RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Scarface「Deeply Rooted」
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今やRap界における南部の重鎮である、Scarfaceの通算十二作目となる『Deeply Rooted』を御紹介。ScarfaceはGeto Boysの一員としてデビューし、その後ソロに転向して数々の傑作を発表しておりますね。Def Jam内に新たに設立された南部支部、Def Jam Southで社長に就任したことで、一気に南部の顔としての地位を確立したのを今でも覚えております。かく言う僕はScarafeceのちょっとしたファンでもありまして、やはり名盤と名高い『The Diary』と『The Fix』はかなり聴いた方で御座います。現状では全部で7枚のScarfaceソロ作を持っているので、早く全てをコンプリートしないとと焦っている次第です。そんなScarfaceの7年ぶりの新作、ようやく入手できました。
という訳で前置きはやめて本題に入ると・・・・・・まずはMike Deanが「Intro」「Outro」を担当していて、本作の雰囲気を盛り上げます。ダフダフと埃っぽい空気を含んで鳴らすビートと、ザラザラとした粗目調の哀愁漂う脱色レゲエ風ミッド「Rooted」。N.O. Joe制作のこの渋いトラックに、Scarfaceの野太く塩辛いラップと、客演のPapa Rueの灼けたビターな歌フックも入ってたまりません。これぞScarfaceなビタースウィートでメルティーな艶美ソウルフルで聴かせる「The Hot Seat」、制作はN.O. Joeが担当。このラグジュアリでエレガントなメロウにコクと深みのある芳醇なScarfaceのラップが溶けるとより円熟した旨味が出るし、クレジットこそないけれど歌フックを聴かせるJack Freemanのほろ苦い歌声も素晴らしいです(痺)。南部の元締めらしくトラップ的なダルダル弛んだ重厚ビートと共に聴き手の鼓膜を踏み潰してゆく「Dope Man Pushin'」、制作はN.O. JoeとSpuf Don。ドロドロと渦巻く泥臭いビートにスクリューが加味され、Scarfaceのオーソドックスで剥き出し重戦車みたいなゴツゴツした装甲ラップに圧倒されるばかり、客演のPapa Rueのヴォーカルもナイス。度々Scarface作品では招集される盟友Z-Roが客演参加した「Fuck You Too」はChuck Heatが制作、Scarfaceの重量級のラップでパウダー粉砕されたピアノ鍵盤の音色が舞い上がる中、Z-Roの癖のあるネットリとした歌フックがまた情感溢れていてナイス。南部鉄器のように漆黒で硬質、マットな輝きを放つ鉄製の美しいトラック「Steer」はLuke Walkerが制作を担当。この金属的な質感ながら上品な工芸品のように滑らかなトラックに、Scarfaceのド渋いラップと、客演のRush Davisの甘酸っぱく切なげなヴォーカルが凛と響くのも良いんです(興奮)。N.O. Joeが制作(Co制作にあのNottz!)した「Anything」はソウルフルなメロディがゆっくりじっくりと滴るのに合わせて、Scarfaceのラップも涙が零れるようなスピード間で吐露するようなスタイル、歌フックを担当するRich Andruwsも良いですね。そのままソウルフルに流麗なメロディを展開する深みのある「Do What I Do」はN.O. JoeとSpuf Donが共同制作、クリーミーな歌フックをZ-Roが担当し、Rick RossとNasという侘び寂びの分かった渋い面子とマイクリレーするのも乙で美味です(抜群)。EPとN.O. Joeが共同制作した「God」ではJohn Legendが客演参加、キラキラと暗雲の隙間から一筋の光が射し込むような荘厳な閃光トラックに、ScarfaceのふくよかなラップとJohn Legendの祈るような歌声が素晴らしい。N.O. JoeとSpuf Donが共同制作したピアノ鍵盤とビートが軸の、繊細で煌びやかな流麗ミッド「Keep It Movin'」は、客演のAvantの絹のようなヴォーカルが加わってより滑らかな仕上がり。EPとN.O. Joegが共同制作した「You」ではCeeLo Greenが客演参加、昔は怪鳥のようにケーケー啼くようなヴォーカルだったCeeLoも、最近はこういう福々しい極楽鳥のようなヴォーカルで甘美で優しい空気を漂わせます(浄土)。EPが制作した「All Bad」はそれこそScaraface作品ではよくある陽光燦々ミッドで、こういうトラックもやってしまうScarfaceの懐の深さ。アコースティックギターを爪弾き零す、澄み切った透明メロウ「Voices」はM. MacとJ. Baumが共同制作。こういう清涼でドラマチックなトラックも飲み干すScarfaceの肉厚なラップも素晴らしいし、クレジットこそ無いが女性ヴォーカルのフックも可憐で素敵。最後はKEYが制作した「No Problem」はビヨビヨと波打つ不穏なシンセが蔓延するダークチューンで、こういうヘヴィーなトラックでブンブンと怪力ラップを振り回すScarfaceも豪快で好きです。

久々にScarfaceの作品を聴いたけれど、やはり一貫して渋く品のある質感で安堵。Scarfaceってすごくタフで重たいスタイルでゴリゴリかなと思いきや、トラックセンスも渋くて流麗なものが多く、ラップにも情感豊かで深みがあって滲みるものがあるんですよね(名人)。という訳で僕はやっぱりScarafceが好きですね、きっとオーバー30の方ならば共感して頂けると思います。




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K Camp「Only Way Is Up」
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続々と新勢力が登場しその層の厚さを痛感させるAtlantaのニューカマー、K Campの記念すべきデビューアルバム『Only Way Is Up』を御紹介。最近は新人を紹介するのに枕詞と化している“XXL 10 Freshmen Class”の2015年版で、今を時めくDeJ LoafやFetty Wap、Raury, Vince Staplesなどと並んで選出されていたのがこのK Camp。僕的にはその10人の中でもかなり地味で印象になかったK Campですが、先行シングルである「Comfortable」がすこぶる良かったのと、このジャケットがかなりカッコ良かった(一時期のG-Unit作品みたい)ので、金銭的にも無理しての購入を決意(笑)。
予備知識はいつものように無いので早速本題に・・・・・・まずはKevin Brownが制作した「Change」でスタート、客演にはJeremihが参加。湯気が立つような熱感と湿り気があるスチームメロウで、K Campの甘ったるく嗄れたラップが程よく脱力しながら鼓膜を弛緩し支配してゆくのも心地いいし、終盤でどこからともなく香り立つJeremihのパフュームのような歌声もエレガントでナイス。同郷のT.I.が客演に参加した「Till I Die」はBig Fruitが製作で、これがアトランタ産らしいオーソドックスな鉄屑スクラップビートが肝な硬質トラックでグッド。これはもう早口で斬鉄してしまうエッヂーなT.I.のラップがキレキレ過ぎて分が悪いけれど、だからこそ曲の威力は凄まじくパンチ力大アリ。Big FruitとDa Honorable C.N.O.T.E.が共同制作の「Yellow Brick Road」は壊れたラッパのようにパァーッと垂れ鳴らすシンセと、ボタボタと滴り落ちるビートのシンプルな二分構成でゆく鈍行トラップ。「Lil Bit」もBig Fruitが制作したドロドロなオイリーチューンで、こういうダルダルなノリに乗っかるのは僕としては厳しいけれどK Campはなかなかのもの。Big Fruit制作の「Own Boss」のラップするとも歌うとも分け難い、ゆらゆらと流れに任せて優しく漂う水藻のようなトラックとヴォーカルがドリーミーな感触は僕のツボ、案外エグみの無いK Campのラップはこういうメロウの方が合っている気がします。そのまま少し濁った水質のトラックに、ズブズブと浸かってゆっくりもがくようなラップスピードがトリップ感抜群の「This Way」はReazy Renegadeが制作を担当。パチパチと静電気が走るようなメロディーとビートが全体を覆う「Who Am I」はBig Fruitが制作、客演にYo Gottiが参加し曲の硬度をグーンと引き上げています(重量級)。French MontanaとGeniusが客演参加した「Money I Made」はRichie Soufが製作、これは思ったよりも単調で退屈な一曲で肩透かし、きっとハマってしまったら全く抜け出せない蜘蛛の巣チューンではあるのだろうけれど、役者不足な感は否めないかな。本作からの先行カットだった「Comfortable」はBig Fruitが製作を担当、最近のラップ曲では珍しい果汁100%の糖度高めのフルーティなメロウで、K Campのレイドバックしたソフトなラップも鼓膜に心地良くて中毒性が高いです(興奮)。同じくBig Fruitが制作した「B*tches N That Coupe」はアジアンテイストな艶美メロディがポロポロと零れるスロウで、ここでまさかの同郷からBun Bが客演参加することで、より厚みのある温かなスロウに仕上げる事に成功しております。「Rolling」はDa Honorable C.N.O.T.E.が制作で、サンプリングにSnoop Dogg「Gin And Juice」を使用。それころトロトロとグラスにきつめのアルコールを注ぎ入れるような刺激のある流動ミッドに、客演でSnoop Doggが登場しズルズルな甘噛みラップをゆるーく聴かせるのが最高です。Big FruitとBobby Kriticalが共同制作した「I'm Good」も朝焼けのように烈しく眩くもまろやかな温かみのあるミッドも、K Campのメロディをなぞるフロウが心地良くてナイス。最後はReazy Renegadeが制作した「Control」で、これもアイスバーンしているトラックがツルツルで眩く、その上を滑るK Campのラップがクールで中々の格好良さ。

突出した個性みたいなのは無かったかもですが(辛口)、それでも耳を奪う曲も幾つかあって聴かないのは確実に損だと思います。南部出身だけれどあまりトラップっぽい重めのトラックよりは、軽く歌う様に流すメロウっぽいトラックの方がK Campは活きるかなと思うんですが(御節介)。こういう風に次々とラッパーが出現するから飽きないですね、とにかく「Comfortable」一曲狙いで聴いても損しません(断言)。僕みたいな天邪鬼な方は、皆がFetty Wapで騒いでいる間にK Campを聴きませんか(笑)?






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Mac Miller「GO:OD AM」
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Pittsburgh出身の実力ある白人MC、Mac Millerの通算三作目となる『GO:OD AM』を御紹介。Mac Millerの前二作はインディで驚異的な売上を記録していて、本作が初のメジャーデビューアルバムになるそう。9歳でデビュー・アルバム『Blue Slide Park』を発表し成功させ、続く2nd『Watching Movies With The Sound Off』も素晴らしい仕上がりで御座いました。かの名物企画“XXL Freshmen”にも選出され、この2ndもKanye WestとJ. Coleとの同日発売ながら(しかもインディ)、初登場3位を獲得するなどの成功を収めています。という訳で実力通りに順風満帆に来ているMac Miller、本作も安心して聴けることでしょう。
という訳で話は内容に移ってゆきますと・・・・・・まずはあのTyler, The Creatorが制作を担当した「Doors」で幕開け、いかにもTyler, The Creatorらしいオカルトチックな暗澹トラックでMac Millerが囁きます。JJ Barnes「No Ifs Ands Or Blues」をサンプリング使用した「Brand Name」はID Labsが制作、ぶわっと隠っていた熱が吐き出されるような、艶やかで美しいメロウチューンでMac Millerのシュガーテイストな甘いラップもナイス。同じくID Labsが制作した「Rush Hour」は、吐く息も凍えて白くなりそうな冷たい朝靄の立ちこめるコンクリート街を闊歩するようなトラックの質感と、クールに淡々と吐くMac Millerのラップが鼓膜をすり抜ける一曲。Sounwave制作(Co制作にRicci RieraとAxl Foley)でMoonchild「What Shall We Do」をサンプリングしたジャズっぽい趣味の「Two Matches」では、客演にAb-Soulが参加。ふわふわと甘ったるく鳴る綿飴みたいなサウンドにカツカツ叩くドラムス、そこにメレンゲみたくほんのり甘く溶けるMac Millerのラップと、Ab-Soulのどこかジメっと湿ったラップが絡む一曲。久々に名前を聞くSha Money XLが制作を担当した「100 Grandkids」は、P. Diddy「Bad Boy For Life」と劇中曲「Last Tango In Paris」をダブル使用。どこかEminemっぽい直角折れるメロディがクレイジーで、やはりBad Boyの節を引用しているのが面白い。ネバネバと糸を引くような電子音がMacと鼓膜を絡め取って離さない「Time Flies」、制作はChristian Richが制作という事でやはりどこかファンタジーチック。二拍子で反復し続ける弛んだビートも病み付き度高いですし、そこにLil Bまで客演参加だからなお濃いんです。マッタリトロトロと進行するメープルシロップみたいな甘味スロウ「Weekend」は、FKiにJamil "Digi" Chammas、Charlie Handsomeが共同で制作。Mac Millerのラップも幾重エフェクトが施されエアリーでいて幻想的だし、客演のMiguelがちょっぴりビターでコクのある歌声を足すことで味はいい具合に引き締まっています。「Clubhouse」はRicci Rieraが制作を担当した妖しげな液状チューンで、スクラッチやノイジーな音色がドプンドプンと投げ込まれることで、まるでユラユラと揺れる水面のようなタッチになっているトラックが面白い。サウスっぽい泥濘んだバウンスが横行するロウなトラックがヘビーでカッコ良い「In The Bag」はSEVN Thomasが制作、サンプリングにCypress Hill「Hand On The Pump」を使用。Mac Millerのラップはあくまでナッツのように香ばしくも程よい硬さと甘さでマイペース、あちこちでDomo GenesisやSchoolboy Q、Juicy Jが参加しているみたいです。Dioni「It's Blue A Blue World」を下敷きにした「Break The Law」はDrewbyrd制作で、銀河系を超えて捩れた四次元空間へと迷い込むような妖しいマーブルトラックに、Mac Millerの調子っ外れのようで実は手堅くビートにカチリと音が鳴るほど噛み合ってるラップが素晴らしくイル(ここでのJuicy Jの声はよく聴き取れる)。Frank Dukes制作の「Perfect Circle / God Speed」は、前半はパラパラと砂塵のような鍵盤音とビートが吹き荒ぶ、枯れた大地を踏みしめて歩くような干ばつチューンで、結局はMacの小気味よく吹き出すラップで滑らかに鼓膜へ届くのです。後半はIsaac Hayesみたいなドス黒くて官能的なトラックがうねうねと絡まってくるのが、執拗で快感。Future的なトラップチューンで暴れ回す刺激的なアッパー「When In Rome」なんかは、現行に目配せをするMac Millerの策士ぶりが憎らしい(不敵)。Mac Millerのジャズ趣味が艶やかに爆発しているのが、DJ Dahi制作でFrank Dukes「West」をネタ使いした「ROS」。冒頭のMac Millerのヨレヨレしたパステル系のヴォーカル、少しエコーのかかった音色がユラユラと水草のように揺れる柔らかさと潤いのあるトラックとどれも上質で、これはMac Millerにしか出せない味(鳥肌)。Vinylz制作の「Cut The Check」ではまさかのChief Keefが客演参加、個人的にはChief Keefには継続注目中なので嬉しい組み合わせ。またもやID Labsが制作の「Ascension」は無重力を極めた衛星スロウで、Mac Millerのユルーく舞い上がる宇宙遊泳ラップがなんとも魅力的な一曲でグッド(興奮)。Badboxes、DJ Dahi、ID Labs、Sapの共同制作となる「Jump」でもまだ宇宙遊泳からは還らず、そのまま宇宙基地にドッキングするような浮遊感。良い意味でMac Millerのラップはウールのように白く柔らかで、だからこそこういう電子音もビートも軽量化されたトラックが恐ろしく似合うのです(天晴)。最後はID Labs制作で、客演(とCo制作)でLittle Dragonが参加した「The Festival」で〆。これもLittle Dragonの持つ不思議な幾何学的な電子メロウが星座のように点と点を繋いで拡張する一曲で、Mac Millerのふわふわしたラップが似合います。

最初はあまり面白くないなと思っていたんですが、本作は特に後半の流れが抜群に良くて、だからこそその流れで全てが統一されていたらかなり僕好みだったかも。でも素直にカッコイイし、Mac Millerらしい。うん、Mac Millerのサウンドが詰まった彼らしい一枚で安心、メジャーに変わってもスタイルは変わっておりません。


       



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Casey Veggies「Live & Grow」
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14歳の時にOFWGKTAに所属していた経歴を持つ、Casey Veggiesのメジャーデビューアルバム『Live & Glow』を御紹介。Odd Futureとの繋がりだけでなく、Casey VeggiesはJay Z率いるRoc Nationと18歳でマネジメント契約までしているというから、早熟な彼への業界の期待の高さがうかがえますよね。カリフォルニア出身の現在21歳、完全に西海岸を背負うMCの一人と言えますね。大体がこのジャケットからして雰囲気抜群で僕はヤラレました、ジャケットだけで考えたらば年間の五指に入るかもしれませんね。
まあ、あまり彼に関しては知らないので早速本題に・・・・・・まずはfreshchuckなる人物が制作した「I'm King」でスタートするのですが、これがベース弦を底辺でゆらゆらと揺らして、どこかたゆたう水草のような柔らかさと流動性を持ったトラックで、そこにCasey Veggiesの歌う様なフロウも交えていきなりメロウ。THC制作の「Set It Off」は飛行物体が飛び去るようなキーンキーン音の連続の間に、ボムボムと爆弾投下するようなビートがトラックを焼け野原にするのが痛快。しかしそんなメラメラと青白く燃えるトラックで、悠々と涼しげに飛行するCasey Veggiesのラップの対比がまたグラデーションで美しい(眺望)。DJ Mustardが制作を担当した「Actin' Up」は、いかにもDJ Mustardらしい碁盤のように規則正しいビートがボコボコと吹き出す遜色ない作りながら、ここではどこかオーガニックでフレッシュなトラックに仕上がっているからトーンの変え方が巧い。高音で小気味良く進行するCasey Veggiesも軽快で良いけれど、客演参加のDom Kennedyの重工ラップも硬くてカッコイイ。IAMSU!が制作を担当し、そのIAMSU!とYGが客演参加した「Backflip」はパッと聴きではDJ Mustardっぽいケド違うらしい(苦笑)。ゴチゴチと鉄がぶつかり合うような硬質ビートが鈴なりになったこのトラック、やはりYGが登場することで一気に場が殺気立つし持ってかれている気もしますが(賛辞)。「New Face$」はMike & Keysが制作しており、これもビート軸なんかは現代風の気怠いノリなんですが、メロディ自体はオーケストラ使用で小宇宙を彷彿とさせる青い空間が広がる、無重力スローな一曲。僕の好きなHit-Boyが制作の「Wonderful」は、今が旬のTy Dolla $ignが客演参加、バキバキとへし折りながら大気圏突破するようなジェット噴射系のメロディの連なりが面白くエッヂーな一曲。Casey Veggiesのビートにばっちりハマった礫のようなラップに、Ty Dolla $ignの例の天然ガスみたく揺れる下手ウマな歌フックがやはり中毒性を増させます。「Tied Up」では現在の女性MCでは頭一つ抜きん出ているDej Loafが客演参加、Kane BeatzとLuca Polizziが共同制作のトラックは艶っぽく曲線的にねじれ暈けた電光が閃くトラックでどこか幻想的、そんなジェリーフィッシュチューンだからこそちょっぴりコケティッシュなDej Loafのフローラルなラップが活きています。カリカリと爪弾く弦音がどこか異国情緒な雰囲気を漂わす、「A Little Time」はSoundzが制作を担当。潮風に溶ける夕陽のように柔らかく甘ったるいメロウに、これまたCasey Veggiesの上手く脱力したラップが黄昏れるのが聴いていてい心地良いし、Miloh Smithの歌フックも入って良い感じに甘いシュガートーストみたいな味わい。S Dot.が制作した「Life Song」ではBJ The Chicago Kidが客演参加、これがまたバブルシンセを色彩豊かに繰り出すなんとも幻惑チューンになっていて、Casey VeggiesもBJ The Chicago Kidもゆるくレイドバックしてトラックを淡水にして澄んだものにしているのが素敵です(遊泳)。水がサラサラと流れるような潤いとキラキラ感があるMike & Keys制作の「Sincerely Casey」は音色がそうで、メロディとしてはとてもレトロでブルージーなセピア調で、Casey Veggiesの淡々とだが力強いラップが曲を前のめりにするドラマチックな一曲。これまたドプンと水の中にトラックごと投じて録音したような、ぷくぷくと上がるキメ細やかな気泡のような美しさがあるモイストミッド「Aw Man」はTHCが制作を担当。華麗かつ刺激的に舞うピアノ鍵盤の刺々しい音色が鮮烈な「RIP」、制作は客演参加もしている旧友Tyler, The Creatorが担当。このピアノループにパシンパシンと叩くビートのみで構築したシンプルトラックに、撥水性のあるCasey Veggiesのフレッシュなラップと、Tyler, The Creatorの怪物のような低音フックが不気味に響くのがナイスアクセント。最後を締め括るのは再びTHCが制作した「I'm Blessed」で、良い意味でチープなピコピコ電子音とパシパシとシュートする打音が機械的に繋がったトラックに、フラットでマシンチックなCasey Veggiesのエフェクト効いたラップが面白く共振します。

うん、ナイスはしっかりラップしていて速度も遅過ぎず聴き易いです。それこそ安易かもしれないけれどベジタブルな食感というか、くどくなくてフレッシュでシャキシャキ。Casey Veggiesのラップも撥水性があってバンバン水を弾いているのが、聴いていて爽快でさらさらと聴けちゃいます。ハッキリ言ってあまり期待せずにジャケ買いしたので、これはイイ買い物だったなと思います、Hip Hop界は若い才能がどんどん出現しますね(感心)。






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Alesha Dixon「Do It For Love」
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シンガーとしてだけでなくモデルとしても活躍していた、Alesha Dixonの通算四作目となる『Do It For Love』を御紹介。Alesha Dixonと言えば、英国で人気を博したガールズR&Bグループ、Mis-Teeqの元メンバーで御座いますね。このMis-Teeqも独自の英国サウンドを持っていて、今思えば惜しいグループなのですが解散しております。メンバーも皆が美人だったのでそれぞれで活躍したんですが、特にAlesha Dixonはその美貌を武器に今でも生き残っていますね(驚)。僕からするとAlesha Dixonは、N.E.R.D.のヒット曲「She Wants To Move」で踊っていた美女としての印象が強いのですが、今では人気オーディション番組“Britain's Got Talent”の審査員なんかも務めているようです。美人には滅法弱いので、何気に彼女のアルバムはこれで三枚目なのですが、このブログで取り上げるのは本作が初で御座います。
美人美人と騒ぎ立てるのはこのへんで終えますね・・・・・・まずはDaBeatfreakzが制作を担当し、Wretch 32が客演参加した「Stop」でアグレッシヴな幕開け。鮮烈な印象のあるAlesha Dixonのお茶目な火薬をたっぷり搭載した早口ヴォーカルが炸裂する一曲で、Wretch 32のラップもばっちりキマっていて痛快間違い無し。James/Sommerdahlが制作した「Tallest Girl」は、流行のEDMをバキバキに散りばめたキラキラ系の電子アッパーで、これまたゴテゴテにキラつかせたAlesha Dixonの鮮やかキュートな歌声が弾けています。同じくJames/Sommerdahlが制作の「Count On You」は、電子音が膨れて暴発して造るビートと、それによってパウダー状に粉砕したピアノ鍵盤がほんのり聴こえるスピードチューンで、Alesha Dixonの鋭利なヴォーカルも最高速度でダンスしています。「Top Of The World」はBert Elliottが制作を担当した一曲で、一昔前のBoi-1daが創ってそうな純白壮麗な氷結アッパーでエッヂーさが際立っております。表題曲となる「Do It For Love」はJames/Sommerdahlが制作で、ポムポムと弾けて鳴る電子音とピアノ鍵盤を用いた流麗なメロディ、そして何よりどこか古臭い(良い意味で)キャッチーなフックが耳に残るダンスチューン。本作からの先行カットとなった「The Way We Are」もJames/Sommerdahlが制作、これも昔のJennifer Lopezが乗っかりそうなスパイシーなラテン風のダンスチューンでキャッチー、Alesha Dixonの原色系のベッタリと鮮やかなヴォーカルが飛沫を上げるのアップチューンで面白い。DaBeatfreakzが制作したアコースティックなミッド「People Need Love」は素朴でいてイギリスらしい気品も漂うエレガントフォークで、Alesha Dixonの淀みのない真っ直ぐなヴォーカルがハートに刺さる一曲。Chris BallardとArno Spiresが共同制作した「The Gift」は純白無垢な透明ミッドで、空がだんだんと白んで陽が昇り霜も解けてゆくような感触で、Alesha Dixonの良い意味でポップな歌声とマッチしていて綺麗です。Chris BallardとArno Spiresのコンビはこの後も、綿雪が降って来るような淡い白に包まれる結晶化バラード「Broken」、和やかでどこか懐かしい温かソウルチューン「Azura (Blue Sky)」、じわじわと鼓膜を挑発して焦がすレゲエチューン「Love With Life」を制作しております。

まあ、ハッキリ言って可も無く不可も無く、つまり毒にも薬にもならない一枚です(毒吐)。良いんです、それでもサウンドやヴォーカルは小気味良いし、美人だからすべて許せます(阿呆)。僕が全盛期に恋していた美人なシンガーがどんどん太ったりして見る影もなかったりするけれど、Alesha Dixonは今でもお綺麗だからそれだけでも嬉しい限りです。とまあルックスばかり書いていますが、アルバムもそんな悪くないので余力のある方は是非とも。






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Vivian Green「Vivid」
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最近やたらベリーショートな髪型の美人系シンガー、Vivian Greenの通算五作目となる『Vivid』を御紹介。その美貌とネオソウル感のある歌声で長く活躍するVivian Greenも、もう五作ものアルバムをリリースしているんですね(驚)。ちょっとした豆知識を書くならば、Vivian GreenはBoyz II Menの「Dear God」のソングライトにも関与しているそうで、ソングライト能力もあると思われます。秀作だった前作『Green Room』からおよそ二年ぶりの本作では、あの“音の魔術師”ことKwame HollandをExecutive Producerに迎えての一作となるのも注目ポイントで御座いますねー。
という訳で内容について書いていきますと・・・・・・まず全曲の制作はそれこそKwame Hollandが担当しております、がしかし“音の魔術師クワメ”の呪文挿入が一曲のみで寂しい気もしますね(笑)。まるで星雲のようなキラキラ煌めく音色が無数に瞬くドリーミーなミッド「The One That Got Away」、じんわりと光彩を浸透させながら影を取り去り、少しかすれながらも華やかに輝くVivian Greenのヴォーカルも眩しいばかり。全盛期のEW&Fみたいなホーンやベース弦の生音演奏が心地良い波間を作り出す、緩やかだけどディープなファンクチューン「Work」。この低音ベースの振動が心臓をドクドクと打つのもスリリングで気持ち良いし、それにシャープに尖ったVivian Greenのヴォーカルが突き刺さるように響くのもクールでイイ。エレガントながらもどこか香ばしいエスプレッソソウルを艶やかに展開する「Broken」は、それこそデビューしたての頃のAlicia Keysを思わせるサウンド感。ちょっぴりレゲエ風味のあるというかジワリと熱い温度があり、Vivian Greenの焦がしキャラメルみたいなヴォーカルが美味いです。間違いなく本作のハイライト曲である「All I Want Is You」は、あのRaheem Devaughnとの共演が実現。ポツンポツンと滴る雫のような二人のヴォーカルが、だんだんと溜まっていって大きく深い泉となる明鏡止水スロウで、二人の愛に満ちたスウィート過ぎるヴォーカルが絡み合う絶品曲です(失神)。90年代のソウル早回しみたいなキャッチーなアッパー「Get Right Back To My Baby」は、Maze「Before I Let Go」をサンプリング使用。それこそ色鮮やかな水彩絵の具みたいなVivian Greenのヴォーカルがキラリと冴えるトキメキチューンで、聴いているだけで高揚してしまうパントーンカラーみたいにくっきり色味の分かれた一曲。最近のポップソングでありがちなキュートで軽快なノリの「123」、もうこれは聴いて単純にノリノリで踊るしかありません。アコースティックギターの爪弾く弦音が切なさを掻き立てる「Disrespectful」は、褪せた色味を滲ませたメランコリックなトラックと、Vivian Greenのモノクロに近い悲しいヴォーカルが胸を締め付けるバラード(涙)。王道ソウルバラードを聴かせる「Just Like Fools」は、やはり年季の入ったVivian Greenの深みのある芳醇なヴォーカルがじわじわ五臓六腑に染み渡る一曲でグッド。「Count Your Blessings」ではTreena Ferebeeが客演参加、まるで小鳥がさえずるようなキュートなついばみフックが印象的で、朝の陽光のような透き通った輝きが満ちた一曲です(日光浴)。最後はこれまたベースがうねるグルーヴがカッコイイ「Leave It All Behind」で、まるで虹のようにいくつもの色と光の筋が放射線状に広がって流れてゆくような光景が綺麗です。

やはり抜群の安定感でじっくり聴かせてくれますね、サウンドもヴォーカルも一級品のクオリティで安心保証。全曲をKwame Hollandが制作しているので芯もブレずに聴き易いですし、ヴィヴィッドと銘打ったからまさかEDMっぽくなったりなんて事もなく助かりました(笑)。Vivian Greenをまだ聴いたことのない方で、Alicia Keys好きな方はお薦めです。ただ前作辺りから思うのは、Vivian Greenは長髪の方が良いかなと思います(無関係)。




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Meek Mill「Dreams Worth More Than Money」
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Rick Ross率いるMMGの実質の二番手、Meek Millの通算ニ作目となる『Dreams Worth More Than Money』を御紹介。実力はありながらも、薬物取引と違法銃器の所持の疑いで逮捕されたり、仲間内であるWaleを攻撃したりとマイナスな面ばかりが目立っている気がするMeek Mill。本作『Dreams Worth More Than Money』もお蔵入りするかと思われましたが、無事に出所&リリースすることが出来て良かったですね(苦笑)。しかし、その服役中にあのNicki Minajを恋人にしてしまうという離れ技をやってのけ、一気に知名度も上がった気がします。デビュー作となる前作『Dreams And Nightmares』からおよそ三年ぶりとなる本作、ジャケットも前作同様シンプルなデザインで好みです。
まあ、そんなくだらない話はストップしましょう・・・・・・まずは荘厳なストリングスの中で、まるでマグマがボゴボゴと煮えくり返り火花を散らすような溶岩トラックの「Lord Knows」でスタート。Daniel "Play Picasso" GonzalezとDaystar "Tory Lanez" Petersonが共同制作した灼熱のトラックの中で、Meekの地獄の業火のように熾烈なラップが炸裂する火傷確実な一曲。現代における引き算ビートの鬼才であるBangladeshが制作を担当した「Classic」、これはもう本作のハイライト(早急)でありあまりにも素晴らしい(鳥肌)。バツバツと鼓膜を突き破るように鳴る硬質ドラムスビートに、その振動で舞い上がる灰塵のような鍵盤音が極めてイル。そのうえ客演にはあSwizz Beatzを迎えてあの焦げ臭い枯れたヴォーカルも燻る、無骨でタフなMeek Millのラップが圧しかかるのもグッド。客演のFutureの旨味を存分に漉して出汁に使用した蜃気楼のようなミッド「Jump Out The Face」、制作はMetro BoominとSouthsideだからFutureは鉄板。冷たくドライなFutureと熱波のように歪むMeekの温度差が、怪しい蜃気楼を生み出してるのは間違いありません。Alex Delicata制作(Co制作にThe Monarch、Kevin Cossom、DJ Khaled)の「All Eyes On You」では、Chris BrownとNicki Minajが揃って参加の強力トリオ。これは朝焼けのように眩くて幻想的なメロディーの揺らめきに合わせて、甘酸っぱいヴォーカルのChris Brownと、メロディアスでフルーティなNicki Minajのラップを揃えたのが鉄板。恋人同士の二人がThe Notorious B.I.G.「Notorious Thugs」のラインを辿るのが、三十路にはたまらない演出だったりします。Stoopidondabeatが制作した「The Trillest」はEden Project「Gone」をサンプリング、Meek Millの甲高く熱波を吐き出すようなラップを堪能できるハードな一曲。今となってはBeef発端となってしまった「R.I.C.O.」はDrake客演曲、Vinylz制作の昔のホラー映画のようなおどろおどろしいメロディーも単調ながら、僕はDrakeもそんなに好きでもないので興奮はしない一曲でした(不思議)。Cardo On The Beat制作の「I Got The Juice」は、まるでスノードームみたいなトラックで美しさと零度な触感があるシリアスミッド。ぐらぐらしてバウンバウンと揺れるビートで悪酔いしそうになる「Ambitionz」はBoi 1daが制作というので少し驚き、これだけ揺れながらもMeek Millの耐震強度抜群なラップがある事でタフで硬度があるのが不思議。Ben BillionsにDannyboystyles、そして注目のILLANGELOが共同制作の「Pullin Up」は、現代最強の呼び声高いThe Weekndが客演参加。なるほどいかにもThe Weekndらしい白黒だけれど瑞々しいサウンドが飛沫をあげるトラックで、だからこそMeek Millとの相性には少し疑問も残ります。一世代前のトラップチューンを思い出させる「Check」はMetro Boomin制作、ノンストップで撃ち込むラップと執拗に繰り返す"チェッチェッチェッチェッチェッ♪”のフックが嫌でも耳に残るビープチューン。OZ & SyK Sencseが制作の「Been That」はボスであるRick Rossが客演参加、けたたましいサイレン音が背景でつんざめくゴツゴツに尖った喧騒チューンですがやはり地味に感じる。Ben Billions制作の「Bad For You」は再び恋人のNicki Minajが客演参加、これも完全にNicki Minaj寄りなしっとりと夜露の下りたトラックで、彼の面白みは感じない。Danjaが制作したすこしメランコリックで粒々ビートの効いた「Stand Up」は流石の出来映えで、どこかレトロで埃っぽいトラックと疾走するラフなMeek Millとの相性もグッド。最後を締め括る「Cold Hearted」ではDiddyが客演参加、OZ制作のトラックはピアノ鍵盤の繊細で脆いメロディが軸で、だからこそDiddyの語りが挿入されることでドラマチックに磨きがかかっています。

DrakeとのBeefで(そしてそのBeefがほぼ敗戦と言えたことで)、完全にケチがついてしまってのが本作の失態。それが無かったら、もっと売れてて評価もされていたんじゃないかと邪推してしまいます(といっても全米No.1は獲得している)。ただ、僕はどちらともそんな好きなラッパーではないので無関係、Meek Millも僕はそこまで好きでない気がします(笑)。とにかくBangladesh制作の「Classic」の一曲だけは今年の五指に入るベストトラックだとは豪語できます。






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SiR「Seven Sundays」
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そのソングライト能力も高く評価されているSSW、SiRの記念すべきデビューアルバム『Seven Sundays』を御紹介。Sirは今年だけでもTyreseの最新作『Black Rose』にソングライトで関与しているし、Jill Scottの最新作『Woman』にもソングライト関与しているのが、SiRことSir Darryl Farris。ちなみに彼の家族も凄くて、母親はMichael Jacksonのバックコーラスも務めたことのあるJackie Gouche、叔父はPrinceやChaka Khanのバンドで演奏していた大御所ベーシストのAndrew Gouche、兄のD-Smoke(Daniel Farris)はJaheim「Never」やGinuwine「Frozen」、Joe「Why Just Be Friends」などを制作&関与しているのだとか(血筋)。という訳でサラブレッドなSiRですが、本作も元々は2014年に無料公開されたもので、当時は9曲入りだったものに新曲5曲を追加してフィジカルリリースされたのです(待望)。と書きましたが、僕も本作を購入した後ですべてを知りました(苦笑)。
とまあ浅はかな予習の知識はこのへんで止して・・・・・・まずは水面に映したような澄んで揺らめく瑞々しいサウンドと、SiRの清流のような白いヴォーカルが鼓膜へと流れ込む「Love You」で幕開け、制作はKnxwledgeが担当。続く「In The Sky」もKnxwledgeが制作しており、客演にはFat Ronが参加。大気圏をすーっと飛んで通過突破するようなエアリーなトラックに、滑らかでどこか抜けるように柔らかなSiRのヴォーカルが鼓膜を浮かせます。まるで立ちこめるようなアコースティック弦音を爪弾き、そこに空気を含んだハンドクラップがパスパスと打たれる「You Ain't Ready」はTiffany Goucheが制作を担当。脱力して淡色系のパステルみたいなヴォーカルでトラックを塗り固めるSiRの歌声、ラップに近いような歌い回しも極めて現代的で、客演参加のD Smokeのラップもいなたくて素敵です。DK The Punisherが制作を担当した「The Real」はタプタプとなみなみ注がれる電子音の中に、ローションチックなトロトロしたSiRのヴォーカルが渦巻いて溶け込んでゆく不思議なメロウ。「Right By You」はJ. LBSが制作を担当しており、コチコチにタイトなビートとは裏腹に、SiRのヴォーカはどこまでも液状化が進みビートごとプクプクと沈めてゆくのが面白く、まるで水中を泳ぐような感触が艶かしい。同じくJ. LBSが制作した「Jay Z」は、対訳が無いのでJay Zをどういう意図で歌っているのか分からないのが辛いのですが、やはりサウンド的にはクリアな水槽に閉じ込めたように、SiRのヴォーカルがひらひらと遊泳するのを鑑賞するような感覚で綺麗。「NBN」もJ. LBSが制作を担当、水中の中で反射しながら屈折もするような、複雑なシンセとビートの交錯がミステリアスでスタイリッシュなクールミッド。Chris DaveとThe Drumbedzが共同制作した「Liberation」では、いま最も注目を集めるSSWのAnderson .Paakが客演参加。チャプチャプユラユラと波打つシンセの波紋とヴォーカルの波形の波状攻撃に揺られ、聴き手も船酔いに似た感覚に陥るのが中毒性の高さに直結する潜水ミッド。「Falling」はAlvin Isaacs IIが制作を担当したどこかJazzyな一曲で、SiRの水素のように軽くて鮮やかなヴォーカルが心地良くて、サウンドもアプローチもディープなのに、爪先だけを水で遊ばせ浅瀬でくつろぐような軽妙さもある一曲でグッド(意味不明)。柔らかくしなる精巧な竹細工みたいなバンブービートがボムボムと鳴り響く「Can We Still」はIman Omariが制作を担当、ブクブクと空気を吐きながら澄んだ水底へ沈没してゆくような、潤いと密閉感の共存に聴き手の意識は次第に薄まり遠のくのが快感だったり(危険)。そのまま微かな光が射し込む水底に倒れ、揺れて変形する水面を見つめるような不思議な感触に陥るダイビングソウル「The Perfect Remedy」は、本作で唯一SiR自身が単独で制作を担当した一曲。またもやJ. LBSが制作を担当した「Crashing Down」も気体のように所在なく触れることの出来ない世界観が、靄のようにじんわりと広がって浸食してゆくガス的スロウ。「The Bullet And The Gun」はKnxwledgeが制作を担当しており、どこか夕暮れのじんわりと熱い陽射しを思わせるメロディに、透明という色を存分に発揮したSiRにしか表現できない気化ソウルで面白い。最後はDK The Punisherが制作を担当した空気を震わせて幻影を生み出す蜃気楼スロウ「He Deserves Your Love」で、SiRの水素ヴォーカルがエアリーに触れてくる重量約0.09gのソウルバラードで心地良いです。

近未来エネルギーで動く、それこそ水素ソウルとでも形容しましょうか。空気中の酸素に触れたら、途端に水に変わるような(科学的な矛盾は指摘なしでお願いします)、そんなエアリーさとウォータリーさが共存した一枚でございます。ふわふわとした脱力感やこのトロミ、最近のR&Bにありがちな(悪口ではありません)オルタナティヴな感触とはちょっと違う気がします(難)。他のシンガーよりもふんわりと水深も浅めというか、だからこそ少し透き通った感触もあって、僕みたいな三十路でもグングンと浸透してくるグッドミュージック。ルックス的にはかなりもっさりしていそうですが、歌声自体はとってもミネラル豊富なクリアな印象で素敵です。Stevie WonderやPrinceなんかとも通じているというSiR(真偽は定かではありません)、彼の動向は裏方も含めてかなり気になっております(中毒)。




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Bryson Tiller「T R A P S O U L」
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ケンタッキー州ルイビル出身の新進気鋭SSWでありプロデューサーでありラッパー、Bryson Tillerの記念すべきデビューアルバム『T R A P S O U L』を御紹介。僕はハッキリ言ってBryson Tillerを知らなくて、単純にジャケットが格好良いから買ったんです(遅)。調べてみたらTimbalandが二年前ほどに知り合っていて、Bryson TillerのことをInstagramでも紹介したりしてるみたいですね。また、Drakeも彼のことをお気に入りだそうで、そういった情報がSNSを経由して知れ渡る存在になったのだそう。そんな中で発表した楽曲もすこぶる高評価を受け、早速大手メジャーのRCAと契約しデビューが決まったというスピード出世で御座います。しかも本作、全米R&Bチャートでも初登場2位を獲得という事で、R&Bリスナーの注目と人気の高さが窺えますね。
という訳でハードルは上がり切った状態でのスタート・・・・・・まずはページの捲れる音で幕を開けるドラマチックな「Intro (Difference)」がRob HolidayとNeil Dominiqueが共同制作、どことなく汗ばむようなネットリ感と熱を帯びたヴォーカルが迎え入れます。幻想的な電子音がトロトロなメロディーを漕いで渡るような「Let Em' Know」はSkysenseが制作。時に直角に、また時には曲線を描いて浮き沈みするヴォーカルが、聴き手を彷徨わせ知らずのうちに深海へと引きずり込みます(潜水)。90年代の主流だった腹回しの声ネタを、現代のトレンドであるトラップに漬け込んで粘度を高めた「Exchange」はThe Mekanicsが制作を担当。KP & Envyl「Shorty Swing My Way」をサンプリングしたトラックは酸味の効いた寒天シンセの連続で、Bryson Tillerの良い意味でプラスチックなヴォーカルと好相性でグッド。Fayo & Chillが制作し、Jodeci「What About Us」を高音で蒸して気化させたような「For However Long」もスロウジャム。やはりドロッと微睡んだゼリーみたいな半透明な電子音が侵食するも、Bryson Tillerのサワー系のサッパリした甘酸っぱいヴォーカルが後味を良くしてるのがグッド。Dope Boi制作の「Don't」はMariah Carey「Shake It Off」を下敷きに、濃縮エキスを抽出し配合したやはりスロウ。トロトロなメロディーとBrysonのヴォーカルはまるで水と油ながら、その混ざらずに分離した液体メロウの戯れが(途中でごっつりスクリュー声が挿入され余計に分離)、ちょっと歪で変態なセクシーさを演出しています。Alex Isley「My Theme」をサンプリングした短曲「Open Interlude」はBagheera Smoovが制作した、やはり水中から出られない遊泳スロウ。ほぼほぼラップで突っ切っていく「Ten Nine Fourteen」はSkysense制作で、サンプリングにはKeith Sweat「Nobody」を使用。早口で滑走するラップシンギングなBryson Tillerとは対照的に、ネタ元をグツグツ煮立て作った藻屑のように揺らめく電子音が始終メロディーをそよがせるのが中毒性高いです。ユラユラと滞留感のあるトラップソウルを堪能できる「The Sequence」はSangoが制作を担当、下敷き曲であるShai「Sexual」も濃厚なシロップチューンでトロトロな訳で、それを焙煎してドリップしたビターなトラックはなかなかの出来映え。Skysense制作の「Rambo」はEduardo Khil「Beryozovy Sok」をサンプリングした、不穏なビートがパラパラ降りしきるミッド。J LouisとGravezが共同制作した「502 Come Up」は、それこそFutureやDrake、Big Seanなんかが乗っかりそうなラップ向きのトラックで、Bryson Tillerが厳つく尖ったラップを披露。格闘ゲームの“ストリートファイターII”のサウンドをサンプリング(している筈)した「Sorry Not Sorry」は、Milli MeatzとTimbalandが共同制作した一曲で、音の使い方が面白く他の90年代曲をサンプリングしたトラックよりも親近感が湧きます(笑)。「Been That Way」はFade MajahとTimbalandが共同制作した鉱石で造ったようなゴツゴツした輝きが綺麗なスロウで、少しヒンヤリと冷たい感触が石っぽくて特殊な音感触を生み出しています(結晶化)。J Louis制作のオーロラみたくひだひだした光が洩れては消える「Overtime」、最後を飾るThe Mekanics制作の「Right My Wrongs」はBryson Tillerの茫々とした光芒を滲ますヴォーカルと淡色メロウな繊細トラックが見事にマッチした美曲です(溜息)。

うん、極めて現代的で流行最先端といった印象。僕的にはTinasheの男性版で、Chris BrownとJeremihを足して2で割ったような感触でしょうか。勿論カッコイイですし、この先が非常に楽しみなアンビエントなシンガーですねー。ただ、三十路を過ぎたオジサンの僕には少し沈殿し過ぎというか、あまりに水深が深いので息継ぎに苦しむところはあるかな。これはもう好みの問題、Bryson Tillerのヴォーカルは嫌いじゃないし、作風が変わるとまた違って聴こえるかも。でも聴いているうちにだんだん、好きになっているのも事実です。90年代のR&Bを多数サンプリングしてあったけれど、やはりここまでトロトロにされると勘づき難い部分もあって、ほぼ刷新といった感じがしましたので、やはりどこまでも新感触で面白かったです。






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