RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

07 2015
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Camp Lo「Ragtime Hightimes」
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Sonny CheebaとEmerald Geechie Suedeによるラップデュオ、通算四作目となる『Ragtime Hightimes』を御紹介。90年代に活躍したCamp Lo、僕も名前ぐらいは知っているのですが、彼らの楽曲となるとサントラに収録されていた数曲ぐらいしか知りません(無知)。そんな名前を知っている程度のCamp Loの数年ぶりの新作ですが、Owen Brozmanによるアートワークが可愛くてまず一目惚れ。次に、あの敏腕ProducerのSki Betazが全面制作というのが購入の決定打になりました。Ski Beatzといえば古くはJay-Z、最近ではCurren$yの楽曲を手掛けたり、“24 Hour Karate School”シリーズなどを監修したりしていますね(復活)。しかし調べてみると、古くはCamp Loにも楽曲提供を行っているみたいで、旧知の仲の様ですね。
という訳で気になっている内容を紐解くと・・・・・・まず先述した通り、全曲の制作をSki Beatzが担当しているので、鉄板の安心保証と言って良いでしょう。凍える風が吹き荒ぶようなハーモニーが印象的な「Black Jesus」、廃墟のように黒く煤けたサウンドが、瓦礫チックに角張りながら連なるエッジーな一曲。トロピカルで甘酸っぱいシンセサイザーがスプラッシュする、瑞々しい光彩ミッド「Sunglasses」なんかはもう眩くて気持ち良い。陽光のように輝く電子音は暖かくてまるでポカポカ陽気、Camp Loの力の抜けたラフなラップの掛け合いも緩やかにカーブを切っていて、晴れた日の海岸線をユルユルとドライブして聴きたい一曲。おどろおどろしく重油みたい音をドロドロ垂れ流す「Its Cold」なんかもイルで、仰け反るように大きく振りかぶるCamp Loのそれぞれの阿吽の呼吸でのラップが面白い。ビートというビートを四方八方へと放射拡散させる連打アッパー「Power Man」は痛快で、ほぼほぼバシバシとひたすた殴打するドラムスビートのみながら、だからこそCamp Lo二人のピタッと並走する疾走ラップが気持ち良く感じてしまいます(爽快)。EDMとは言わないが、光線銃のようにビュンビュン飛び交う電子音の応酬が眩しく鮮明な「Sunshine」も、紺碧の海の波を思わせるアクアブルーなキレのあるシンセに耳が行きがちですが、よくよく考えると主役は堤防にクラッシュした波飛沫のように裏打ちで鳴る鉄則ドラムビートなのです(裏生地)。本作の中で僕が最もリピート率が高いのが、客演の男性シンガーTyler Woodsがほろ苦微糖なヴォーカルを聴かせてくれるR&Bライクな優麗ミッド「Gypsy Notes」。鉄琴のようなポロンポロンと転げて鳴る音色がとびきりキュートなピーチパイ的トラック、Camp Loの気ままに乗っかり流される遊泳ラップがまた心地良いのです(浮遊)。癇癪玉が破裂するようなバチバチと火花を散らすトラックがカッコ良い「Cold Retarded」、有刺鉄線のようなチクチクと棘立ったビートの繋ぎがオールドスクールなノリで、Camp Loの矢継ぎ早に繰り出す連打ラップが鼓膜にクリティカルヒット(必殺)。ローテクに鋳型でバンバンと鉄鋼サウンドを量産してビートを流し込む表裏トラックが厳つい「Award Winning」、こういう無骨でシンプルなのを聴くとやはり武者震いしてしまいます(三十路)。ブラウンシュガーなほんのりした甘味を味わえるカフェインメロウ「Life I Love」はナイス、Camp Loのラップもガツガツというよりはマイルドに溶け込むタイプなので、まるでミルクを混ぜたみたいな良い塩梅。パスパスと空気を含んだライトなビートと、微細に洩れる電光が幻想的で美しい「Bright Lights」もロマンチックで綺麗。ひたすらと“ゆー♪ゆー♪ゆー♪ゆー♪”と連呼するフックが印象的なメロウ「You」、エレキギターを電撃のように鳴らし唸らすロックチューンな「Mean Joe」と地味に良い。最後は僕好みな45回転早回しっぽいソウルフルチューン「Time」、こういう飴で煙るようなしっとり湿ったサウンドも泣けてイイんです。

渋いねー、これはベテランのオジ様でないと出せないコクですね(賛辞)。Camp Loの高低差のあるラップの掛け合いもやはりクールで、聴いていてすんなりと鼓膜に馴染みます。Ski Beatzのトラックメイクセンスも流石で、ベテランデュオの旨味をばっちり引き出しています。結局はこういうシンプルに渋くクールなアルバムこそ、年間Top10とかにこそ入らないものの、長ーく愛され聴くんだろうなと思う三十路の僕でした。








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Jazmine Sullivan「Reality Show」
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Grammy Awardへのノミネート回数は裕に10回以上になる、Jazmine Sullivanの通算三作目となる『Reality Show』を御紹介。R&B愛好家の度肝を抜いた衝撃デビューアルバム『Fearless』、そして僕自身も大好きだった2010年の2nd『Love Me Back』と、立て続けに力作を届けてくれたJazmine Sullivan。しかし、その『Love Me Back』発表後に突如の活動休止を宣言、それからおよそ四年間の沈黙を経てのカムバック作品が本作となっております。
それでは早速と本題に入りましょうか・・・・・・まずはKey WaneとSalaam Remiが制作を担当した「Dumb」でスタート、客演にはMeek Millが参加。軍隊チックな固い行進ビートに乗せて、Jazmine Sullivanの少しハスキーで棘のあるヴォーカルが燃え上がる様に響くのが美しい。女性的な艶かしい電子音が漏れ光る、とてもフェミニンなミッド「Mascara」も、制作はKey WaneとSalaam Remiが共同制作。ふくよかな曲線で描く柔らかなメロディはそれこそ女性のボディラインそのもの、Jazmine Sullivanのうっすらと淡く色づいたヴォーカルも優しく耳に馴染みます。「Brand New」は飛ぶ鳥落とす勢いのDJ Dahiが制作を担当(Co制作にBen Free)、逆再生のようなグルグルした電子音が渦巻く練り込みマイナーチューンで、Jazmine Sullivanのタフで太い低音の歌声も効いた面白い一曲。Key Waneが単独制作した「Silver Lining」は、程よい湿度で穏やかでフローラルな香りを漂わす、花園のようなフィリーソウルでほっこりします(和)。ここ最近の英国産ソウル的な風味のする「#Hoodlove」はChuck Harmonyが制作、重厚で気品のあるトラックにドスの効いたJazmine Sullivanのヴォーカルが燻る、香ばしい木炭ソウルといった趣。本作の中で最も好きなのはやはり、Kay Waneが単独した「Let It Burn」。これはあのAfter 7の名曲「Ready Or Not」をばっちりサンプリングした、フルーティな果汁シンセが溢れ弾ける柑橘系ソウル。こういうみずみずしくて甘酸っぱいトラックでも、Jazmine Sullivanの香ばしいヴォーカルは綺麗にシンクロするんだから無敵に近い。妖しげで密教めいた雰囲気の漂う「Veins」、制作はSalaam Remiが担当(Co制作をAnt Bell)。モクモクと煙の漂う抹香と、微弱な放電が交わりあうような不可思議なトラックは、FKA TwigsやLana Del Reyなんかに似た空気感かもしれませんね。Jazmine Sullivanの焙煎された芳醇なヴォーカルが心地良くドリップされる「Forever Don't Last」、Chuck Harmonyが制作したアコースティックギターをじんわりじんわりと弾き語るフォーキーミッド。India. Arie好きにはきっとたまらないであろうこの温暖なソウルチューン、ナチュラルに澄んだ一曲でJazmine Sullivanのヴォーカルはまるで沐浴しているかのよう(原風景)。JoeLogic & Dilemmaなるコンビが手掛けた「Stupid Girl」なんかも、英国寄りのスタンダードソウルといった感じでクール。まさかのDa Internzが制作した「Stanley」は、エレクトリックでサイケデリックな理工学ダンスソウルチューンで、今までこういうのに乗っかるのを聴いていないので新鮮でしたね。「Masterpiece (Mona Lisa)」はAnthony Bellが制作を担当、序盤ではブラコンみたいな壮麗な音の鳴りが、終盤に向けてクワイヤ的な転調を迎える、どことなくMichael Jacksonの「Man In The Mirror」と「Dirty Diana」みたいなテイストを感じる一曲。最後にボーナス曲扱いになっているのが、JoeLogic & Dilemmaが再び共同制作した「If You Dare」、これも英国チックな鋭利さと気品に満ちたアッパーでカッコ良い。

たった12曲しか収録していないのに、この振り幅の大きさ、引き出しの多さに驚き。かなり太ってしまったJazmine Sullivanを見て歌声も変わったんじゃないかと心配していましたが、これまで通りだったのでひとまず一安心。Jazmine Sullivanってけっこう飛び道具な曲が多いというか、意外と様々なサウンドを織り交ぜたアルバム作りしているから凄い。自分も本作は買いながらもずっと聴いていないままだったんだけど、結構良いんです(当然)。あとはJazmine Sullivan、頼むから痩せてくれー(懇願)!




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Dizzy Wright「The Growing Process」
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Hopsin率いるFunk Volumeの筆頭、DIzzy Wrightの通算二作目となる『The Growing Process』を御紹介。8歳の時からキッズラッパーとしてキャリアを積んでいたというDizzy Wright、ハイそうです僕はそんな事知りませんでした(笑)。Dizzy Wrightを知ったのは例のごとく、青田買いには丁度良い恒例企画“XXL Freshmen Class”。Dizzy Wrightはその2013年版で選出されていまして、その年には他にもSchoolboy QAction BronsonJoey Bada$$なども選出されていました。
とまあ浅い知識の披露はここで打ち止め、本題に・・・・・・煙をくゆらすようにブルージーに響き渡るギター弦の音が、香ばしくビターな「Higher Learning」で幕開け。King Vay制作のこのトラックは最近のラップ曲では聴かない侘しさがあって、Dizzy Wrightのスローモーションで駆け抜ける映像のような、静かな躍動感のあるラップが最高。SnizzyOnTheBeatが制作した「God Bless America」では、客演にBig K.R.I.T.とTech N9ne、Chel'leという通好みのMC二人が揃い踏み。トロトロと粘度のある液体チックなトラックは、毒々しくも幻想的で微睡んだ感触が美しい。Dizzy Wright自身も軽やかで華麗にラップを滑らす印象ですが、そこにBig K.R.I.T.とTech N9neという速射系のMCが援護射撃する事で、よりこの曲の鮮麗感が増しています。あとは女性シンガーのChel'leの艶やかな歌フックもとても綺麗で、まるで大きくて凝ったアクアリウムを観ているよう。「Can I Feel This Way」はRoc N Mayneが制作を担当、夏の虫の羽音が起こすさざめきのようなビートと、静かにズルズルと深い水底にダイブするような深層水トラックが鼓膜に浸透して、気泡のように軽いDizzy Wrightのラップも馴染んでいます。DJ Hoppa制作の「No Time Is Better」はピアノ鍵盤のラグジュアリーで可憐な響きがひらひらと美しく舞う一曲で、Dizzy Wrightの優雅で自在なラップは勿論、客演の男性シンガーIrv Da Phenomの華やかで酸味のある歌フックもナイス隠し味。「Train Your Mind」はSmokie Morrisonが制作を担当、じっとりと降る長雨のような湿ったサウンドが鼓膜に張り付き、まるで水を得た魚状態でピチピチと細やかに跳ねるDizzy Wrightのラップの小気味良さ(水遊)。FreezOnTheBeatが制作を担当した「Regardless」では、ベテランのLayzie Boneが客演でまさかの参加。トラック自体もどこか冷たく金属的で鋭利な部分が光ったBone Thugs-N-Harmony風味なトラックですし、Dizzy Wrightの軽妙でリズミカルなラップもそれに寄せられていて面白い。しかし、やはり本家本元のLayzie Boneが登場した途端に、あの独特なスピード感とスロウ感の混濁が生まれてやはり面白さは倍増。続くMoney Montageが制作の「Don't Ever Forget」では、同じくBTNHからKrayzie Boneが参加するという奇襲作戦を実行(このBone兄弟を引き離して起用する辺りに、Dizzy Wrightのこだわりを感じてニヤリ)。これもドロドロとした濁流沈殿メロウなだけにKrayzie Boneの独壇場と化していて、妖しく曲線的なフロウが聴き手の鼓膜を生き埋めにしてしまいます。音と言いタイトルと言いトレンドをガッチリ意識した「Floyd Money Mayweather」はRoc N MayneとLouie Hazeが共同制作、暗くシリアスで角張ったトラックにライトフライ級のDizzy Wrightの鍛錬されたラップがクリーンヒット。Sdot Fireが制作の「Smoke You Out」ではMod Sunが客演参加、どことなくコケティッシュで抜け感のあるメロディがSlick Rickなんかの空気感を感じる一曲。かと思えば21 The Producer制作の「Good Vibes」では、Mos Defみたいなロックカットなエッヂーチューンで転がりぶつかるのが痛快。バキバキで攻撃的なトラックに、Dizzy Wrightの蝶の様に舞い蜂の様に刺すラップがカッコ良い。「I Can Tell You Needed It」はDarryl "Waynebeats" Overdiepが制作を担当、雨上がりのアスファルトのような熱感と匂いが立ちこめる90s'仕様なトラックはビタースウィート、客演のBernerもマッタリと良い味を出しています。あのHopsinが制作を担当し、そのHopsinに加えてSwizZzとJarren Bentonが客演参加した「Explain Myself」は、まるでホラーな惨劇シンセと冷血なマイクリレーがめちゃクールで中毒性高いです(取憑)。「False Reality」はRikioなる人物が制作を担当、これも良い意味で90年代のあのグルーヴが息づいたトラックが艶やかでセクシー、たらーんと濃厚な蜜のように垂れる電子音の鳴りがカッコ良いんです(惚)。最後を締め括るのはMLB制作の「Will It Last」は、女性シンガーNjomzaの官能的で喘ぐ様な歌フックも相俟って究極にドリーミー、甘美な果汁が滴るようなしとやかなミッドで抜群に心地良いのです。

今年は本当に若手MCが豊作な年だと思うのですが、中でもDizzy Wrightの本作は結構なお気に入りでして。巷ではあまり話題になっておらず(Fashawn以上になっていない)、そういう意味でこのブログをキッカケに聴いてくれる人が居たら嬉しい限り。僕みたいなCurren$y好きならばきっと気に入るハズ、緩くも的確にツボを突いて来るナイスな一枚。








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Lupe Fiasco「Tetsuo & Youth」
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そのデビューにはKanye WestとJay Zが後ろ盾を買って出た逸材、Lupe Fiascoの通算五作目となる『Tetsuo & Youth』を御紹介。Chicago出身の期待の新星としてシーンに登場したLupe Fiascoもデビューからおよそ十年、“光陰矢の如し”とはまさにこの事。しかし、そんな華々しいデビューだったLupe Fiascoも苦難はあって、なかなか作品リリースに漕ぎ着けられなかった『Lasers』ではレーベルと揉めたりとかしてましたっけ(今も継続して揉めているみたいで、Lupe Fiascoは早く離脱したいらしい)。その後は割と順調に作品をリリース出来ている気がするので、その点は良かったのかなと。本作の“Tetsuo”とは、日本の漫画『AKIRA』に出て来る島鉄雄から来ているとか、塚本晋也監督の1989年公開の映画『鉄男』から由来しているとか、諸説あって僕には真相が分かりません(阿呆)。
それではくだらない前置きはやめて本題に(本題もつまらないが)・・・・・・まずはRosy Timmsが奏でる滑らかなヴァイオリンのインスト「Summer」で幕開け、湖畔で水遊びに興じる子供達の歓声が遠くから聴こえる、静かで涼しげなインスト。Alain Mion & Cortex「Chanson d'Un Jour d'Hiver」をサンプリングした「Mural」、9分弱もあるこの曲はあのThe Buchanansが制作という事で驚き(鳥肌)。枯葉のような鍵盤音が硬いアスファルトのようなメロディ上で散って舞う、そんなアスファルト舗装のトラックにぼボツボツLupe Fiascoのラップが降り、黒く点々と激しく滲ませる様子が冷淡で美しい。S1とVohnBeatzが共同制作した「Blur My Hands」は、通電させるような電子鍵盤音に低く唸るベース弦がゾクゾクとさせてくれる鉄製のトラック。そんな硬度の高いトラックながら、華のあるソフトなLupe Fiascoのラップと、甘酸っぱくもソウルフルなヴォーカルが咲き乱れるのがナイス。バンジョーのようなガリガリとしたイントロから、ハープやストリングスを多用したラグジュアリーで鮮麗なトラックに滑り込む「Dots & Line」はLupe FiascoとSimon Sayz、Jack LNDNが共同で制作。これはネタ元は無いんでけれど、聴いているとStevie Wonder曲のような、芳醇で程よくスウィートなメロウを感じてグッド。Lupe Fiascoの柔らかくステップを踏むようなラップも心地良くて、ほろほろと崩れ溶ける角砂糖のよう。再びRosy Timmsが奏でるヴァイオリンインスト「Fall」、ここでも子供の歓声は遠くに聴こえるも物悲しげでセピア色なメロディ。Maurice Thomas制作の「Prisoner 1 & 2」は、Ayesha Jacoが客演参加。鼓膜側へと激しく冷たく降り込む氷雨のようなストリングスに、かじかみそうな程に低体温なLupeのラップが濡れてじっとりと纏わりつくのがヒリヒリと響きます。再びS1とVohnBeatzが共同制作した「Body Of Work」、客演にはTroiとTerrace Martinが揃って客演参加。真夏の夜の海に上がる花火を見ているような、あの深く飲み込む漆黒と鮮やかだけど切なげな光の散るのを、真っ暗な海面に映しているような、深遠で幻想的なサウンドが病的なほどに美しい(溜息)。夏夜の夜風みたくじっとりと纏わりつく、Troiの蒸せるようなヴォーカルがまた印象的でたまらない(痺)。「Little Death」もS1とVohnBeatzが共同制作、バチンバチンとはち切れんばかりに鳴るドラムスに、密着して絡むベース弦やホーンの音色が艶やかな木目調のシックサウンドとなって響き渡る上品なミッド。そこにNikki Jeanのシルクのような耳触りのヴォーカルがスルスルと被さるのが綺麗で、ビタースウィートな風味に仕上げています。悶えるようにつんざめくエレキギターの音色がエッヂーでクールな「No Scratches」、制作はSimon SayzでR. Kelly「You Remind Me Of Something」をサンプリング。こればかりはネタ元からの引用部分が分からない(R. Kellyのは濃密なネットリスロウジャム)のですが、吹き荒ぶように激しく鳴る弦音が力強く、だからこそフックでのNikki Jeanの微細くて透けたヴォーカルとの対比が綺麗。再びRosy Timmsが奏でるヴァイオリンインスト「Winter」、広い雪原に容赦なく吹き付ける雪風のような凍てついたインスト。Billy Blue、Buk of Psychodrama、Trouble、Trae tha Truth、Fam-Lay、Glasses Maloneとかなり通好みでコアな面々がマイクをリレーする、ギトギトでオイリーな重油チューン「Chopper」はDJ Dahiが制作を担当。南部仕様なこのドロドロと重たく気怠いサウンドも、かなり濃い面子での布陣も面白いし異色。しかし、中でも特筆したいのはやはり、The Neptunes周辺でも知られたFam-Layがしれっと参加している点でしょうか(興奮)。Maurice Thomasが再び制作を担当した「Deliver」もシリアスでいて毒々しく刺々しい、酸化したようなくすんだ色味のトラックが鋭利でクール。「Madonna (And Other Mothers In The Hood)」はDJ Dahiが制作を担当、客演にはNikki Jeanがまたも参加。氷結したように冷たく棘立った電子音が空を切るようにして鼓膜に響く薄氷ミッド、仄かに暗くて青い零下のようなLupe Fiascoのラップも、Nikki Jeanの青ざめたような血色の薄いヴォーカルもピッタリで神秘的。引き続きDJ Dahiが制作した「Adoration Of The Magi」はCrystal Torresが客演参加、とろけるバターのように甘美に塗りたくる冒頭のホーンでもうダメ(卒倒)。冷たい水中にブクブクと沈んでゆくような深淵ミッドで、このトロトロと歪み混ざり合い流動する感触は中毒性が高いですね。「They. Resurrect. Over. New.」もDJ Dahiが制作、客演にAb-SoulとTroiが参加しているのがやはり肝。宇宙空間に放り出されたようなトリップ感と壮大さ、アメーバ状に無機質に広がる電子サウンドと三者の融合は素晴らしく、特に歌フックを担当するTroiには頭が下がるばかり(脱帽)。

勿論、ラップミュージックというもの自体がそうですが、Lupe Fiascoは特にサウンドとかで語るには失礼なMCなので、あまり深く言及できません(力不足)。しかし、リリカルだけどサウンドが伴わない事も大いにあり得る中、Lupe Fiascoの本作はやはり音が洗練されていて、それだけで語るにも充分な特徴と気品に溢れた一枚です。やはりDJ Dahiの創る音は要注意、Kanye Westとやった時よりもそう強く感じました。






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Ciara「Jackie [Deluxe Edition]」
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そのキュートなルックスと確実なダンススキルで活躍する、Ciaraの通算六作目となる『Jackie』を御紹介。繰り返す様ですが、Ciaraはその卓越したダンススキルとルックスで一気にデビュー作『Goodies』で人気シンガーの仲間入り。その後も順調にリリースは重ねるも『Basic Instinct』が商業的に失敗し失速、しかしその後Antonio “L.A.” Reid率いるEpic Recordsに急遽移籍、万全の状態で自身の名を冠した『Ciara』を発表しこちらは大成功を収めました。私生活ではその『Ciara』発表時期にFutureと婚約、息子のFuture君も生まれて順風満帆、かと思われましたがFutureとは破局した様ですね(残念)。そんな悲喜こもごもの中で発表された本作、ジャケットのセクシーな写真は有名写真家のFrancesco Carrozziniによるものなのだそう。ちなみにアルバムタイトルはCiaraの母親の名前だそうで、やはり母になったCiaraの一面が強く出ているのかな。
さーてそれでは内容について書きましょうね・・・・・・どこかBeyonceの二番煎じな感じは否めないけど、それでもこういう燕返しな二段切り替え構成トラックの攻め姿勢に微笑みたくなる「Jackie (B.M.F.)」はHarmony "H-Money" Samuelsが制作。前半部分のピコピコ音と尻上がりでダートな電子音、後半部分の大きく振りかぶって揺らす大味なバウンス、どちらも細くて薄いヴォーカルのCiaraには、ちょっと太く重過ぎる感があるかも。柔らかくて鮮やかなネオンみたいなシンセがヒュンヒュンと軽やかにすり抜ける「I'm Feelin'」、制作はPolow Da Donで客演にはPitbullとMissy Elliottが揃って参加。あえてビートは軽めにしアルミニウム的な軽薄な硬さで仕上げた電子アッパーは、Ciaraの羽毛みたいなヴォーカルにはバッチリ合致。蛍光色な電子音の瞬きの中で疾走するPitbullとMissy Elliottの援護射撃も冴えていて、これは客演の妙を感じますね。「Lullaby」はDr. LukeとCirkutの鉄板タッグが制作を担当、これはシルキーでいてピリピリと微弱な静電気を纏ったスルスルとした滑らかミッドで美しい(溜息)。主旋律にCiaraの低音のヴォーカルも下に敷くことで、より繊細で鮮烈でキレのある光触媒ミッドに仕上がっています。フックのリフレインもCiara独特の紙細工のような、薄く優しく透けたヴォーカルにピッタリで美しいのです。もの静かでヒリヒリと痛いモノクロメロディに、ひらひらと鮮烈な深紅の薔薇のようなCiaraのヴォーカルが舞い散る「Dance Like We're Making Love」はDr. LukeとCirkutが再び制作。薄暗くも微かな光がちらちらと洩れるドラマチックなトラックに、息を絶え絶えと喘ぐようなCiaraのリフレインフックが鼓膜にチクチクと刺さる、淡く切ないミッドでこれは印象深い(浸透)。「Stuck On You」はまたもやHarmony "H-Money" Samuelsが制作を担当、これは電子基盤が見えそうな程にサイボーグ的なトラックに、カクカクと直角的に動くCiaraのメッキじみたヴォーカルがナイスクール。「Fly」は再びPolow Da Donが制作を担当、これは初期のCiaraを思わせるSFチックなビョンビョン電子音が跳ねる一曲で懐かしい。そのビートを選びつつも閃光を一帯に放つような眩さと壮麗さ、奔放さのあるダンストラックでCiaraの紙細工のようなヴォーカルが高く舞います。そして本作からの先行カットとなったのがHarmony "H-Money" Samuels制作の「I Bet」、既出感のあるマイナー調の刹那系のミッドながらもやはりツボはツボ、Ciaraの淡白で脆いヴォーカルはこういう哀愁ミッドにはお似合いだと思う。またまたDr. LukeとCirkutのコンビが手掛けた「Give Me Love」は彼ららしいEDM系統のトラックで、後追いしてくる様なウェーブシンセに飲み込まれながら音飛沫を上げてクラッシュするのが心地良い(弾)。僕的にお気に入りなのがDr. LukeとCirkut制作の「Kiss & Tell」で、たっぷりと潤いを含んだモイストシンセの甘美な響きに、Ciaraの艶やかで曲線的なヴォーカルがダイブして泳ぐ感触がたまらなく心地良く、波間に射す光を受けて輝く鱗のような眩さのCiaraにウットリ(深海)。Polow Da Donが制作した「All Good」はジャキジャキと鳴らす現音やビートがエッヂーで、そんな刺々しいトラックだけど明朗で爽快な仕上がりなのが面白い。すべてを白光の中に包み込む勇壮なミッド「Only One」は、A.C.なる人物が制作を担当。波紋のように規則正しく広がるシンセの潤った響きが澄んでいて、Ciaraのミネラルと水分たっぷりな麗しいヴォーカルがゴクゴクと鼓膜へと浸透するのが気持ち良いんです(溢)。ビリビリと四方八方に放電するような電光が交錯し炸裂する尖ったアッパー「One Woman Army」は、こんなにもエレクトロなのにも関わらずThe Underdogsが制作という意味不明な一曲。ブオブオと捻れて暴れて辺り構わず鞭打つ電子音の中で、鋭く突き刺すヴォーカルで特攻するCiaraが痛快な一曲。最後はHarmony "H-Money" Samuels制作(そしてDiane Warrenがソングライト)した無垢で綺麗なバラード「I Got You」で幕切れ、愛息に向けて歌ったこの曲にはCiaraの優しさと深みが滲み出ていてとっても温かい。とここまでが本編の内容で、豪華盤にはあと二曲が追加されていてどちらもRemix曲。こう書くとスルーしても良さそうですが、うち一曲はあのJoe Jonasを新たに客演に迎えた「I Bet (Remix)」で、Joe Jonasが入る事でよりこの曲が甘酸っぱくて切なくなっているのがイイ感じ(賛辞)。

ハッキリ言ってCiaraはどこか振り切れないというか、物足りなさがあったりもするんだけれど、それがまたCiaraのカワイイところなんです(溺愛)。本作では突発的な曲も無いけれど全てが一定水準、Ciaraにしては珍しく大ハズレ曲がありません(笑)。それでもCiaraの紙細工的な薄さ、軽量感を誇るペーパークラフトR&Bともカテゴライズすべきサウンドは健在で、聴くうちにだんだんハマってきます。Janet Jacksonとやはり共振してる部分が大きいから、もっと薄味で黒いスロウジャムなんかをネットリしっとり歌ってもいいとは思うんだけど。あとはせっかく綺麗で踊れるのだから、Beyonce『Beyonce』みたくヴィジュアルアルバムに挑戦してもいいのでは(熱望)。それと、デビューの頃みたくJazze Phaの抜け感とCiaraのペラペラ感、抜群の相性だっただけに復活して欲しいです(涙)。Crunk復活には、Ciaraの力が必要なのです(再建)。








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Jason Derulo「Everything Is 4」
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一発屋かと思いきや、まさかの快進撃を続けるJason Deruloの通算四作目となる『Everything Is 4』を御紹介。誰もがこんなに売れ続けるとは思っていなかったんじゃないでしょうか、僕はそう思っていました(笑)。しかし気付けば四作目、しかも各アルバムでキッチリとヒットを飛ばしているから凄い。そんなに黒く思わせない辺りがいいのでしょうね、聴き易さで言えばズバ抜けていますから。一時期はJordin Sparksと交際していましたが、結局は破局してしまったみたいですね。Jason Deruloがツアーのリハーサルで大怪我をした時も、Jordin Sparksが献身的に看病してたりしてたから、ちょっと残念で御座います。
それでは前置きはこのへんでやめておいて本題に・・・・・・まずは先行シングルとしてヒットしたIan Kirkpatrick制作の「Want To Want Me」で幕開け、これはもう夏に海辺で聴いたら最高に気持ち良いでしょうね(妄想)。ピリピリと微弱な電気を流すように、振動しながら流れる軽妙な電子音が心地良い。サンシャインのようにカッと眩いファルセット混じりのJason Deruloの歌声も相俟って、夏に聴きたくなるスッキリ強炭酸なポップチューンでナイス。真夜中の雨に濡れたアスファルトのような、ギラギラと黒く光るメロディー上をJason Deruloが滑走する「Cheyenne」はThe Monsters & Strangerz、そしてIan Kirkpatrickが制作を担当。なんだか昔のMichael Jackson『Bad』で聴いたような感触、こういうダーク系統のメロディーをも強い発光で鋭くクールに仕上げる辺りが、Jason Deruloの憎いところ。吐息やパーカッションや煽りなんかで、昔のTimbalandを(いい意味で)脱色したような面白さのある「Get Ugly」はRicky Reedが制作を担当。歪に尖ったダンスアッパーで気色悪いの寸前を走るのが乙で、なんといってもフックでの“ゲロリゲロリゲロリゲロリ♪”とギロった呪文が耳にこびり付いて離れない中毒チューン。コブラがうねうね動いて威嚇するような「Pull-Up」は、Cook Classicsが制作を担当。熱波で空気が歪むような変形具合が面白い中近東スパイスの一曲で、単調ながらもJason Deruloのヴォーカルである程度黒くも仕上がっているやはり飛び道具的な一曲。こういうアホっぽいダンスチューンを立て続けにしておいて(けなしてはいない)、突然とK. Michelleを繰り出すという整頓っぷりに悔しくなってしまうのが「Love Like That」。Hitmaka & The Mekanicsが共同制作したヒンヤリと冷たい霧が立ちこめるようなミストミッドで、パリッと張りのある瑞々しいJason Deruloの歌声と、K. Michelleのふくよかで艶かしいヴォーカルの掛け合いが面白い。と思えば、ポッチャリで売れたMeghan Trainorとやらと明け透けにコラボするという、商魂炸裂なコラボをかました「Painkiller」で、またドの付くポップに引き戻すという始末。Johan Carlson制作のヒリヒリとスパイシーなトラックは中々ながら、Meghan Trainorがそこまで上手いとかではないのでとても残念な出来映え。と思いきや、Stevie WonderとKeith Urbanという大御所二人を両脇に固めて演奏させる「Broke」なんかはかなりトリッキー。Charlie Puth制作のこの曲は、どこかEd Sheranを彷彿とさせる作りかも。漂白ポップなメロディーながらも、スカスカと隙間の空いたボムボム弾むトラックは黒そのものだったり。そして上手いのは客演に迎えた二人の演奏の使い方、二人の持つフォーキーでブルージーな風合いを抜群に削いで鼓膜に突き刺します。恐ろしいのはJason Deruloのヴォーカルもで、ファルセット使いながら中盤ではクワイヤ的掛け合いもみせて、Michael Jacksonさながらなのが面白い。Jennifer LopezとMatomaが揃って客演参加したのが、Matoma制作の「Try Me」。甘酸っぱく眩しいトロピカルミッドで鼓膜を爽やかにスプラッシュしてくれる一曲で、Jennifer Lopezが出しゃばらずにおしとやかに歌ってるのが不思議。トラック自体はまぁ普通の出来ではありますが、これを映像化したらさぞかし見応えはあるかなと夢想したり。最近やたら流行りのファンクの風味を彼らしく電光石火仕様に仕上げた、Ian Kirkpatrick制作の「Love Me Down」。これも途中の複雑に回線を張ったファルセットの繋ぎが面白くて、それこそMichael Jackson「Wanna Be Starin' Somethin'」的なガチャガチャと弾けて跳ねる爽快さがある気がしたり。Jason Deruloお得意の白んだ木漏れ日のような、清涼なトラックが穏やかに閃く純白スロウ「Trade Hearts」は@Popwansel & @Oakwoodが制作という事で納得。客演にはJulia Michaelsが参加し、Jason Deruloが光ならば彼女はそれに優しく寄り添う影のような、そんな切なくて細い感触がたまらなく綺麗な一曲で素晴らしいデュエット(拍手喝采)。最後はあのDanjaが制作を担当した完全エレクトロな「XC2U」、Danjaならではな刺々しくてけばけばしいダーティサウンドが消えてしまっているけれど、まあJason Derulo仕様なトラックメイクなのかな。

結局はかなりポップに肉薄した、というよりもう明け透けにポップな作品になっております。しかしながら、どこかR&Bな風合いも混ぜることで、より広いマーケットの獲得に成功しているJason Deruloは一枚上手だなぁと感心するばかり。しかも彼は踊れるから脅威、まあR&Bではもはや無いけれど、それでも買ってしまうのはJason Deruloの巧さですね(苦笑)。しかし、J.R. Rotemとのタッグはもう聴けないのだろうか、レーベルはJ.R. Rotem主宰のBeluga Heightsのままだけど。






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Snoop Dogg「Bush」
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Rap界の犬神家当主こと、Snoop Doggの通算十三作目となる『Bush』を御紹介。Dr. Dreのバックアップを受けて登場したSnoop Dogg、93年のデビューから数えてもう二十数年も第一線で活躍しているんだから凄い。ここ最近では俳優もしたり、Snoop Lionとしてレゲエアルバムも出すなど、枠に囚われない広範囲の活動を繰り広げています。そんなSnoop Doggが新たなアルバムを、今また再ブレイクを果たしているPharrell Williamsに全て委ねて制作したことでも話題になった本作。しかしRapミュージック通からすれば、本作ではしれーっとChad Hugo(言わずと知れたThe Neptunesの片割れ)がAdditional Productionとしてクレジットされている事の方が話題だったりしますね。
それでは前置きはこのぐらいで止して・・・・・・まずは本作、Pharrell Williamsが全曲の制作をしているのは先述した通り。先行シングルとなったStevie Wonderのハーモニカをfeat.した「California Roll」は、Pharrellのキャラメルのようにテカテカした甘味のある歌フックに、Snoop Doggのマッタリとクリーミーな歌声が漂う一曲。流星群の瞬きのように無数に輝きを点滅させるパーカッションが美しい、Parliament的な宇宙ファンクグルーヴが炸裂の「This City」は、クレジット無いけれどCharlie Wilsonのヴォーカルが熱く唸るのがナイス。終盤のMJ的なSnoop Doggの煽りも面白いし、後半ではラップを滑らせていてグッド。「R U Freak」もやはり宇宙ファンクなSF的シンセが飛び交うミッドチューンで、幾重にもなったSnoop Doggの空気抜け切ったヴォーカルが星雲のように渦巻き、鼓膜をシャイニーに包み込みます。ベースのビヨビヨしたうねりが鼓膜を高鳴らせ振幅大きくする「Awake」、こういうファンキーでいて直角ポリゴンなトラック創りはThe Neptunesならではの仕上がり。「So Many Pros」なんかはかなり軽いアルミニウム的なエレクトロファンクで軽妙、聴き易いんだけれど物足りなさも抜群にあって難しい。シングルカットされていたCharlie Wilsonが客演の「Peaches N Cream」も、トラック自体は練られているしSnoop Doggのラップも冴えているから良い出来映えなのに、この手のサウンドばかりのアルバムに収まると途端に無味無臭なモノになっている気が(困惑)。The Neptunesらしい電子音の淡白な反復でスイスイしたグルーヴを紡ぐ「Edibles」は最高にカッコ良いけれど、それは客演のT.I.があの斬れ味の鋭いイケメンなラップで突入するからこそ(援軍勝利)。ミラーボールの回るフロアで滑走するようにステップを踏んでノリたい「I Knew That」、良いんだけれどやはりSnoop Doggが歌っているだけではインパクトが薄い。最も勿体無かったのはGwen Stefaniが客演参加した「Run Away」で、ハアハア喘ぐ息遣いビートや電子鍵盤のピカピカした明滅とかトラックは良いけれど、Snoop Doggが薄味な歌を披露しているせいで、Gwen Stefaniまでが道連れにされて死んでいるという。最後はこの手のディスコダンスサウンドとは一線画す「I'm Ya Dogg」なんだけど、このサウンドにも合いそうにない客演のKendrick LamarもRick Rossも活きないままに無駄死にしている感が否めないんです。

いや、サウンド的には文句無しにカッコ良いんだけれど、ここでのSnoop Doggは物足らない。完全に歌ってしまっているのが仇になっていて、これならばPharrell Williamsに全て歌わせた方がマシだった気がします(辛辣)。ファンクをSnoop Doggに降臨させるという発想はやはり間違いないと思うのですが、それならばDaame-Funkと組んだ『7 Days Of Funk』の方が数十倍素晴らしかったと思います(Snoop DoggによるIggy Azaleaイジメが無ければ、年間Top10にも入り得たぐらい)。サウンド的な話をすれば、Pharrell主導で作ったらしい本作が、Pharrellの大ヒットソロ作『G I R L』よりも音の厚みがあって良く出来ていた気がして、それもこれもAdditional Productionとして名を連ねたChad Hugoの存在が大きかったのかな、と。つまり、The Neptunesのあの最高にクールな音はやはり、Chad Hugo無しでは創れないのだという事も再確認させられた一枚。






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