RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

04 2015
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Big Sean「Dark Sky Paradise [Deluxe Edition]」
OrAXhNO.jpg

Kanye West率いるG.O.O.D. Musicの若頭(Pusha Tはもうそれなりにキャリア積んでいるから)、Big Seanの通算三作目となる『Dark Sky Paradise』を御紹介。Big Seanもまた新人の登竜門である“XXL 10 Freshman”選出経験のあるMCながら、やはりKanye Westと契約を勝ち取った事で他の新人よりもグングン前進している印象ですね。その二枚目なルックスも手伝って僕の中では“第二のFabolous”だなんて期待も寄せていた訳ですが、前二作『Finally Famous』『Hall of Fame』とそこまでハマる事もなかった彼、しかし『Finally Famous』よりも『Hall of Fame』の方が数倍良くなっていたのも事実。最近では人気アイドルシンガーAriana Grandeとの熱愛&破局も話題のBig Seanですが、キッチリ音楽活動もしていますね。今回はこの曇りガラス越しのBig Seanが写ったジャケットが格好良過ぎる(痺)、間違いなく今年のベストアートワークで御座います。
それではちょっくら感想を書きたいなと思います・・・・・・まずはRob Got Beatsが制作した「Dark Sky (Skyscrapers)」で幕開け、モノクロトーンの静寂宇宙系トラックにBig Seanが低音と高音を使い分けながらギアチェンジを駆使しながらフラットに繋げてゆきます。Allen Ritterなる人物が制作した「Blessings」ではDrakeが客演参加、漆黒の夜道で闇討ちを受ける様な、そして的確にボコボコに骨を砕かれる感触。そんなダーク空間にゴツゴツ硬いビートが発破するトラックは相当にクールで、ここではDrakeが客演参加するも、それを感じさせないまったく存在を食われない柔らかなのに鋭利なBig Seanが天晴れ。いつもの45回転なソウル回帰かと思いきや、荘厳なコーラスも交えたシンプルな暗澹チューン「All Your Fault」はKanye Westが制作と客演で参加(Co制作にはOgwebbie)。The Ambrosia「How Much I Feel」をサンプリングしたトラックは漆黒の夜空に疎らに星が光り、それを点々と繋いでゆくような亜空間トラック、鋭く攻撃的なBig Seanも変声エフェクトかけたまどろっこしいKanye Westのヴォーカルもナイス。冒頭のD.J. Rodgers「Say Love Me, One More Time」を下敷きにしたソウル早回しで騙されるも、結局はDijon "DJ Mustard" McFarlane、Kanye West、Mikely "Mike Free" Adamsが共同制作(Co制作にDJ Dahi)の「I Don't Fuck With You」。製作でいつもの大量生産工場的なロボビートが無機質に響き、ここまで無味無臭だとやはり善し悪しは乗り手に委ねられる訳で、その点はBig Seanに加え客演に西の猛者であるE-40が参上しただけで、神風を巻き起こしているから面白さ抜群。冬の星座のように白く澄んだ輝きを放つ清麗メロウ「Play No Games」、制作はKey WayneでサンプリングにGuy「Piece Of My Love」をクリーミーに混ぜて使用(反則技)。まるで紺色の夜空に星がチラチラ瞬くように、優しく繰り出すBig Seanのラップもスマートでナイスですし、Aaron Hallよろしくネットリと鮮烈に歌うChris Brownも、終盤に妖しげにオーロラみたいな襞のあるヘロヘロヴォーカルを練り出すTy Dolla $ignもナイス(鉄壁)。雷鳴の轟きから始まり、まるで大雨で河川が氾濫し堤防が決壊するように、ベリベリと溢れるビープ音的シンセが中毒性を高めてやまない「Paradaise」はMike Will Made-Itが制作。ズルズルと時間を逆戻ししているような退廃メロディが心の琴線に触れる「Win Some, Lose Some」はT-Minusが制作(Co制作にはBoi 1da)、プクプクと静かに漆黒の深海に沈んでゆくようなメロディとBig Seanのホロホロと崩れる切ないラップもエレガントですし、じんわりと歌声を滲ませるJhene Aikoの起用も見事。Da Internzが制作を担当した「Stay Down」のトロトロと柔らかミルキーな濁流を創るトラックも、Big Seanの飴細工のようにやんわりと伸びるラップも、鼓膜を通過して脳髄にジワジワ浸食する甘美な暗黒ミッド。またもやDijon "DJ Mustard" McFarlaneとKey Waneが制作した「I Know」、ブオーブオーと鬼火のような妖しげな明滅を繰り返す電子音がイルで、低空飛行でノロノロと這うBig Seanのラップと、冷たくも透き通った歌声で空中を切り裂くJhene Aikoもとってもクール(摩訶不思議)。Dijon "DJ Mustard" McFarlaneとKey Waneが共同制作の「Deep」も、暗黒魔法みたいに闇が深いドロドロした捻転チューンに、客演のLil Wayneに劣らないBig Seanの対峙が頼もしい限り(下克上)。Amaire Johnsonが制作した「One Man Can Change The World」では、Kanye WestとJohn Legendが揃って参加(強力布陣)。シャボン玉のように淡く優しく浮かぶピアノ鍵盤の音色に、Big Seanの温もりのあるラップも良いし、Kanye WestとJohn Legendが揃って歌ってしまっている、ある意味昔のKanye West風味が効いたレトロな一曲でグッド。Darondo「Didn't I」を下敷きにした「Outro」はDJ Dahiが制作、90年代の東海岸を思わせるソウルフルでいてキュートなシュガーチューンで後味良し(余韻)。とここまでが本編の内容で、あとは豪華盤のみボーナス曲が三曲ありまして、がしかしこれも要注目な共演があり。まずはDrake率いるOVOの新星、PARTYNEXTDOORが客演参加した「Deserve It」は、そのPARTYNEXTDOORが制作も担当。湯気で曇ったガラスのように透明感とモヤモヤ暈けの対極を得たトリッキーなトラックで、Big Seanのじっとりと汗ばんだラップとPARTYNEXTDOORの光芒に近いぼやけた歌声の融合も面白い。DJ Dahiが制作し、元恋人のAriana Grandeが客演参加した「Research」は、Ariana Grandeの結晶のように繊細で透き通ったヴォーカルが肝なクリスタルチューンで綺麗。最後はKey Waneが制作した「Platinum And Wood」で幕切れ、夜霧の様に暗く冷たくしっとりと包み込むミストミッド(途中でトクトクと鼓動を速めて変則するビートも素敵)に、音も無く駆け抜ける死神のようなBig Seanの高速ラップが鮮麗で斬れ味抜群で素晴らしい(溜息)。

本作『Dark Sky Paradise』では自宅にスタジオを作り、自分の思うように思った時間に音を創れた事で、これまでより更に自分の表現を成功できたと語るBig Sean。本作はとてもディープな世界観になっていて、たしかにこれまでのBig Seanに比べてかなり良い意味で癖がありますね(深淵)。なので僕にしては珍しく結構リピートしている本作、ついでに過去の作品も最近聴き直すようになって、ようやくBig Seanの魅力が分かり始めた気がします(笑)。でも、こうやって過去に遡るとデビュー作『Finally Famous』はスマートでシンプルで、続く『Hall Of Fame』はこの『Dark Sky Paradise』の過渡期にある。だからこの『Dark Sky Paradise』こそが、Big Seanの描く音世界に最も近いというのはあながち虚構ではないのでしょうね(変遷)。しかし噛めば噛む程面白い、結構お気に入りで御座います(遅)。


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