RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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J. Cole「Born Sinner [Deluxe Edition]」
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Jay Zに認められた若き猛者、J. Coleの通算二作目となる『Born Sinner』を御紹介。こんな年の暮れに書いているのもお恥ずかしい限りですが、勿論発売当時には速攻で買っております。たしか本作は、あの傑作と名高いKanye West『Yeezus』と同日発売された事でも話題になりましたっけ。本作の題名である“Born Sinner”は“生まれついての罪人”という意味であり、かのThe Notorious B.I.G.が名曲「Juicy」で使っていた単語を拝借しております。
まあ前置きはこれぐらいでいいでしょう・・・・・・まず本作は(Interludeを除いて)全曲の制作をJ. Coleが担当しており、そのラップスキルだけでなくトラックメイカーとしての才能もフルに発揮しております(鳥肌)。まずはそのBiggie「Juicy」からそのままパンチラインを拝借した「Villuminati」で幕開け、他にもこの曲ではR. Kelly「I Wish (Remix)」も使っているみたいですね。亡霊のようにすーっと揺らめくストリングスを敷きつつ、灼熱のボコボコ煮沸ビートをぶつけるトラックで聴き手の血は滾ります。そんな剣林弾雨なトラックの中で、辻斬りよろしくキレキレな神業ラップを繰り広げるJ. Coleはかなりの手練。「Land Of The Snakes」はOutKast「Da Art Of Storytellin', Pt. 1」をサンプリングしており、乾いた打ビートとふわふわに柔らかいシンセが明滅する感触が甘くドリーミーですんなり鼓膜に沁み込みます。J. Coleのアンストッパブルなラップも魅力たっぷりで、途中のTimbaland顔負けなボコボコ泥濘ジャングルビートへの転調も素晴らしく、最後までめまぐるしく変幻するトラックに心奪われます。Miguelを客演に招いた「Power Trip」ではHubert Laws「No More」をサンプリングし、曇ったオルガンっぽい鍵盤音が湿り気を帯びながら響き渡る感触がどこか悪魔的。冷たく凍てついたJ. Coleのラップが寒々したトラックの中でチクチク鼓膜に突き刺さる、どこか吹雪の中に放り込まれたような感覚、Miguelのグニャグニャと歪曲寸前な錯覚ヴォーカルも手伝って不思議な魅力が爆発しています。「Mo Money (Interlude)」はインタールードながらもJake Oneが制作していて要注目、アラビアチックな笛音っぽいシンセが煙たく燻るメロディは最高にイル。「Trouble」ではクワイアのコーラスが荘厳な雰囲気をぐっと強めていて、ゾワゾワと迫り来る濃霧のようなトラックにJ. Coleの鋭く真っ直ぐなラップが恐ろしく格好良い。「Runaway」は軸のビートパターンとトリップ感あるシンセの煌めきが美しく、艶美なトラックの上を華麗に滑り抜けるJ. Coleの柔らかなフロウが壮絶クール。「She Knows」ではAmber Coffmanが客演参加、ズバズバと突き刺さる乱数ビートの応酬の中で、Amber Coffmanのコケティッシュでフェアリーチックな歌声が遠くで響く事で均整がとれていますね。冒頭からの美しいハープの音色で一気に心を奪われる「Rich Niggaz」はTelepopmusik「Into Everything」をネタ使い、なんというか密林の奥深くに流れる清流のようなせせらぎメロディに、蛙の鳴き声みたいな音も響く辺りが、Aaliyahを手掛けた頃のTimbalandを彷彿とさせる滑らかマッドな美曲。マブダチでもあるKendrick Lamarを客演に招いた「Forbidden Fruit」では、Ronnie Foster「Mystic Brew」(というかこれはやはりATCQ「Electric Relaxation」を思い出さずにいられない訳で)を下敷きにしたジャジーでメロウでグルーヴィな一曲。このふわふわトロトロでありながらチクチクした棘のあるグルーヴは刺激的、Q-Tipに負けない湿潤滑らかなJ. Coleのラップのスナップもばっちり効いているし、Kendrick Lamarをフックで歌う程度にしか使わない事にもJ. Coleの意地を感じますね(対峙)。Just Blazeなんかがやりそうな90年代アプローチな「Chaining Day」は、Sly, Slick & Wicked「Sho' Nuff」を華やか朗らかにサンプリング。こういうトラックで柔らかな躍動感でマッタリとキメる事も出来るJ. Coleはやはりかなりの曲者、曲の終盤で急激にピッチを落としてゴシックなスクリュー仕立てにする辺りはJustin Timberlakeに倣ったかな(憶測)。機関銃ビートに感電シンセがビリビリと通電する高速チューン「Ain't That Some Shit (Interlude)」はSyienceが制作を担当、という訳でインタルードと言えども侮れない楽曲ばかりなのです。Co制作にEliteを配した「Crooked Smile」はなんとTLCが客演参加、電子鍵盤音がカラフルに飛び散るメルヘンでドラマチックなトラックはとってもキュート(Kanye Westの1stを思わせるクールなポップさ)、TLCっぽくないフックも当然素敵ですし、なんだかんだでビートを変幻自在にトランスフォームさせる出世魚サウンドで聴いていて飽きないのです(斬新)。本作の最重要曲と目されるのがやはりNasへの謝罪曲「Let Nas Down」、Fela Kuti「Gentleman」をサンプリングした円熟した滑らかホーンがトローリ溶け合う金色チューンは最高にド渋く、このトラック自体もNas好みしそうなものなので、そういうトラックメイクセンスも含めて最高水準のものを(つまりNasの期待に応えたい一心で)ぶつけたんでしょうね。最後を飾るのは@Fauntleroyが客演で参加した「Born Sinner」、ここでも艶っぽい曲線美で纏わりつくドレッシーな生音ホーントラックが最高にオシャレで、そこに滑らかシルキーな@Fauntleroyのヴォーカルが流れてより流麗に仕上がっております(上品)。まるで花弁がほろほろと散り落ちるような可憐なピアノ鍵盤は珈琲に溶けるミルクのように甘美で柔らか、繊細でドラマチックなJ. Coleのラップも抜群にスマートで潤いたっぷりにすべてを包み込む壮麗な一曲です(圧巻)。
とここまでが本編の内容で御座いまして、豪華盤にはもう一枚のボーナスディスクまで付いております(発狂)。まずはRue Royale「Flightline」をサンプリングした殺伐としてモノクロ調な「Miss America」、ザクザクとしたエッヂの効いた荒削りなトラックに乗っかるJ. Coleのタフでハードなラップが活き活き。「New York Times」ではまさかの50 Centが参加、加えてBasも参加していますがここは50 Centが格好良過ぎる。路地裏の喧騒と乾きを思わせる煙たくて冷たいトラックは最高にクールでビリビリ来る、そのうえ“New York”を掲げた曲で50 Centの虚ろに暈けたフックが不穏に響く感触は鳥肌モノで、最後に登場するBasも含めて本当に鉄壁で抜かりのない一曲に仕上がっております(一撃必殺)。The Whispers「Chocolate Girl」をサンプリングした「Is She Gon Pop」はキラキラと鳴り響く鱗粉のような電子音のひらめきが美しく、硬質なビートと共にシンクロして共鳴するJ. Coleのラップも最高。本当に最後を締め括るのは、The Chambers Brothers「So Tired」をサンプリングした(冒頭&端々でBiggie「Notorious Thugs」の一節を引用)「Niggaz Know」。感電させるぐらいの高圧ボルトでバチバチ明滅しながら、鮮麗クールなトラックの上を滑走するJ. Coleは神懸かりな格好良さで御座います(失神)。

Kanye West『Yeezus』にぶつけるだけあって、かなりの充実作で御座います(拍手)。本当にKanye Westとぶつけたり、その後に彼のボスであるJay Zが『MCHG』がすぐとリリースしてきたり(これは不可解だった)、なんて事が無ければもっと売れていたんじゃないかと勘繰ってしまう程の力作ですね。一部では過大評価されているとまで言われた本作、僕はかえって正当な高評価を受けるべき一枚だと叫びたいと思います。本年度のベストアルバムにも全然出てこない本作、全くもって僕には謎、J. Coleはもっと賞賛されていいと思いますが。良い意味ですんなり纏まった派手さのない一枚(だからこそ最近のリスナーにはつまらないと捉えられがち、特にKnaye Westを崇めるリスナーなんかには)、そういう意味では彼のボスであるJay Zよりも、Nasを愛するリスナーの方がJ. Coleを愛するだろうと思います。


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Raheem DeVaughn「A Place Called Love Land」
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父親にJazz奏者であるAbdul Wadudを持つネオソウル寄りのシンガー、Raheem DeVaughnの通算四作目となる『A Place Called Love Land』を御紹介。アフリカ系アメリカンでムスリムだというRaheem DeVaughn、出す作品すべてに“Love”を織り交ぜ、その全作品が高評価されておりますね。2〜3年の間隔で作品をリリースしているし、客演も結構こなしていたりするので不在感もそれほどないんですよね。なんというか、このジャケットっチープすれすれな気もするんだけれど、ネオンな感じがイイ感じですよね。
それではすらりと感想だけ書かせて頂いて・・・・・・ピンクのモヤモヤと同時に出現して一気に誘惑し上げる「Interlude - Album Intro」はChristopher BarnesとIvan Bariasが共同制作、もうここで一気に官能的な気分が昂ります(笑)。Ivan "Orthodox" BariasとCarvin "Ransum" HagginsのKarma Productionsが制作した「Love Connection」はサイバーでひんやりしたダークなトラックに、星雲みたくぼんやりと光を灯す電子音が点滅する感触がなんともスムージー、そしてRaheem DeVaughnの甘くも刺激的なヴォーカルがキュッと鼓膜を締めつける感じもナイス。ばきゅんばきゅんと撃ち込むヒューマンビートボックスがオールドスクールな雰囲気を醸し出す「Wrong Forever」もIvan "Orthodox" BariasとCarvin "Ransum" Hagginsが共同制作、埃っぽいビートをまき散らしながらも流線形のネオンシンセが妖しく揺らめく幻想チューンで、サーモグラフィみたいな色彩で暈けたコントラストを洩らすRaheem DeVaughnのヴォーカルはグッド。DeAndre "Dre King" Shaiferが制作の「Interlude - Don't Go」ではRaheem DeVaughnのカラメルで出来た細い線みたいな、甘く柔らかなファルセットがぶあっと洩れ出るセクシーな一曲。「Complicated」もIvan "Orthodox" BariasとCarvin "Ransum" Hagginsが共同制作、柔らかく繊細なギター弦をポロポロと爪弾き零す流麗なトラックに、まったりと溶けるRaheem DeVaughnのビターで甘美なヴォーカルがじんわりと鼓膜で溶けます(美味)。Jay Fenixが制作を担当した「In The Meantime」は古き良きソウルを再現したグルーヴィメロウな一曲で、シャウト気味に歌うソウルフルなRaheem DeVaughnもまたよろしい(惚直)。DeAndre "Dre King" Shaifer制作の「Interlude - Rebirth」はまるで一人EW&F状態で鮮烈、自身の歌声を幾重にも織り重ねて柔と剛を駆使する流星のようなハーモニーに思わずウットリ。Boogie Wizzardが制作を担当(ソングライトはあのNe-Yo)した「Ridiculous」は甘酸っぱくも切ない繊細メロウで正にCompoundサウンド、これが合わないかなと思いきやバッチリRaheem DeVaughnは乗りこなしていて、バキバキとトランスフォームするような鉄骨ビートに、カラフルな風船シンセがゆわゆわと浮かぶような反比例さがナイス。心なしかReheem DeVaughnの歌い口もNe-Yoっぽくなっている気がしますね、どこまでも舞い昇ってゆくような靄がかったこの魅惑のヴォーカル。モロにPrince主義なサイケデリックでいて気品溢れるソウルが滴っている「Pink Crush Velvet」は、まさかのMario Winansが制作を担当(Ryan Tobyがソングライトに関与)。この無重力空間でネットリと絡み合う男女の蜜愛みたいな滑らかさと悩ましさ、その蜜の合間を縫って熱を放出するエレキギターのグラインド、Raheem DeVaughnの仰け反って絶頂を迎える官能的ファルセットとすべてが神懸かりな美しさ(悶絶)。Dru HillのJazzが参加した「Interlude - Dear Love Queen」は、まさかのインタルード扱いでなんだか勿体無さ過ぎて辛い(大泣)。しかしそのままAdd VocalでJazzが参加している「Greatest Love」へと繋がるので許します、制作はMaurice "Mo Digga" Randolphが担当。ゆっくりトロトロと溶けてゆくメロディ展開といい、ヴォーカルアレンジといい、これは完璧に90年代R&Bを彷彿とさせるアダルトスムーズな一曲で耳馴染みが抜群で大好き。Adonisが制作した「Cry Baby」が醸し出す、雨で煙るようなブルージーなしっとり感も抜群にセクシーで、シーツの中でじっとりと滑らか甘美に絡み合う男女さながらの、Raheem DeVaughnとメロディの密着感と生温かな感触がたまりません(溺)。バウンバウンと微振動を起こしながらシンクロするシンセが綺麗な「Make A Baby」はRC WilliamsとJah Bornが共同制作、スクリューを効かせながらドロドロとした愛液を垂らすMiguelチックな影がちらつく「Make Em Like You」はDeAndre "Dre King" Shaiferが制作を担当。同じくDeAndre "Dre King" Shaiferが制作を担当したネオソウル感丸出しの小春日和ミッド「Interlude - Happy」からそのまま、エンディングを飾る「Maker Of Love」はもはや完璧なシームレス。Boney Jamesが制作&客演(Saxophone)したこの曲は勿論モロにJazzチューン、芳醇でほろ苦いワインレッドなトラックに溶け合うRaheem DeVaughnのヴォーカルで鼓膜がヒリヒリ灼けますね、シルキーでドレッシーでエレガントなスムースミッドで夜にピッタリなムーディー曲(溺愛)。

いやーーーーーーーー良いッ!なんというか、甘い密味、これぞ愛の醍醐味。なんといえばいいのか、まるで宇宙に浮かぶ遊園地みたいな、そんなサイバーでメルヘンな甘さが詰まった素敵な一枚で御座います(意味不明)。ネオソウルっぽさがあるように感じるんだけど、どこかPrinceっぽくも感じたりしたんだけどなー(執拗)。過小評価されているような気のする秀逸盤、意外と今年はこれを聴き込んだんですよねー。


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Pusha T「My Name Is My Name」
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人気兄弟ラップデュオ、The Clipseの片割れであるPusha Tの記念すべきデビューアルバム『My Name Is My Name』を御紹介。The ClipseといえばThe Neptunesの後押しを受けデビューし、デビューアルバム『Lord Willin'』は特大ヒット。その後も通なファンには出す作品すべて高評価を得ているThe Clipse。とりわけこのPusha Tに関しては、グループを離れソロでの客演を多くこなしていて、“そのうちソロで活動しそうだなー”と心配していたら、案の定Kanye West率いるG.O.O.D. Muscと契約(まさかのStarTrak離脱)。Kanye West作品で悉く活躍しながらも、なかなか出なかったソロ作品はようやくリリースされましたね。このバーコードのみをあしらったジャケットがなんともインパクト大、この数字の羅列にはなにか意味があるのだろうか(勘繰)。
もうみんな持っているでしょうし今更ですが感想を・・・・・・まずはKanye WestとSebastian Sartorが共同制作した「King Push」でスタート、ヅタヅタと激しく切り裂くようなドラムスビートに悪魔的にこだまするエコーヴォーカル、その中で暗躍するPusha Tの怪しくも鋭いラップにゾクゾクしますね。Don CannonとKanye Westが共同制作(Add制作で88-Keys)し、サンプリングにBunny Sigler「Shake Your Booty」やLuke Vibert「Pots And Pans」をあしらった蠢きポコスカチューン「Numbers On The Board」は、中でもやはりJay-Z「Intro: A Million and One Questions / Rhyme No More」からの声ネタ引っぱりがどうしてもインパクト強烈で困る。ただこの単調で無機質な造りながらも、得体の知れない怪物が蠢きながらも迫り来るようなトラックのヒリヒリ感と、Pusha Tの淡々とラップを繰り出す感じが上手ーくリンクしていてやはり中毒性は高い。Swizz Beatzが制作(Add制作にKanye West)し、Chris Brownが客演参加した「Sweet Serenade」もビタビタと打ち付ける単調な怪奇現象ビートが濃霧のようにじわじわ広がる暗澹チューンで、Chris Brownの冷気みたいにスーッと響くフックも面白い。Kanye WestとHudson Mohawkが共同制作した「Hold On」は、オートチューンを使って霊魂みたくヘロヘロ漂うヴォーカルも面白いし、Duralcha「Ghet-To-Funk」を早回しっぽく下敷きにしたレトロと疾走感が入り混じるトラックもお気に入り。ただ僕はそこまでRick Ross客演には盛り上がれないという(苦笑)、Pusha T単独だったらもっと好きになったかもしれません。後見人であるPharrell Williamsが制作を担当した「Suicide」では、盟友Ab-Liva(The Clipseも所属するRe-Up Gangの一員)が客演参加という事でなんだかホッと落ち着く(笑)。ゴムが擦れるようなキュイキュイ音の連続に、ちょっとスカッと抜いたような二人のラップがプカプカと浮かぶ感触はいつものアレ。The-Dreamが客演した「40 Acres」は、そのTerius "The-Dream" NashとRico Beatsが共同で制作。静寂という膜の中で鼓動を打つようにミステリアスなエコービートが巡る退廃ドリーミーなトラックで、ゆらゆら幻影のようなPusha Tのラップもさることながら、やはりThe-Dreamの下手っぴキュート(褒言葉)なヴォーカルがかなり効いている一曲でグッド。JeezyとKevin Cossomというナイス過ぎる客演陣が華を添える「No Regrets」はHudson Mahawkが制作(Co制作にBobby "Beewirks" Yewah)が担当。暗闇で弾け飛ぶ火花のような鮮烈で尖った電子音&ビートの炸裂感は抜群に格好良く、Jeezy登場時にはダートで歪んだ曲線シンセに切り替える辺りも巧い演出、Kevin Cossomのダークでソリッドな歌声も怪しさ満点で恰好良い。The Robotboys「Audition」をサンプリングした「Let Me Love You」はPharrell手製だろうと思いきや、まさかのThe-Dream制作でちょっと意外。まるでThe Clipse仕事を念頭に置いたかのような電子鍵盤のチープな数珠繋ぎ感がいなたい、客演にKelly Rowlandを迎えるもちょっと勿体無い使い方の気がしますが(困惑)。Kanye WestがKwes「LGOYH」をサンプリングした地獄の煮沸ビートが彼らしいグロテスクさを呈している「Who I Am」では、2 ChainzとBig Seanというちょっと頼りない(個人的意見)が脇を固めております。Kanye WestとNottzが共同制作した「Nosetalgia」では、Bobby Bland「(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right」をサンプリングしたモノクロチックな激渋ザクザクチューンを繰り出しており、これはかなりNottzの趣味が強いと僕は感じます。しかも客演には無敵状態のKendrick Lamarが参加、この曲の錆ついた感触といいザラザラしたトラックでかなり鉄板な出来映え。Kanye West制作(Co制作にNo I.D.、Additional InstrumentsにはJeff Bhasker)の「Pain」は、Kishmore Kumar「My Name Is Anthony Gonsalves」が使われている模様。いかにもKanye趣味な絢爛で大袈裟で大聖堂チックなトラックは敬遠したいけれど、ヘロヘロガス使いのFutureが客演フックしているんでなんだか聴いてしまうという(中毒)。最後を締め括るのはPharrell Williams制作の「S.N.I.T.C.H.」で、Pharrellのオートチューン使った嘗め上げるようなヴォーカルも味わいあって良いし、この殺伐として飄々とした感じにこそPusha Tの悪魔的なラップは映えると僕は思います。

勿論、The Clipse好きなのでPusha Tのソロも大好きですが、だからこそそんな本作には嵌らない僕がいまして。なんだか物足らないというか、そんなKnaye West経由のサウンドと相性良いと思わないんですが(堅物)。やっぱり好きな分だけ期待が異常に高かったというのもあるのでしょうが、やっぱりPusha Tはピコピコした電解質なビートに乗ってこそな気がします(阿呆)。とは言っても音楽系の年間ランキングでは軒並み上位にランクインしていますし、きっと僕が時代遅れなだけなんでしょうが、感性的にはあまり惹かれなかった気がします(鈍感)。


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12/22のツイートまとめ
roc_queen

仕事忙しい上に、ポケモンX始めたもんだから、Twitterも見てなけりゃ、ブログも書けない。
12-22 17:54

今年の年間ベストは、間に合いそうにない……
12-22 19:47

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Tinie Tempah「Demonstration」
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South London出身のナイジェリア系イギリス人、Tinie Tempahの通算ニ作目となる『Demonstration』を御紹介。前作『Disc-Overy』は本国だけでなく、全米でも大ヒットしかなり話題となりました。この『Disc-Overy』は僕もとっても気に入っていて、その年の年間ベストでも第九位に選出したほど。あれからおよそ二年の間隔を空けての、満を持しての2nd、この二作目というのがどのアーティストにとっても鬼門な訳でして(笑)。しかし、この白黒で筋肉隆々とした上半身を少し見せつつ、目線を赤くペイントして塗りつぶしたジャケットは素晴らしいの一言(拍手)。
前置きはこのぐらいにして感想を書き書きしますね・・・・・・まずはAdeleっぽい悲しく暗いヴォーカルが魅力的な、女性シンガーElla Eyreが客演参加した「Somebody (Place In The Sun)」で幕開け。iSHiが制作したこのトラックは冒頭をしとやかなピアノ伴奏で始めて暗雲垂れ込め、その後雷雲となり稲光を起こしながら荒れ狂う電子音の轟きが格好良く、Tinie Tempahのザクザクした感触のアグレッシヴなラップもクール。2 Chainzを客演に招いて共に大暴れする「Trampoline」はDiploが制作(Co制作にDIA)、バブルシンセがバチンバチンと音を立てて弾けるビートの炸裂に乗せて、無邪気且つ攻撃的に飛び跳ねる二人の身軽なラップが鼓膜のチクチク刺さる縦横無尽アッパー。Balistiqが制作し、Vaali & S. S. Thaman「Kalasala Kalasala」なる楽曲をブツ切り使いしたM.I.A.っぽいタッチのハチャメチャアッパー「Don't Sell Out」も面白い。飛沫を上げるようなビチャッビッチャな電子音の暴れっぷりも良いし、それに乗じて電撃痙攣起こすLudacris顔負けのぶっといラップで暴れるTinie Tempahもグッド。Tinie Tempahヒットの立役者であり、英国の隠し球ともいえるLabrinthが制作&客演した「It's OK」は、ザクザクと突き刺さる棘ビートとズキズキ疼く鮮血滲むシンセの華麗さがドラマチックで、Eminemをもっと繊細かつメタリックにしたようなトラック。煽り掛け声が遠くで聴こえ、3Dチックにガチガチに硬質なビートが飛び出るRick Rock制作の「Mosh Pit」では、Dizzee RascalとTy Dolla $ignという濃く強い手練が揃い踏み。バキバキにへし折る鉄筋ビートはまるでトランスフォームするメカみたいにピカピカで厳つく、その上をファンキーに飛び跳ねるTinie Tempahと、秒速ですべてを撃ち落とす殺戮マシーン状態のDizzee Rascal、そしてマッタリと甘く絡まるTy Dolla $ignというコンボもバッチリ炸裂しております(必殺)。Tom Rowlands制作でGator Creek「Betty Jean's Mama」をサンプリングした、カントリーとロックの風味が絶妙にブレンドされたサイケ光線チューン「Looking Down The Barrel」もナイス。再びiSHiが制作した先行シングル曲「Children Of The Sun」では、白人シンガーJohn Martinを起用した得意の布陣。波動のようにすべてを磁場に引き込み破壊する電子チューンは圧巻で、John Martinのヴォーカルも相俟ってとってもドラマチック。Alex Da Kidが制作のキャバレーチックなサウンドを継ぎ接ぎに当てはめた「Witch Doctor」ではCandice Pillayが客演参加、こういうのも混ぜ込む辺りが面白いね(肩透)。またもやDiploが制作を担当した、ぶくぶく泡みたいなシンセがツルンツルンと浮き上がるソープミッド「Shape」、客演にBig Seanを招いたのは正解でなかなかナイスな滑らかさで攻めています。またまたLabrinthが制作&客演で参加した「Lover Not A Fighter」のサイケデリックな電磁波シンセの波状攻撃チューンは最高の出来映え、その中で残像を魅せつつ光となって切り裂くTinie Tempahのフラットなラップも、Labrinthのポップで眩いヴォーカルもグッド。Naughty Boyが制作の「A Heart Can Save The World」では、まさかのEmeli Sandeが客演で参加。曲線を描くスペクトログラム様な電子音を瞬きに、ツタタタタタと昂るドラムビートのコントラストが美しい。それはそのまま鉱石みたいな輝きと硬さのTinie Tempahのラップと、花弁のように甘く儚いEmeli Sandeの融合にそっくり似ています。英国らしい気品と流麗さが雄大に広がる美しきミッド「Tears Run Dry」は、間違いなく本作中で最高得点の一曲ですね(絶賛)。ストリングスとピアノを奏でる部分では草原を駆け、途中ではプクプクと透き通った水中に静かに沈んでゆくような幻想的なタッチ、そこに透明感溢れる潤いたっぷりなSway Clarke IIのヴォーカルが揺れる素晴らしい一曲です(感動)。Naughty Boyが制作の壮麗で朝陽のような優しく鮮烈な煌めきを放つ癒しミッド「Lost Ones」も負けじと素晴らしく、客演のPaloma Faithの鮮やかで奔放なヴォーカルも美しい。最後を締め括るのもNaughty Boyが制作で、なんとLaura Mvulaが客演参加している「Heroes」。ここはもう野性味溢れつつもどこか憂いを帯びて甘美なLaura Mvulaのヴォーカルが圧倒的存在感、Adeleに負けないドラマチックな展開を巻き起こしています(飲込)。あとは明記無しですが、隠しトラックとしてZane Lowe制作の「5 Minutes」も収録されていてこれが要チェック。LL Cool Jの名曲「Mama Said Knock You Out」をばっちりサンプリングしたバキバキな爆弾アッパーで、血潮が滾る沸点超え確実な鉄槌チューンでたまりません(咆哮)。

EDMやらアンビエントやら、Hip Hop界はめまぐるしく変貌しつつも、やはりどこか蔓延という言葉が頭をもたげる現状(の気がする)。そんな風潮をものともせずに、相変わらずのバチバチ電撃を走らせる独自のHip Hopで勝負しているTinie Tempahにやっぱり好感が持てます。それこそ英国の一流アーティスト達がこぞって集結しているところを含めて、このTinie Tempahに対する信頼(期待)が伺えますよね。また、前作でガッツリLabrinthに注目した僕は、本作で次にSway Clarke IIに俄然注目しております(応援)。ここ日本でももっと話題になってもよさそうなのになー、絶対に聴いて損はありませんよ(警告)。


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12/13のツイートまとめ
roc_queen

さて、今年の僕の年間ベストに、Kanyeはランクインするのでしょうか。
12-13 12:33

Busta x Q-Tipのヤツ、アートワークがすっごい洒落てるなぁー。
12-13 12:39

欲しい盤は、ここ日本じゃ手に入らないんだよー。
12-13 12:42

ポケモンとDS買うか、ヘッドホンを新調するか、Bluetoothスピーカー買うか、iPad mini買うか、はたまた思い切って一眼レフを買うか……
12-13 12:59

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Yo Gotti「I Am」
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MemphisはTennesseeの出身で幾つものMixTapeをドロップしている猛者、Yo Gottiのメジャー二作目となる『I Am』を御紹介。インディ界ではかなりの人気を博していたYo Gotti、それこそ客演を多くこなしながら着実に地盤を固めていた感はありましたね。前作『Live From The Kitchen』はセールスこそ伸びなかったらしいですが、それこそHip Hop愛好家の中では、なかなか愛された一枚となりましたっけ。それからYo Gottiは自身のレーベル“Cocaine Muzik(略してCMG)”が大手であるEpic Recordsとパートナー契約を結んだそう。その契約金額も数百万ドルなどと報じられていたから、やっぱりかなりの人気者なんでしょうね。
それでは無知なりにざっくりと気持ちだけで感想つらつら・・・・・・まずはCool & Dreが制作を担当し、Bunny Sigler「My Other Love」を激渋に濃厚サンプリングしたソウルフルな「I Am」で幕開け。ザラザラした砂塵テイストな加工を施した焦げ臭いメロウに、Yo Gottiの硝煙みたいにスモーキーなラップが燻し銀に光ります。Infamous制作の「Don't Come Around」では女性シンガーKendall Morganが客演参加、鈍色の輝きでおどろおどろしくも艶かしく蠢くシンセサイザーがクール。Yo Gottiの煙焔のようなラップがじわじわと鼓膜を焼き火傷を負うこと必至、だけれどKendall Morganの氷雨のように冷たいヴォーカルがそれをアイシングする感触。注目株であるRich Homie Quanが制作&客演で参加した「I Know」は、Club Nouveau「Why You Treat Me So Bad」をサンプリング。ダークで不穏なシンセがピチョンピチョンと滴り落ちるような響きで、その中でじっとりとした念仏フックを聴かせつつ、ゆっくりと絞め上げるようなYo Gottiの爬虫類チックなネッチリラップが耳にガッツリ残ります(中毒)。「Sorry」はGreedy Moneyが制作を担当、南部産らしいトラッピーなトラックに乗っかり紫煙のような怪しいラップを燻らすYo Gotti(幻覚)。再びInfamous制作でMillie Jackson「Phuck You Symphony」をサンプリングした「F-U」、声ネタをベトベトと貼付けつつもチープなループでテカテカしたセロハンシンセを重ねたトラックが中毒性高い(危険)。Yo Gottiの抑えめで焦げ臭いラップをオートチューンエフェクト掛けてヘロヘロさせるのも美味いし、客演でMeek Millが登場して厳つく攻撃的な機関銃ラップを聴かせるのもナイスアクセント。本作でもかーなーりーのお気に入りになっているのが、Masterpiece「Love Is What You Make It」をサンプリングしたThe Youngstars制作の「Pride To The Side」。色鮮やかに煌めき舞う鱗粉のようなメロディに乗せて、Yo Gottiのバッチリ濡れたサグいラップが鼓膜をしとやかに包み込むドラマチックな一曲で美しくたまりません(溺愛)。J. ColeとCanei Finchが揃って参加した「Cold Blood」は、そのCanei Finchが24-Carat Black「Poverty's Paradise」をこれまた渋くサンプリングして制作。しとしと降る雨のようにウェットなメロディが煙るように漂う感触がノスタルジックさを増幅させて格好良いし、この手のセピア色チューンにJ. Coleを配した時点で僕は即死状態でした(一撃)。しかしこういうストリングスが吹き荒ぶ燻し銀トラックで聴く、Yo Gottiの硝煙ラップが焦げ臭くも芳しくてエレガントで素晴らしい(惚)。この題名だけで興奮してしまうのは間違いない「Lebron James」は、最近よく名前を見かけるLee On The Beatsが制作を担当しております(脂乗)。これがヒンヤリ冷たいシンセが蔓延する感触と、怪物がガブガブと噛み砕くようなビートのつんざめきが病み付きにさせるホラーコアな一曲で、こういう暗澹としたドロドロトラックで聴くYo Gottiも恐ろしくカッコ良い(痺)。Da Honerable C.N.O.T.E.が制作を担当した「Die A Real Nigga」は、ヘロヘロと硫黄ガスみたく歪んで浸食する毒々しいエフェクトを施した一曲。Arthur McArthurが制作した「King Sh*t」では、一時期は最もキングに近かったT.I.が客演で参加(最近は客演多いし、それこそ客演の時の方が活き活きしている)。ピコピコポカポカと腑抜けたビートとは裏腹に、ザクザクズタズタに微塵切りよろしく切り刻む二人のラップが最高にホット、こういう鉄筋ビートのみで荒々しく突き進む感じはツボ(発狂)。Phatboizが制作した流麗メロウな「Respect That You Earn」では、Ne-YoとWaleというこれまた鉄板な客演が実現。なんというか雨で煙るような湿り気たっぷりな曲線メロウで切なくて綺麗、この三者の相性も意外と良くてすんなり聴けてしまうソフトパッケージ曲。Metro Boominが制作した「ION Want In」のグドグド感はやはり毒性強くてなかなか抜けない、こういうサウス丸出しも最近じゃあまり無い感じ(盛者必衰)。最後を飾るのはJeezyとYGという強力にして濃密なサグ人選が光る「Act Right」、P-Lo制作の野郎臭い掛け声と不穏な毒ガスシンセが蔓延するポツポツビートが限りなくイルですし、それを背景にこれまた三者三様の八つ裂きラップが深々と繰り広げられるというクールさ(凄惨)。

昨今のシーンにおいて、“いやいやもうRick Rossはいいから、Young Jeezy戻ってこないかなー”なんてぼやいているのは、きっと僕だけではないハズ(笑)。そういう僕みたいなリスナーの心にポカンと空いた穴を、バッチリ埋めてくれるのがこのYo Gottiですね(大抜擢)。ただ、なんなんだろう、完全なサウス仕様なのにどこか東海岸な空気感を醸し出している気がして、だからこそドハマりしている自分がいる気がします。トラックのピッチはさほど速くないので僕の苦手分野の筈なんですが、それを退屈と感じさせないYo Gottiの鉱物的な硬派ラップにヤラレっ放しな一枚で御座います(撃沈)。


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12/12のツイートまとめ
roc_queen

DameとJiggaは良好関係になってるみたいで、よかった。
12-12 15:33

ポケモンしたいから、ゲーム機とカセット買おうかな。てか、この呼び方が古いし、ついていけないか。
12-12 16:06

俺はKanye派ではまったくないけど、『Yeezus』がグラミーに2部門ノミネートのみ、ってのは、意味不明な気もする。
12-12 21:27

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12/11のツイートまとめ
roc_queen

Timbalandはどーでもいいとして(失礼)、Jodeciが戻ってくるのかい?あり得る、K-Ci & JoJoがカムバックしたし。
12-11 01:40

画像: Ace Hoodの顔はつるんとしていて、だからこそメロウ曲が映える(不可思議)。 http://t.co/PMtKZ543uU http://t.co/nJjLPSFDY5
12-11 12:23

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Ace Hood「Trials & Tribulations [Deluxe Edition]
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いつぞはDef Jam Recordingの隠れ人気キャラとまでいわれた(個人的見解)、Ace Hoodの通算四作目となる『Trials & Tribulations』を御紹介。元々はあの謎の人物DJ Khaledにフックアップされてシーンに登場したAce Hood、徐々にその人気を拡大していき、前作『Blood Sweat & Tears』は全米八位を獲得しました。なのでこのままDef Jamで頑張るかなと思っていたんですが、まさかのCash Moneyへ電撃移籍。まあ、長いドレッドヘアといい、どこかLil Wayneっぽい風貌ではあるんでしっくりくるのかな(かえってややこしい)。ただ水面下でしれーっと作品は定期的にリリースしているので(水面下もなにも、どれも売れているが)、やはり本国での人気はとっても高いのでしょうね。
ではザックリとですが内容に触れておきますね・・・・・・まずは表題曲となる「Trials & Tribulations」がThe Renegades制作曲、スリリングで金属製の響きで迫るハードコアなトラックに、唾飛ばしながら前傾姿勢でラップを衝突させるAce Hoodの気迫。Cardiakが制作を担当した「Another Statistic」はバスバスと空気を含ませ蹴り込む無骨なビートがキレキレでカッコ良く、Ace Hoodの落ち着き払った殺伐ラップも堂に入っていてまたカッコ良い。客演にMeek Millを招いた「Before The Rollie」はちょっと失速気味に感じるSonny Digitalが制作を担当、しかしSonny Digitalらしい水面模様の電子音がキラキラと光り、その背景で大聖堂的大袈裟メロディが巡る一曲。ただこういうシリアスギャングチックなギラギラチューンでは、Meek Millが活き活きしていて分が悪い気も。LEE ON THE BEATSが制作した「We Outchea」ではレーベルメイトとなったLil Wayneが客演参加、軋むように響く冷たくささくれ立った電子音と連続投下される爆弾ビートがアグレッシヴでクール。Ace HoodとLil Wayneの相性も抜群で、特にLil Wayneが登場した途端に静寂が訪れ、どこか被膜したメロウが漂う演出は巧い。「We Them Niggas」はBoi-1daが制作を担当、小雪の降る様な鍵盤音をバックに敷きながら、バウンバウンと大きく跳ねる太いビートを先頭にし、Ace Hoodが空間を作りながら拡張するラップがキュービックでナイス。Arthur McArthurが制作を担当した「The Come Up」ではまさかのAnthony Hamiltonが客演参加、儚くも鮮麗で煌びやかなピアノ鍵盤のループに、淡々とラップするAce Hoodとソウルフル且つ華麗に舞うAnthony Hamiltonのヴォーカルが素晴らしいコントラスト。B. Yewahなる人物が制作の「Rider」ではChris Brownが客演参加、光を屈折させて色めく氷結シンセで構築されたクリスタルメロウなトラックも素敵ですし、早口スピットしそれを幾重にもエフェクトして残像を魅せるAce Hoodのラップもクールで最高。そしてこういう零下で聴かせる霜テイストなChris Brownのヴォーカルの美しさ、これはもう文句つけられない(悔)。再びLEE ON THE BEATSが制作を担当した「Hope」は、昔のソウル曲の破片を薄く削ってそれを散らす様なメロディ感が美しく、それを時に幻想的に燻らせながらボツンボツンと重ためのビートで釘打つ感触もナイス。「Pray For Me」はまたもやSonny Digitalが制作を担当、相変わらずの殺伐冷血な厳ついシンセが突き刺さるスリラーな一曲。そして本作からの大ヒットとなったシングル曲が、Mike Will Made-Itが制作した「Bugatti」。Mike Will Made-Itらしい怪奇ホラー的なシンセが蠢くトラックに、Rick RossとFutureが参加というだけで鉄板ながら、ただ僕はそんなにハマらなかったという(苦笑)。「How I'm Raised」はBen Billion$ & Schifeが制作を担当、もはや現代Hip Hopの象徴である(意味不明)猛毒ガス蔓延系のトラックは窒息しそうなぐらいに聴き手を圧迫、その中でAce Hoodがユラユラと怪しく気体化エフェクトしたラップを忍ばせる感じがグッド。Gladys McFadden & The Loving Sisters「Bread Alone」を45回転早回しでサンプリングした、Streetrunnerが制作した「My Bible」は限りなくツボ。ドカッドカッと重たくキックするファンキーな咆哮アッパーは激渋で恰好良いし、こういうトラックでも無骨にハードにラップで鼓膜を砕いてくるAce Hoodはなかなかの強者かと。あの大御所Betty Wrightを客演に招き、エレガントソウルを極めてしまったじっとりメロウ「Mama」は、Ace Hoodの後見人であるDJ Khaledが制作を担当(!)。もともとこういうメロディの立ったセンチメンタルなトラックは巧いAce Hood、Barry Manilow「Sweet Life Mama Can You Hear Me」ネタ使いのトラックに、Betty Wrightのふくよかでディープな艶美ヴォーカルが舞うのもたまらないです(芳醇)。とここまでが本編の内容で、豪華盤には加えてボーナス曲が3曲収録。まずは大ヒット曲を更に強化補填した「Bugatti Remix」、Wiz KhalifaにT.I.にFrench Montanaに2 ChainzにBirdmanとかーなーり濃いめの客演陣(そして脂のノッている)が鉄壁のマイクリレーを披露。Young Chopが制作した「Fuck Da World」も、辻斬りばりのAce Hoodの早口スピッとが活きている一曲でクール。最後を締め括るのはCardiak制作の「Have Mercy」、まあこういった曲が続いてしまって飽き飽き感はちょっとアリかも。

Ace Hoodって僕の周りではあまり話題にならないんですが、なかなか良い味出している苦労人で応援はしております。ただ、前作に続いて本作もそうだけどちょっと硬派な部分が強調され過ぎている気がするんです。僕的には1st『Gutta』と2nd『Ruthless』ぐらいのメロウ配分多めなAce Hoodが好みだったりするので、次回はそういう曲を増やしてくれたらなー(願望)。


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12/09のツイートまとめ
roc_queen

BiggieがJiggaに影響を受けて、リリックを紙に書き留めなくなったのも、有名な話。
12-09 00:50

Jay Zが9部門かぁー、なんだかなぁー。
12-09 16:09

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12/08のツイートまとめ
roc_queen

最近はTwitterもあんまり出来ないし、ブログも読書も中途半端。
12-08 23:42

てか、久々にkindleの機内モードを解除、kindleよりツイート投稿中。
12-08 23:44

聴いているのは、Kwesiですが。
12-08 23:46

年間ベストの締め切り、迫ってます。
12-08 23:49

でも、書けそうにないって悲しさ。そして、普段kindleでタイピングしないから、めっちゃ間違える。
12-08 23:50

色んな音楽デバイスがあって、それぞれにプレイリスト作っているけれど、Kindleはなかなか軸が決まらない。ほぼ、写真アルバムになってる。
12-08 23:52

ちょっと、KindleをMacに繋げるか。音楽を入れ替えよう。
12-08 23:54

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Lyfe Jennings「Lucid」
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元囚人番号268-192(そう、この番号は彼のデビューアルバムに冠された)こと実力派シンガー、Lyfe Jenningsの通算五作目となる『Lucid』を御紹介。新人の登竜門であるアポロシアターのショウでの優勝もですが、その昔、放火の罪で10年間の服役経験を持つ事も話題となったシンガーですね。その後は元交際相手の女性宅に押しかけ暴れた挙句に発砲し、駆けつけた警察からも逃げて、カーチェイスを繰り広げた結果事故を起こし車が大破し逮捕。その罪で懲役三年半の実刑判決を受け、ようやく戻って来て発表されたのが本作『Lucid』で御座います。しかし、この逮捕前にも引退をほのめかしていたので、刑期を終えてももうアルバムは聴けないかなーと諦めていたんですが、こうやって無事にリリースされてなんだか嬉しかったです。そうなんです、このブログではまだ取り上げてないんですが、実はLyfe Jenningsの作品はこれまでの五枚すべて持っております(隠)。
それではザックリと簡単無味ですが感想を書かせて頂いて・・・・・・まずはピアノを凛と響かせるしっとり滑らかな流麗ミッド「I Am」、制作はLashaunda "Babygirl" Carrが制作を担当しております。少しはスキーながらもどこか潤んだヴォーカルも効かせるLyfe Jenningsの、スウィートで繊細な部分が見事に描かれていて、まるで朝靄のような明媚な輝きに溢れた一曲で綺麗。先行シングルにもなった因果応報バラード「Boomerang」は、Lyfe JenningsとLashaunda "Babygirl" Carrが共同制作。エレキギターをグイーンとひん曲げて唸らすメロディが力強くタフでドラマチックで、それを軸に花弁が舞うように鳴るピアノ旋律が儚げで、Lyfe Jenningsの憂いを含んだ内省的ながらもじんわりと熱を放出する、叫ぶ様なヴォーカルが胸を打ちます。「I Wish」はLyfe JenningsとB.A.M.が共同制作、これまた燦々と降り注ぐ陽光のような煌めきが聴き手を真っ白になるほど眩く包み込む透明ミッドで、Lyfe Jennignsのしゃがれているんだけどしなやかで甘い歌声がジーンと胸に響く一曲。ポロンポロンと零れパール粒みたいな鍵盤音が華やかで繊細なスロウ「College」もやはり澄んでいてキレイ、制作はLyfe JenningsとB.A.M.が共同制作という事で納得の美メロに。Lyfe JenningsとDa Honorable C.N.O.T.E.が共同制作した「Rock」は、すーっと吹き抜ける夜風みたいに、ひんやりスムージーな電子音がメロディに絡む一曲で、キラキラ光る濡れたアスファルトの上を滑走するようなLyfe Jenningsのクールな歌声がたまらなくセクシーな一曲です(興奮)。自身の息子であるPhoenix Jennings(彼の二作目のタイトルはここから)とElijah Jenningsが揃ってフューチャーされた「ABC's」はLyfe JenningsとB.A.M.が共同制作、子供達の声もあってかどこかほんわかと可愛くて和やかな感触が素敵な一曲に仕上がっています。Lyfe JenningsとLashaunda "Babygirl" Carrが共同制作の「17 To A Million」は女性シンガーのJennifer Nelsonが客演参加(どことなくAlicia Keysを思わせる艶っぽさとフォーキーさの混じった歌声が素敵)、指スナップとピアノ伴奏で進行するレトロでエレガントなソウルチューンで、フローラルで芳しい上品な一曲でウットリ。同じくLyfe JenningsとLashaunda "Babygirl" Carrが共同制作のピアノ弾き語りバラード「When It's Good」も清廉として美しく、ポツポツと降る春の雨のように切なくて静かでほのかに甘いLyfe Jenningsの歌声がたまりません(刹那)。本作で最も現代的なR&Bチューンになっているのが、またまたLyfe JenningsとLashaunda "Babygirl" Carrが共同制作の「Famous」。バスバスと打つビートにギャラクティカルな氷結シンセが浮遊するクールな感触のトラックに、眩い流星群のように浪漫チックなLyfe Jenningsのヴォーカル(そして彼の奥の手であるラップも)がシュンシュンと鼓膜を通過する一曲。最後を飾るのはドラマチックでタフなバラード「Winner」、Lyfe JenningsとLashaunda "Babygirl" Carrが共同制作。Lyfe Jenningsの氷雨のように冷たく、鋭く尖り、哀愁漂うヴォーカルがハートに突き刺さる素晴らしいバラードで感動するばかり。特に終盤のつんざめくような伸びやかな歌い口、涙腺を刺激されまくりでたまりません(崩)。

色々あった事を悔やんで更正したのか、まるでゴスペルアルバムの様に清らかで澄んだ(つまり“Lucid”である)一枚になっていて、これはこれまでの作品とまたちょっと違っていますね。それこそ初期のニ作品がサグい印象、三作目『Lyfe Change』は分かり易いメジャー仕様、そして最も清廉としていた印象の強い(そして僕のお気に入りである)四作目『I Still Believe』とあった訳ですが、僕的にはその『I Still Believe』と地続きだった感じがして、正直に好きです(爽快)。

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12/07のツイートまとめ
roc_queen

今年は年間ベスト、ブログ書けそうにないなぁー。残念だー。
12-07 20:51

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12/05のツイートまとめ
roc_queen

Photoset: John Legendの妻となった、Chrissy Teigen。 http://t.co/1YLxR17iCO http://t.co/Kabb8VH6mM
12-05 01:05

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12/04のツイートまとめ
roc_queen

ブログ更新、Kanye好きなら、『Yeezus』よりもむしろこちらを聴くべき?(暴言) John Legend「Love In The Future」 http://t.co/0JrvKBdmSX
12-04 22:32

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John Legend「Love In The Future」
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Kanye Westにフックアップされた本格派ソウルシンガー、John Legendの通算四作目となる『Love In The Future』を御紹介。前作『Evolver』からおよそ五年ぶりと(その間にはThe Rootsとの傑作コラボ盤『Wake Up!』を発表しているけれど)、思ったより長いスパンが空いて発表された本作。このピンボケした様な薔薇だけを写したジャケット、とにかくシンプルでJohn Legendが写っていなくて、これはもうG.O.O.D. Musicっぽいなーって感じかな。前作『Evolver』でかなりふんだんにエレクトロを取り込み(ここでかなり評価は分かれた)、『Wake Up!』でまたレトロに戻してから臨む本作は、どのような作品になっているのか。
それではちょこちょこ本能的な感想を書かせてもらうと・・・・・・John Legend、Kanye Westと共に本作Executive Producerを務めているDave Tozerが制作した(ソングライトにはAli Shaheed Muhammadの名も)、フォーキーなイントロ「Love In The Future (Intro)」で静かに幕開け。そのまま流れ込む「The Beginning...」はHit-Boyが制作を担当(ソングライトにはJames Fauntleroy II、Co制作にKanye West)しており、脆く繊細だけど淀んだ感触の色彩で漂うピアノ旋律と重たいビートの絡みが絶妙な暗澹さ、快感と背徳の間へ揺れながら墜ちてゆくような沈殿メロディに、John Legendのこれまた影のあるセクシーな歌声が響きます(溺愛)。そんな妖艶で深い夜を共にした後に、朝陽が射して目覚めるような煌々とした光をきらつかせるミッド「Open Your Eyes」は、Darhyl "Hey DJ" CamperとKanye Westとの共同制作。The Detroit Emeralds「You're Getting A Little Too Smart」をサンプリングした優美メロディに、ウキウキと心が踊る様なでマッタリと柔らかなJohn Lengendの円熟ヴォーカルが心地良く響きます。Dave TozerとNana Kwabenaが共同制作(Co制作にKanye West、しかもAdd VocalにはKimbraが!)し、Lil Louis「Video Clash」をサンプリングした壮麗なストリングスが複雑に絡み合うドラマチックな一曲。激しく肉感的で熱が飛沫をあげる電子音と打楽器ビートの野性味溢れるメロディはゾクゾクさせられるし、John Legendの濃厚で低く唸っては吠えるようなヴォーカルが情熱的。Marvin Gaye「If I Should Die Tonight」とLenny Kravitz「Let Love Rule (Live In Boston)」をダブルでネタ使いした(といっても前者がより濃密)「Who Do We Think We Are」では、Rick Rossが客演参加。このソウルフルで思わず咽び泣いてしまいそうな程に切ないメロディ使い、制作は僕の大好きなB!nkという事で大納得です(流石)。ゆっくりじっくりと舌先でなぞるようなしっとり湿っぽいJohn Legendのヴォーカルが官能的で、どこまでも滑らかで高潔なヴェルヴェット感触な高級流麗トラックも含めハイセンス、こういう燻し銀ソウルチューンでのRick Rossは悔しいが素敵。Dave TozerとJohn Legendが共同制作(ソングライトにToby Gad)した「All Of Me」は、可憐で清らかでどこまでも澄み切ったピアノ弾き語り曲で溜息モノの美しさ。透明の水の中に沈みながら美しく輝きよろめく景色を眺めているような、そんな胸苦しさと恍惚感が込み上げるバラードで、John Legendの優しくて無垢なヴォーカルが深々と胸を打つ一曲。Allan Rich「Since Day I Met You」をサンプリングした「Hold On Longer」はなんと88-Keysが制作を担当(Co制作にDave Tozer)、フローラルで甘く芳しいピアノ鍵盤の音色がほろほろと綻びるスタンダードなメロディがスマートで美しい。「Save The Night」はThe RunnersとDavid L. Anderson IIとDave Tozerの三つ巴制作(Co制作にKanye West)、ストリングスとツタツタ打音とピアノ鍵盤が茨のように刺々しくも鮮烈に絡んで伸びる荘厳な一曲で凄まじく格好良い。Dr. John「Glowin'」をサンプリングした「Tommorow」はまさかのQ-Tipが制作、これがもういかにもQ-Tipらしいソウルフル原点回帰な流麗チューンで、セピア色を微睡ませたまろやかなトラックは極上そのもの。Darhyl "Hey DJ" Camper, Jr.とJohn Legend、Kanye Westが共同制作しためくるめくドリーミーチューン「Dreams」も素晴らしく、真夜中に天空の雲を突き抜けて月面にふんわりと着地してしまうような幻想的なトラックは、終盤に駆使されるじゅわじゅわと光を洩らすトークボックス使いが肝です(罠)。そんな月面からまた蒼く冷たい夜空を流星群になって流れ落ちるようなロマンチックさが眩い「Wanna Be Loved」は、Doc McKinneyとAli Shaheed Muhammad(!)が共同制作。滑らかでじんわりと色彩を滲ませるような電子トラックで、John Legendの淡く柔らかいヴォーカルも相俟って聴き手はレム睡眠状態。Darhyl "Hey DJ" Camper, Jr.とKnaye Westが共同制作の「Angel (Interlude)」ではStacy Bartheと共演、これがまたしっとり濡れたうるうるロマンチックな絡みで短曲ながら存在感抜群。アコースティックギターを潤いたっぷりに曇らせ響かす「You & I (Nobody In The World)」は、僕の大好きなMalayとDave Tozer、John Legendが共同制作。夜空を超えて真っ青な大気圏の中を彷徨うような、澄んで冷たく煌々とした輝きが降り注ぐスムージーなスロウで、空間と温度の変化を感じ取れる甘美で不思議なラヴバラード(溺愛)。Dave Tozer制作(Co制作にKanye West)の「Asylum」のスペイシー具合も素晴らしく、無重力状態の中でプカプカと漂うような衛星チューンで中毒性が高くソウルフル。最後を飾るのはHit-Boyが制作を担当した「Caught Up」で、朝焼けみたいな眩さが燦々と照り輝くようなシンセがじわじわと体温を上げてくれる純真なラヴソング。とここまでが本編の内容で、国内盤には更にボーナス曲が追加されておりまして。まずはB!nkが再び制作した、The Dells「Always Together」を燻し銀にネタ使いした激渋ソウルフルな「So Gone」がヤバい、昔はこういうネタ使いが多かったのになー(懐)。Kanye WestとJeff Bhaskerという面白いコンビが制作した「We Loved」では、これまたまさか(だけど待っていた)ベテランSealとの濃厚デュエットが実現。どこか錆びているというか、甘くも鈍色な印象の強いこの二人のデュエットは最高の一言。優雅なモノクロのストリングスの紡ぎを背景に、二人のヴォーカルが落葉のよう悲しく散りゆく悲哀のラヴソング(胸打)。思い切りJazzyな「Aim High」はまさかのPharrell Williamsが制作、とにかくオシャレで雨音に似た静けさと潤いをまとったスムーズなスロウ。「For The First Time」はJohn Legend本人が制作、すべてを飲み込み包み込む、淡い光を巧みに操り描いた水彩画みたいな一曲で、とっても澄んでいて綺麗(溜息)。

G.O.O.D. Music作品といえど、Kanye自身の作品以外でこれだけ全面的に制作にKanye Westが参加しているのは、ここ近年では珍しい様な気がします(稀)。前作『Evolver』では完璧エレクトロを駆使して、違った方向性を提示したかと思いきや、こうやって『Love In The Future』を聴くとその延長線上にきちんとある訳で。これがJohn Legendの音楽なんだと実感、そしてそれは僕にとって、とても心地良いものだとも実感。とにかく愛とソウルに満ち溢れた素晴らしい一枚、必聴だと思います(断言)。


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12/01のツイートまとめ
roc_queen

いやいや、まじでか!Billie Joe + Norah「Foreverly」 https://t.co/lGOZSXer18
12-01 12:23

A$AP Rockyに学ぶファッション論。 http://t.co/zlas7ykU5N
12-01 12:34

なんかさ、最近この盤ばっかり聴いてるんだ。 http://t.co/MFJMqz9e1j
12-01 12:37

最近はずっとTupacの『Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.』ばかり聴いてる。で、久々にシャッフルかけたら、これになってまた新鮮。 http://t.co/8w3bjiggv9
12-01 19:06

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Nelly「M.O. [Deluxe Edition]」
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Hip Hop史において中西部を一躍メジャーにした男、Nellyの通算七作目となる『M.O.』を御紹介。一時期はもはや的無し状態でヒットを連発していたNellyですが、最近の変遷激しいHip Hop界ではそう簡単にはいかない(苦悶)。前々作にあたる『Brass Knuckles』辺りからどうも雲行きが怪しくなり(それでもセールスでは最高全米三位を記録)、その後はNelly人気もほどよく沈静化しております。前作『5.0』(これは僕のお気に入り)から約三年ぶりとなる本作、一時期は負債を抱えている(筋肉増強剤の使い過ぎと揶揄されていたっけ)なんて噂もあったけれど、作品リリースの障壁になったりしていたのかな(憶測飛交)。
という訳で感想をザクザクと適度に書きます・・・・・・まずはPharrellが制作し、Nicki Minajと共に客演した先行シングル「Get Like Me」で幕開け。これがまあ、いかにも(良い意味で)The Neptunes焼き直し(いや、Pharrell単独制作だが)な(もっと言えばSnoop Dogg「Drop Like It's Hot」的)なポコスカ空気抜けるスカッスカなトラックが拍子抜けでカッコ良いという(笑)。そのポカホンタスなビートに任せて全員でシェイクして痙攣して囁いてフロウを滑らす、Nicki Minajも久々にナイス客演でケバさが際立っているし。Detailが制作したトロトロした光がまろやかに溶けるロマンチックメロウ「Give U Dat」は、完全にNellyの真骨頂で僕の大好物(垂涎)。光の屈折が織りなす虹彩シンセがクネクネと鼓膜に絡み、Nellyの甘酸っぱい強炭酸なフロウが射し込むんです。しかもここでは歌を得意とするFutureを客演の相方に起用、いつもの水素を含ませたヘロヘロなフロウで妖しく光っています。なんだか仲良しなT.I.とクールにはしゃぐ「Rick James」はPharrellが再び制作、それこそRick James丸だしな浮き立つベースとスペイシーでやらしい電子音の瞬きが煌めく痛快ファンクチューン、ここら辺のビート捌きはPharrell×Daft Punkにも通じるタッチ(?)。喘ぐような高音でシャウトするNellyが迸ってて熱いし、それを冷ます様にクールで尖ったT.I.のザクザクしたラップとの対比もカッコ良い(痺)。Outer LimitsとDetailが共同制作した「Heaven」では、英国出身の実力ある自白人ソウルシンガーDaleyが客演で参加。これまた清涼感たっぷりな澄んだメロディが、まるで無地の白シャツみたいなサラサラした感触でひらめく素敵な壮麗ミッドで、Nellyの幾重にも織った自演ハーモニーも最高に綺麗だし、Daleyの繊細で麗しい歌フックもグッド。またもやPharrellが制作した「Maryland, Massachusetts」はグラインドするNellyのフロウがエッヂー、土煙上げて走る感じが良い。Detail制作の「100K」では2 Chainzが客演参加、これはいかにもな仰々しいオペラ調のメロディに泥臭いバウンスを混ぜた南部製。久々にJ.U.S.T.I.C.E. LeagueとTwice as Niceが共同制作した「All Around The World」ではTrey Songzが客演参加、しかしJ.U.S.T.I.C.E. League関与の割にはソウルさは微塵もなく、驚く程に爽快なポップチューンでこれは拍子抜け。「IDGAF」は再びPharrell制作で。PharrellとT.I.が再登場客演した一曲。これはもうツッタツッタと叩く硬質な鼓笛隊ビートが弾けるマシンガンチューンで斬れ味抜群、意外性は皆無ながら全員の相性が良過ぎるってだけで突き進んでる感じ(笑)。The Co-CaptainsとRock Cityが共同制作した「U Know U Want To」は完璧Drake風味、キラキラと冷淡に透明度をグーンと上げて結晶化されたクリスタルシンセチューンで、Nellyがふんわりと冷気に近いやんわりフロウを浮遊させる感触もなかなか乙です。Rico LoveとDiego Aveが共同制作した「Walk Away」では、Florida Georgia Lineを客演に迎えたNellyお得意のカントリー勢との絡み曲。爽快で晴れ渡った青空にも似たまろやかで澄んだトラックも心地良いし、Nellyの紙飛行機みたいに軽やかでスーッと飛ぶフロウもナイスです。Soul UniqueとTricktheflowが共同制作した「Headphones」では、同じ名前を持つNelly Furtadoが客演参加。優雅で壮大なストリングスがスルスルと旋律を奏でる煌びやかなトラックは、清流ともいうべき透明度でミネラルたっぷりな有機栽培トラックで心地良い。こういうナチュラルで瑞々しい壮麗チューンはNellyが得意ですし、そこにNelly Furtadoが絡む事でより一層と自然味溢れるオーガニック曲に昇華されております(雄大)。とここまでが本編の内容で、ここからは豪華盤のみの追加収録となっておりまして。まずは、まさかの本作からの先行シングル「Hey Porsche」がボーナス扱いで驚き。DJ Frank Eが制作した晴天ポップチューンは爽快で単純に心も踊り楽しくなってしまうアッパーで、常夏に海沿いをドライブしながら大音量で流したい陽気な一曲、これをなんもためらいもなく(そして違和感もなく)Nellyのメロディセンスにはやっぱり脱帽。0John"$K" McGeeが制作を担当した「My Chick Better」ではFabolousとWiz Khalifaが揃って客演、夜風みたいにヒンヤリ冷たい電子音が霧のように浸食するクールミッドで、全員の息もバッチリ合っていてナイス。NellyとSAGが共同制作した「Ciroc & Simply」ではYo Gottiが客演、この組み合わせは(キラキラと気泡を立てるシャンパンみたいな黄金色の電子トラックも含め)かなりレア、ライトでポップなNellyと対比して、重たく沈むYo Gottiのドロっとしたラップが面白い。Pharrellがまたまた制作を担当した「Shake Whateva」はいかにもな浮遊感ある銀河シンセ、その中を自由にふわふわ遊泳するNellyの無重力なラップが気持ち良い。KmacとJared "face 49" Johnsonが共同制作した「Mos Focused」は、エフェクトを使ってユラユラ幻影を起こしながら蔓延するNellyの紫煙ラップがクール。

やっぱり僕はNellyの歌う様なフロウが大好物、みんながたとえ“もう古い”とそっぽを向いても、僕はNellyにハマってしまうんですよね(新鮮)。巷では“Drakeっぽい事するなよ”なんて落胆の声も聞きましたが(何処でだ)、僕から言わせればガッツリ歌っちゃってるのはNelly先行だし、それでもどんなトラックの乗っかってもNelly味になっているのが良いんじゃないか(贔屓)。ただ前作『5.0』には劣るかなー、同じようにメロディセンスを爆発させるなら、前回ぐらいに完全にメロメロメロウに歌い上げて欲しかった(欲求不満)。でもなんだかんだで好きなNelly、もっと重宝されても良さそうなのになー。


テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 音楽全般  Tags: ---

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11-30 00:18