し続けるOutKastの通算三作目となる『Aquemini』を御紹介。この“Aquemini”という単語は、Big Boiの“Aquarius(水瓶座)”とAndre 3000の“Gemini(双子座)”を掛け合わせた彼らの造語で御座います。彼らの音楽は確かに、どこか宇宙学的な要素を含んでいるから納得のネーミングではあります。
それでは内容について触れてゆきますが……まずはやはりOutKast自身の製作による楽曲から御紹介、いつもながらかなり先進的なサウンドを魅せつけてくれています。まずは冒頭の“あーはっ♪べーいべ♪”なる女性の歌フックとギュイギュイ鳴るスクラッチで鼓膜を鷲掴みされる「Rosa Parks」、御存知ヒットシングル曲で御座います。軽快に跳ねながら進むライトな感触のビート、少しタイミングをずらす斜に構えたAndre 3000のラップ、途中で転調するいかにも南部っぽいハーモニカとハンドクラップの応酬、どれを取ってもOutKastらしいゴチャ混ぜトラックは見事。宇宙空間を心地良く浮遊している様な遊泳感に浸ってしまう「Aquemini」、そんな中でも超クールに早口でツイストラップを撃ち放つBig Boiの格好良さ。こういう感じの曲はThe Neptunesの専売特許って感じがするけれど、意外と本家はOutKastの二人なんでしょうねぇ(感嘆)。引き続きそういう宇宙的な空気を感じる「Synthesizer」はGeorge Clintonが参加、平坦でヒンヤリと冷たい電子音の完璧なまでの構築具合がいかにもOutKast。近未来的でどこかロボット的、聴けば聴くほど不思議な魅力を持っている一曲。と思えば「Slump」ではハミング効かせた泥臭いビートを用意、Cool BreezeにBackboneとファミリーも参加。ドラムロールから一気にユル~とまったりな異空間に放り出される「SpottieOttieDopaliscious」なんか面白い、冒頭で囁くようなハイトーンボイスで歌っているのはPat BrownことSleepy Brown。このラップなのかポエトリーリーディングか際どいラインを上手~く突くAndre 3000の曲者っぷりが今は好き(溺愛)。「Liberation」ではCee-LoにErykah Badu、Big Rubeが参加。これもまたピアノ旋律にパーカッションが鳴り響く内省的な世界観にグッと引き込まれる一曲で、ここではCee-Loがあの特異な響きを持つ喉でじっくり歌ってくれてます(痺)。Erykah BaduとOutKast(というよりAndre 3000)との絡みは聴いてて鳥肌立つほど色鮮やかで興奮する、是非二人でアルバムを一枚作って頂きたい(熱望)。最後を締め括る「Chonkyfire」はロック調のナンバー、Andre 3000とBig Boiのラップを存分に堪能できる一曲。その他にはOrganized Noizeが製作している楽曲も勿論収録、まずはダークでギャングスタなビートがMobb Deepっぽい東海岸寄りの「Return of the 'G'」。こういうシリアスでストイックなビートでも、OutKastのラップは凄まじく格好良く炸裂するのです。Wu-Tang ClanよりRaekwonが参加した「Skew It On The Bar-B」もOrganized Noize、ジャキジャキと鋭く尖ったビートに合わせて三人の攻撃的なラップが散弾する激カッコイイ一曲。Raekwonとの相性も良くて(Organized Noize製作のこのビート、やはり東海岸っぽさもちょっとあるのかも)素敵。Big Boiのソロ曲「West Savannah」もOrganized Noize製作、これもまたホーンの音が遠くで聞こえる楽器トラックで、OutKast製作曲とは違います。MasadaとWitchdoctorが参加した「Mamacita」もOrganized Noize製作、これもまた煙たいロックテイストの楽曲で雰囲気がちょっと違って良い。

やっぱり奇抜で独特のぶっ飛んだその世界観は、思わず冒険したくなる誘惑がたっぷり。でもやっぱろAndre 3000もBig Boiも格好良いんですよ、クールなんですよねぇ。最近ではもうAndre 3000が歌ってばかりでなかなかラップしないから、そういう意味でもこの頃の作品を聴き返すのも良いかもですねぇ(懐古)。

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OutKast「Speakerboxx/The Love Below」
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Atlantaが世界に誇るHip Hop怪物デュオOutKastの通算五作目となる『Speakerboxx/The Love Below』を御紹介。いついかなる時でも聴き手をあっと驚かせる奇抜なアプローチでぶっ飛んだ世界に導いてくれるAndre 3000とBig Boiの二人に脱帽。本作はそれぞれのソロ作品を二枚組にしたこれまた不思議な発表方法、こういう場合普通ならソロ作をそれぞれで出しますもんね。しかしこの二枚組が個々のMCとしての特性を巧く惹き出して大成功、この年の音楽賞を総なめにしていました。
それでは曲目紹介、今回は二手に分かれまして……まずはBig Boi側である『Speakerboxx』から、幕開けは相棒Andre 3000が製作した「Ghetto Musick」、電子音がギュイギュイを猛スピードで駆け抜けながらも途中で歌が入るAndre 3000らしい一曲(サンプリングにPatti LaBelle「Love, Need & Want You」使用)。Big Boiにはこういう歯切れのいいシンセトラックがバッチリ似合います。これまたシンセ音先行ながらも不可思議な世界に気持ち良く連れて行かれる「Unhappy」も良い、製作はMr.DJなる人物が担当。ホーンが鳴り響くダンサブルな一曲「Bowtie」ではJazze PhaとSleepy Brownが客演参加、Big Boi自身による製作で彼の落ち着いた低音ラップがカッコイイっす。そして本作からの大ヒット曲が「The Way You Move」、Carl Mo製作のメリハリ効いた懐かしい香りのするトラックも絶妙ながら、ここでは何より客演のSleepy Brownが素晴らしい歌声でナイスな仕事っぷりでした(そういう配置にしたBig Boiの戦略勝ち)。これはもうOutKastでしか出せない味わい、完敗で御座います。気心知れた仲のKiller Mikeを客演に迎えたロキッシュな「Bust」、Killer Mikeのラップがバシーっとキマッてます。「Church」は再びAndre 3000製作の電子音曲、あちこちの音程を飛び回りながらもきちんとまとまりのある一曲は流石はAndre 3000といった感じ、やはりBig Boiも水を得た魚状態で活き活きしてます。Konkrete、Big Gipp、Ludacrisといずれも癖のあるMCが参加した「Tomb Of The Boom」はBig Boi製作、サウス丸出しの重たいビートに全員が灰汁出し捲くりです。しかしゲスト参加曲で最強なのはやはりBig Boi製作の「Flip Flop Rock」、Killer Mikeに加えてあのJay-Zが援護射撃を放ちます(興奮)。ピュンピュン飛び交う電子音をくぐる様に一気に加速する三者のラップは快感に近いです、そして何よりJay-Zのラップがクールでもうこれだけで御馳走様で御座います。女性の歌声を配したどことなく宇宙空間っぽいトラックが癖になる「Reset」はBig Boi製作、Khujo GoodieとCee-Loというこれまた心強い客演陣が嬉しい、出来ればCee-Loにはあの怪鳥声で歌って欲しかったかな(我侭)。最後を飾る「Last Call」はAndre 3000製作でSlimm CalhounにLil' JonとThe Eastside Boyz、Melloと大所帯参加の一曲。せっかくなら最後にLil JonにCrunk曲作ってもらってお祭り騒ぎしても面白かったかも。
続いてはAndre BenjaminことAndre 3000側の『The Love Below』です、こちらは全曲をAndre 3000自身が製作を担当しており、Andre 3000の多彩な才能がギュッと濃縮されています。いきなりエレキギターの激しい音で入る「Love Hater」はすぐに一変、Andre 3000らしいJazz風味が爆発した歌モノで御座います(驚)。けして歌が上手いとは言えないですが味わい深いんです、気付けばもう既に虜になっています。ハンドクラップをあしらった「Happy Valentine's Day」なんかはもう完全にPrince流儀のノリ、これだけごった煮してもゴチャゴチャしない絶妙なバランス感覚がAndre 3000の強みであり魅力だと痛感。速度バッチリのドラムパターンに語り&サビ歌&高速ラップを乗せる「Spread」、ぶっ飛ぶ快感ここに在りです。Andre 3000でなくAndre Benjaminが一人のシンガーとして丁寧に歌い上げる「Prototype」、もうこれはHip Hopじゃないですから(笑)。ここで聴かせるどこまでもハイなファルセットヴォイスは昇天モノ、D'AngeloやBilalも顔負けの世界観にどっぷり浸かります(溺)。Rosario Dawsonをゲストに招いた異空間彷徨うThe Neptunes系統の「She Lives In My Lap」、サンプリングにGeto Boys「Mind Playing Tricks On Me」とVolume 10「Pistologrip Pump」を使用。そして特大ヒットとなった「Hey Ya!」が満を持して登場、もうこれはAndre 3000でしか創り出せないハッピーチューンで最高の一言に尽きます。これは完璧にHip Hop界に一石を投じましたね、いやHip Hopではないんですよ純粋には、でもHip Hopの枠を大きく拡げた歴史的な一曲。聴いた瞬間にいまだに踊りだしてしまいます、Andre魔法の一曲です(賛辞)。そして僕が本作中最も大好きなのが「Roses」、Andre 3000の下手くそな歌声(褒言葉)と癖になるフック、どことなく懐かしいソウル詰まったトラック、学園祭をモチーフにしたPV、どれを取っても最高でこの曲はかなり好きです(激薦)。今は亡きAaliyahの有名曲「Age Ain't Nothing But A Number」(R.Kelly製作曲)を冒頭に挿入した「Pink & Blue」、ここでもAndre 3000の変態な歌声(褒言葉)を惜しげなく披露。夢世界に導かれる「Love In War」、ゆったりとしたグルーヴに身を委ねる「She's Alive」とAndre 3000の世界は無限に広がるばかり。そしてここで初めて外部ゲストを召還、Kelis嬢を迎えての妖しさ満点の「Dracula's Wedding」、うねり宇宙的な電子音にKelisなんか参加するとThe Neptunesっぽさもほんのちょっぴり感じたりします、しかしKelisの超クールな歌声がピッタ合致してグッドです。そしてもう一人あのNorah Jonesをゲストに迎えてブルージーにギターを爪弾く「Take Off Your Cool」もあったか心地よくて素敵な一曲、Andre 3000の泣きのファルセットもここまでくると素敵、もう少し曲が長くても良かったかも。「Vibrate」なんかはもう殆ど演奏でAndre 3000のボーカルはちょっと挟まる程度、最後を飾る「A Life In The Day Of Benjamin Andre」でようやくAndre 3000のラップらしいラップを聴けるんです、それまでは摩訶不思議な癖ある楽曲と添えられた程度のAndre 3000の歌声で彩られています。

OutKast双方の魅力を深く追求した面白い一枚、ゲストを多く招き現代のHip Hop要素を自己流に昇華したBig Boiも素晴らしいし、完全に芸術家肌でHip HopにJazzにSoulにFunkといった様々な要素を融合させたその世界観で独自の音楽を創り出したAndre 3000も素晴らしいですね。それでも個々に活動せずにきちんとOutKastとして作品を発表する二人の絆には感動で御座います。

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OutKast「Stankonia」
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一見するとデコボコなタッグでたまに不思議にさえ感じるOutKastの通算四作目となる『Stankonia』を御紹介。冒頭でデコボコだと言いましたが、それでもAndre 3000とBig Boiの関係は良好の様ですし、いつも二人で素晴らしい化学反応を起こしてくれています。いつ聴いても“完全に独特のOutKastの世界観”を打ち出し、他のMCとは(いやアーティストとは)一線を画している彼ら、本作も聴き逃す事が許されません。
それでは内容について触れたいと思います……もう皆様御存知かと思いますが、OutKastの楽曲はいつもOrganized NoizeかOutKast(というよりAndre Benjamin)が製作しています。本作ではOutKastの変名であるEarthtone IIIが多くの楽曲を手掛けていますので、まずはそのEarthtone III製作曲から紹介したいと思います。まずは幕開けを飾る「Gasoline Dreams」、僕はこの曲が物凄い好きなんですよねぇ(興奮)。Andre 3000のぶっ飛んだあのフックがもう激しくヤバイ、一気に脳天直撃されてぶっ壊れてしまいます、客演にはGoodie MobよりKhujo Goodieが参加しています。ロックしながらもドカンとファンキーなHip Hopトラック、完璧なスタートダッシュです。OutKast得意のコスモチックなトリップ感に一気に覚醒させられる「Ms. Jackson」も素晴らしくクール、彼女の両親に認めてもらえなかった男を謳った内容も、ストーリー展開が素晴らしく読み耽ってしまう面白さでグッド。「Snappin' & Trappin'」ではKiller MikeとJ-Sweatが援護射撃、グチャグチャな音の混ざり具合がなんとも南部臭くてたまらない。Gangsta BooとEcoが客演参加した「I'll Call Before I Come」なんかは、電子鍵盤を指で鳴らす感じの陽気なファンク感がどことな~くPrinceっぽさも感じる一曲で、Andre 3000ももうフック歌ってしまってますもんね。本作中で最もOutKastの感性が爆発している真骨頂曲が「B.O.B.」でしょうね、ドカンドカンと爆破しながら最速で疾走するこのビート(これだけ暴走する中でも、様々な音楽要素が細部まで組み込まれているのも凄い)がもうたまらない(失神寸前)、そしてこういう全速力ビートに負けじとぶっ飛ばすOutKastのラップがたまらない(木端微塵)。あと余談ではありますが、Background VocalsにMorris Brown大学のGospel Choirが参加しています。ジャングルチックながらOutKastらしいシンセサイザー駆使でシャープな印象を受ける「Humble Mumble」では、なんとAndre 3000の元彼女であるErykah Baduが参加(驚)。ギュイギュイとスクラッチ鳴らしていると思いきや、途中で急激に変調するドラムパターンなんかがもう兎にも角にもファンキー(天才)。そこにErykah Baduの凛とした歌声が柔らかく乗っかり、良い塩梅にクールダウンしてくれます(妙技)。本作で最も美しいメロディラインが売りの「Red Velvet」、どこか深遠な世界へと沈みゆく感覚に陥るトリップ曲。摩訶不思議なトラックに少し困惑さえする「Toilet Tisha」は、10代で妊娠した少女が子供をトイレで産み落とすといった事実に、警鐘を鳴らしている社会的な一曲。「Slum Beautiful」ではCee-LOが参加、硬質なドラムビートに絡む変てこな電子音が完全にイッちゃってる不思議な世界。またCee-Loのラップは今となっては貴重だから、凄く味があって良いですよねぇ。「Stankonia(Stanklove)」ではちょっぴりトーキングモジュレーター使いっぽい歌フック(?)にドロリと濃厚なトラックが印象的、Sleepy BrownとBig Rudeが参加していますが影薄いです。その他の楽曲は御馴染みOrganized Noizeが製作、泥臭い歌フックがいかにもって感じでかなり聴き易い「So Fresh, So Clean」、ブイブイいわせるファンキーなトラックにOutKast両人のクールなラップが突き刺さる「Spaghetti Junction」、BackboneとBig Gippが参加したJazze Phaっぽいノリの「We Luv Deez Hoez」と、どれもがやはりOutKast製作曲とは違った趣向で、その聴き易さで本作の奇抜要素の過剰を軽減しています。OutKast製作のぶっ飛んだ楽曲群も良いけれど、Organized Noizeの作るサウスマナーに則った味のある泥臭いビートも良いですね。

やはりOutKastにしか創造し得ない世界観は突出していて、彼らについていけるかどうかが鍵です。でもやはりOutKastを聴いていると、自分の中の奥底に潜んでいるちょっとした感性をくすぐられるんで、そこがまた快感だったりします(快楽)。これがHip Hopなんでしょうねぇ、しかも最高の逸品級の。僕個人としてはやはり冒頭の「Gasoline Dreams」が超お気に入り、出勤前に聴くとテンションが徐々に上がって“やるぞ”って気持ちになれます(応援歌)。

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Busta Rhymes「Genesis」
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いつでも元気一杯のベテランBusta Rhymesの、J Records移籍第一弾にして通算五作目となる『Genesis』を御紹介。1995年にデビューして以来コンスタントに作品を発表し続け、他アーティストからも厚い信頼を得ている客演も多いMCで御座います、当然ながら僕はBusta Rhymesは大好きです、まず東勢は本当に好きなんですが、こういう爆発系のMCってそうそう居ないじゃないですか、だからBusta RhymesはHip Hop界にとっては必要不可欠な存在だと僕は豪語出来ます、って皆様そう思ってますよねぇ。
それではさらりと曲目に触れてゆきますと……まずはJust Blazeが製作を担当した「Everybody Rise Again」でもう完全にBusta Rhymes節は全開。Just Blaze製作のこのトラック自体はビートも大人しくインパクト大って感じではけしてないんですが、それでもBusta Rhymesの豪気ラップが吹き込まれた途端に一気に膨らみますね。続く「As I Come Back」はThe Neptunes製作曲、The Neptunesらしい変てこピコピコ電子音に眩んだビートが交錯する奇抜ぶり。こういう味わいはBusta Rhymesにバチンと笑える程に似合っている、これにPharrellの歌フックなんかがあったら個人的にはかなり興奮したんですが(我侭)。「Shut 'Em Down 2002」はあのPete Rockが製作を担当(興奮)、それもその筈彼が手掛けたPublic Enemy「Shut 'Em Down 2002(Pete Rock Remix)」を下敷きにしているんですから。今は亡きJay DeeことDillaが製作を担当した異空間に迷い込む不思議系「Genesis」、思わず涙がこぼれそう。Busta Rhymes率いるFlipmode Squadの紅一点Rah Diggaが男顔負けのラップで威嚇する「Betta Stay Up In Your House」、製作はBad Boyお抱えの製作チームThe HitmenよりYogiが担当。「We Got What You Want」は再びJust Blazeが製作を担当、このアルバムでのJust Blazeはかなりおとなしめ、もっと大ネタ使いの暴れる曲も作れるんだから、そっち方面の楽曲を提供しても良かった気が(惜)。「Truck Volume」はDr.Dreが製作を担当(キーボードをScott Storchが担当)、ながらもなかなかピンと来ない地味なトラックで正直肩透かしかなと。Nottzが製作を担当した工場ガチャガチャ系トラックの「Pass The Courvoisier」、ゲストにP.Diddyを迎えて二人で縦横無尽に大暴れ、P.DiddyにRemixやらせても面白かったかも。Dreが久々にDreらしい音作りで挑んだ「Break Ya Neck」もトラック自体は普通の仕上がり、そこはBusta Rhymesの超高速激走ラップで一気に魅力が開花しています(自力)。「Holla」もDr.Dre製作なんですがやはり物足らない(嘆叫)、これならよっぽどEminemの方が緊迫感のある良いトラックを作れると思います。「Wife In Law」はなんとDITCのDiamond Dが製作を担当(驚)、その上ゲストにはあのJaheimを選択しているんだから間違い無し。クラブミュージックのようなトランス状態に陥る「Make It Hurt」は再びDilla製作曲、この曲も他とは随分と雰囲気が違っててJ.Dillaの引き出しの多さを改めて痛感させられる一曲。「What It Is」はThe Neptunes製作でKelisをゲストに迎えた超強力な一曲、The Neptunesらしいパーカッション音以外を引き抜いたスカスカなトラックとKelisのクール過ぎる歌声が、バッチリBusta Rhymesの援護射撃をしている水を得た魚状態の一曲(奇天烈)。Michaelangelo製作の「There's Only One」は女王Mary J. Bligeをゲストに迎えたこれまた超クールな一曲、MJBの歌声が入るだけでもう其処にはソウルが出現します。Just Blaze製作の「Match The Name With The Voice」ではFlipmode Squadが総出で参加、やはり破壊力は少なくJust Blazeに不満の残る一曲に(残念)。

全体的にちょっと奇抜過ぎるトラックを固め過ぎたかなぁなんて気がします、気を衒い過ぎたと言いましょうか。もうBusta Rhymesは彼のそのラップスタイルだけで充分に奇抜で独特なのだから、そこはあえて普通にソウルフルな楽曲なんかと触れても良かったのではないかなと思います。ただ本作ではThe Neptunesが素晴らしい仕事をしておりました(拍手)、ほんのちょっとで良いからPharrellの歌声も聴きたかったかなぁ。

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50 Cent「The Massacre」
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Curtis Jacksonこと50 Centの通算二作目『The Massacre』を御紹介。“じじじじじ・じ~ゆぅ~にっ!”の掛け声で御馴染み、G-Unitを率いる50 CentはEminemにその才能を見出され鳴り物入りで登場、瞬く間にチャートを席巻しトップMCにまで上り詰めた実力者。敵も多くてJadakissにFat Joe、昔はJay-Zまでも彼を敵対視していたという事で、Eminemに負けじと問題児で御座います。最初は嫌いだったんですが、でも今は50 Cent(以下50と省略)のあのぼけた感じのラップが好みだと気付いてます。
それでは曲目をさらりと触っていきますと……まず言っておきたいのは、僕の好きな曲と嫌いな曲が綺麗に分かれてます、受け付けない曲はなんだか受け付けない(辛口)。まずはその受け付けない曲群からで、早速幕開けの「In My Hood」はあまり好きじゃない、製作はC. StylesとBang Outなるコンビの共同制作です。続くBlack JuelzとSha Money XLが製作した「This Is 50」もあまり好みでない、どうせならBiggieのあの曲を大胆に使って大袈裟に作って欲しかったというのが本音(個人的意見)。師匠であるEminemが製作した「I'm Supposed To Die Tonight」も今一歩、50とEminemトラックは相性抜群の筈、この曲は完全にEminemトラックに問題があると思う。スリリングじゃないし、50のあのフックはいけ好かない(苦言)。期待を裏切られたという意味ではDr.DreとMike Elizondoが共同製作した「Guns Come Out」も面白みに欠ける、敢えてシンプルに太いビートで肉付けしなかったんでしょうが、あまりにシンプルで手抜きに感じてしまいます。と受け付けない曲群はここまで、これら以外は楽しんで聴けますので安心を。シングル曲「Piggy Bank」はNeedlz製作曲、50の凶悪部分が上手く引き出されたGangstaなトラックは流石、JadakissとFat JoeをコケにしたPVも話題になりました。先程は貶しましたが今回はEminemの悪ふざけ部分が上手く溶け出た「Gatman And Robbin」は好き、Eminem得意のジャキジャキなビートもバッチリ疾走しているし、何よりEminemのラップ援護射撃が命中し捲くりです。かなり長い間特大ヒットして聴かない日は無かった「Candy Shop」はScott Storch製作曲、Scott Storch製作の重く響くダークなトラックもセンスが光っているし、G-Unit紅一点のOliviaの歌フックもカッチリ嵌っててグッド。「Get In My Car」はあのHi-Tekが製作を担当、一聴するととてもHi-Tek曲には聴こえないギター爪弾き曲が驚き。僕のツボ一撃必殺なのはDisco D製作の「Ski Mask Way」、サンプリングにThe O'Jays「What Am I Waiting For」使いの埃かぶった音がたまらなくカッコイイ。それは続くCue Beats製作の「A Baltimore Love Thing」も同じで燻し銀な格好良さ、The Dells「I'll Be Waiting There For You」を下敷きにしたこのトラック、途中の50の歌うようなフックも素敵っす。Hi-Tekが再び製作した「Ryder Music」は彼らしい涼しくもソウルを感じる秀逸曲、こういう都会の夜みたいな感じのトラックを50はそつなくこなすんで好きなんです。最初はパッとしないと評判が芳しくなかった「Disco Inferno」(製作はC. StylesとBang Out)も、この一枚に入るとカチッと音が聞こえる程に嵌っててしっくりきます。僕的には最初ピンとこなかったシングル曲「Just A Lil Bit」はScott Storch製作、彼らしいアジアン中近東な音使いで一気に中毒性を増すのが凄い。50のあのぼけた“じゃすたありるびぃ~~♪”フックも思わず口ずさみます(阿呆)。「Position Of Power」はJonathan "J.R." Rottem製作曲、これもどちらかというとメロディ物で僕好み。Scott Storchが製作を担当した「Build You Up」ではJamie Foxxが客演賛歌、バス音とハンドクラップを散りばめたトラックに清涼感と色気を混ぜたJamie Foxxの歌声が昇天の一曲。Eddie Kendricks「Each Day I Cry A Little」を下敷きにしたNeedlz製作の「God Gave Me Style」もメロディ重視でR&B風味、こういう流麗に涼しげな(ちょっと鼻歌っぽい)50のフロウが僕は好きだ。Oliviaの清涼な歌声を存分に活かした「So Amazing」はJonathan "J.R." Rottem製作、納得の仕上がりです。最後を飾る「I Don't Need 'Em」はBuckWildが製作を担当、MixはDr.Dre担当で重く〆ます。

う~ん、最高に良かったかと言われると、そうでもなかったかなと(不完全燃焼)。やはり1stの方が綺麗にまとまっていたし、本作はどれもバラバラで一枚のアルバムとしてはちょっと魅力に欠けていたかなと(厳)。まぁ現代は一曲単位でのヒットが顕著だから仕方のない事なんでしょうが、やはりせっかくのアルバムは全編を通して楽しめたらというのが本音です。50は好きなMCだから、是非とも頑張って頂きたいです。

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Jadakiss「Kiss Of Death」
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“ひゃっはーーッ”の奇声で御馴染みのJadakiss通算二作目『Kiss Of Death』を御紹介。The Loxのフロントマンとして活躍し、ソロでも様々なアーティストの客演をこなしているなかなか名人なMCの一人。地元New Yorkでは根強い人気を誇っており、僕もJadakissのあの独特な声に魅了されている人間の一人であります(告白)。
それでは曲目をさらりと触っていきますと……まずは例の御馴染みの奇声で元気よく幕を開ける「What You So Mad At」はBlack Key製作曲、ハンドクラップを配した聴きやすくも疾走感のあるトラック。続く「Shine」では西よりSnoop DoggとDJ Quickが客演参加、Jelly Roll製作の程よくレイドバックしたウェッサイなトラックに絡むSnoop Doggがやはり神憑りな存在感で圧倒されます。Ruff Ryders所属のNeo.comなる人物が製作を担当した「Bring You Down」、隙間を活かしたトラックも良いしJadakissの歌フックも微笑ましい(笑)。Scott Storchがお得意の緊迫感溢れるシリアストラックを提供した「Time's Up」ではNate Doggが歌声貸与、彼の下手ウマな歌声が恐ろしく素敵なアクセントになっていてグッドです。Mobb Deepの片割れHavocが製作を担当したヒット曲「Why」はGong Courtsy「Mandrake」をサンプリング、HavocらしからぬキラキラなトラックにAnthony Hamiltonの温もりある歌声が絡む秀逸曲。しかしながら詩の内容はJadakissならではのシリアスさで、彼の実力も証明した代表曲とも言えるのではないでしょうか。再びScott Storchが製作を担当した「U Make Me Wanna」では歌姫Mariah Careyが参加、彼女特有の囁くような妖艶ヴォイスでその魅力を30点は上乗せされている一曲、この頃のScott Storchは冴えていたよなぁ(回想)。「Hot Sauce To Go」はThe Neptunesが製作を担当、加えてPharrellが歌フックを担当。The Neptunesらしいクールなパーカッシヴに吐息をアクセントにした一曲、これはもうPharrellのあの細いファルセット無くしては完成されないトラックで御座います、一発で僕の耳を鷲掴みします(笑)。「Real Hip Hop」はRuff Rhydersの頭脳であるSwizz Beatzが製作を担当、援護射撃にJadakiss率いるD-BlockよりSheekが参加。同じくD-BlockよりStyles Pが参加したロキッシュな一曲「Shoot Outs」、二人の息の合った掛け合いが楽しめます。「Still Feel Me」はMobb Deep作品でも御馴染みのAlchemistが製作を担当、キラキラぽわわんなこの雰囲気は彼の技術師ぶりが伺えます。Baby GrandがCreative Source「I'd Find You Anywhere」を下敷きに製作した「By Your Side」、こういうメロウ系もキッチリと処理できていて僕は大好き。「Gettin' It In」はKanye Westが製作&ゲスト参加、早回し使いではないながらもきちんとKanye West風味なトラックで素敵です。「Welcome To D-Block」はタイトル通りD-Block全員が参加していまして、制作をEminemが担当、ゲスト参加もしています。この銃声響く冷たいシリアスダークなEminemトラックがJadakissに完全融合で驚く程の攻撃力を発揮しています。「Kiss Of Death」はRed Spydaが製作を担当、最後を締め括る歌モノ「I'm Going Back」はBlack Keyが製作を担当、サンプリングにAtlantic Starr「Secret Lovers」を使用しています。

うん、標準以上の出来で満足、Jadakissはやはり好きです。欲を言えばもう少しサンプリングを多用したトラックを沢山してくれても良かったし、Swizz Beatz製作曲があと二曲ほどあれば大満足だったかもしれません。これからも沢山の客演であちこちでJadakissの、あの奇声を聴き続けたいです。

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Jay-Z「The Blueprint」
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僕の敬愛してやまないMC、JiggaことJay-Zの通算6作目となる『The Blueprint』を御紹介。Jay-Zはこれまで発表してきたアルバムで、過去二回Source誌において栄誉あるマイク五本を獲得しているんですが、その一枚となるのがこの『The Blueprint』で御座いまして、つまりはこの一枚はJay-Z嗜好家だけでなくHip Hopの歴史上でも欠く事の出来ない重要な一枚なのであります(宣言)。彼の描く青写真が一体どんなものなのか、皆様気になる筈です。
前置きはこのぐらいで曲目をさらり……まず幕開けはパーカッション鳴り響く「The Ruler's Back」で製作はB!nkが担当、Jackie Moore「If」を下敷きにしたこの曲は幕開けに相応し過ぎです(拍手)。最近でもちょくちょくはクレジットで名前をみるB!nk、僕は大好きなProducerの一人です、彼とJay-Zのタッグは相性抜群だったから、また組んで名曲を生んで頂きたい(熱望)。The Doors「Five To One」をサンプリング(あとKRS-One「Sound Of Tha Police」も使用)した重苦しいビートで鬼気迫る「Takeover」はKanye West製作曲。あのMobb DeepとNasを相手に冷静なラップで切り刻むBeef古典曲。Jay-ZとNasのBeefがどれほどに熱く、そして高水準で繰り広げられていたか、ここでのそのNas宛てのライン一節を辿りますと……

「Had a spark when you started but now you’re just garbage
(出始めのころは勢いもあったけど今じゃゴミ同然)
So yeah I sampled your voice, you was using it wrong
(そうさ、俺はお前の声をサンプルしたさ、お前のやり方が正しくなかったから)
You made it a hot line, I made it a hot song
(お前はホットなラインを生んだかもしれないが、俺の場合は曲全体がホットだった)
Use your brain! You said you been in this ten
(頭使えよ、お前は10年間このゲームをやってると言った)
I’ve been in it five – Smarten up Nas
(俺は5年だ、賢くなれよナズ)
Four albums in ten years homie? I can divide
(10年間に4枚のアルバムだって?割ってみるか)
That’s one every let’s say two, two of them shits was due
(そうだな…2枚のうち1枚、計2枚はまあまあの出来だった)
One was –NAHHH, the other was “Illmatic”
(1枚目は…いや、そしてもう1枚が“イルマティック”)
That’s one hot album every ten years average
(てことは、平均で10年に1枚しかホットなアルバムが出せないってことだ)
And that’s so –LAAAAAAAME! Homie switch up your flow
(そりゃあ情けない話だぜ、そのフロウを変えるべきだな)


……とこんな感じ、僕は痺れます(卒倒)。結局この時の勝負は僅差でNasの勝利となりましたが、これほどまでに素晴らしいBattleはもうこの先無いのではないでしょうか。勿論Nasのラインも途轍もなく素晴らしく、同じく痺れました(卒倒)。続いてもKanye Westが製作を担当し特大ヒットとなったHova賛歌「Izzo(H.O.V.A.)」はThe Jackson 5の有名曲「I Want You Back」を惜しげもなく使用、鬼の様にキャッチーな反則スレスレの一曲(好物)。タイトルの“Izzo”も“Hova”も御存知Jay-Zの別の愛称、こういう自分を魅せる頭脳戦が本当にJay-Zは巧い、だから長年に渡って第一線で活躍しているんです。「Girls, Girls, Girls」はRoc-A-Fellaお抱えのJust Blazeが製作を担当したメロウ曲、Tom Brock「I Love You More And More Every Time」を下敷きにしたキラキラ美しいトラックテーマに、女性賛美歌はバッチリと合致。フックにあのQ-Tip、Slick Rick、Biz Markieをたったちょっとの出番で使う贅沢な演出(この誘いを受けた三人も心憎い)。「Jigga That N***a」はTrack MastersのToneとPokeのコンビが製作を担当、この二人は嫌いではないけれどこの作品の評価を少し下げている様な気がするんですが(辛口)。再びJust Blazeが製作を担当した「U Don't Know」はBobby Byrd「I'm Not To Blame」を得意の早回し、この曲は最初そんな印象薄かったんですが、聴いているうちにどんどん嵌って(中毒)。ここでのJay-Zの貫禄たっぷりのゆったりフロウが凄まじい、Just Blazeとの相性良過ぎです。「Hola' Hovita」はここでまさかのTimbaland製作曲(個人的見解)、いつものTimbalandに比べればかなりまともですし、クオリティもけして低くはないんですけどね。しかしKanye West製作の「Heart Of The City」で再び本来のソウル回帰、Bobby "Blue" Bland「Ain't No Love In The Heart Of The City」を下敷きにした黒くも情感溢れる一曲はKanye Westならでは。そのKanye Westが続いてもその手腕を揮った「Never Change」はDavid Ruffin「Common Man」をサンプリング、涙腺を直に刺激する美しく爽快なトラック、途中で挟まるKanye Westのフックも聴き所で御座います(秀逸)。そして本作中で最も美しい一曲であり、Jay-Z作品の中でも群を抜いて僕が大好きなバラード(敢えてこう呼ばせて頂きたい)「Song Cry」、製作はJust Blaze、サンプリングの元ネタはBobby Glenn「Sounds Like A Love Song」で御座います(絶賛)。あまりに美しくも切ない詩、心の琴線に触れる流麗で柔らかなトラック、涙無くしては聴き終われないクラシックです(溜息)。けして派手ではないですがやはり味があるB!nk製作の「All I Need」、サンプリング使ってそうなんですがノーサンプリングで驚き。そして話題曲があのEminemと初共演した「Renagade」、勿論製作はEminemが担当しておりまして、Dr.Dre譲りのサウンドメイクにEminemならではのヒステリー要素が良い塩梅。僕はこの曲で初めてEminemの魅力を知りました、Jay-Zに負けない存在感で素晴らしい共演です。ただ、せっかくここまでの傑作なんだから、外部ゲストは要らなかった気もします。最後を飾るは「Blueprint(Momma Loves Me)」、B!nkがAl Green「Free At Last」を下敷きに静寂系のトラックを提供。これはまた燻し銀な味わいで僕は好き、Jay-Zのラップを思う存分楽しめる作りでグッドです。

最高の仕上がりです、流れを考えると必要ない曲もありますが、それでもやはり素晴らしい仕上がりという言葉意外は当てはまりません(断言)。Jay-Z嫌いな方も結構おられるかと思いますが、この『The Blueprint』は絶対に聴き逃せない一枚として、認めている方も多いのではないでしょうか。兎にも角にもJay-Zが最も輝いていた頃のアルバムです(そしてKanye West誕生の瞬間でもある)、「Song Cry」狙いでもその価値は充分にあります(宣言)。

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Jay-Z「The Black Album」
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Jay-Zの通算8枚目となる『The Black Album』を御紹介。Jay-Zは僕が最も愛しているMCで、彼の作品は全て蒐集しております(他にもそういうアーティストはいますが)。そんなJay-Zが自らの引退を賭けて臨んだ超大作がこの一枚、結局はすぐにカムバックしましたが(笑)。もうこのジャケットからして、Jay-Zの並々ならぬ意気込みが感じられます、もうこの時点でJay-Zの勝ち。
それでは曲目をさらりと触っていきますと……まずはこれから始まる大作に相応しい語りオープニング曲「Interlude」、手掛けるのはRoc-A-Fellaではお馴染みの45回転の仕事人、Just Blazeが担当。続いて1曲目からの流れを汲みながらのこの曲「December 4th」、製作は前述のJust Blazeが担当、下敷きにはThe Chi-Lites「That's How Long」を使用。Jay-Zの誕生日が冠されたこの曲では、キラキラ光る美メロに乗って彼の“想い出語り”が聴けます。本当に綺麗な曲なので是非聴いて頂きたいし、彼のストーリーテリング巧さも光る一曲。途中で入る語りは、Jay-Zの実の母親によるもの。映画『Gladiator』でのRussell Croweの台詞“Are you not entertained?! (楽しんでいないのか?) Is it not why you’re Here?!(なら、なぜここにいるんだ)”で始まる「What More Can I Say」、製作を担当するのはThe Buchannans、サンプリングにはMFSB「Something For Nothing」を使用。“これ以上俺に何が言える?”と余裕綽々のJay-Zに思わず鳥肌、マジでカッコイイっす(拍手)。「Encore」は早回し45回転の若旦那こと、Kanye Westの製作曲。彼が製作しただけあって雰囲気は抜群、ちなみにピアノやバックボーカルであのJohn Legendも参加しています。途中で入る観客の“Hova!Hova!”という熱いコールは鳥肌もの、あの煽り演出はKanye Westの戦略勝ち。「Change Clothes」はJay-Z作品にはもはや欠かせない、ピコピコを開発したオタク集団The Neptunesの製作曲。彼らも流石できちんとツボを押さえてます。確かに彼らの絶頂期に比べると質はいくらか落ちているかもしれません。がしかし、そこらの曲と比べれば断然にセンスが良いのは明らかです。これだけファッショナブルな曲を作るThe Neptunesも凄いですが、それを上手く乗りこなすJay-Zが天晴れの一言に尽きます。Pharrellのファルセットに混じって、途中でチョロッとビヨった声(Beyonceっぽい声)が聞こえます。「Dirt Off Your Shoulder」はJay-Zの初期からの盟友であり、通称チキチキを開発した変態ビートのスペシャリスト、Timbalandの製作曲。これはイマドキのHip Hopが大好きな人には必ずヒット間違いなしの曲、歪んだ電子音が危険な雰囲気醸し出しています。「Threat」は、Little Brother所属の9th Wonderによる製作曲。静けさの中に迫力のあるビートが展開されているこの曲は、サンプリングにR.Kelly「Women’s Threat」を使用しています。「Moment Of Clarity」はアメリカを代表する悪童、Eminemの製作曲なんですが、これはちょっとどうなのかな(疑問)。Eminem曲はちょっとJay-Zに似合っていない気がするのは僕だけでしょうか。Def Jam創始者の片割れであるRick Rubinの製作曲「99 Problems」はBilly Squier「The Big Beat」使い、あくまでロックなカットとドラムスだけのざらついた荒いトラックが粋な一曲。Interlude扱いながらもその魅力はJay-Zお墨付きの「Public Service Announcement」はJust Blaze製作曲、サンプリングにLittle Boy Blues「Seed Of Love」を使用したこの曲は短いながらもかなり耳に残る格好良い一曲。西の大御所であるDJ Quickが製作を担当した「Justify My Thug」、Madonna「Justify My Thug」がサンプリングされた怪しくもスリリングな秀逸曲。「Lucifer」はKanye Westが再び製作を担当、Kanye Westらしい懐古主義爆発の早回し業、Max Romeo「I Chase The Devil」使いのこの味わいは彼にしか生み出せません(断言)。「Allure」は再びThe Neptunesが製作、ゆるやかで綺麗なメロディとふわふわと空間を浮遊するようなトラックメイクは彼らならでは。僕の個人的な意見として、彼らのこういうメロウ側面もかなり秀逸で大好き、Pharrellのフックと後ろで流れる“ん~ん~ん~ん~ん~ん♪”っていうあのハイな歌声がたまらないです。最後を飾る「My 1st Song」はAquaとJoe "3h" Weinbergerなるコンビが製作、故Notorious B.I.G.による語りから入る感じはカッコイイんですが、このトラックはちょっと僕好みではないかなぁとも思っていたり(我侭)。

Jay-Zの引退作にしては地味過ぎではないかなんていう批評をよく耳にしますが、これこそ燻し銀でJay-Zという王様に相応しい幕引きではないかと思います。有終の美を飾るというのは正にこの事です、現段階ではJay-Z作品の中でも第一位か第二位か第三位です、つまりは三本の指に入ります。黒く眩しいHip Hopに触れたい貴方にはうってつけ、Jay-Zの貫禄に溺れて下さい(惚)。本当に引退するのかは疑問ですが(笑)、是非一聴ください。