RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Tyrese「Black Rose」
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モデル出身でハリウッド俳優としても活躍する伊達男シンガー、Tyreseの通算六作目となる『Black Rose』を御紹介。六作目と言うよりは、Tyreseはこれを以てシンガーを引退すると宣言しているので、実質は引退作と呼んだ方がいいのかもですね。どうしてシンガーを引退するのか知りませんが(俳優業を優先なのか?)、本当にしてしまうならば勿体無いことこの上ありません(悔涙)。最悪、個人で引退してもいいから、TGTでもう一枚ぐらいは聴かせて欲しい前作『Open Invitation』同様、本作も自身のインディレーベルからの配給という事で自身が動いてフルに宣伝活動を行っていたTyrese。本作収録曲のPVでは、あの名優Denzel Washingtonに監督してもらったPVを撮るなど、俳優としてのコネクションもフルに活用しております(このPVは記事末尾に掲載)。
それではグダグダした前置きはこのへんで終わらせて本題に・・・・・・まずはアジアンテイストな妖艶な弦音がめくるめく蓮花のような極上ミッド「Addict」で幕開け、制作はTyreseやTank作品で御馴染みのB.A.M.が担当。万華鏡のように美しい音色と輝きを回転させるトラックに、Tyreseの色気ムンムンなヴォーカルが絡みつくナイスな一曲。大ネタであるRotary Connection「Memory Band」をサンプリングしたでは「Dumb」では、Snoop Doggと、TyreseのオルターエゴでラッパーのBlack Tyが客演で登場。TyreseにSeige Monstracity、Marcus Hodgeが共同制作したこのトラック、やはりあのベインベイン鳴らす弦音が鼓膜にへばり付く粘着ミッドで、パフパフした柔らかめのビートに乗せて両者のラップの援護射撃がアクセントになってます。ピカッピカッとフラッシュのような音色の瞬きが絢爛ソウルフルな点灯ミッド「Picture Perfect」、制作はまさかのRockwilder(!)とEric Hudsonという実験的にして最高のコンボ。先述のキラキラした鮮烈な音色と対照的に漆黒ベースが低く絡むのがスリリングにしてセクシー、Tyreseのコクのあるビターなヴォーカルが流麗に絡み合うバックで鳴るオルガン音とフックコーラスの重ね方からか、70年代のソウルと90年代のR&Bが融合したような艶やかミッド「Waiting On You」はB.A.M.が制作を担当。Tyreseのコク深いヴォーカルがじんわりと溶けるのが心地良く、まろやかクリーミーなトラックも素晴らしいんです(王道)。Tyreseの強靭でしなやかな肉体派ヴォーカルが唸る、トラディショナルな濃厚ソウルフルスタンダード「Shame」はWarryn CampbellとTyreseが共同制作という事で納得。もう泣けてくる程にブルージーで胸を締めつける影のあるスロウに、Jennifer HudsonとMika Lettがバックヴォーカルで参加しているのも味噌。初っ端の45回転早回し声で、もう胸キュンが止まらない「Don't Wanna Look Back」はB.A.M.が制作を担当。Tyreseのほろ苦な珈琲ヴォーカルと、Chrisette Micheleのミルクみたいにまろやか甘いヴォーカルが仲睦まじく溶け合う極上なデュエット。盟友Tankとの昼下がりのようなポカポカした温かさに溢れるソウルチューン「Prior To You」、B.A.M.制作のこのアコースティクでオーガニックなトラックはこの二人には物足らない気がしますが、二人の紳士で温かみのあるヴォーカルが心地良く響きます。波ひとつ立たない水面を静かに泳いだり潜ったりするような、透き通った潤いが鼓膜に浸透するスロウジャム「Leave」は、ただただTyreseの穏やかに遊泳するようなヴォーカルと一緒に鼓膜を泳がす(いや、メロディーに浮かせる)だけでもうOKです。またもやB.A.M.が制作した「Without My Heart」は、シャリシャリとしたシャーベット状のピアノメロディーとヴォーカルが滑る繊細でドラマチックなスロウ。仰け反りそうな程にセクシーで逞しいTyreseのヴォーカルに貫かれながら、もはや圧倒的光芒に包まれて昇天するほかない屈強にして清涼なバラード「When We Make Love」はEric Hudsonが制作を担当。さんざん愛し合っている間に朝陽が寝室に射し込んで来たかのようなメロディの緩やかな鮮烈、そこに官能的で汗ばんだ曲線を描くTyreseの逞しいヴォーカルが綺麗なトロトロ美曲です(骨抜)。ギターの爪弾きがしっとりと切なげに響く、90年代ライクなピチョンピチョン滴るモイストメロウ「Gonna Give You What You Need」はTim Kelly(あのTim & Bobの片割れか)。結局はこういう湿潤メロウに滅法弱いし、Tyreseのビチョビチョに濡れたマッチョなヴォーカルが映えるのも、こういうストレートにエロいスロウジャムだと思います(痙攣)。B.A.M制作の「Body Language」もそういう意味ではTyreseの本来のセクシーさが溢れ出した、肉感的な柔らかさと温もりがセクシーな極上スロウジャムでたまらなく良い(悶絶)。またまたB.A.M.制作の「The Rest Of Our Lives」では、Brandyが客演参加というたまらない一曲が実現。TankとBrandyの柔と剛が正比例したドリーミーな一曲で美しいですね(溜息)。最後もB.A.M.が制作の「I Still Do」で〆、Tyreseにはちょっと透明度が高過ぎる気がします、天然水のようなソウル曲で鼓膜はゴクゴク飲み干してしまいます。

うーん、やはりTyreseには官能的でセクシーなR&Bをガッツリやって欲しい。確かに歌は上手いし聴き応えもあるけれど、前半に多かったオーソドックスなソウル曲よりも、やはり後半に配されたセクシーで曲線的なR&B曲の方がしっくり来る(似合)。逆にこういうセクシー路線を難なく説得力たっぷりに出来るシンガーは少ないんだから(ましてやルックスも伴っているのは奇跡)、そういうの一本で作って欲しい、という訳で次回作も楽しみにしています。






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『Southpaw: Music From And Inspired By The Motion Picture』
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映画『トレーニングデイ』などで知られるAntoine Fuquaが監督、Jake Gyllenhaalが主演を務める同名映画のサントラ盤『Southpaw: Music From And Inspired By The Motion Picture』を御紹介。この映画のサントラ盤はExecutive ProducerをあのEminemが務めているのも話題なのですが、何よりこの主役のボクサー役は当初Eminemが演じるという事だったのですが、結局は役は降りたようですね(その代わり?に50 Centが出演している模様)。Eminemが演じるボクサーというのも観たかったんですが、こうしてサントラ盤を統括してくれるという事で、音楽好きにはなんとも有り難い棚ボタとなりました(笑)。映画自体もすごく面白そうですし(『トレーニングデイ』もなんだかんだでインパクトが強く、凄く記憶に残っている)、いつか観たいものです。
それでは映画の話はいつかするとしてサントラ盤に関して・・・・・・まずは、Gwen Stefaniの舐め上げるようで挑発的で艶やかな歌フックを得て、これ以上にないクールで刺激的な白いコンボ曲となった「Kings Never Die」で華々しくスタート。DJ Khalilが制作したこのロキッシュで尖ったトラックでならEminemは水を得た魚状態(無敵)、Eminemのかまいたちのように真空を切り裂くラップが旋風を起こすザクザク刺さる一曲。咆哮際立つハードなメタルロックなトラック、Rob Bailey & The Hustle Standardの「Beats (Remix)」では、新たにBusta RhymesとTech 9ine、Kxng Crookedと、秒速でのラップを必殺技とする面々が集結した、ロッキーばりの無限マシンガンチューンが実現。とにかくこの面々が揃い踏みの時点で剣林弾雨は必至、聴き手の鼓膜を容赦なく蜂の巣にして撃ち抜いてくれるのがもう痛快。「This Corner」はEminemが制作(Add制作にLuis RestoとMr. Porterが関与)、ラップとヴォーカルの両刀使いのDenaunなる人物が登場。このDenaunがバターみたいに濃厚マイルドなヴォーカルとラップ唱法を駆使する不思議なキャラで面白い、Eminem制作のシリアスで硝子チックなトラックにも不思議とマッチングしています(要注意)。シンプルでベタなドラムパターンと鍵盤音でドカドカ邁進する無骨チューン「What About The Rest Of Us」、Curtis Mayfield「Hard Times」をサンプリングしたこのトラックはRico LoveとKasanovaが共同制作。このトラックで登場するのがパワー系のAction Bronson、技巧派のJoey Bada$$、そしてマッタリ系のRico Loveの三つ巴というのがなんとも痺れる(適材適所)。トラック自体が無地の生地なだけに、キャラの立った三人のマイクリレーが余計に面白く感じられる一曲でグッド(興奮)。Bad Meets Evilが久々にタッグを組んだ「Raw」は、Raymond "Sarom" Diazが制作。グニャグニャと変形するアメーバ状のトラックに、ラップ巧者が交錯するのはやはり気持ち良いんです。AraabmuzikとJust Blazeが共同制作した「R.N.S.」はEminemお抱えのラップ殺戮集団Slaughterhouseが登場、Ice Cube「One Upon A Time In The Projects」をネタ使いしたトラックは、いかにもJust Blazeらしいネタ使いのレゲエ風のメロディーを、光吸収サウンドが貫く香ばしいラフチューン。Doc McKinneyとIllangeloが共同制作の「Wicked Games」は、御存知The Weekndが登場。どことなくオリエンタルで蒸せ返るような亜熱帯ミッドに、The Weekndのそのトロットロなヒアルロン酸ヴォーカルで鼓膜を潤わせる独特な世界観の一曲。再びBad Meets Evilが登場する「All I Think About」、制作はEminemが担当(Add制作にLuis Resto)。ファミコンばりにチープな(褒言葉)端子ビートがバツバツと連なる、いかにもEminemらしい狂気じみたトラックメイクは流石の一言に尽きます(鳥肌)。そんな常軌を逸した(でも計算され尽くした)トラックに、ラップの奇術師であるこの二人の斬れ味が存分に発揮される、本作で最も強力な一曲ですね(一撃必殺)。いかにも鉄工場みたいな熱気と焦げるような匂いが立ち込めるハードコアな硬質チューン「Drama Never Ends」は50 Centが登場、制作はFrank Dukesが担当。これもどこまでも鉄筋コンクリートな厳ついメロディ&ビートは殺風景ながらも、50 Centのぼやけたフックとハードパンチャーなラップがキレキレで凄い。侘び寂びを熟知しているDJ Premireのトラックメイクが冴える「Mode」は、PrhymeがLogicを伴っての登場。ここでもPrimoはAdrian Youngeの「Mourning Melodies In Rhapsody」をネタ使いするという寵愛ぶり、後半を任されたLogicもトラックに乗せてノンブレスなラップを繋いでいてクール。最後を締め括るのはやはりEminemの「Phenomenal」、制作は勿論Eminem本人であります。こういうメタリックでメロディアスでシリアスでクレイジー、というアメコミ的なアッパーはEminemにしかラップできない唯一の世界観でやはりカッコ良い。本作で唯一、昔の曲で収録されているのが、The Notorious B.I.G.とBone Thugs-N-Harmonyが共演した「Notorious Thugs」、こうして聴いても全く色褪せない格好良さと斬新さにもうただ脱帽で御座います(感涙)。

僕はそれほどEminem大好きという訳でもないので、このぐらいでEminemが登場するのが丁度良いですね(笑)。すべて新曲ですし演者も豪華で玄人ウケする手練ばかり、ハッキリ言って買わない手はないと思います。Eminemのトラックメイクの奇抜さも堪能出来ますし、単にBad Meets Evil「All I Think About」の一曲狙いで購入するのもアリですよ。






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Rico Love「Turn The Lights On」
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かなり昔からソングライターとして活躍している、Rico Loveのデビューアルバム『Turn The Lights On』を御紹介。Rico LoveといえばUsherを筆頭に、BeyonceやMario、NellyやKelly Rowlandと名立たるアーティストにソングライトしてきた人物。ソングライターが次々と世に出て来る中で、ちょっと遅れをとった感はありますが、それでもなかなか良質なMixTapeを量産していて、デビューが待たれていたRico Loveで御座います(個人的に僕は待っていた)。そうしてようやく日の目を見たのが本作『Turn The Lights On』、これはRico Loveが制作した楽曲ではかならず冒頭で耳にする、焼き印のような言葉で御座います(馴染)。本作ではアートワークやブックレットに多数の裸の女性が出ていて、それも素晴らしいです(下心)。
それでは雑談はこれで終えて感想に移ると・・・・・・まずはRico LoveとEarl & Eが共同制作したメランコリックな「TTLO」で幕開け、これは正しくタイトルである“Turn The Lights On”の略語です。まるで水辺に漂うようなギター弦の切なさ募る音色が溢れる、ただそんな澄んだ綺麗なメロディーにドムドムと鳴る太めのビートが途端にソリッドなメロウへと変化させるのが面白い。加えて(クレジットこそ無いが)断片的に埋められたWaka Flocka Flameの怒号がそんな感触により硬度を与えているのが面白いし、そんな反り立ったビートを背にラップへ転じるRico Loveのしたたかさ。90年代の東海岸サウンドを彷彿とさせる、煤けた灰褐色の殺伐ビートを潜り抜ける「Bad Attitude」。DJ Dahiが制作し、サンプリングにはThe Delfonics &Adrian Younge「Stop And Look (And You Have Found Love)」を使用したモノクロで不穏なビート。適役のRaekwonが登場した途端に殺気は倍増し緊迫感が走るし、Armani Caesarのラップも最近の女性MCにはない冷淡でセクシークールでたまらなくイイ。艶麗な曲線メロディーに躍動感のあるボタニカルなビートが吹き抜ける「Trifling」、制作はDanjaとRico Loveが共同で担当。透明に澄み切った水中にゆっくりと沈んでゆくような、そんなモイストなメロディの膨らみと気泡のように細やかなビート、そのなかで滲み広がるRico Loveの遊泳ヴォーカルがナイス。濃霧のように冷たく重いピアノ鍵盤がゴーストのように漂う、重厚低温なマイナーミッド「Ride」もDanjaが制作を担当しており、やはりどこか灰汁の強い癖のあるトラック創りをしています(不敵)。清廉としたビートが澄み切った空間内で共鳴しながら壮大に広がってゆくドラマチックなミッド「For The Kids」、制作はJim JonsinとRico Loveが共同で担当。これなんかは風を受けてはためくような勇壮なトラックと、どこか沈鬱としたRico Loveのヴォーカルが、Frank Oceanへのオマージュと言えるぐらいに世界観が似ている気がします。無垢で真白な小雪が降りかかるような音色が、雪化粧のようにうっすらと美しいメロディーを創り上げる「The Affair」。Daedelus「Onward」をサンプリングしたこの曲、冬の朝の息みたいにRico Loveのヴォーカルが冷たく白く濁るのが綺麗でナイス。80年代のポップを彷彿とさせるまろやか且つ壮麗な疾走感のあるレイドバックチューン「Days Go By」、制作はDanjaとRico Loveで、フックでのRico Loveのヴォーカルの重ね方がまたノスタルジックでたまらなく良い(興奮)。Benny BlancoとJake Oneが共同制作した「Somebody Else」は、Matt Corby「Brother」をサンプリングに使用。どこから野性的でオーガニックな風合いの奔放ミッド、ひらり翻るファルセットや伸びのあるRico Loveのヴォーカル(この伸びにUsherぽさを感じずにいられない)にしなやかさと逞しさが溢れていて、民族音楽的なスピリチャルソウルへと見事に昇華出来ています(失神寸前)。かと思えばレトロなソウルテイストで気品高くラグジュアリーな、あのJack Splash制作の甘美スロウ「Run From Me」なんかも繰り出すんだから(目暈)。つやつやして光沢のあるオーケストラ調のトラックもさることながら、Rico Loveのヴォーカルも絹のように滑らかで抜け目なし。一昔前のThe Neptunesのようなザク切りな弦音が棘立ち波打つクールなアッパー、「Happy Birthday」はRico LoveとEarl & Eが共同制作。呟くように繰り返す“はっぴばすで♪”もなんだかチープで耳に残るし、この曲でこそRico Loveのラップの二刀流が活きています。同じくRico LoveとEarl & Eが共同制作の「Amsterdam」は、まるで冬の星座を見上げるような、寒空のような青いトーンと銀の雫のような音色が優しく明滅するプラネタリウムのような繊細メロウでじっくり浸透します。最後を飾るのは口笛吹き吹きマッタリとした「The Proposal」はDJ DahiとTiago Carvalhoが共同制作、この抜け感が心地良くて飄々としたミッド。

やはり多くのソングライティングをこなしているだけあって、種々雑多な楽曲が飛び出すオモチャ箱みたいなアルバムになっていて素直に面白いですね。でもけしてごちゃ混ぜとかでなく、きちんと整頓さんされていて遊びやすいし、色々とツボを押さえてあって飽きません。歌声的にも瞬間でUsherに通ずるものがあって、この一枚をUsherにやらせたらどうなるかと少し邪推したり(笑)。最近で言えば、Luke Jamesを楽しめた方は聴いてみてもいいかもですね。Rico Loveも思ったより歌えているし、今年の隠れたお薦め盤でございます。






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Yelawolf「Love Story」
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チェロキーインディアンの血を引く白人MC、Yelawolfの通算二作目となる『Love Story』を御紹介。Yelawolfもあの新人の登竜門企画“XXL Freshman”で選出された実力者、その活躍により彼のアイドルでもあるEminem率いるShady Recordsとの契約も勝ち取りましたね。メジャーデビュー作となる『Radioactive』から約4年のスパンを経て発表された本作、彼の名前にもある狼をあしらったジャケットがまずインパクト大でナイスですね。
それではザックリと適当ですが感想書きます・・・・・・まずはWLPWRが制作を担当した「Outer Space」で幕開け、もうこの曲からしてChemical BrothersとBeastie Boysを融合させたような“一粒で二度美味しい”なアグレシッブなトラックで痛快。電撃を自在に走らせてエッヂーに尖って突っ込むエレクトロなアッパーに、Yelawolfの甲高くて斬れ味鋭いかまいたちの様なラップが真空をかっ切るのが面白い。Malay Hoが制作を担当した哀愁漂うアコースティックミッド「Change」も、前半こそブルージーで枯渇したようなメロディが空風みたく吹き荒ぶものの、後半では突然と宇宙空間へと光速移動してサイケデリックなラップ(エフェクト)へと変化するのも面白い。まさかのYelawolfがロックシンガーよろしく優美に歌い上げる「American You」は、Malay Hoが制作(Co制作にEminem)。アメリカらしい壮大で勇壮なオーガニックなロックチューンに、ファルセットを効かせて力の抜け切った柔らかなヴォーカルを奏でるYelawolfの歌心はなかなかのもの(舌巻)。こういう歌モノに斬れ味のあるエッヂーなラップも織り交ぜられる辺りはYelawolfの強みですし、Eminemもたまに魅せるロックなアプローチを思わせるのがニヤリ。WLPWRが再び制作した「Whiskey In A Bottle」はO Terço「Adormeceu」なる楽曲をサンプリングした燻し銀チューンで、アルコール度数高めでヒリヒリと灼けるような芳醇なトラックに、突っかかるように前のめりでラップをぶつけるYelawolfがクールで乙な味わい。アコースティックギターの爪弾く音色に鼓膜がしんみりと湿ってくる「Ball And Chain」はYelawolfが制作(Co制作にWLPWR)、これもYelawolfの憂いを帯びた優しく湿ったヴォーカルを幾層かに重ねたフォーキーソングでぐっとくるものがあります。「Till It's Gone」はまたもやWLPWRが制作なんですが、これまたギターの音色をしっとりと奏でるアコースティックなミッドで、Yelawolfのセピア色した淡いラップが春の嵐のように吹き荒れる美しき殺伐チューン。Yelawolfが制作した「Devil In My Venis」はモロにカントリー調の一曲で、じとじとと降る長雨のように暗くジメっとしたYelawolfのヴォーカルが鼓膜に沁みます(震)。WLPWR制作(Co制作にEminem)の「Best Friend」では親玉であるEminemが満を持して客演参加、仄暗くサイケな病的チューンはやはりEminem趣味で彼の方が活き活きとしてる気がしますが聴き応えアリまくり。「Empty Bottles」Malay Hoが制作したバウンシーな一曲で、これなんかはYelawolfの出自である南部のアーシーでゴツゴツしたバウンスを体感できてたまらないし(つまりはOutKast的な、Dungeon Family的なサウンド)、終盤で繰り出す速射ラップはもう神懸かり(失神寸前)。「Heartbreak」はEminemが制作を担当したバラードとも言えるスロウで、Eminemらしいシリアスでいて物悲しげな寂寞メロウに、振り切るように突っ走るラップと淡くエモーショナルな歌フックが素敵。景色が涙で滲むように薄らと淡くグニャグニャとマーブル模様に広がる、切ないメロディがじんわりと浸透する「Tennessee Love」はWLPWR制作、これもYelawolfの歌の上手さ(表現力)がモノクロ調で切り立っていてグッド。続く「Box Chevy V」もWLPWRが制作を担当、これもキュルキュル斬れるスクラッチとサイケデリックな宇宙的サウンド、それらを縫い合わせるアコースティックギターの化学反応が凄まじく、弾け散るようなYelawolfのラップもカッコ良い。表題曲となる「Love Story」もWLPWRが制作を担当、このトラックもピアノ鍵盤のしっとり可憐な旋律に、徐々に光速になって大気圏を通過し宇宙空間を遊泳するような衛星ミッドでカッコイイ(痙攣)。微振動を加えた繊細なサイケデリックチューンで、Yelawolfの流星のようなラップが矢継ぎ早に消えてゆくのも美しいんです。Track Bangasが制作で、Dean Honor「Heaven」をサンプリングした「Johnny Cash」でこの作風の根源を垣間見たような気がします。そんなJohnny Cashばりにフォーキーで影のあるモノトーンなギター弦がひらひら舞い散る「Have A Great Flight」はMalay Ho制作、ストリングスも滑らかに絡むこの物憂げなメランコリックトラックでも、Yelawolfは繊細で青白いヴォーカルをしんみり響かせていて上手い。硬質なドラムスがまるで天空から降り注ぐ雨のように冷たく刺さる「Sky's The Limit」、WLPWR制作のこの寒空のような凍えたメロディにYelawolfのマイナー気味なラップが空虚に響き渡ります。Malay Ho制作の「Disappear」は、リーディングで聴かせる一曲。最後を締め括るのはWLPWR制作の熾烈なパーカッションが破裂する「Fiddle Me This」、このフォーキーな流れで最後は弦音の唸るような喧騒メロディと、四方八方へ散るビートの硬いトラックで暴れるという奇襲作戦はまんまと成功しています。

最初聴いた時は正直、ちょっとHip Hopではないかなーと敬遠気味だったんですが、何度も繰り返し聴いている内に彼の持つ独特な世界観が鮮明になってきて中毒者になっていました(病)。これを純粋なRapアルバムとして捉えるか、アリかナシかは別として、音楽作品としては確実に彼の新境地(そして音楽としても新たな一面)を呈していてめっちゃクールです(痺)。個人的な感想としては、Bubba Sparxxxの傑作である『Deliverance』に通ずる質感で好きです。Yelawolfの底力を感じられた本作、Eminem超えもそう遠くないのでは(期待)。






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A$AP Rocky「AT.LONG.LAST.A$AP」
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モデルまでこなす新世代の二枚目MC、A$AP Rockyの通算ニ作目となる『AT.LONG.LAST.A$AP』を御紹介。とにかく現在のRap界を代表するファッションアイコンは間違いなくA$AP Rockyでしょうね、カッコ良いの代名詞と化しています。彼の所属するクルーA$AP Mobの一員であり創設メンバーであるA$AP Yamsが急逝し、彼の面影がそのままジャケットに写っていますね。
では前置きはこれにて打ち切り感想へ・・・・・・まずはあのDanger MouseがLucero「Noon As Dark As Midnight」をサンプリングして制作した「Holy Ghost」でスタート、客演には本作最多出演となる男性シンガーJoe Foxが参加。まるで雨に打たれるような濡れてしんなりしたドラムスと項垂れるような弦音が、ブルージーで煙たい雰囲気を醸し出すミッド。ゆっくりと縺れる寸前のA$AP Rockyの憂いを帯びたラップがこれまウェットで、Joe Foxの白煙のようなヴォーカルとぴったりマッチング。Hector DelgadoとFrans Mernick、それからA&AP Rockyが共同制作した「Canal St.」、客演にはBonesが参加(サンプリングにBones「Dirt」 を使用)。結晶化されたような澄んだ透明な音色が、ゴツゴツと連なり歪な鉱物のような存在感と不可思議な反響を生み出す朦朧ミッド。S.I.K.が制作した「Fine Whine」では、FutureとM.I.A.という濃い客演が脇を固めます。A$AP Rockyのスクリュー使ったラップでまずは泥濘にブクブクと沈んでゆき、しかし、M.I.A.がフックを歌うと途端に沈殿したメロディが消えて透明度が少し増し、最後にはFutureがメロディを含んだフロウでかき混ぜてスッキリと透明な水質トラックへと変化するのが面白い(虜)。トロトロと透明のジェルのような電子音が溢れる、空想世界のような浮遊感のあるトラック「L$D」。Jim Jonsin(御無沙汰)とFNZが共同制作し、Lou Donaldson「Ode To Billy Joe」をサンプリングした、この酩酊感たっぷりのトリップ中毒チューンに、A$AP Rockyが優しくも微睡んだ粘液チックでハイなヴォーカルを添えるのが面白い。逆流性メルヘンとも言うべき悪酔いドリーミーな「Excuse Me」は、Hector DelgadoとA$AP Rocky、Vulkan The Krusaderが共同制作し、サンプリングにThe Platters「I'll Be Home For Christmas」を使用。ピューイーピューイーと上擦って鳴る音色が不穏で、そこに淡々と結合しA$AP Rockyの無機質ラップが点滅する「Lord Pretty Flacko Jodye 2 (LPFJ2)」は、Mario LovingとNesbitt Wesgongaが共同で制作。不気味に蔓延するような煙たいメロディと、木造チックに乾いた固形な音色がポコポコと連なる「Electric Body」はHector Delgadoが制作(Add Prod.にDanger Mouseが参加)。A$AP Rockyの援護射撃をするのはSchoolboy Q、という事でモッサリした感触が増幅していますね。Rasela「Doa Tuk Kekashih」にSmokey Robinson and The Miracles「Much Better Off」、さらにTony Aiken and Future 2000「Who Cares」をサンプリングし、ソウルフルを強制返還させたトロミの付いたメロウ「Jukebox Joints」。制作はChe PopeとKanye Westが共同で、そのKanye WestはJoe Foxと共に客演参加しております。これほどまでにメロウでメロディのある甘美なトラックにA$AP Rockyが乗っかるのは珍妙で、でもかなり格好良くて味があって好き、Kanye Westもこういうソウルフル系統でのモチモチしたラップが懐かしくもあり(笑)。あのDipset所属のMCを歌っているのか分からない「Max B」は、Hector DelgadoとA$AP Rockyが共同で制作し、サンプリングにはBob James「Take Me To The Mardi Gras」を使用。抹香のようなゆらゆらしたメロディと裏腹に、ザキザキと金切音のような金属的な音色がチョップするトラックも、昆虫のように三段階変形するトリッキー仕様で、そんなトラックを背景にかなりゴツゴツと無骨なラップをハードにかますA$AP Rockyは新食感。アメリカロックのエキスを抽出配合したブルージーな「Pharsyde」はDanger Mouseが制作を担当、こういうトロトロと粘度の高いトラックはもう飽きたかも(苦笑)。それよりも思いきりサウスな泥臭いバウンスを纏って突っ込む、Juicy J制作でSyl Johnson「Could I Be Falling In Love」を下敷きにした「Wavybone」の方が渋く重たくカッコ良い(痺)。と言ってもここはやはり南部の重鎮であるUGKとJuicy Jを揃えて召還しているのも大きく、この二組が曲を決定づけていますね。Danger Mouseが制作した宇宙空間のような空虚でだだ広いサウンドがぐるりと広がる「West Side Highway」。A$AP Rockyのゆるゆると漏らすような訥々としたラップ、そこにJames Fauntleroyのじっとりとウェットで甘ったるくセクシーなヴォーカルが鼓膜に絡みつくのが非常に美味でございます。まるで熱して蒸留しているかのように異なる音質が交互に錯綜する、ミステリアスな「Better Things」はFrans Mernickが制作を担当し、サンプリングにBobby Coldwell「Carry On」を使用。「M'$」はDa Honorable C.N.O.T.E.が制作(Co制作をMike Dean)を担当し、所々に2 Chainzのヴォーカルを散りばめた歪曲チューン。この捻じ曲がった泥酔チューンに合わせてA$AP Rockyも変幻自在にラップスタイルを変えるのですが、やはりLil Wayneの爬虫類めいた強烈にして奇天烈なラップにガッツリ捕食されてしまっていますね(惜敗)。Python Lee Jackson「In A Broken Dream」をサンプリングした「Everyday」はMark RonsonとEmile Haynieが共同制作(Add制作にJeff Bhasker)で、客演にRod StewartとMiguelが揃って参加。この曲は話題にはなっていたけれど、僕的にはそんな反応しなかったので感想も無いです。それよりもあのMos Def(Yasiin Beyでなく?)を客演に招いた「Back Home」の方が僕的に重要だったりしますが、Thelonius Martin制作のトラックもソウルフルでピリピリ緊迫感があってカッコ良いけれど、やはりMos Def用にもっと粗くてロックで暴れる特攻チューンが欲しかったかな。

間違いなくスタイリッシュで新世代の音と世界、なのであとはこれを好みとするかどうか。僕みたいな三十路はやはり理解するまで時間がかかる一枚、しかしながら前作よりかはだいぶサンプリングとか多用していて聴き易いのかも。年末にどの順位になるのかは未知数、しかしながら僕はA$AP RockyよりはA$AP Ferg派であります(告白)。






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Kay Cola『For The Dreamers』がお気に入り
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あまり積極的にはダウンロードしないMixTapeの数々。
もう毎日幾多のMixTapeが出ているし、メジャーなアーティストも頻繁に出す。
買ったCDさえもろくに聴けない状況なので、そんなところまで気が回らない。
でも、ジャケットが気に入ったり、ちょっと興味惹かれたら、稀に落とすんです。

その一人が、このKay Cola。
ジャズ・フルート奏者ヒューバート・ロウズの娘、デブラ・ロウズの姪っ子。
とかいう情報は全く知らずに(笑)、なんだかジャケットを気に入って前作となるMixTape『Love & Music』を落として聴いたら、綺麗な歌声でけっこう何度も繰り返し聴いていた彼女。
このブログでも紹介したかと思ったら、Twitterで呟いていただけでした。
この縦長の顔立ちに、どこかTweetのような面影を感じるのは僕だけ?



そんなKay Colaが、新しいMixTapeの『For The Dreamers』を発表しております。
この金縁のジャケットなんかは、いつぞやのG.O.O.D.関連の作品を思わせますね。
内容も凄く良い、まだ聴いていない方は是非ともDLしてください。





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Raekwon「Fly International Luxurious Art」
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Wu-Tang Clanの料理人こと、Raekwonの通算六作目となる『Fly International Luxurious Art』を御紹介。強者揃いの特濃MC集団、Wu-Tang Clan、昨年は久々のリユニオンでアルバムをリリースしてファンを興奮させてくれたのも記憶に新しいですね。そんなWu-Tang Clanの中でも、Ghostface Killahと並んでコンスタントにアルバムをリリースしているのがRaekwonで御座います。その燻し銀なライムとトラックチョイスで、今でも最もWu-Tang Clanらしいサウンドを武器にしているのが、このRaekwonではないかと僕は感じています(Ghostface Killahは結構さまざまなトラックに挑戦している気がする)。
それでは早速感想を書き連ねたいと思います・・・・・・まず冒頭の「Intro」からしてJerry "Wonda" Duplessisが制作という力の入れ様、ビートを聴きたかった(悔)。「4 In The Morning」はScram Jones制作、加えてGhostface Killahが客演参加という事で馴染みの面子で特攻します。サイレンや駆け抜ける雑音で構築した殺風景なトラックなだけに、Raekwonの刺々しいカンフーラップとGhostface Killahの焦げ臭くソウルフルなラップが映えます。S1とJerry "Wonda" Duplessisが共同制作した「I Got Money」では、なんだか意外な起用に思われるA$AP Rockyが客演参加。ピアノ鍵盤と木魚のようなポコポコしたウッディなビートが鳴るトラックに、RaekwonとA$AP Rockyの陰影のある冷たいラップが滑るのがクール。She Da Godが制作した「Wall To Wall」は、Stacey Lattisaw「Let Me Be Your Angel」を短くカットしループした一曲。じっとりと湿った伸びのあるフロウでスタートするFrench Montana、冷血で鋭利なRaekwonの的確なラップ、そして最後にBusta Rhymesが登場し縦横無尽に四方八方へとラップを炸裂させるのが面白い。「Heated Nights」はFrank Gが制作を担当しており、これがキラキラとシティライトに揺れる都会の夜みたく流麗でしとやかでグッド。Raekwonの夜風のように涼しげでさらりとしたラップもクールで、この品のある煌びやかなトラックに超お似合い(痺)。再びScram JonesとJerry "Wonda" Duplessisが共同制作した「F.I.L.A. World」、客演には何故だか人気な2 Chainzが参加。ゆっくりと旋回するようなメルヘンなメロディにもたれるし、2 Chainz自体のラップもモッサリしているのでちょっとつまらない。それに引き換えIsaac Hayes「Ike's Mood」とBiz Markie「Make The Music」をダブルでネタ使いした、Scoop Deville制作の「1,2 1,2」は最高にカッコ良い。ズタンズタンとシンプルに叩き込むスパルタなビートと不穏なメロディ、強烈に連打するハードパンチャーなRaekwonのラップと、酔拳のように妖しくよろけながら刺すSnoop Doggのラップの相性は抜群。S1制作の「Live To Die」はZulema「Pity For the Children」をサンプリング、沸々と溢れるシリアスで繊細なメロディに、Raekwonの煙で燻すようなジワジワと焦げ臭いラップが絡むのがカッチョ良いんです(鳥肌)。Jerry "Wonda" DuplessisとSwizz Beatzという鉄壁なコンビでの制作曲「Sound Boy Kill It」では、Melanie FionaとAssassin(懐かしい)が参加。これはJerry "Wonda" Duplessis得意の焙煎風味とSwizz Beatz得意の喧騒シンセと殴打ビートが組み合わさった、ハードコアなトラックでカンフー使いのRaekwonは水を得た魚状態。こういう渋いトラックならばMelanie Fionaの芳醇なヴォーカルもお似合いですし、レゲエシンガーのAssassinのシャウト気味のヴォーカルもバッチリお似合い。Bluerocksが制作でMarlena Shaw「Where Can I Go」をサンプリングした「Revory (Wraith)」は、Rick RossとGhostface Killahというソウルを熟知した面々と燻し銀なマイクリレーを披露。Jerry "Wonda" DuplessisとShama "Sak Pase" Josephが共同制作した「All About You」は、客演にEstelleが参加。黄金色のホーンが鳴る重厚で壮麗なソウルチューンに、斬れ味抜群のRaekwonのラップとドリーミーでしとやかなEstelleのヴォーカルが滑走します。またもやScram Jonesが制作した「Nautilus」はやはりシンプルビートで王道トラック、こういうビートだけ振りかざして突進するようなトラックこそWu-Tang Clan一味の攻撃力を最大限に引き出す事を知っているのです。最後はLiz Rodriguesが客演参加した「Worst Enemy」、制作はMatthew BurnettとDZLが担当。これも乾燥し切った殺伐とした無味なトラックだからこそ、Raekwonの殺傷力の高い武力ラップが活きるナイスな硬質トラックでグッド。

相変わらずの無骨さと硬さ、Raekwonのラップもそうですが、まさに金剛のような仕上がりで御座います(鳥肌)。ド派手な一曲はなかったけれど、新旧のMCをバランス良く配置したのもスマートでナイス。とは言ってもゲストと色とりどり感でいえば、前作『Shaolin Vs. Wu-Tang』には負けるのですが。これがRaekwonのベストだとは言いませんが、それでもやはり他と一線を画す筋金入りの一枚には仕上がっております。今年はGhostface KillahにRaekwon、そして新作発売を控えるMethod Manと、三者のアルバムを一年にまとめて一度に聴けるから嬉しい限り。






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Jamie Foxx「Hollywood: A Story Of A Dozen Roses [Deluxe Edition]」
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コメディアンでありアカデミー俳優であり優れたシンガーでもある、Jamie Foxxの通算五作目となる『Hollywood: A Story Of A Dozen Roses』を御紹介。Jamie Foxxは普通に俳優として活躍出来ているから、もうアルバムは出さないかなーと残念に思っていたんですが、またもや5年のブランクは空きながらもリリースしてくれました(感謝)。僕の情報収集が甘いからかもしれませんが、なんだか前触れもなく突如としてリリースされた感のある本作。
それでは簡単な感想をこれから書かせて頂きますと・・・・・・まずはBoi-1daが制作した「You Changed Me」で幕開け、客演にはChris Brownが参加。Boi-1daらしい銀河系のシンセサイザーがゆっくりと移ろう遊泳感のあるトラックに、シルクのようにすべすべしたJamie Foxxのヴォーカルがセクシーに翻るのが心地良く、Chris Brownは別に必要なかった気も。続く「Like A Drum」はBoi-1daとSkySenseが共同制作、これもやはり真っ青な深海の中を彷徨い泳ぐようなディープでモイストな沈没チューンで、ゆっくりゆっくり沈んでゆくJamie Foxxのゆらゆらとした朧げなヴォーカルが心地良い。客演にはWaleが参加しており、これまた乙で沈殿気味のラップを聴かせていてグッド。Boi-1daとFrank Dukesが共同制作した「Another Dose」は、沈んだ水底から水面を見上げ、光の射す方へとゆっくりと水泡のように上がってゆくようなトラックがやはり幻想的。Jamie Foxxはこういう目暈のようなトラックにスロウなヴォーカルを乗せるのが巧いです(中毒)。Pharrellが制作&客演した「Tease」は悪い意味でPharrellらしい淡白な電光フラッシュな一曲で、ライト過ぎて物足りなさが残りますね(苦言)。Cook Classicsが制作を担当した「Baby's In Love」ではKid Inkが客演参加、ビカビカとこってりとして派手に瞬くシンセの鳴りがエッヂーでキャッチー、だからこそのKid Inkだろうけれど彼じゃ物足らない(辛口)。「Text Message」ではあのVidal Davisが制作を担当、ポコポコと規則的に鳴るバブルビートの中でJamie Foxxの甘美で滑らかなヴォーカルが戯れるアクアリウム曲で、滲まず鮮明に響いてくるのが不思議で心地良い。J'rell of The Inkkwellなる人物が制作した「Hollywood」は、煌びやかで壮麗なミッドで伸びのあるヴォーカルが気持ち良い。しかし、同じJ'rell of The Inkkwellの制作曲ならば続く「Vegas Confessions」の数倍カッコ良くて、だんだんと昂る部族的なクラップビートにしっとりと星空のように降りかかるダークソリッドなメロディ、そして流星のように鋭く輝き滑るJamie Foxxのヴォーカルとすべてがクール。The Monarchが制作を担当した「Socialite」もやはり電子音ア・ラ・モードといった感じで浮遊感のある無重力チューンで、メタリックに加工研磨されたJamie Foxxのヴォーカルが未来的でクール。本作中で最もお気に入りなのがCatalystとTravis Saylesが共同制作した凛としたピアノバラード「In Love By Now」、こういう汚れのないまっさら純白な美曲でこ、Jamie Foxxの透明感と品のあるシルキーなヴォーカルが映えますね(感涙)。同じくCatalystとTravis Saylesが共同制作の「Jumping Out The Window」もピアノ弾き語りのバラードで沁みる、黒さこそ薄いけれど優しく緩やかに流れる源流のように清いメロディに心洗われます(浄化作用)。冒頭のJamie Foxxの五重奏(ぐらいの)ファルセットで一気に鼓膜が覚醒する「On The Dot」、制作はVinylzが担当(Co制作をBoi-1da)。これも鋭利なシンセがつんざめくけれど、ファルセットの使い方とが根源にあるのは王道ソウルなもので、客演のFabolousの相変わらず鼻にかかるネチっとしたラップもナイス。とここまでが本編の内容で、ここからはボーナス曲が3曲収録されています。まずはあのIvan Bariasが制作したスペイシーでサイバーな「Right Now」、幾度も繰り返すリフレインフックが耳に残りますね。売れっ子Dijon "DJ Mustard" McFarlaneが制作(Co制作にMikely Adams)し、サンプリングにMichael Jackson「P.Y.T(Pretty Young Thing)」をがっつりサンプリングした「Pretty Thing」は面白い。フックはモロまんまに原曲を用いつつ、DJ Mustardらしいベトベトしたビート使いで癖のある変形させています。最後はなんとあのMario Winansが制作した夜風のように流麗なひんやりミッド「Ain't My Fault」で〆、こういうセクシーで低温スウィートな曲はMario Winansにしか書けませんね(流石)。

カッコ良い、サウンド的にも最先端を行っているしクール。あとはJamie Foxxにどういうサウンドを求めるか、これだけ歌唱力のあるシンガーだから、素直に綺麗なバラードを歌って欲しくもなるし、若い客演なんかは不必要で、もっとベテランとどっしりした絡みを聴かせて欲しい気もするし(難)。しかし、Jamie Foxxはいつだってこういうフレッシュな音や面子と戯れたいんでしょう、まあ格好良いから良いのですが(笑)。とにかくミッドとスロウの仕上がりは抜群、前作『Best Night Of My Life』収録の「Fall For Your Type」が好きな方は、Boi-1da制作曲でけっこう楽しめると思います。あとはどうせ買うならば、Mario Winans制作曲が聴ける豪華盤ですね(偏見)。




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Troy Ave「Major Without A Deal」
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New YorkはBrooklyn出身の期待の若手MC、Troy Aveの通算ニ作目となる『Major Without A Deal』を御紹介。Troy Aveといえば、彼も若手の登竜門“2014 XXL Freshmen Class”の出身者。という事で多くのMixTapeをリリースしている猛者で、New York出身という事で僕も静かに注目していたMCの一人。しかし本作、発売初週に僅か5000枚(デジタル)しか売れなかった、とかで逆に話題になっていた気がします(英語の記事だから、完全に僕が読み違えているかもですが)。
という訳で前知識はそんな無いので早速感想に・・・・・・まずは、けたたましく破裂音に近いホーンが炸裂する、闘魂揺さぶるリングイン曲「Quater Million」で幕開け。Ted Smooth制作のバリバリとした荒いトラックに、Troy Aveのナヨッとした軟弱なラップと、客演参加のCam'ronの野太くて睨みの効いた無骨なラップがしなやかに絡むのが最高。90年代の東海岸サウンドを彷彿とさせる、硬くてざらついたアスファルトのようなトラックが殺伐としていてクールな「I'm Bout It」、制作はYankeeが担当。Troy Aveのラップは甘くて軟弱ながらこうして聴いていると、だんだんと中毒性を増す絶妙な糖度。しかも途中から客演のFat Joeが出て来て、よりハードコアが増し、刺すような刺激が増殖してよりクールになります。前半長々とAveがただただ下手な歌を披露する「Young King」はちょっと意味不明(誰得?)。制作はYankeeとTroy Aveが共同、後半には単純な煌めきループに乗せて淡々とラップ乗せて加速。同じくYankeeとTroy Aveが共同制作の「Real One / Real Nigga」は、前半はザクザクとした金属的な冷たさのトラックに、ビートがドカドカと落とされるスクラップチューン。後半は鍵盤音が黒煙のようにモクモクと充満するダウナー。Jay-Zの大ヒット曲「Hard Knock Life (Ghetto Anthem)」や「Anything」、それからCam'ron「Oh Boy」に倣った、キュートで朗らかスウィングな「Doo Doo」、制作はTha Biznessという事で納得の出来映え。こういう子供っぽい遊び心の効いたトラックは最近無いから新鮮だし、元より青いAveの声質にも違和感なくフィット。ヒリヒリと不穏なゴーストチューン「Bang Bang」もTroy AveとYankeeが共同制作、50 Centが参加するハズも結局は入っていないのが癪でならない( 憤慨)。バシバシと叩く熾烈なビートと鋼鉄めいた固いトラックがカッコいい「A Bronx Tale」、これなんかも90年代東海岸のトラックという感じで殺伐感が痺れる、と思ったら制作はレジェンドとも言えるKid Capriという事で敬礼ですね。Lil Twin Contrabanを客演に招いた壮麗なミッド「Love You / How I'm On It」、Rubirosa制作のソウルフルで風船チックな膨らみを見せるトラックに、Aveのトロンとしたゼラチン質なラップが柔らかく絡むのがドリーミーにしてクリーミー。金色のホーンの音色が飴細工のように器用に変形しながら絡む極めてJazzyな一曲「Fake Butt Busta」、制作はRubirosaが担当でこういう渋めのトラックも潜ませるのが憎い演出。キラキラと鱗粉のような煌めきを魅せるピアノ鍵盤の音色が美しいメロウ「Do Betta」、この流麗なメロディに乗るTroy Aveのもっさりしたラップも面白いけれど、やはり客演参加のTy Dolla $ignの黒糖のようにしっとりと落ち着いた渋味と甘味が混じったヴォーカルが素晴らしいです(美味)。シリアスで曇天のような静寂系のトラック「Finagle The Bagel」はYankee製作、客演にはYoung Litoが参加。Aveのラップが甘ったるいだけに、Litoの出涸らしみたいに渋いラップが対比していて面白い。「Gimme That」はYaiquab Of Quablabが製作、客演にはA$AP FergとYoung Litoが揃って参加。ジリジリと焦がすような灼熱系のトラックに、なかなか強烈なキャラ立ちの三者がマイクを回すのが面白い一曲。FabolousにJadakissとNew Yorkの古参が揃い踏みの「Do Me No Favors」はChase N Chaseが制作、これはもうNew Yorkの空気を存分に吸い込む以外にありませんね(痺)。 濃霧のようにジンワリと鼓膜を霞ませながら包み込む煙幕的スロウチューン「Anytime」、制作はJohn Scinoが担当。Troy Aveの(良い意味で)腑抜けたゼラチン質なラップに、これまたスモーキーで怪しく立ち込めるSnoopのラップがイルで良いんです。レジ台がキャシャーンと鳴る音がアクセントの「Taste Of Revenge」、Chase N Chase制作で鍵盤音がホロホロと鳴るメロディもラグジュアリでナイス。「All About The Money」はRoofeo & Yankeeが制作、鍵盤音が静かに散るような静寂チューンに、リッチなJeezyとRick Rossが客演参加することでゴージャスで重厚に仕上がっていますね。最後はもはや反則技な気がするChase N Chase制作の「Your Style (Remix)」で〆、Puff DaddyとMa$e、そしてT.I.が客演参加、Puff Daddyを召還してのRemixってだけで箔が付きますもんね(鳥肌)。Chase N Chaseも分かっていて、ジューシーに甘酸っぱくネタ使いしたアッパーを用意、それに乗せてライトでキレのある面々がマイクリレーするんだから気持ち良さは抜群です(爽快)。

という訳で、全体的に90年代の東海岸サウンドを意識した温故知新な一枚。だからこそ三十路の僕は聴き易い、というか最近はこういうNY王権復古みたいなサウンドの流れがトレンドなのかもしれませんが。だから僕みたく、NYに肩入れしている方は楽しさ倍増だと思います。若手のクセして関わるゲスト陣も東のベテランばかり、あとはTroy Aveのナヨナヨした軟弱なゼラチン質フロウを好きになれるかどうか。






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Tamia「Love Life」
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あのQuincy Jonesに見初められ18歳でデビューした、Tamiaの通算六作目となる『Love Life』を御紹介。その歌声は勿論のこと、キュートで端麗な顔立ちも人気のTamia。コンスタントに作品をリリースしているTamiaですが、それでも前作からはおよそ三年ぶりとなる新作。しかしこの久々の新作はメジャー復帰として大手のDef Jamからの配給、そしてTamiaにとって初のBillboardのR&Bアルバムチャートで1位を獲得したそう(祝福)。アトランタで約10日間ほどで録音されたという本作、Tamiaの美しい顔を4ポーズ配したジャケットも凛々しくて素敵ですね。
それではザックリと感想を書いちゃうと・・・・・・まずは@PopWanselと@OakWudが共同制作した「Love Falls Over Me」でヒンヤリとスタート、氷点下スレスレの真水のように冷たく澄んだトラックに、Tamiaの柔らかくもドラマチックで鮮麗なヴォーカルが泳ぐのが気持ち良い。王道なフローラルソウルチューンに思わず笑みが零れる「Chaise Lounge」、制作はLil RonnieとBrandon "B.A.M." Alexanderが共同で担当。じんわりと眩さや色彩が滲むサウンドに、Tamiaの華やかなヴォーカルがひらひら舞い散るのが綺麗。ジワジワと焦がすような微熱感がたまらない「Sandwich And A Soda」、制作は再び@PopWanselと@OakWudが担当。まるで夕間暮れの海辺のような明度の低く淡いトラックは、ダウナーなトロピカルミッドという具合で悩ましげ。Mariah Careyが好きそうな軽やかでサクサクしたエッヂの効いた、C. "Tricky" StewartとTerius "The-Dream" Nashが共同制作した真空管ミッド「Nowhere」はナイス。彼ららしい0.1ミリの薄さに削られた電子音が紡ぐクールな一曲で、Tamiaのライトでひらひらしたヴォーカルが舞います。ヒアルロン酸たっぷり配合でツヤツヤ潤う濡れ濡れなスロウ「Lipstick」はChuck Harmonyが制作、Tamiaの優しく撫でるようなウィスパーヴォーカルがこれまた官能的で品があります。再びC. "Tricky" StewartとTerius "The-Dream" Nashが共同制作の「Special」は、やはり薄く透けるシフォンのような柔らかくフワフワしたメロディで、Tamiaの優美な歌声がそっと寄り添う極上ミッド。またまたLil Ronnieが制作を担当した「Like You Do」も、色鮮やかで繊細なメロディがするすると解けてゆくような美ミッドで、穏やかで伸びやかなTamiaの歌声にウットリすること間違い無し。水面にピチョンと水滴が落ちるような波紋シンセが、潤いたっぷりに響く純水スロウ「Stuck With Me」。制作はPolow Da Donという事で、メロディ軸こそ王道ソウルなんだけど、音色には結露のように澄み切った電子音を入れて、ちょっぴりフューチャリスティックにも感じさせます(策士)。「No Lie」はStereotypesが制作を担当、これも美スロウジャムなんだけれど、どこかサイケで宇宙グルーヴな鋭利さが滲むクール仕様でメタリック。純朴なピアノバラード「Day One」はJohn "Johnny BLK" Lardieriが制作、こういう飾り気のない純白で無垢なバラードは、Tamiaのどこまでも透明なヴォーカルが映えますね(眩)。「Black Butterfly」はまさかの鉄人Shep Crawfordが制作を担当、キュイキュイ鳴らすアコースティックギターで聴かせるマイナー調のスロウで、ちょっぴり影のあるTamiaの歌声の優雅さが素敵。Jenna Andrewsが制作した「You Give Me Something」は、この流れの中だと少し余計だった気もするオールドスクール曲。同じくJenna Andrewsが制作した「Rise」は素晴らしく、ピアノ鍵盤を基調としたモノクロ調の切ないメロディに、Tamiaの深く痛切なヴォーカルが駆け抜けます(奔走)。

純度100%のR&Bアルバム、見事に結晶化されていて聴いていて心が洗われます。Tamiaの歌声も本当に澄み切っていて、真っ直ぐにハートに沁みてきて、潤いを与えてくれます。アルバム全体の構成を考えて、前半にミッドと後半にスロウを配していますが、もうスロウだけでも良いと思えたほどにスロウに癒されました。三十路の僕でも安心する純正R&B、ナイスで御座います。




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