RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
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僕が選ぶ2015年アルバムTop10[R&B部門]
毎年恒例となっています年間総決算、ズバリ、ベストアルバムTop10。
今回もRap部門とR&B部門の両部門で、10枚ずつを選びたいと思います。
R&Bに関してはやはり流行があって、今年は往年のファンクみたいなのが流行ったかなーと。
まあ、詳しい考察は素人の僕では出来ないし、そういうのは専門家に任せるとして。
だからこそベテラン勢も充分に活躍出来たし、そういう意味でとてもバランスの良い一年だったなと感じました。
Rap部門はやはりベテラン勢が苦戦している気がしますし、往年のベテランが返り咲いたR&Bは、まさに三十路の僕にとっては嬉しい限りで御座います。
とは言ってもやはり新人がバンバン登場するのも嬉しいので、そういう新人もなるべく(小遣い制財布の許す限り)買って聴く事が出来たので、凄くリフレッシュも出来ました。
それでは今年も、昨年12/16〜今年12/15までに発売されたアルバムを対象に発表します。



第十位 Jordin Sparks『Right Here, Right Now』
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はじめに第十位、Jordin Sparks『Right Here, Right Now』をチョイス。Jordin Spraksはそれこそきちんと歌唱力はあるのだけれど、どちらかというとポップ寄りな楽曲が多かった印象のあるシンガーでして。そんなJordin Sparksが完全に振り切って、R&Bへとシフトチェンジを図った、この時点でインパクトが余計に大きかったのが順位に影響しました。しかもこれが、90年代のR&Bを彷彿とさせる澄んだ流麗なミッド〜スロウで僕の大好物ばかり。しかもJordin Sparksのヴォーカルも繊細で綺麗で、全く違和感なく浸透するのだから素晴らしかったです。制作陣もひじょうに豪華で、新旧にバランスのとれたナイスな一枚でした。
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第九位 Seal『7』
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次に第九位、Seal『7』がランクインで御座います。私生活でごたごたあり過ぎて復活は難しいかと思っていた矢先の、完全復活に僕は素直に喜びました。その復活というのもやはり、Seal作品の相棒であるTrevor Hronが何作かぶりにカムバックし全曲制作しているというのがデカイです。やっぱりSealのソウルサウンドにはTrevor Hornが不可欠、そう痛感させられる程に抜群の相性で聴かせてくれたのが本作で御座います。いろんなR&Bが出現する中においても、このSealの世界観というのは今でも希有で、やはり彼にしか創出できない清廉なサウンド。冬の時期にリリースされたのも功を奏しましたが、もっと早くにリリースされていたらさらに上位に食い込んだかも。
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第八位 Ciara『Jackie』
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続いて第八位、Ciara『Jackie』がランクイン。“おいおい、Ciaraに甘過ぎないか?”と突っ込まれそうですが、まさにその通りです(笑)。やっぱり綺麗で歌って踊れるCiaraが単純に好きで、どうしても再生回数もぐんぐん伸びてしまうのです(笑)。しかし本作はそんな実験的な事もせず、良い意味でCiaraの身の丈に合った楽曲ばかりで、ひじょうにコンパクトにまとまっていたので聴き易さも抜群でした。軽く浮き上がるEDM調のトラックも散りばめる中で、MVとサウンド共にかなり攻めていた「Dance Like We're Making Love」が秀逸で、この一曲の存在が本作の価値を高めていました。
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第七位 Rico Love『Turn The Lights On』
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続いて第七位、Rico Love『Turn The Lights On』をピックしました。これまでも多くのヒット曲をライティングしてきたRico Love待望のアルバム、という事で楽曲の振り幅もとても大きくて、現行の(そしてこれまでの)R&Bのエッセンスを多分に吸収した面白い一枚で御座います。Rico Love自体のヴォーカルもなかなか旨味のあるもので、ファルセットやラップも取り入れながら変化するやり口なんかは、さすがツボを押さえているなと感心するばかり。これまで培ったコネクションもあってか、トラックも腕のあるプロデューサーが沢山関与していて聴き応え抜群で御座います。
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第六位 Raheem DeVaughn『Love Sex Passion』
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そして第六位、Raheem DeVaughn『Love Sex Passion』にしました。Raheem DeVaughnに関してはもはや年間Top10の常連になりつつありますね、現代においてここまで美しく官能的なラブアルバムを創っているのはRaheem DeVaughnしかいないのではないでしょうか(絶滅危惧種)。毎度のことながら本作も蜜味トローリな艶やかセクシーな楽曲の連続で、ふんわり喘ぐような繊細なRaheem DeVaughnの優しいヴォーカルに、男性(いやオッサンか)の僕でも聴きながら悶絶するより他ありません(昇天)。
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第五位 Lianne La Havas『Blood』
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折り返しとなる第五位、Lianne La Havas『Blood』をチョイス。ギター一本を抱えた美女が、時に優しく時に烈しく歌うソウルフルな楽曲群は、まさに身体中を巡る血のようにエネルギッシュで鮮やか。とても淡いバラードから優美なミッド、ロック調のアップまで意外と幅広いトラックの準備でかなり聴いた一枚でした。デビュー作も素晴らしかったですが、音色の使い方(電子音や楽器)も含めて格段に進化し、音の造型が深くなっていたのが分かる一枚。これでPrinceとの絡み曲があったら嬉しかったのですが、今年は殿下と絡まなくて正解だったかも(戯言)。
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第四位 Elijah Blake『Shadows & Diamonds』
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そして続く第四位、Elijah Blake『Shadows & Diamonds』を選出。Elijah Blakeに関してもこれまで多くの楽曲のソングライトに関与していた若者で、だからこそずっと応援していたのでアルバムデビューが素直に嬉しかったです(親心)。アルバムを聴く前はもっと正統派なR&B楽曲を網羅するだろうと勝手に思っていたんですが、いざ蓋を開けてみるとアフリカンやエスニカルな風合いのフレッシュでアグレッシヴな楽曲の連続で、他のR&Bとは確実に一線を画す一枚になっていて驚きました。実験的でいながらも非常に洗練されていてスマート、しかもElijah Blakeがきっちりとヴォーカルの実力があるので成立している、天晴れな一枚で御座いました(脱帽)。
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第三位 Jodeci『The Past, The Present, The Future』
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いよいよの第三位、Jodeci『The Past, The Present, The Future』がランクイン。まず述べておくとアルバムのクオリティ自体は、これまでのJodeci作品に比べてもそこまで高いという訳でなく、そういう意味では第四位のElijah Blakeを第三位にしようか迷った程。しかし、あのJodeciが20年ぶりに復活し、しかも肝心のJodeci節もそのままという事実が僕の胸を熱くさせ、擦り切れるほどにリピート再生したのでこの順位になりました。こんな書き方するとアルバムの出来が不足しているみたいですが、けしてそんな事はなくJodeciでしか出せないコクや味わいがたっぷりの濃密盤になっています、ありがとうJodeci!と言いたい(笑)。
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第二位 Babyface『Return Of The Tender Lover』
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惜しくも第二位、Babyface『Return Of The Tender Lover』を選出しました。こちらは年末のリリースでありながら、リピートもリピートしまくりで再生回数も今なおグングン上昇中の一枚で御座います(驚異)。盟友であり右腕であるDaryl Simmonsを携えて、あの『Tender Lover』の続編を10年ぶりの新作としてリリースする、これほど震えるお膳立てがありますでしょうか(失神寸前)。しかも『Tender Lover』の続編を名乗るに相応しく、スッキリと爽やかなミッドを多めに、Babyfaceらしいスウィートなスロウもきっちり配したコンパクトな一枚に、ただただ骨抜きにされるばかりで御座います(感動)。今のこの時代だからこそ、かえって清冽で清潔なBabyfaceの楽曲が身に沁みて、有り難いという気持ちになるのです(拝)。
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第一位 Kenny Lattimore『Anatomy Of A Love Song』
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そして栄えある第一位、Kenny Lattimore『Anatomy Of A Love Song』に決定しました。Kenny Lattimoreに関しても本作はおよそ7年ぶりの新作、しかし今も変わらぬ瑞々しく美しいヴォーカルで僕の鼓膜を優しく潤してくれました(鳥肌)。種も仕掛けもない素直なラブソングの連続にただただウットリするばかり、愚直なまでのスレンダーなR&B愛に溢れた一枚で、僕みたいな三十路男はやはり身悶えせずにはいられませんでした。このジャケットも素晴らしくてアダルトでスマートな中身に完璧にリンク、アルバムの端正な造りに惚れ込んで年間通してずっと聴いた珠玉の一枚でございました。
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.........という10枚が見事受賞を果たしましたが、いかがでしょうか?
選んだ自分がいうのもなんですが、これほど保守的なランキングがあったでしょうか(苦笑)。
今年はThe WeekndやTy Dolla $ign、Raury、Kwabs、Dornik、Jemaine Jackman、今年売れに売れたBryson Tillerなんかも登場し、優れていて勢いのある新人が多かった訳ですが、このTop10を作るにあたっては結局入らず、なぜか僕的にはそれほどまでグッとは来なかったのかな?というのが本音(みんな個性があって凄く素敵ですけどね)。
でも、これはR&Bという世界の時代の流れが、まだまだ滞留的な沈鬱モノを主流としているからというのもあって、僕が好きなのはメロディが美しくバッチリ歌い上げているモノだから、流行と好みの乖離問題も関係していると思います(言訳)。
僕のブログを毎年読んで下さっている方ならお気付きでしょうが、今年は敬愛するPrinceやBilalがランキングから除外されている訳で、そういう意味でも別にベテランをただ並べた訳でもないんです(難航)。
今年の選考で最後まで悩んだのが、やはりTy Dolla $ign『Free TC』、こちらも新星Raury『All We Need』、あとはAllen Stone『Radius』Miguel『Wildheart』といったところかな。
Ty Dolla $ignに関しては発売時期も遅かったから、もっと早くから聴き込んでいたらもっと上位に食い込んだ可能性も大いにありますね。Rauryに関しては好きでよく聴いているんですが、これがR&Bなのかどうかと考えるとちょっと難しく、敢えてランキングから外しました。
Top3に関してはいわゆるベテランの復活盤ばかりになってしまいまして、ここには入らなかったけれどもJanet JacksonやSisqoも久々の新作を出したりと、90年代からR&Bを聴き始めた僕にとっては狂喜乱舞のリリースが多い一年でしたね。きっと皆さんのランキングには軒並みJanet Jacksonが入っているんでしょうね、僕も来日ライヴを観に行けていたらランクインしたかもしれません(涙)。
あとは選考対象に入っていたD'Angelo & The Vanguard『Black Messiah』に関しては、もう当然の如くどこでも高評価ですし、いまさら僕がここに並べるまでもないだろうと除外しました。まあ、そういう高尚な評価は専門家に任せて、ド素人の僕らしい個人的な思い入れの強いランキングに今年もなりました(笑)。



※番外編 K. Michelle『Anybody Wanna Buy A Heart?』
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昨年の選考対象盤から選ぶ番外編、今年はK. Michelle『Anybody Wanna Buy A Heart?』を選出。昨年の末にバタバタと買ったが為に、選考時期には聴けていなくて漏れたのが本作で、結局はその後にかなり気に入って聴いていたんですよねー。とにかくK. Michelleの魅力が存分に発揮された一枚で、あまりレトロぶらずに王道なR&Bを展開したのが功を奏した一枚でもあります。この脱ぎっぷりにも度肝を抜かれましたが(中身のアートワークではお尻から薔薇が出ていた気が)、この裸体と同じくすべてを曝け出すように真っ直ぐに力強く歌うK. Michelleに心奪われました。
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僕が選ぶ2015年アルバムTop10[Rap部門]
今年もいよいよ終わり、という訳で総決算をこのブログでも行う訳でして。
これが無いと年を越せない、そう、年間Top10の発表で御座います。
今回もRap部門とR&B部門の両部門で、10枚ずつを選びたいと思います。
ここではまず、Rap部門の発表をまず行いたいと思います。
毎年書くのですがもうRap界というのは、雨後の筍みたいなもので、続々と若手の人気者が登場していて入れ替わりの激しいこと(焦)。音楽界全体を見ても、これだけずっと新人が多数出てくるのはRap界だけなのでは?
まあ、そうは言っても昨年は結構ベテランの作品もランクインしていたので、三十過ぎたオジサンの嗜好そのものはリフレッシュする訳でもないのですね(苦笑)。
という訳で独断と偏見が大いに詰まった、個人ブログの可動域をフルに使った偏りランキング。
今年も色々聴いた中で、昨年12/16〜今年12/15までに発売されたアルバムを対象に、選んだのは以下の10枚です。



第十位 Wale『The Album About Nothing』
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まず第十位、Wale『The Album About Nothing』を入れました。やっとこさランクインする事が出来たWale、本当に念願叶っての快挙で御座います。というのは僕の中だけの話なんですが(笑)、毎回と選考でいいところまで残るのですが、結局は圏外となっていた常連のWale。本作ではMMG所属という出自を捨ててギャングスタなトラックは排除、極めてソウルフルなサンプリング妙技を駆使することで、これまで以上にスマートでWaleにフィットした作品に仕上がっていたと思います。という訳でWale作品の中でも一番聴いた回数は増えました、こういうのが僕は好きなんですよね。
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第九位 Nicki Minaj『The Pinkprint』
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そして第九位、Nicki Minaj『The Pinkprint』にしました。この作品に関しては今年のランキングに入れていいものか迷ったのですが、たしか発売は2015/12/16以降だったはずなので、今年のランキングに見事ランクイン。Nicki Minajに関してはイマイチ僕らの欲するものと、まだ少しズレた作品を作っていてもどかしく感じるのも事実。しかし、本作では素晴らしく下世話な「Anaconda」、Nicki Minajにしか捌けないキラキラ眩いEDMチューン「The Night Still Young」、なかなか旨味のあるきちんとした歌声ですべて歌い切る「Grandpiano」など、これまで挑戦し吸収したエッセンスを絶妙なバランスで調理した独自の世界観で、結局はよく聴いてました(笑)。
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第八位 Vince Staples『Summertime '06』
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それでは第八位、Vince Staples『Summertime '06』を選出しました。これ、僕が聴いていた頃はあまり話題になっていなかった気がするんですが(狭)、年末にあちこちの音楽サイトの年間ベストを見れば軒並みこの作品がランクインしていて、なんかちょっとガッカリ。僕だけのベストだと思っていたんですが(阿呆)、やはりあのNo I.D.をバックアップにデビュー作にして二枚組のこの力作、評価されない訳がありませんよね(当然)。これだけの新しくてドープなサウンドを味方に、キッチリ存在感のあるラップで未開のサウンドを切り拓いたVince Staples、これは後世にも語られる重要な一枚になるかもしれませんよ。
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第七位 Lupe Fiasco『Tetsuo & Youth』
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さてさて第七位、Lupe Fiasco『Tetsuo & Youth』をチョイス。やはりLupe Fiascoは強い、なんだかんだで洗練されていてカッコイイのがLupe Fiascoで御座います。なんというか現在の少しオタクっぽい感じのHip Hopが流行っているのは、スケートボードを片手に出現したLupe Fiascoが切り拓いたんじゃないかと思う程。だからこそ内に籠ったような仄暗いサウンドは、Lupe Fiascoでこそ物凄く輝くような気がしてなりません。このランキングの中でならば充分にベテランの域なのですが、まだまだ世代的には若い方、これからもっとレーベルと揉めながら制作に勤しんで欲しいですね(期待)。
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第六位 Freddie Gibbs『Shadow Of A Doubt』
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それでは第六位、Freddie Gibbs『Shadow Of A Doubt』をチョイス。この作品はまだブログに感想を書けてないんですが、結構なお気に入りで隠れて聴いているんです。とにかく最近の若手の中では珍しく、無骨で硬派な鉄骨ラップで僕のツボ。しかも昨年Madlibとやったアルバムとはまた違った気質のトラックも混ぜ込んであって、Freddie Gibbsの魅力をより体感する事が出来ました。全員がスロースピードでトラップ寄りでは面白くない、こういう厳ついラッパーも居ないとですね(不可欠)。本作はそれこそ在庫がどこも薄くてかなり遅れての入手だったので、もっとスムーズに入手して聴けていたらもっと上位だったかもしれません(惜)。

第五位 Future『DS2』
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折り返しとなる第五位、Future『DS2』が飛び込みます。僕のブログでFutureが第五位、僕自身この結果には驚きで御座います(阿呆)。いやー好きで聴いたんですよ、とにかく再生回数はとっても多かった。しかし、これまでの二作品に比べて好きかと聞かれれば否、そしてこの前に出されたミックステープ『Beast Mode』の方が気に入って聞いていたので、その点を減算してこの結果となりました(悔)。Futureにしか出せない味わいは健在で、これまでで最もFutureらしい作品だったのは確か(客演の少なさもその現れ)。きっと実質的にはもっと上位ぐらいに好きなんでしょうが、僕は普通の人よりもずっとFutureが好きなので、今回は厳しめにこの順位です。
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第四位 Action Bronson『Mr. Wonderful』
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それでは第四位、Action Bronson『Mr. Wonderful』がランクイン。いやー、とにかく今年はAction Bronsonをよく聴きました。周りではあまりAction Bronsonの噂を聞かないのですが、このでっぷりデカイ料理人、ラップの方もなかなかの美味で、Ghostface Killahとの酷似を指摘されますが、僕的には良い意味でGhostface Killahの熱いフィーリングを踏襲した無骨でいて上手なラップにもうメロメロ。トラックの振り幅もナイスで他には無いロックっぽいノリが散りばめられて(そしてそれにAction Bronsonがお似合い)、彼独自の世界観をばっちり作り上げていました(遊泳)、第三位に入れようか迷った程。Ghostface Killah本人とそのファン達からバッシングされまくりだけど、このスタイルを変えず猛進して欲しい。
http://c316.blog70.fc2.com/blog-entry-2648.html

第三位 Big Sean『Dark Sky Paradise』
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いよいよ第三位、Big Sean『Dark Sky Paradise』を選出しました。僕のブログを読んでいる方がいるならば、Big Seanのこの順位に驚くはず。かく言う僕も驚いています、これまでBig Seanは“たしかにカッコイイけれど、引っかかりが無く物足らない”というのが印象。しかし、本作は非常に奥深くて一聴しただけで虜になりました、Big Seanをこんなに聴いたのは初めて(遅)。本当に暗くてどんよりとした、それでいてその漆黒が滑らかな感触を漂わせるサウンドと、内省的で朴訥としたBig Seanのクールなラップが痺れるぐらいに格好良かった。ヒットとなった「I Don't F**k With You」なんかもきちんと配置し、バランスのとれた優秀盤となりました。
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第二位 The Game『The Documentary 2』『The Documentary 2.5』
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惜しくも第二位、The Game『The Documentary 2』『The Documentary 2.5』の二作品をチョイス。これはとにかく、このCDの売れないご時世に二枚を同時にこれだけのボリュームで出したThe Gameの心意気も含めての結果です。しかし、The Gameに関しても嫌いではないMCという感じで、実はこれまでこの年間Top10に入った事はあまり無いんですね(驚)。しかし、昨今のラップを聴いていると、やはりThe Gameのように焦げ付いたタフで骨太なラップが重宝されて、結果聴いた回数は抜群に伸びました。二作品共に豪華な客演陣を新旧上手く配置させつつ、それでもきちんとThe Gameが主役を張っているズバ抜けた存在感。Kendrick Lamar旋風が吹き荒れた今年、違った側面でLA魂を魅せてくれたThe Gameに拍手で御座います。
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第一位 J. Cole『2014 Forest Hills Drive』
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そして堂々たる第一位、J. Cole『2014 Forest Hills Drive』が見事に受賞です。そうなんです、タイトルにもある通り本作は2014年発売の代物なんで、昨年のランキングで選出されるべきなんです。がしかし国内盤が年明けの2015年で僕はそれを待ったために、今年のランキングでの選考対象となりました(しかし結局は待ち切れずに、輸入盤を年末に買ってしまった)。同じ時代にKendrick Lamarが存在しなければ、王者の座はJ. Coleの物だったんじゃないでしょうか(僕にとっては御覧のとおりJ. Coleこそ王者)。その確かなラップスキルも勿論ですが、全曲を自身で制作しているのも恐るべき才能で、しかもアルバムを重ねるごとにそれが研磨され昇華しているのが分かるのが凄い(鳥肌)。間違いなく後世に語り継がれる名盤に認定、いつだってJ. Coleはカッコイイです(痺)。
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.........という訳で、これが私の今年の好きな10枚で御座いますが、いかがでしょう。
今年はなんだかんだでRapアルバムも結構買ったので、色々と迷った挙句のこの順位で御座います。
他に迷ったのはFashawn『The Ecology』Dizzy Wright『The Growing Process』、そしてYelawolf『Love Story』かな。
あとJeezyはやはり迷ったんだけれど、あまりに年末のリリースだったからあまり聴けなかったんですよね(毎回そう)。とにかく今年は悲しいほどに若手ばかりが目立って、ベテラン勢のリリースが極端に少なかった気がします。
新陳代謝が激しくないといけないのがRap界だというのも分かりますが、来年はもっとベテランの新作を聴きたいなーというのが本音。
しかし若手と言っても、皆が三作目や四作目にあたる作品が多くあって、そういう作品がこのランキングでも上位に食い込むあたりは、やはり僕がオジサンで頑固だからすぐに才能を認めていないのが分かりますね(苦笑)。それにしても、FutureよりもBig Seanを聴く日が来ようとは、夢想だにしませんでした(驚愕)。
まだまだ書けていないアルバムも沢山あるので、なるべく2016年の初めにそこら辺は、このブログにて感想を投下したいなと思います。後回しにした訳でもなく、どうしても感想を書き易い盤とそうでない盤があって、難しくなっちゃうと途中で下書きを止めてしまうんですよね。
そう、Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』が入っていませんね、このブログでも紹介はしていませんが買って聴いています。当然カッコイイし素晴らしい、でもこれは何処でも第一位ですし、ここで取り上げる必要もないかなあと(横暴)。
まあ、こういう変な小回りが効くのも個人ブログの旨味、いつか感想を書きたいと思います。



※番外編 Rick Ross『Mastermind』
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昨年のリリース作品でTop10漏れした盤から選ぶ番外編、今年はRick Ross『Mastermind』を選択です。うーん、悔しいけれどRick Rossの音選びはやはり秀逸で、カッコイイ(そして自分に似合う)トラックを纏うのがお上手。Rick Rossがこういうソウルフル路線を止めたら、僕はRick Rossはあまり聴かなくなるんじゃないかと疑うほど、彼のソウルフル路線がツボ。特に本作ではThe Notorious B.I.G.の影を彼方此方で見てしまって、それがまた本作を高尚に感じさせてリピートが伸びる結果に繋がりました。多くのナイスな客演陣も魅力ですが、やはりJay Zを迎えての「Devil Is A Lie」の完成度の高さに脱帽でしたね。

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The Weeknd「Beauty Behind The Madness」
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次世代のR&Bを担う逸材、The Weekndの通算二作目となる『Beauty Behind The Madness』を御紹介。ネットを通じて突如として出現したThe Weeknd、幾つもの優れた無料作品を投下して一気にその地位を確立しました(詳細は前作『Kiss Land』の記事冒頭で触れています)。もう発売されてだいぶ時間が経っているのですが、その間に本作『Beauty Behind The Madness』は3週連続で全米チャート1位と大ヒット。来年開催のグラミー賞では“Album Of The Year”をはじめ、計7部門にノミネートされていて、セールスも評価も双方獲得しているみたいです。これでこのニワトリみたいな変な髪型まで流行させることが出来たら、The Weekndは神様になれますね。
それでは内容について感じるままに書きますと・・・まずはStephan MoccioとJason "Daheala" Quenneville、Abel "The Weeknd" Tesfayeが共同制作した「Real Life」でスタート。氷雨みたいなストリングスが、夜の帳のような漆黒のフィルターを通して荘厳に響く静寂のトラックに、The Weekndの震えるような微細いヴォーカルがそぼ降る一曲。LabrinthとIllangelo、The Weekndが共同制作した「Losers」では、そのLabrinthが客演でも参加。乾いた風に吹かれて揺れるようなピアノ鍵盤と、砂埃を上げたような砂利ビートがドライで格好良く、フックではLabrinth特有のギラギラと輝く蛍光ネオンな電子音が交錯する繋ぎ方が面白い。The PopeとKanye West、The Weekndが制作(Co制作にIllangelo)し、サンプリングにSoul Dog「Can't Stop Loving You」を使用した「Tell Your Friends」。The Weekndのシロップみたいに甘ったるいヴォーカルが活きる、骨組みを抜いたタラタラと漏れ出るようなメロウチューンで、どこからともなく体内の深くへと侵入してくるウイルス曲。Ben Billionsが制作した「Often」もやはりドロドロとしたメロディの混濁が面白く、The Weekndの一点でずっとゆらゆらと漂うようなヴォーカルが次第に脳内を蝕む感触。「The Hills」はManoとIllangeloが共同制作、ハッキリ言って前曲との区別がつかない程に似ていて、仄暗い水底へとヒラヒラと沈んでゆくようなダークメロウ。変わらず水の中で沈むでも浮かぶでもなく、The WeekndのMJライクなファルセット使いのヴォーカルがたゆたう「Acquainted」は、Ben BillionsとIllangelo、Jason "DaHeala" QuennevilleとThe Weekndが共同制作。それこそ完璧にMichael Jacksonのエッセンスを炸裂させているのが、ディスコダンスっぽい軽妙でエッヂーなノリがクールな「Can't Feel My Face」はナイス、制作はMax MartinとAli Payamiが担当。Max Martinだからもっと弾力性があって強震性のあるトラックメイクも出来たんでしょうが、ここはカラーセロハンみたく薄いヴォーカルのThe Weekndに合わせて(悪口ではない)、あえてゆるく脱色した淡めのトラックへと変色させているのでしょう(上策)。同じくMax MartinとAli Payami、Peter Svenssonが共同制作したアコースティックスロウ「Shameless」も、The Weekndの透け透けな薄日のようなヴォーカルにマッチした優美なトラックでナイス。大ヒット映画『Fifty Shades of Grey』のサントラに収録されていた「Earned It」は、Stephan MoccioとJason "DaHeala" Quennevilleが共同制作、真夜中の海のような黒さの広がりと寄せて返す穏やかなストリングス、どこまでも広がる漆黒に飲まれそうで、そんな中でゆらゆらと妖しく漂い纏わりつくThe Weekndのヴォーカルが水底へと徐々に引きずり込みます(溺)。Max MartinとAli Payamiが共同制作した「In The Night」はこれまたMJライクなアッパーで、射し込む凛とした鋭い月光を背にして滑り抜けるようなトラック&ヴォーカルが気持ち良い。Jason "DaHeala" QuennevilleにIllangelo、Dannyboystyles、Ben Billions、The Weekndが共同制作した「As You Are」は本作中最も透明度の高い一曲で、相変わらず暗いんだけれど幾分かは水面からの光を採りこんだ綺麗な遊泳ミッドで、The Weekndのキラキラ輝く鱗をもった魚のようなヴォーカルがピチピチと泳ぎます。Illangelo制作の「Dark Times」ではEd Sheeranが客演参加、ハスキーでフォーキーな仕上がりはやはりこの客演の賜物。同じくIllangeloが制作した「Prisoner」ではあのLana Del Reyが客演で参加、二人ともが暗いので共振するのは当然で、逆再生するかのような褪せて枯れたメロディが沈殿するのも乙。最後はStephan MoccioとThe Weekndが共同制作した「Angel」で、ロックのエッセンスも含有した凛とした微睡みメロウで、The Weekndの清廉としたヴォーカルがスッキリと響くのが最後の御口直しに丁度良い。

うん、確かに革新的でこれまでにないR&Bスタイルを創っているのは確か。ただ音の質感としてはどこかThe-Dream的な感じが僕はして、なおかつThe-Dreamの方がより深くて面白い印象があって、世間様ほどにはThe Weeknd万歳ではないという(天邪鬼)。The Weekndも客演や楽曲提供とかすると、僕も反応してしまうかもしれませんね。でも今年を代表する一枚である事は確か、あとはこれが長く愛されるかどうか。










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Tamar Braxton「Calling All Lovers」
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今になって狂い咲き&返り咲いている、Tamar Braxtonの通算三作目となる『Calling All Lovers』を御紹介。デビュー作から13年のブランクを経てリリースされた『Love And War』も素晴らしかったんですが、およそ二年という短いスパンで本作が届いたのは嬉しい限り。Braxton姉妹周辺はやはりリアリティ番組の効果もあって大忙しみたいですね、やはり美人姉妹というのは得ですね。ジャケットを見る限り、もうちょっと太っていそうな気がするTamar Braxtonですが、まあ顔立ちは綺麗なんだから許すとしましょう(笑)。
そんじゃ内容に移りまっせ・・・・・・まずはMel & Musが制作を担当した、ジリジリと焦げ付くように火照るビートが香ばしいレゲエ風味の「Angels & Demons」でスタート。こういう熱っぽく汗ばんだ熱波トラックでも、Tamar Braxtonの麗しくも鮮烈でしなやかなヴォーカルは映えるんだと驚くばかり。昔懐かしなHip Hopビートに、レモネードみたいにサッパリとキレのあって透明感のある炭酸メロディが気持ち良い「Catfish」はPolow Da Donが制作を担当。Tamar Braxtonのヴォーカルもとても透明感がありながらも、夏の陽射しのような鋭い眩さがあって心地良い。引き続きPolow Da Donが制作した「Simple Things」は少し曇っていて、それが温もりになっているオルガン鍵盤音の揺らめくレトロソウルなミッド。これはもうTamar Braxtonのヴォーカルの渋さと力強さを堪能するしかない、艶麗な一曲で沁みます。月明かりにそっと照らされ、小雪が深々と降るような、そんなかじかむ冷たさと輝きが滲んで消える結晶スロウ「Broken Record」もPolow Da Donが制作を担当。このトラックの低体温な感覚がとっても切なく繊細で胸に響くし、こういうヒリヒリするようなトラックこそTamar Braxtonのキリリとしたヴォーカルにすごく合うんです(刺)。Brian Alexander Morganが、Rufus「I'm Dancing For Your Love」をネタ使いした「Never」も、まるで漣のように間隔を空けて揺れて寄せるメロディに、Tamar Braxtonの光のように一閃するヴォーカルが鼓膜をスパッと斬るのが気持ち良い。Tamar Braxtonのコクのあるヴォーカルがじんわりと綻んで鼓膜を包み込む「Circles」はCedric "DaBenchWarma"が制作を担当、こういう真っ直ぐで種も仕掛けもないソウルバラードを歌いこなすのは流石の一言。あえてボロボロに煤けさせたビートとベースに、キラキラと細やかな煌めきを放つ鱗粉みたいなメロディが美しい対比を作り出す、90年代のMary J. Bligeを思わせる感触の「If I Don't Have You」はThe Internzが制作を担当。流星群のように幾十数もの煌めきがスルスルと滑り墜ちる電子チューン「Raise The Bar」、制作はDarhyl "DJ" Camperが制作を担当。Tamar Braxtonのヴォーカルが幾重にも織られたミルフィーユ状態の高音軸なので、それとリンクして光のひだみたく閃くシンセメロディーがオーロラみたいで幻想的なミッド。なだらかに優しく吹き抜ける春風のような、淡いピアノ鍵盤の音色が可憐で美しい「I Love You」はNeedlzとDonutが共同制作で、Brenda Russell「If Only For One Night」をサンプリング使用。曲線を描きながら明滅する、まろやかな電飾で飾られた幻想的なライティングミッド「Makin' Love」はLeigh ElliottとTheophilus Antonelが共同制作。まるで霧のようにすーっとすべてをぼやかせる細かい粒子のシンセ音に合わせて、囁くように淡く優しく歌い上げるTamar Braxtonのヴォーカルが絶品過ぎてたまりません(骨抜)。英国風EDMビートを背景にしたボムボムしたトラックと、Tamarの高音がつんざめくリフレインヴォーカルがエコーしながら舞うのが面白い「Love It」は、Blair TaylorとJohn Henry Gordonが共同制作したサイケデリッククールなアッパー。Dashawn "Happie" Whiteが制作した「Must Be Good To You」は、ザクザクと跳ねる弦音と乾いたビートがウキウキした疾走感を生み出す、どこか懐かしいディスコライクなダンスチューン。雲上にいるような神々しさが漂う「Free Fallin'」は、B.A.M.が制作を担当。Tamar Braxtonのヴォーカルの強弱(抑揚)が絶妙な曲線を描いて、薄く暈けた霞のようなミストチューンに程良い凹凸感を与えて、それによる光沢を出しています。真夜中にしとしとと降る霧雨のように、しっとり粛々と響き続けるメロディーが痛切でいて美しいピアノバラード「King」は、Tiffany FredとTmar Braxtonの共同制作(Co制作にGerald Haddon)。Tamar Braxtonの凍えそうに小さく震えるヴォーカルが、まるで氷結するように透き通った冷たく鋭い光を放ちます。S1とEpikh Proが共同制作した「S.O.N.」は繊細な光ファイバーの絡まりと、どこか部族っぽいエコーや打ビートの融合が面白い電磁奔放ミッド。最後はAndrew Hey(The Underdogs一派)が制作した「Coming Home」で、Tamar Braxtonのどこまでもディープで麗しいヴォーカルを堪能できる、シルキーで壮麗なバラードでグッド。

とにかく幅広いトラック準備で、どの角度からいっても楽しめる全包囲なR&Bでとっても優秀な一枚です。僕はTamar Braxtonの叫ぶような高音のヴォーカルがあまり好みではないのでそこが減点なんですが、そこ以外は本当にパーフェクトな一枚で、やはりTamar Braxtonもお姉様と一緒でしっとりと静かめに歌う方が(高音も上手いんだけど)合っている気がします。とは言ってもすごく良ーく出来た一枚、ナイスです。






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Raury「All We Need」
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“XXL Freshmen Class”の2015年版にも選出されていたSSW、Rauryのメジャーデビューアルバム『All We Need』を御紹介。弱冠18歳にしてメジャーのコロンビアとの契約を獲得したRaury、そのメジャー契約前にはKanye Westからもお声がかかるも断ったとか(噂)。英BBC放送の期待の新人選出企画“Sound of 2015”でも4位に選ばれたRaury、デビュー作となる(MixTapeだと僕は思っていた)『Indigo Child』も各方面で好評だったので、こうして無事にメジャーアルバムを聴けて嬉しい限りです。
という訳で気になってしまう内容に触れてゆくと・・・・・・まるで荒野に吹き抜ける乾風のようなサラサラとしたギターの爪弾きに、ドラマチックで壮麗なストリングスの紡ぎ、そこにRauryの高原に生きる草食動物のような優しく淡いヴォーカルが柔和に響くのが面白い「All We Need」でスタート。RauryとMalayが共同制作し、Adiaが客演したこの曲で、もう一気にRauryの遊牧世界へと引き込まれます。カルメンのように激しく掻き鳴らすアコースティックギターとポカスカ叩き回すパーカッションとが、エキゾチックでスパイシーホットな「Revolution」はMalayが制作を担当。躍動感のある部族的トラックに乗って、Rauryのラップ混じりのインディゴブルーなヴォーカルがバチバチと弾き出されるのが、鼓膜や秘孔を突いて心地よい刺激になります(快楽)。ドス黒いベースの黒波とボツボツと撃たれる無機質ビートが、まるで宇宙で小惑星を回避しながら飛ぶ小さな宇宙船のようなドリーミーさを生み出す「Forbidden Knowledge」もMalay制作。どこかジャズっぽいグルーヴとサイケデリックなタッチの融合は、まるでATCQとOutkastを足して割ったような感触といえてクール。Rauryの無線を通して聴くようなフィルターのかかったヴォーカルやラップシンギングも滑らかでカッコイイし、そこに銀河を彷徨うキャデラック乗りのBig K.R.I.T.を客演に呼ぶんだから、それはもう壮絶クールに決まってます(昇天)。ぼんやりと雲上に漂うような、標高2000メートル超えの山岳を歩くような感覚の幻想スロウ「Woodcrest Manor II」はMalay制作。多重になったRauryのインディゴブルーな淡いヴォーカルが、少し酸素が薄いようなフワフワと儚げな感触で脳内を静かに蝕んでゆくのが心地良い。ピアノ鍵盤をひらひらと舞わせたジャズ嗜好ながらも、光ファイバーを複雑に絡めた電子基盤チックな電光トリップソウル「CPU」もMalayが制作。そんな機械的なエフェクトを埋め込みながらも、なんだか凍える寒空が落ちてきそうなそんなノスタルジアも漂って切ないトラックが秀逸。多重エフェクトを駆使した残光のように朧げなRauryのヴォーカルが響き、終盤には客演のRZAがボソボソと渋いラップを降らせるのがまたカッコイイ。アコースティックギターを火の粉を散らすようにパチパチと爪弾く「Devil's Whisper」は、Jacknife Leeが制作を担当。密林の奥地で大火を焚いて悪魔祓いを行うような熾烈な熱と光が踊るトラックで、祈祷するように直線的なRauryのラップ混じりのヴォーカルも面白い。Andre 3000「Prototype」を彷彿とさせるアコースティックギターを爪弾き零すドリーミースロウ「Peace Prevail」はDJ Khalilが制作、陽光に温められ、風に運ばれゆっくりと動く綿雲のようなRauryのとろけたヴォーカル&ラップも心地良い、極めてボヘミアンな感覚の柔和なソウル。「Crystal Express」はなんとDanger Mouseが制作を担当、モダンソウルなトラックながらRauryの多重録音したヴォーカルの質感が、そんなトラックごと結晶化させて華奢で美しく仕上げているのがナイス。Malayが制作したギター弾き語りの「Love Is Not A Four Letter Word」はRauryのリーディング曲、ここでもAndre 3000「Prototype」に通ずる薄日みたいな浮遊感があって心地良い。渓谷に深く積もった雪が勇壮に滑り堕ち、流氷となって深い谷を作るような、そんな光景がまざまざと映し出される美しきフィヨルドソウル「Her」はTake A Daytripなる人物が制作を担当。静かでいて壮大な透明感溢れる美しいトラックも素晴らしいし、薄氷のように繊細で薄らいだ光を揺らすRauryの多重ヴォーカルもばっちりマッチングしています(浸透)。Key!を客演に迎えた「Trap Tears」はMalayが制作を担当、それこそ現行のトラップミュージックとブルースを混ぜ合わせたようなトラックも印象的。再びJacknife Leeが制作を担当した「Mama」は生粋もボヘミアンバラードで、Rauryの昼下がりの太陽のようなポカポカ暖かなヴォーカルが優しく染み渡ります。そんな陽光をそのままに引き継ぎ、微睡んだ午睡のようなメロディを優しく紡ぐ「Kingdom Come」はRauryとOm'Mas Keithが共同制作、音程もヨレヨレで下手の一歩手前なRauryだからこそのダメージ感が良い風合いのインディゴ染めスロー。最後は先行シングルにもなっていた、Tom Morelloが客演で参加した奔放なミッド「Friends」で〆。RauryとMalayが共同制作したこのトラックもやはり麦わらで編んだようなナチュラルでオーガニックなミッドで、晴れ間の広がった野原で草の匂いをいっぱい吸い込んで転がるような感覚が心地良いのです。

確かにこれがR&Bやソウルなのかと言われれば疑問ですし、歌なのかラップなのかと問われても難しい作品。基本的には前作『Indigo Blue』を踏襲しつつも、少しサウンドの幅は拡張しています。全体に灌木メロウが漂う淡く優美なナチュラルなグラノーラアルバムで、インディゴブルーソウルという特殊なスタイルを確立しています。他とは一線を画しているし、これから色んなアーティストと絡んで、もっとその世界観が広がるのも期待です。ちなみに、僕の大好きなプロデューサーであるMalayが多数関与しているのも高得点でした。





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CeeLo Green「Heart Blanche」
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Atlantaの銀河軍団Dungeon Familyの一員であり、Goodie Mobの一員でもあるCeeLo Greenの通算四作目となる『Heart Blanche』を御紹介。やはり泥臭く濃厚なラップグループであるGoodie Mobの中でも、歌とラップを使い分ける両刀使いでズバ抜けた存在感を放っていたCee-Lo(昔はCee-Lo表記だったけれど、本作ではCeeLo Greenという表記に変わっていますね)。ですからソロに転向するのは当然の事で、『Cee-Lo Green And His Perfect Imperfections』(この頃のブログ記事は今より浅いな)、『Cee-Lo Green...Is The Soul Machine』、傑作と名高い『The Lady Killer』と、順調にそしてソウル寄りになりながらリリースを重ねています。しかしソロで忙しい中でも、Goodie Mobで再結成し『Age Against The Machine』を完成させてくれて、昔ながらのファンを喜ばせてくれました。
そんなCeeLo Greenの新作の感想を書きますと・・・・・・まずはストリングスやドラムスや鍵盤音がまるで花吹雪みたく派手に舞う、Ceelo GreenとSean Phelanが共同制作の「Heart Blanche Intro」で幕開け。レトロなソウルメロディーで威風堂々なスイングをかますギャラクティカルなトラックがカッコイイ「Est. 1980s」はJohn Hillが制作を担当、このなんとも放射線状な光線ソウルに、CeeLo Greenの雄叫びのような怪鳥ヴォーカルがケーンケーンと炸裂するのが痛快でカッコ良い。ゆっくりと展開するビターでいてクリーミーなトラックがなんとも燻し銀な「Mother May I」はMark Ronsonが制作を担当、 Hal Frazier「The Leaves Are Falling On The Past」をサンプリングした芳醇なトラックはまるでドリップするような感触で、CeeLo Greenの甘ったるくも角張ったヴォーカルとお似合い。CeeLo GreenとSean Phelanが共同制作(Add Prod.にはCharlie Puthが関与)の「Working Class Heroes (Work)」は、ジャングルに電飾を施したような混沌とエレクトロの融合が面白いサバイバルソウルで、まるでホイッスルのように弾けるCeeLo Greenの野性味溢れるエナジーヴォーカルも面白くてグッド。Sean Phelanが共同制作した「Tonight」はJohn Miles「Music」をサンプリングした、まるで昭和歌謡のように熱く燃え滾る熱射ソウルで、それこそ怪鳥のようにけたたましく啼くCeeLo Greenのヴォーカルが刺激的です。Jon Bellionが制作した「Robin Williams」は口音でのビートボックスとハンドクラップを散りばめた軽量化アッパーで、これが壮麗で透明感もあるソウル風味なんだけれど、近未来的なサウンドで編まれたエキセントリックな味わいでたまらないんです(中毒)。Bab James「Angela (Theme From Taxi)」を下敷きにした甘辛味の渋いソウルチューン「Sign Of The Times」はCeeLo Greenが制作(Co制作にCook Classics)、ヒューヒュルと鳴る笛っぽい音色とCeeLo Greenのハミングの効いたフックで、まるで極楽鳥が柔らかく啼くような浄土ミッドに仕上がっています。Solomon Burke「Then I Want To Come Home」を下敷きにした「CeeLo Green Sings The Blues」はSean Phelanが制作、どちらかと言えばキワモノっぽかったCeeLo Greenが実は優れたソウルシンガーなんだと痛感させてくれる、優美と慕情を煌々と燃やす素晴らしいブルースです(痺)。The Futuristicsが制作をした「Music To My Soul」は本作からの先行カット、この曲の持つ熱感というのがとても絶妙で、朝陽のように熾烈で眩しくもあれば夕陽のように淡く切なくもあり、CeeLo Greenのコクがあってまろやかなヴォーカルがグングンとハートに沁みるのが分かります(浸透)。John HillとCeeLo Greenが共同制作したスウィートなドリーミーミッド「Race Against Time」は、光の波が寄せては返す燦々としたメロウで、こういう採光ソウルでのCeeLo Greenの極楽鳥ヴォーカルの心地良さはたまりません(昇天)。Jack Splashが制作した品格漂う王道なレトロソウル「Better Late Than Never」も、ギンガムチェックみたく美しい色彩の格子を張ったメロディに、CeeLo Greenのエスプレッソみたく濃厚でキレのあるヴォーカルが溶けるのが美味。「Smells Like Fire」はJohn Hillが制作(Co制作にBrian Kennedy)のドラムスビートが効いたトラックで、まるで大きな花束をゆさゆさして歩くような高揚感と鮮やかさが零れる美メロウで、気持ち良さそうに喉を震わせ鳴らすCeeLo Greenの滑空ヴォーカルがたまりません。銀河系な浮遊感のある「Purple Hearts (Soldier Of Love)」はEg Whiteが制作、違うんだけれどどこかMichael Jackson「Off The Wall」的な繊細なサイバーソウルといった感じで、優しく甘くスウィングするヴォーカルも心地良い。Sonny J. MasonとAlex "AK" Kresovichが共同制作の「Thorns」は、穏やかで温かみのあるソウル回帰なミッドに、CeeLo Greenの滑らかで香ばしいヴォーカルがナイス。最後はDaniel Ledinskyが制作した「The Glory Games」で、銀細工のように冷たくも研ぎ澄まされた輝きを放つ荘厳なトラックに、気高く咆哮するCeeLo Greenのヴォーカルが鼓膜に刺さります。

このソウル路線を強めたキッカケになったのはやはり、DJ Danger MouseとのユニットGnarls Barkleyでの「Crazy」のヒットが大きい訳ですが、やはり僕的にはソロ一作目と二作目のようなトリッキーなソウルアルバムの方が好きかなー(未練)。でも、最近の流行みたくただただファンクしているって訳でもなく、きちんと綺麗なソウルを聴かせてくれていて、品行方正なんだけれどCeeLo Greenの極楽鳥のようなホロホロと啼くソウルフルなヴォーカルが、また独特な味わいを醸し出しているのが良いんです(乙)。




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Babyface「Return Of The Tender Lover」
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20世紀を代表するソングライターと断言できる天才、Babyfaceの通算七作目となる『Return Of The Tender Lover』を御紹介。BabyfaceはAntonio "L.A." ReidとのLaFaceコンビで、数多くの名曲を生み出した(列挙するとキリがないのでしません)ソングライターであり、また自身も多くのヒット曲を放っているR&Bシンガーでもあります(説明不要)。黄金時代も終わり一時期ほどの多忙さもなく、それでも様々なアーティストの楽曲制作に携わってきたBabyface。そんなBabyface復活を感じたのはやはり、Toni Braxtonとの息の合ったデュエット盤『Love, Marriage & Divorce』ですね(狼煙)。元々は借金もあったり病気したりで、歌手活動を引退しようとしていたToni Braxtonを救済すべく企画された盤なのですが(これも泣ける美談で素敵じゃないか)、結果としてはR&Bリスナーに“Babyfaceの新作はまだか?”と期待させたBabayface救済盤となった訳です。そんな追い風をBabyface自身も感じていたのは確実で、そのデュエット盤から僅か一年で期待の新作が届きました。その新作はBabyfaceの二作目である『Tender Lover』の続編的な一枚、このタイミングでこの帰還的な新作は嬉しい限り。前作にあたる『Playlist』はカバーアルバムだったので、オリジナルアルバムとしては約10年ぶりの新作となります(驚)。
という訳で感想をさっくりと書かせて頂くと・・・・・・まず本作を語る上で欠かせないのがDaryl Simmons、Babyface作品(また彼のプロデュース曲)の名相棒がほぼ全曲でソングライトに関与しているのが味噌ですね(興奮)。軽快にスイングするホーンの音色がまるで高級なヴェルヴェットのように艶めき、そんなホーンのキラ光りを照明代わりにして揺れるメロディが心地良い「We've Got Love」。絹目調のスムーズでスマートな大人による大人のためのダンスチューンで、肩の力を抜いてリズムに身を任せてにこやかにステップを踏んでしまうんです(疼)。バンド演奏の紡ぐ優しいメロディーが心を浄化してくれる、なんとも爽快ミントなミッド「Fight For Love」。春の陽気に温められ、花の蕾がゆっくりと開くような優美なメロディに、これまたBabyfaceのカモミールみたいに純白のヴォーカルがふんわりと香るのがたまりません(特にミルフィーユ状に織られたフックが抜群)。続く「Exceptional」もキラキラと眩い陽光のようなメロディがハートの隙間に射し込んで、ゆっくりじんわりと温めてくれる美しいミッドで、どこまでも瑞々しく透明なBabyfaceのギターとヴォーカルが凛と響くのがとても綺麗です(感動)。「Walking On Air」では懐かしいEl DeBargeが客演参加、新緑のようにナチュラルに柔らかで、鮮やかな色彩の二人の歌声に、気分も高揚し晴れやかになってしまいます(癒)。After 7の新曲として発表されていた「I Want You」が、そのAfter 7を客演としてBabyfaceが歌い直して収録されています。これもBabyfaceらしいしっとりとスマートでドレッシーな美メロウで、BabyfaceとAfter 7のエレガントなヴォーカルが共振して盛り上がってゆくのがなんともエレガント(鳥肌)。美しく繊細なストリングスと共に、Babyfaceのミルキーで甘いヴォーカルが優しく溶けてゆく「Love And Devotion」も素晴らしく、まるで恋人を優しく抱擁するかのようなフワフワとしたメレンゲ感触。フェミニストなBabyfaceからすべての女性へスタンディングオベーションを贈る、なんとも彼らしい紳士で真摯な女性讃歌「Standing Ovation」。少しの淀みの無い清らかで真水のようなBabyfaceのピュアヴォーカルだからこその説得力で、乾いたハートにゴクゴクと浸透してゆくのが分かります(潤)。どこかSadeにも似たバンド演奏がラグジュアリーな艶めきと輝きを放つ「Something Bout You」は、シャンパンゴールドみたく上品な煌めきのメロディに乗せて、Babyfaceのまろやかで甘美なヴォーカルが軽快にステップを踏むのが心地良いんです(昇天)。最後を飾る「Our Love」は最もBabyfaceらしい純白のラブバラードで、眩いほど真っ白なまるでレース生地みたく光りを透かす眩い感触の美曲に、Babyfaceの変わらずにリネン生地みたく白く優しい感触のヴォーカルが寄り添うのです(昇天)。

EDMやオルタナティヴといったR&B、はたまたラップとも歌とも区別し難いR&Bが氾濫している昨今。それでもBabyfaceはお構いなし、盟友であるDaryl Simmonsの協力もあって昔、ながらの美メロを聴かせてくれました。喉(そして鼓膜)を潤すのにフルーティなジュースもポップな炭酸も酔いの回るアルコールも要らない、きりりと澄んでゴクゴク飲めて、体に素直に浸透するミネラルウォーター(つまり純度100%)なR&Bが一番だ、と実感させてくれる清冽なR&B盤に拍手喝采です(涙)。惜しむらくは全9曲という少なさと、その中の一曲がAfter 7の既出曲だった点、せめて全て新曲で10曲は入れて欲しかったかなー(高望)。




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Seal「7」
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ブラジル系の父とナイジェリア系の母との間に生まれた英国出身のソウルシンガー、Sealの通算七作目(カバーアルバムを含めたら九作目)となる『7』を御紹介。Sealといえば「Kiss From A Rose」でグラミー三部門を受賞したシンガー、その後にHerbie Hancockの楽曲「Imagine」にP!nkやIndia.arie、Jeff Beckらと共に参加し、そこでもグラミーを受賞しております。僕としてはれっきとしたソウルシンガーなのですが、ここ日本ではあまりソウルの枠組みで語られる事が少ない気もするSeal。美人モデルHeidi Klumが妻で仲睦まじかったのですが、12年に離婚してしまいました(悲)。結構な泥沼離婚だったのでSealもかなりイメージダウンしてしまったのですが、離婚後リリースの無かった新作がようやく聴けて嬉しい限り(安堵)。
それでは前口上はこのぐらいで止して本題へ・・・・・・まず、本作の全曲の制作はTrevor HornとSealが担当しており、これがとっても重要な点。Trevor HornはそれこそSeal大躍進の立役者で、Sealをデビューさせたのも彼、つまりは盟友な訳ですね。しかし、四作目である『IV』を最後にずっと組んでいなかったんです。その後のSealは『System』をStuart Priceと、カバーアルバムである『Soul』『Soul 2』や『Seal 6: Commitment』をDavid Fosterと組んでいました。という訳でTrevor Hornの帰還はおよそ12年ぶり、これだけでもSealファンは狂喜乱舞です。まずは「Daylight Saving」でひっそりとスタート、しっとりと濡れた朝靄のような静寂のメロディを溶かすように、Sealの朝陽のようなヴォーカルがすーっと射し込む壮麗なミッド。柔らかく優しく鳴るピアノ鍵盤の音色が、まるで春風に揺れる野花のように淡く美しい「Every Time I'm With You」も、Sealのハスキーでいてシルキーなヴォーカルが時折ファルセットで翻るのもまた、楽曲の温かな印象を強くしています。四つ打ちのダンスチューンなんだけれども、楽器演奏を軸にしたメロディで機械的でなく肉感的な印象の「Life On The Dancefloor」。Sealのヴォーカルが直角的に放射されては屈折してメロディをなぞるのも痛快で、どこかエキゾチックな感触がするのもとてもクール。まるで銀で創られたようなトラックがなんとも荘厳な「Padded Cell」は、Sealのハスキーでコクの深いヴォーカルが聖堂の大鐘のように揺れては鳴る迫力のある一曲。雪原に吹き抜ける風のようなメロディが清廉で透明なミッド「Do You Ever」も、まるで雪の結晶の様にスッキリと精巧で美しいSealの品行方正なヴォーカルが、鼓膜を濾過し浄化しながら抜けてゆくのが心地良いんです(昇天)。涙なくしては聴いていられない繊細なピアノバラード「The Big Love Has Died」は、艶やかにたゆたう心拍のようなピアノ旋律に絡まるストリングスは、まるで心にヒビ入る傷のようで痛切さを増させ、その中で叫ぶSealの歌声がまたどこまでもドラマチックで荘厳。本作中でも毛色が違ってナイスアクセントになっているのが「Redzone Killer」で、昔のStevie Wonderがやりそうなちょっぴりスリリングなミッドで、ほどよくマッタリと突くリズムとSealの筋張って屈強でいてもシルキーなソフトさもあるシャウトがたまりません(鳥肌)。軽快なバンド演奏でEW&Fみたく進行する「Monascow」も、どこかしらレトロなフューチャー感がすごくカッコ良くて、Sealが所々挿入するファルセットなんかはモロにEW&FのPhillip Baileyっぽく感じます(錯覚)。幾層もの光の織りなす眩くて幻想的なトラックが瑞々しく、まるで朝陽に輝く朝露のようで美しい「Half A Heart」も、張りがあってフレッシュで真っ直ぐなSealのヴォーカルが素敵。躍動感のあるリズムで英国独特の展開に感じる「Let Yourself」も、Sealの端正なブロンズのようなヴォーカルでより流麗にリズムを刻みます。真夜中にひっそりと、深々と降る小雪のように優しく儚げなメロディが胸に沁みるバラード「Love」。Sealのヴォーカルもまるで雪明かりのように淡く優しく寂しげで、気付けば聴き手のハートに切なさが降り積もる可憐なバラードで御座います(感動)。

やっぱりSealの相棒はTrevor Hornだ、そう感じさせる抜群のフィット感でグッド(痺)。このアルバムを聴いていてい僕は、僕の大好きな中原中也の詩“汚れつちまつた悲しみに、今日も小雪の降りかかる”の一説をふと想っていました。冬のこの時期にリリースされたのも功を奏していると思うこの一枚、形容するならば白銀ソウルと称するのが相応しいと思います(賛辞)。




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The Game「The Documentary 2」
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再びシーンの注目が集まっている西海岸はLA出身のもはやベテラン、The Gameの通算六作目となる『The Documentary 2』を御紹介。シーンの寵児であるKendrick Lamarが出現し(そのK. Dotが羨んでいたのが同郷からスターとなったThe Game)、N.W.A.の伝記映画がお披露目となり、Dr. Dre名義のアルバム『Compton』がリリースされる。こういった絶好のタイミングを逃さずにほぼ同時に二作を放ったThe Gameは、思ったよりもビジネスマンだなーと感心。その類い稀なるキャラの立った渋カッコ良いラップで、ファンの多いThe Gameはもはや50 Cent超えしている気もします(悔)。
それでは感想をザックリとすらすら書かせてもらうと・・・・・・まずは、硬くて黒いアスファルトのようなビートに、そんなアスファルトがジリジリと焦がされ熱を放出するような感触のトラックがハードな「On Me」。Bongo制作のこの曲はサンプリングにErykah Badu「On And On」を使用していて、そのErykah Baduのネットリ艶美なヴォーカルがひらひらと翻るのもいい(痺)。客演には同郷の後輩Kendrick Lamarが参加し、きめ細かで神業なラップで援護射撃をしています。中盤の無重力空間に飛び込んだような無機質アカペラに近いバックと、畳み掛けるようなThe Gameのキレキレ高速のラップなんかはKendrick Lamarっぽい演出。急カーブを切るようにひん曲がって唸るホーンとバスバスとぶん殴るビートが、なんとも硬派でスカッと気持ち良い「Step Up」はBongo制作。鉄錆のようにジャリジャリした感触The Gameのラップもさることながら、ラストで可愛くフックを唱えるDej Loafや、Sha Shaの艶麗なフックが効いてるのも間違いないです。ベースのダウナーな響きとカツカツと刻む鉄骨ビートで突き進むオールドスクールな「Don't Trip」、制作はwill.i.amでThe J.B.'s「More Peas」をベッタリ使った彼らしい黒い趣向でナイス。これはもうIce CubeとDr. Dreがマイクを繋げているだけでもう興奮必至で、The Gameへと血統書を渡した彼ららしい無骨で逞しいラップでスリリング。この男臭いマイクリレーに意外な感じで登場するwill.i.amも、こういうレトロな縦ノリは得意分野で、結局は鮮やか軽妙にロッキンしていて存在感は抜群です(策士)。保険にきちんと御大Diddyを招いておいて、The Notorious B.I.G.「Kick In The Door」と同ネタのビートをサンプリング使用した「Standing On Ferraris」はBongo制作。このビートだとやはりBiggieが偉大過ぎて物足らなさが出るのは当たり前、もっと加工した方が良かったかも。でも元々の危険でギャングスタなピリピリした空気感は、そのままThe Gameにお似合い、(僕的には聴きたかったけれど)Diddyがラップしてないのも賢明なのかも(笑)。客演に新星Ab-Soulを引き連れての「Dollae And A Fream」は、久々のCool & Dreが制作を担当。The Chi Lites「Have You Seen Her」をサンプリングした、散乱光のようにチラチラと煌めく電子鍵盤の音色に、たおやかで柔らかなジャジーなトラックが小洒落ていてグッド。そのまま継ぎ目なしで入る「Made In America」はやはりBongoが制作、高山の峰にかかる霞のようにヒンヤリと冷たくもしっとりと艶やかで麗しいトラックが漂い、こういうビートレスなトラックに乗るThe Gameというのも珍味で美味。客演のMvrcus Blvckのヴォーカルが甘美で薄くぼやけるのもまた美味でグッド。Bongo制作の「Hashtag」は、もはやJelly Rollのけたたましい雄叫びが絶えずつんざめく荒々しい密林野獣チューン。Q-TipにEric Bellinger、Sha Shaが客演参加した「Circles」もBongo制作で、Isaac Hayes「Going In Circles」をサンプリング使用。これはもうやはり、終盤で登場する客演のQ-Tipに鼓膜を奪われて仕方ない(笑)、しかもこの登場ではいかにもQ-Tipらしい飴細工みたいなホーンがねっとりと鳴るトラックにスイッチするから余計に独壇場。BongoとHitboyが共同制作でFutureとSonyaeが客演の「Dedicated」は、その音世界も含め完全にFuture世界へとThe Gameが身を投じている一曲。しかし、そのFutureの強力で毒々しい磁場の中にあっても、その鉄錆ラップでくっきり強烈な威力を放ち磁場をねじ曲げるThe Gameもカッコ良い(痺)。The Gameの焦がすように熱のあるラップでジリジリと真っ黒に炭化してしまう、ソウルフルなカーボンミッド「Bitch You Ain't Shit」はCaviarが制作。Mike Will Made Itが制作を担当した「Summertime」は先程とは打って変わって、客演のJelly Rollが燻し銀で穏やかなヴォーカルを燻らせるミッド。夕闇に染まった海面みたく淡く優しく揺れる鍵盤トラックに、The Gameのしっとりとしたラップがこれまた円やかで渋いんです。Boi-1daが制作した「Mula」ではKanye Westが客演参加、これはKanye Westっぽい水分量多めのモザイクチューンで妖しさ抜群、The Gameの吠えるようなラップにKanye Westの上擦るようなフックが中毒性高い。その豪腕なギュルギュル鳴るスクラッチを一聴しただけで、DJ Premier制作と分かってしまうのが凄い「The Documentary 2」も、こういうシンプルに尖ったビートだけで邁進できるThe Gameの気迫がカッチョイイ(興奮)。Street Runnerが制作した「New York, New York」は、三十路の僕には大好物な鮮麗メロウなソウル早回しっぽいトラックとタイトル、そしてThe Gameのフックがたまらない一曲です(鳥肌)。CardoとJohnny Julianoが共同制作した「100」はDrakeが客演参加、Peobo Bryson「Feel The Fire」を絞って種ビートだけ残したような甘酸っぱいトラックに、水と油なThe GameとDrakeが混じるのが単純に面白い。Bongo制作の「Just Another Day」もメロウが香り立つ高保湿モイストなミッドで、こういうトラックで水浴びしながら筋骨隆々なラップをしならせるThe Gameもたまりません。最後はwill.i.am制作でChic「Savoir Faire」をネタ使いした「LA」で華やかラグジュアリに幕切れ、客演にはSnoop Doggにwill.i.am、Fergieが参加。すごくフローラルでいて壮麗で絢爛なトラックも、無骨なThe Gameにこれだけ際立った援護射撃があると映えますね。

まずは、The Gameの気合いに完敗といったところ。これまでのThe Gameといえばシンガーを多く招いた歌フックを多用したソウルフル面と、強者なラッパーを招いて銃撃戦みたいなマイクリレーを繰り広げるハード面の二部構成(もしくはどちらか)だったけれど、本作では客演陣の世界に入って自分のキャラを立たせるというちょっと違った感覚。まあ、もともとNasにも負けないラップをかませる手練なので、聴き応えも抜群、これだけの曲数ですがダレずに聴けます。




テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽