RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

09 2016
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Anthony Hamilton「What I'm Feelin'」
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長らく不遇の時代を送ったことも知られる遅咲きの本物シンガー、Anthony Hamiltonの通算六作目となる『What I'm Feelin'』を御紹介。苦労人とこそ書きましたがデビューしてからは順調そのものでグラミー賞も獲得、前作『Back To Love』からおよそ4年ぶりの新作にはなりますが、その間にクリスマスアルバムを一枚出していますのでコンスタントに活躍している証拠。このモノクロのジャケットがものすごく格好良いので大好き、Anthony Hamiltonの歌声に似た柔らかく温かな笑顔にも癒されてしまいますね。また先に書いておきますと、当初このアルバムにはTimbalandやPharrell Williams、9th Wonderなんかの参加も報じられていたんですが、結局は無くなっているみたいです(残念)。
という訳で前情報もそんなに無いので軽ーく感想を書いてしまいますと・・・・・・まず本作で大半の楽曲を制作しているのがMark Batsonで彼は初期からのAnthony Hamilton作品でもお馴染みですが、他にもLianne La HavasRaheem DevaughnAlicia Keys、はたまたEminem50 CentNasといったHip Hop作品にも関与する凄腕で御座います。なので、まずはそのMark Batsonが手掛けた楽曲から紹介します。ビョウビョウと敏捷な弦音が跳ねるファンキーな「Save Me」は、泥遊びするようにバチャバチャと泥臭い音と戯れて歌声を破裂させるAnthony Hamiltonがめちゃカッコイイし、ビリビリと鼓膜に刺激を与える塩辛なヴォーカルがとにかく最高(痺)。「Ain't No Shame」もやはり素朴な弦音を柔らかに紡ぐ木綿のようなソウルミッドで、深く大きな河が悠々と流れるようにAnthony Hamiltonのヴォーカルが聴き手の心を飲み込み流れる一曲。Anthony Hamilton配下のコーラスグループThe Hamiltonesが客演参加した「What I'm Feeling」は彼らの美しいコーラスも重なって、夜明けの海の遠い彼方から朝陽を海鳴りが溶かして運んでくるような、そんな温かさと光が融け合った暁光ソウル(感涙)。女性の体のような艶かしく柔らくしとやかに濡れた曲線美を兼ね備えた「I Want You」の官能性は抜群、真っ暗な寝室の窓の隙間からそっと絹のカーテンを揺らし夜風と月光が射すような感触、Anthony Hamiltonのビターチョコレートのように芳醇な甘味の歌声もたまりません(恍惚)。さらさらと爪弾き零すアコースティックギターの音色が、まるで花をそっと揺らすそよ風のように鼓膜を撫でる「Never Letting Go」、こういう素朴でナチュラルなスロウにはやっぱりAnthony Hamiltonの樹木のように厚くどっしりとした優しいヴォーカルが似合う。優しく微睡むオルガン音を瞬かせるゴスペル調のスロウ「Grateful」も、Anthony Hamiltonのひらひらと天から舞い降りる光芒のようなヴォーカルが神々しくて素敵。朝露の降りた煌めく草原を、歩き踏みしめる度につま先が濡れて輝きをふと消すような「Walk In My Shoes」も透き通るような美しさで、だからこそAnthony Hamiltonのシフォンのように柔らかく甘美な歌声を添えると極上になるんです。ゴスペルのような壮大なピアノバラード「Still」も、そっと曇天が裂けて陽の光が漏れて濡れた大地を乾かすような、じんわりと芯から温まる曲と歌声がとても胸を打ちます。Mark Batson制作曲の中でも特殊に感じたのは「Ever Seen Heaven」で、聴いた途端に水温を感じさせるヒンヤリと冷たい感触、そのまま冷たい水底にゆっくり飲まれ沈んでゆくようなウォータリーなミッドで極めて現代的でクール。最後のサザンソウルのようなバラード「Love Is An Angry Thing」は、薄くフィルターがかって曇った音色がなんだか切なくて、Anthony Hamiltonのちょっと湿ったヴォーカルが涙に似て澄んで音色を滲ませる一曲。とここまでが盟友Mark Batsonの制作曲、残る二曲のみが彼でない制作になっておりまして。まずはSalaam RemiとJames Poyserの鉄壁コンビが制作した上品でシルキーなバラード「Amen」、高鳴りときめきで胸が詰まって思わず息を漏らすような、そんな柔らかな起伏と息遣いが鼓膜を優しく抱き締めます。Anthony Hamiltonのファルセットを交えたなだらかな歌声も素晴らしく、思わず祈ってしまいたくなる後光麗しい賛美歌ソウル。同じくSalaam RemiとJames Poyserが共同制作した「Take You Home」は、潤んだオルガン音と乾いたクラップビートが並走するクラシカルなソウルチューン。

今年にリリースされたR&B作品の中でもかなり特殊なサウンド、彼の標榜するトラディショナルなソウルアルバムではあるんですが、ブルースっぽかったりカントリーっぽかったりゴスペルっぽかったりと、ちょっとずつ毛色の違いがレトロなんだけどかえって新鮮でした。TimbalandやPharrell、9th Wonderの制作曲も聴いてみたかったですが(特にTimbalandはAlicia Keys「Heartburn」的な奇天烈泥臭いソウルチューンを期待していた)、確かにこの音の流れでは邪魔になったのかもしれません(推測)。木材で作るハンドメイド作品のような、自然な温もりと優しさが滲む素敵な一枚、やはりAnthony Hamiltonは国宝級で御座います(太鼓判)。






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Elzhi「Lead Poison」
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Detroitを代表するグループSlum Villageのオリジナルメンバー、Elzhiのソロ通算二作目となる『Lead Poison』を御紹介。Slum Villageに関してはこのブログでは、四作目にあたる『Detroit Deli (A Taste Of Detroit)』七作目にあたる『Evolution』を取り上げた事がありますね。このElzhiに関してもグループの顔役として有名ですし、なによりもNasの最高傑作『Illmatic』を下敷きに様々な意匠を凝らして創り上げた、本人やPete Rockもお墨付きのMixTape『Elmatic』が高評価を得たのが一番のトピックでしょうか。そんなElzhiが最近よく耳にする制作資金をリスナーに募るKickstarter Projectで、$37,000を集金してそれを元手に制作されたのが本作で御座います。
とまあ、僕の知っている話はこのぐらいなので感想を書こう・・・・・・まずはNick Speedが制作した「Medicine Man」でスタート、ジャケットにあるように鉛筆でさらさらと書いた文字が降る様に、雷鳴で始まりピアノ鍵盤の悲しくて優しいメロディがそぼ降る一曲。Elzhiのラップがとても優しくて深く澄んでいて、鼓膜にパシャパシャと雨を降らせます。ベース弦の黒く渋い唸りにボフボフと空気を含んだビートが心地良い「Introverted」はBombayが制作を担当、色彩を持たないモノクロのトラックにElzhiのアスファルト色したマットなラップが最高にカッコイイ(痺)。同じくBombayが制作した「Weedipedia」はサンプリング使っているっぽいソウルフルなアッパーで、少し褪せた色彩で毛羽立ったホーンやストリングスの音色が妙にくすぐったく、Elzhiのまろやかでドラマチックなラップが最高。小さな真珠粒をパーっとばらまいたような、水面の繊細な輝きに似た鍵盤音がさらさら流れる「February」は14KTが制作を担当。キラキラと細やかな光の粒が硬質ビートに叩かれ舞い上がるのがまた美しく、デッサン画のように黒と白の対比でだけで描かれるElzhiの澹泊なラップが映えます。そんなElzhiのモノクロトーンの引き締まったラップがばちばちと鼓膜にぶつかる「Egocentric」はQvelle Chrisが制作、濁水の中にズブズブと入ってゆく様なダートな感触がゾクゾクするほどカッコイイ。「Two 16's」はKarriem Rigginsが制作を担当、角切りゼリーのようにプルルンとした弾力あるカラフルな多面体シンセが印象的なメロウで、そんなスウィートなトラックでもElzhiの真っ直ぐなラップは非常に美味。Sledad Brotherが制作を担当した「Hello!!!」は黄金期90年代を彷彿とさせる、角張ったビートとロゼ色のメロウネスがじんわりと滲む一曲で、少しフィルターのかかり曇ったElzhiのラップがこれまたド渋い。キュルキュルと高速転回した45回転早回しなソウルフルチューン「Friendzone」はOh Noが制作を担当、こういう甘酸っぱくて弾けるような撥水性のあるトラックも三十路は大好物です(垂涎)。Joselfなる人物が制作した「The Healing Process」は、なんだか澄んだ水で作られた透明な氷細工のようなトラックで、その上を摩擦係数ゼロの高速で滑走するElzhiの早口ラップが凄まじい神業でグッド(鳥肌)。またまたBombayが制作した「Cloud」もソウルネタを早回しで染み込ませたド渋い一曲で、セピア色に褪せた色彩ながらもElzhiのパチパチと火花を散らすラップで鮮やかに変色してゆくのが心地良い。再びJoselfが制作した「Alienated」ではSmitty Soulが客演参加、ポツポツと降る雨粒のような潤んだビートがだんだんと水溜まりのようなメロウを広げてゆくトラックに、ほろ苦いElzhiのラップとSmitty Soulの甘ったるく溶けるキャラメルヴォーカルがナイス。Agorが制作した「She Sucks」ではChris DaveとThe Drumhedzが客演参加、太い弦音を骨組みにしたゴツゴツとしたバロック調のミッド。またまた14KTが制作を担当した「Cosign」は、バツンバツンと飛び込んだビートが水の流れの中で揉まれるようなメロディがなんとも流麗。その中で自在に泳ぎ回るElzhiの軽やかな魚のようなラップも美しいし、終盤で登場するDrey Skonieのネオソウル的なネットリしたヴォーカルも艶っぽくてグッド。Bombay制作の「Misright」なんかは、ボムボムと弾力のあるボートを水に潜らせるようなウォータリーメロウで、Elzhiのなんともたおやかなラップが潤いたっぷりで鼓膜がぐんぐん吸い込んでしまいます(吸水)。最後を飾る「Keep Dreaming」はBombayが制作の早回し系の激渋ソウルフルチューンで、光を受けた雫がいっせいに弾けるようなキラキラと眩い音色と、それに負けず鮮烈なElzhiのバチック画のようなラップがなんとも綺麗。

かなり地味なんだけどいい、まるで湯治のようにじわじわと骨身に沁みる良盤で御座います。結局はしっとりネットリとダークスロウに聴かせる昨今のラップよりも、こういうビートと共に毛羽立って滑らかなラップを聴く方が心地良いのはオジサンな証拠でしょうか(笑)。なんだかとっても簡素清貧な音&ラップだからあまり話題になっていないみたいですが、Slum Village好きや三十路オーバーな方には凄くお薦めな一枚。モノクロの雑踏の騒がしさや乾いた風、そして最後にそれらを洗い潤す恵みの雨を鼓膜で感じることのできるショートムービーのような一枚、結局はこういうサウンドが一番長く愛されてゆく気がするけれど。




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Schoolboy Q「Blank Face LP」
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強者揃いのBlack Hippyの一員、Schoolboy Qの通算二作目となる『Blank Face LP』を御紹介。Kendrick Lamarをはじめとしてとても人気のあるTDEの面々、この Schoolboy Qも例に漏れず若者にはとても人気のようです。前作『Oxymoron』もヒットして人気者の仲間入り、その前作からおよそ二年ぶりの本作という事でかなり短いスパンですね。ちなみにSchoolboy Qは正しくはScHoolboy Qと表記するんですよね、僕はもう面倒なのでこの表記で書かせて頂きます。
それではざっくりと簡単ですが聴いた感想を幼稚に書くと・・・・・・まずはNez & Rioが制作を担当した「Torch」がドロドロと重たく垂れ流すようなヘドロトラックで、Schoolboy Qのねちっこく絡みつくラップが残像を残して響きます。Swizz Beatzが制作の「Lord Have Mercy」はDonald Byrd「Cristo Redentor」をサンプリング、廃れてスカスカになったような荒涼としたトラックが渋くクールで、ほんのりと聴こえるSwizz Beatzの声もイイ感じ。CardoとYex、Cebeatzが共同制作の「That Part」では、暴君Kanye Westが客演参加。ゆったりと辺りを浮遊して支配する腐敗臭のようなガスシンセに、Schoolboy QといいKanye Westといいクドクドと繰り返すフックがやたらと重たくのしかかります(憑物)。それに引き換え硬質なドラムスをパチパチと弾かせる不穏な「Groovy Tony / Eddie Kane」はオーソドックスでクール、制作はTaebeastとDem Jointzが共同制作したこのトラックのビートは冷たく尖った氷雨が直線に降るよう。そんな冷たくキレキレなトラックだからこそ客演のJadakissの威力も倍増で適材適所、Schoolboy QもJadakissも奇怪MC系統みたいで結構ナイス相性で、後半での濁水の中に浸けたドラムビートがバシャバシャと飛沫をあげて暴れる感じもカッコイイ。あのAlchemistとJ. LBSが共同制作し、Lance Skiiiwalkerが客演参加した「Kno Ya Wrong」はなかなかジャジーで御洒落で、まるで夜風のように涼しげな麗しい笛音やホーン音が溶ける前半と、キューーーンと切なく高鳴る音色をスイッチに電子音の夜海の中に飛び込み泳ぐ後半の繋ぎ方もカッコイイ。TDE作品ではお馴染みのSounwaveが制作を担当した「Ride Out」ではVince Staplesが客演参加、のっそりのっそりと巨大な怪獣が踏み歩くようなビートと、その振動を受けてよろめきふらつくような音色になんとも悪酔いするし、Schoolboy QとVince Staplesのネットリしたラップも気持ち悪い寸前の気持ち良さ(笑)。感電しそうな漏電シンセがズブズブと鼓膜にコネクトする「Whateva U Want」はTaebeastが制作を担当、電流ウェーヴにのって軽妙に走るSchoolboy Qの電撃のように痺れるラップもクールだし、客演のCandice Pillayの淡く艶やかなヴォーカルも綺麗でグッド。CardoとYexが共同制作の「By Any Means」は、じわじわズブズブと沈んでゆくような鉛のようなトラックが気色悪くも癖になる。Metro BoominとSouthsideの売れっ子タッグが制作した「Dope Dealer」は、Grover Washington「Masterpiece」をサンプリング。彼ららしい金属的でとぐろを巻くような低音ループ製法のトラックもさることながら、やはり客演のE-40が高速でラップをスピンさせるのがナイスアクセントになっています。SounwaveがThe Delfonics & Adrian Younge「Silently」をサンプリングした「John Muir」は、捻れて膨張するようなホーン音や木挽きしたようなウッディな音色が美しいミッド。Tyler, the Creatorが制作した「Big Body」は彼らしい繊細な狂気が滲んだ、そして敬愛するThe Neptunesの影響を感じるミニマルで点と線を繋ぐ亜空間なトラックが壮絶クールですし、客演のTha Dogg Poundの西海岸らしいユルくもタフで柔らかなラップが凄くお似合い(失神)。「Neva Change」はDJ DahiとLarrance Dopson(1500 Or Nothin')が共同制作でSZAが客演、とてもしとやかでラグジュアリな絹目調のトラックでスベスベとラップを滑らすSchoolboy Qも良いしSZAも艶っぽくもキュート。Nez & Rioが共同制作の「Str8 Ballin」みたいなガブガブ噛み付く猛獣チックなSchoolboy Qは苦手、かな。Willie B制作でFunkadelic「Good Old Music」とSoft Machine「Drop」をサンプリングした「Black Thoughts」は、万華鏡のようにキラキラと色めき蠢めく色彩の中に吸い込まれてゆくようなトラックが夢想的。SounwaveとTony Russellが共同制作の「Blank Face」では話題のAnderson .Paakが参加、これはもう雨が煙るようなしっとり湿ったトラックで揺れる二人に共振するのみ。CardoにYex、Frank Dukesが共同制作し、MiguelとJustine Skye(!)が客演参加した「Overtime」は、トロトロと粘土を高めた光をぼんやりと明滅させたスライムチックなスロウ。こういう崩落するようなメロウはMiguelお得意のパターンとして、Justine Skyeも例のキュートで繊細な歌声を潜ませていてグッド。最後はNez & Rio制作でTraffic & TFが客演参加した「Tookie Knows It」で、ひらひらと舞い散るような枯れた鍵盤音と獰猛なSchoolboy Qのラップのシンクロがシリアス。

うーん、カッコイイんだろうけれど、僕はやはりそこまでハマらないと言いますか(辛)。確かに曲単位では耳を奪われたりするんだけれど、どうも一枚丸ごと聴こうと思うとどうも疲れてしまう(加齢)。これって皆の評価はどうなんだろう、僕的にはあまり再生回数も伸びていない一枚です(残念)。






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Fantasia「The Definition Of...」
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人気オーディション番組での優勝を皮切りに本格派シンガーとして賞賛を浴びる、Fantasiaの通算五作目となる『The Definition Of...』を御紹介。もはやデビュー経緯の話はする必要のないFantasia、きっちり素晴らしい作品を生み出し続けファンも獲得していて、失速せずにこれだけやれているだけで賞賛モノです。一時期は不倫の末に自殺を図るなど暗く辛い経験もしたFantasiaですが、15年にめでたくKendall Taylorと結婚して順調に幸せを育んでいるようです(安堵)。前作『Side Effects Of You』からはおよそ三年ぶり、そう考えると結構久々なんですかね。
てな感じで前フリは十分したので早速本題にゴーします・・・・・・まずはJerome "J-Roc" Harmonが制作を担当した「Crazy」でスタート、メキメキと体の奥から筋力を増強させそうなアドレナリンたっぷりなベースとドラムスのグルーヴが骨太で格好良く、Fantasiaの跳ね上げるようなフックもファンキーでグッド。「No Time For It」は久々のBrian Kennedyが制作を担当した、透明感とキラキラした輝きが美しいなウォーターエッセンスみたいなメロウチューンで、そんな流水トラックにFantasiaの潤いたっぷりな深層水ヴォーカルが注ぎ込まれ鼓膜もゴクゴク飲み干してしまう感触。本作のExecutive Producerも務める御大Ron Fairが制作した(Drums ProgrammedにChucky Thompson)「So Blue」は、ストリングスとパーカッションが柔らかく暖かな風のように抜ける南国テイストな焙煎メロウで、Fantasiaの滑らかで微熱混じりなヴォーカルが絡むのもとても心地良い。シックでクラシカルな優美バラード「When I Met You」は、Ron FairとPriscilla "Priscilla Renea" Hamilton、Ron "Neef-U" Feemsterが共同制作。鍵盤やストリングスや指スナップを敷いたトラックは絹のようにしとやかで高貴、そこにFantasiaの肉厚で柔らかなヴォーカルがふんわりと舞う素晴らしいスロウジャム(痺)。ブラックキネマのように荘厳でモノクロトーンな「Sleeping With The One Love」はR. Kellyが制作、古き良きソウルマナーを熟知するR. Kellyらしいトラックに、そぼ降る雨のように冷たく熱を奪うFantasiaのヴォーカルが切ない。Dylan WigginsとRon Fairが共同制作した「Stay Up」ではStacy Bartheが客演参加、どことなく南国みたく火照ったビートがじっとりと溜めて鳴る熱帯夜ミッドで、FantasiaとStacy Bartheの肉弾的で艶やかなヴォーカルが弾むのが心地良いダンスチューン。Ron Fairが制作した後光の射すような美しきピアノバラード「Ugly」も素晴らしく、聴き手の心をその光で浄化させてしまう眩く煌めくFantasiaの祈るようなヴォーカルも素敵過ぎます(涙)。「Wait For You」はGradesが制作を担当した果汁たっぷりフルーティなアップチューンで、ちょっぴり甘酸っぱくスプラッシュするFantasiaのヴォーカルも気持ちがいい。またもやRon Fairが制作した「Roller Coasters」ではAloe Blaccが客演参加しており、なだらかで濡れた曲線をゆらゆらと上昇下降するドラマチックなメロウで、FantasiaとAloe Blaccのほろ苦く共振して震えるヴォーカルとラップがまたたまらない(渋)。D. SmithとRon Fairが共同制作した「Lonely Legend」は、ザクザクとしたメロディが小気味良くてなんだかファニー。最後を飾るのはRon FairにTye Tribbett、Dave Outingが共同制作した、陽光のように鮮烈で力強く輝くゴスペルとトロピカル風味を足したような「I Made It」で、聴いているだけで体の中から沸々とパワーが湧いてくる勇壮な一曲でグッド。

勿論Fantasiaがズバ抜けた歌唱力なのも分かっているんですが、それでも僕はもともとそんなにFantasiaの歌声が好きという訳ではなかったんです。それは今もそんな変わらないのですが(これはもう感性の問題だから、凝り固まっていて変わらない)、それでも本作はいろんなサウンドにアプローチしていてとても濃密な一枚となっていて、かなり高得点な一枚だと思っています。パワフルに歌う一辺倒に思われがちなFantasia(僕だけ?)ですが、本作でのカメレオンぶりは素晴らしいの一言に尽きます。




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Britney Spears「Glory [Deluxe Edition]」
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さまざまな苦難を乗り越えて今なお現役で活躍するポップアイコン、Britney Spearsの通算九作目となる『Glory』を御紹介。昔ほどの人気はないかもしれないけれど(昔が凄過ぎる)、それでもずっとアルバムを作りBritney Spears後期の名曲となった「Work B**ch」を収録の前作『Britney Jean』から約三年ぶりに新作『Glory』をドロップ。現在はLas VegasのPlanet Hollywood Resort & Casinoにて、長期公演となるコンサート“Piece Of Me”を開催中で、そちらもとても人気があるのだとか。という訳でタイミング的には、Britney Spearsもまた脂が乗っている時期になると思うのでグッドなのかもしれません。
という訳で聴いた感想をのらりくらりと書きますと・・・・・・まずはスタートを切るNick Monsonが制作を担当した「Invitation」は、まるで光の屈折や乱反射のように煌めきを瞬かせるBritney Spearsのブリブリなヴォーカルがキュート(眩)。ボワンボワンと膨張して震えるごわついたビートと、ザクザクとエッヂの効いた弦音のカッティングが面白く噛み合う「Do You Wanna Come Over?」はMattman & Robinが制作で、Britney Spearsの少しヒリヒリと辛味のあるスパイシーな歌声が刺激的。本作からの先行シングルとなったのがBurnsが制作した「Make Me...」で、客演には注目のG-Eazyが参加。光を受けて輝く水面のようにキメ細かな煌めきシンセと、寄せては返す波のさざめきのようにウェーブな曲線を魅せるBritney Spearsの透けたヴォーカル、G-Eazyの伊達男な落ち着いたラップがナイスな融合。Tramaine "Young Fyre" Winfreyが制作した「Private Show」はどこかTimblanad趣味、ゲコゲコと空気を含んで破裂するようなソウルフルなトラックに、Britney Spearsのブリブリした声がカクカクと絡む面白さ。「Man On The Moon」はJason Eviganが制作を担当しており、薄いピンク色のBritney Spearsの淡くもブリブリなヴォーカルがひらひらと舞います。Cashmere CatとRobocopが共同制作した「Just Luv Me」は、ミストのように霧散するナノ粒子なシンセがしっとりと鼓膜に潤いを与え、それにシンクロしてひんやりとクールで透けたBritney Spearsのヴォーカルが繊細キュート。バチバチなハンドクラップに感電シンセが跳ねるエレクトロファンクな「Clumsy」は、Oak FelderとAlex Niceが共同制作で、フック部分でのザーザーと吹き荒れる砂嵐シンセが気持ち良い。再びMattman & Robinが共同制作した「Slumber Party」は、チクタクと秒針のようなビートにレゲエ調の焙煎メロウが絡まる一曲で、マッタリと緩やかなヴォーカルもレイドバックしていて心地良い。再びNick Monsonが制作した「Just Like Me」なんかも、メランコリックに爪弾くギターと光の玉のようなシンセが融合した面白い一曲で、どこか擦れて哀愁のあるBritney Spearsのヴォーカルもグッド。「Love Me Down」はAndrew "Goldstein" Goldsteinが制作を担当、これもちょっぴりレゲエ風味を効かせた熱帯チューンで、こういう汗ばむようなホットウェットなトラックもBritney Spearsは十八番。Oscer Gorresが制作の「Hard To Forget Ya」はなんだか懐かしいポップ風味のアッパーで、キュートなBritney Spearsの甘いヴォーカルが強炭酸で弾けるのがスッキリ後味。Tramaine "Young Fyre" Winfreyが再び制作した激渋ド派手ファンキーな「What You Need」なんかはBritney Spearsがする必要性を感じないけれど、最近ヴェガスで連日ショーをこなしている関係かなとか邪推してみたり。とここまでが本編の内容で、ここからは豪華盤のみの追加ボーナス曲で5曲も収録されています。まずはBloodpopが制作した「Better」はトロピカルな甘美さが熱っぽく熟れて香るダンスチューンで、その熱に浮かれて良い具合にゆらめくメロディもBritney Spearsの濡れたヴォーカルもナイス。Mattman & Robinが制作したスパニッシュギターが鋭くエッヂーに鳴る「Change Your Mind (No Seas Cortes)」も、フックでほんのりと隠し味程度にシンセが振りかけてあって、そのフラッシュがまた違った放熱を担っていてなかなかクール。「Liar」はJason Eviganが制作で、キリキリと鮮烈に切り込むストリングスが刺激的な一曲。ブビブビとあちこちで電子音が漏れて爆発するガチャガチャアッパー「If I'M Dancimg」はKirkpatrickが制作、真空シンセが波打ち明滅する神秘的なミッド「Coupure Electrique」はLance Eric Shippが制作を担当。

もともとズバ抜けた歌唱力でというよりは、その可愛いルックス&ブリブリ声とキュートなダンスでファンを魅了してきたBritney Spears。その点では歳をとっていくのは絶対だからBritney Spearsには不利になるばかり、これで痩せててキレキレでまだ踊れているなら(そういうMVやライブ映像が出たら)、本作の評価ももっと上がるかも。あとは今の時流を考えたら仕方ないけれど、R&Bに接近していた頃の作風の方が断然好きかな。それでもやっぱり30歳オーバーの僕はBritney Spearsには散々お世話になっているし、相変わらずブリブリヴォーカルが可愛いから良しとしますが(笑)。




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Lil Durk「Lil Durk 2X」
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現在のアメリカ、そしてHip Hop界においても最も危険な都市Chicagoの出身、Lil Durkの通算二作目となる『Lil Durk 2X』を御紹介。その犯罪発生率の異常な高さから、あのIraqになぞらえて“Chiraq”とまで呼ばれている大都市Chicago。そのChicagoを擁するIllinois州は現在のHip HopシーンではDrillinoisと呼ばれ、”暴力が蔓延するIllinois州”とされているらしいです。それを起源にこの土地から発生したデンジャラスでギャングスタならラップミュージックを、総称して“Drill Music”と呼び、このLil DurkもDrill Musicを代表するMCの一人。Lil DurkもBlack Disiplesなるギャングの一員だったそうで、その後ラップで頭角を表してFrench Montana率いるCoke Boysとの契約を勝ち取ります。彼もまた最近の若手MCの登竜門である“XXL Freshmen”に選ばれた一人、Chicagoっていろんな意味で層が厚いですね。
とはいってもアメリカ事情にも英語にも疎いので聴いた感想を・・・・・・まずはWheezyが制作した「Check」は重油のように重たくてドロッとしたビートとメロディが左右に揺れ、その惰性で突き動くLil Durkのナイフのように薄くて鋭利なラップがクール。「LilDurk2x」はZatovenとCassius Jayが共同制作しており、暗雲のように黒く重たく立ち込めるメロディと、それを引き裂く雷鳴のように絶えず鳴る咆哮をバックに、Lil Durkの無機質でトクトクと溢れ出すようなラップが毒々しく耳に残る。若手最有力のYoung Thugが客演参加した「So What」はDonisBeatsが制作を担当、心膜を突き破るかのように鳴る鼓動に似た、張り詰めたビートの中でタラタラと垂れ落ちるようなLil DurkとYoung Thugの流血の様におどろおどろしいラップが煙ります。Chop Squad DJが制作した「She Just Wanna」ではTy Dolla $ignが客演参加、すーっと薄く透けた寒空にも似た流麗で錆付いたトラックもなかなか麗しい。Lil Durkの歌う様にメロディアスなフロウもなかなか冴えていますが、やはりここはTy Dolla $ignのあの独特なオリーブオイルみたいなすっきりオイリーなヴォーカルが耳を惹きますね。DonisBeatsが再び制作を担当した「Money Walk」ではこれまた危険なYo Gottiが客演参加、パラパラ粉々に砕けるガラスの破片のような音色がシリアスに冷たく響く一曲。Lil Durkの落ち着き切った鋭利で薄く細いナイフのようなラップも、Yo Gottiの鈍器のように重たいラップとの対比で格好良く聴こえるナイス共演。「Glock Up」はDJ Lが制作を担当したザクザクと斬り込む尖った電子音の連続が凶器な一曲で、Lil Durkのヘロヘロと歪むエフェクトのかかった凶弾のようなラップで鼓膜は蜂の巣状態。「Rich Nigga」はInomek In Da Kitchenが制作を担当、トラック自体は暗窟の中のようにじっとりと冷たく湿った感触で、ヘロヘロし蛇行するようでいてLil Durkのラップが極めて冷徹にピンポイントで急所を突き刺してゆくのが怖い。Sonny Digital制作の「True」はSonny Digitalらしいデジタルノイズすれすれな漏電系のトラックで、それらを繋げて通電するLil Durkのラップはなかなかグッド。僕的に大好きなのはChop Squad DJが再び制作したメロウ系の「Set It Off」で、上擦るような甲高い声でメロディアスに舞うLil Durkのフックはあまり好きでないけれど(辛口)、トラック自体は朝の冷たい空気のように澄んで秀麗でスーッと馴染んでいきます。「Super Powers」ではDrill Musicには欠かせないYoung Chopが制作を担当、白く結晶化した音色がキメ細やかに舞い降るトラックは思いの外美しくて、そんなトラックの中で淡く儚く甘く溶けてゆくLil Durkの粉雪のようなラップも結構カッコイイ(痺)。最後を飾るのは恋人関係にある(?)Dej Loafが客演参加した「My Beyonce」で、制作はC-Sickが担当。先行カットされていたこのしっとりとしなやかなこのメロウチューンが僕はツボで、キリリと澄んだ冷たい水の中で泳ぎ戯れるような二人の仲睦まじい曲線フロウの捻れが心地いいんです(溺)。

すごく好きかと言われたらそうでもなく、これだ!というような一曲も僕の中ではあまり無くて。今の所は可も無く不可も無く、みたいな印象で終わっている気がするLil Durk。僕は「My Beyonce」狙いで本作を購入したんですが、それも半分Dej Loafが可愛くてみたいな部分もありますし(下心)。でも結構甘くソフトなトラックでも乗りこなしているし、聴いていくうちにハマる可能性も大いに含んでいると信じています。




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Musiq Soulchild「Life On Earth」
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Philadelphia出身で“フィリーソウルの申し子”とも形容される(そんな気がする)、Musiq Soulchildの通算七作目となる『Life On Earth』を御紹介。もはや説明の必要はないソウルシンガーな訳ですが、そんなベテランのMusiq Soulchildでも前作『Musiqinthemagiq』からおよそ5年ぶりとなる新作なんですね(驚)。とは言ってもそんな前作からの五年の間にMusiq Soulchildもいろんなアクションを起こしていて、まずは2014年にはSyleena Johnsonとレゲエアルバム『9ine』を作ったり、突如としてオルターエゴであるラッパー“The Husel”を名乗り活動すると宣言したりと(結局は頓挫したみたい)、話題に事欠かずアクションを起こしておりました。そんなMusiq Souldchildの久々のR&Bアルバムという事で、否が応にも期待は高まる訳でして。
それでは四方山話はこの辺で終えて本題に行きましょう・・・・・・まず本作を語る上で重要なのが、一曲を除く全曲の制作をWarryn CampbellとMusiq Soulchildが共同で行っている点で、これはやはり三十路以上のR&Bファンには嬉しい限り。という訳でその二人が制作した楽曲から触れていくと、The Mohawks「Champ」をネタ使いしHip Hop的スタンスでスタートを切る「Wait A Minute」。バキバキに尖ったビートに電子鍵盤のアメーバ状のうよめき、そこに無機質に信号的な明滅を繰り返すMusiq Soulchildのヴォーカルと、終盤ビートレスになった時の客演のWillie Hynの静かなラップがアクセント。「Who Really Loves You」は後ろに乗っかるようなヴォーカルの乗せ方が心地良いミッドで、焦がしキャラメルのようなツヤと香ばしくビターなメロディに、良い意味で弛んで柔らかなMusiq Soulchildのヴォーカルが鼓膜をルーズに包み込みます。軽くてシャキシャキとしたビート使いがNative Tongues一派的な感触を生み出す「Heart Away」、綿飴のようにふわふわモコモコとしたMusiq Soulchildの甘いヴォーカルが疾走するのも気持ち良い。「Loving You」ではRaphael Saadiqがソングライトに関与、清涼なトラックに微炭酸なエフェクトをかけたMusiq Soulchildのヴォーカルの甘くとろけたヴォーカルが混じる感触が綺麗な、まろやかクリーミーに鮮やかな色彩を溶かしてゆくクリームソーダ的メロウ。爪弾くアコースティックギターの乾いた音色が美しい「I Do」はMusiq Soulchildの十八番、清涼で草の香りのする春風のように朗らかなメロウで、良い意味でぼってりしたMusiq Soulchildのヴォーカルが映える一曲。大所帯なバンド演奏の感じとかコーラスと付け方が、もう全てがモロにEW&F的なアプローチで鳥肌立ってしまった「Changed My Mind」は最高の一言。Musiq Soulchildのなだらかにマッタリと音程を変えるヴォーカルが相当にスムーズで、そこに金色ホーンがフラッシュする事でラグジュアリでシルキーな感触が生まれます。なんだかStevie Wonder節が滲み出ているように感じるメロウ「Walk Away」も、ちょっぴりセピア色したブルージーなメロウでブラウンシュガーな音色に、Musiq Soulchildのちょっぴり酸味のあるサワークリームみたいなヴォーカルでスッキリとした後味。「Far Gone」では女性MCのRapsodyが客演参加、バチバチと乾いて弾けるドラムスにひらひらとはためくような薄く透ける鍵盤音で構成されたシンプルな鉛筆画のような一曲で、多重録音されたMusiq Soulchildのサワークリームみたいに甘酸っぱくクリーミーなヴォーカルがクール。「Part Of Me」ではWarryn Campbellの実妹である美人シンガーJoiStaRRが客演参加、キュルキュルと細く奏でるギター弦の音色が珈琲から立つ湯気のように香ばしく、そこにビターな艶麗なJoiStaRRのヴォーカルとキャラメルのようにコクのあるMusiq Soulchildのヴォーカルとの絡みも最高。「Alive And Well」なんかもMusiqマナーに則って作ったほろ苦で甘みもあるメロディに、サッパリとした酸味のあるMusiq Soulchildのヴォーカルが颯爽と抜けてゆく、清涼感たっぷりなシャイニーメロウでグッド。最後を飾る表題曲「Life On Earth」はゼラチン質な電子音のカラフルな音色に、これまたタピオカジュースのように粒々とした感触のMusiq Soulchildの多重録音したヴォーカルが甘酸っぱく響くのが美味。再びJoiStaRRを客演に迎えた「The Girl」のみが、Musiq SoulchildとKC & Cooperによる共同制作曲。ピアノ鍵盤を軸にしっとりとシックに歌い上げるお洒落なジャジースロウで、月光のようにそっと静かに射し込む光のようなMusiq Soulchildの優しく滑らかな歌声が切ない。

ほぼほぼ全曲の制作をWarryn Campbellと共同で行った事で、アルバムのまとまりは半端なく良いしやはり上質。毎回と書いている気がするけれど、Musiq Soulchildってそんな凄く歌が巧いとかでなく、味わいのあるシンガーな訳でして。ビターとかスウィートとかよりも、なんだか酸味とまろやかさが際立つのがMusiq Soulchild。そういう意味で本作はサワークリームソウルという味わい、甘酸っぱくもマッタリしたヨーグルトのような美味しさ。




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Joshua Weltonを悪く言うつもりはない
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Prince率いる女性バンド、3RDEYEGIRLのドラマーHannah Welton。
彼女の旦那様がJoshua Weltonで、Prince『HITnRUN Phase One』ではPrinceと共に共同Producerとしてクレジットされておりました。
このJoshua Weltonは男女混合グループ、Fatty Kooで活動しているシンガーだそうで。



彼の事は何も知らずに、Princeの『HITnRUN Phase One』の出来栄えがイマイチに感じた僕は、その原因は共同ProducerがいたがためにPrince色が薄まったのでは、と暗に仄めかす書き方をしていました。
この見解は自分では正直にそう思ったので訂正や言い訳をするつもりもないのですが、それでもJoshua Weltonに魅力がないと言っている訳ではないので、その点はこのブログできちんと書きたいなと思いまして。



妻Hannah Weltonと生まれてくる赤ちゃんの仲睦まじいラブストーリーを奏でた「Our Baby」。
この曲と彼のヴォーカルを聴けば、才能ある人物だとわかると思います。
多くは語らず、これでおしまいとします。

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Prince「HITnRUN Phase Two」
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今年4月21日に急逝してしまった音楽界で唯一無二の皇子、Princeの通算三十五作目となる『HITnRUN Phase Two』を御紹介。全世界が衝撃し消沈したPrinceの急死からもう半年近くが経とうとしています、それでもなんだかここ日本にいると実感が湧かなかったり。本作は2015年の末に前作『HITnRUN Phase One』同様にTIDALからまず先行配信され、その後今年に入ってからフィジカルでもリリースされました。その頃にPrinceは急逝してしまい、結果本作がPrinceの遺作となってしまったのです(悲)。最後の最後に、きちんとPrinceのコントロール下でアルバムが出されていた事は、完璧主義者であろうPrinceにとってもよかったのではないかと思います(これからはPrinceの遺した未発表音源がなんらかの形で出されるかも)。
という訳で湿っぽい話は止めにして感想を書こうと・・・・・・まず本作は2010年以降から単発で発表されていた楽曲を収録したものになっていて、それをPrinceなりに一つのアルバムとして構築したように思います。そして制作、アレンジ、演奏をには、あのPrince & The New Power Generationとクレジットされているのもグッド(痺)。まずは頻発する警官による黒人への差別的な攻撃に異を唱えた「Baltimore」で幕開け、勿論Princeも相当な怒りをもっているのだろうけれど、ここで歌われる曲は清々しくて驚くほどにクリア。まるで曇天がすっきりと晴れて虹が架けるように、淀んだ空気をピンと優しく奮い立たせるPrinceのギターの音色が美しい(吐息)。すべてを包み込むように駆けるPrinceの端麗なヴォーカルもやはり神懸かりで、大きな人類愛で象られた澄み切った平和曲。「Rocknroll Loveaffair」はPrince得意のロックでありながらやはり朗らかで揚々としていて、燦々と輝く太陽の下でオフロードを気にせずゆっくり転がり走るような爽快感がたまりません。「2 Y. 2 D」は金色の音色がブバッブバッと炸裂するPrinceにしか繰り出せないファンクロック、カクカクとした硬質な音色に乗せてPrinceのド派手でギラギラしたヴォーカルが弾けます。しかし、そんなファンク&ロック路線も好きだけれど僕的に欲しかったのは「Look At Me, Look At U」みたいな御洒落ジャジーな浪漫メロウ、とにかく触りの部分を聴いただけで確実にとろけてしまいます(骨抜)。じっくりと触れて撫でるようにエロく曲線的丸みのあるトラックはボルドー色でエレガントですし、まるで囁くような近距離での体温を感じ取れるPrinceの甘くて毒のある艶っぽいヴォーカルもセクシー過ぎる(悶絶)。ゾクゾクするほどに刺激的に尖った弦のカッティングに、バリバリと空間を破るホーンの音色、極め付けに名曲「Kiss」のコードが飛び出す「Stare」。ハッハッハッと刻む息遣いのビートに、Princeのしなやかで敏捷なヴォーカルが鋭く駆けるのもカッコイイ。ホーンやシンセやシンセ打ち込みがバチバチと強炭酸のよいに弾けるの気持ちいいPrince流ラブソング「Xtraloveable」は、これだけ強く大きく波打つ軽妙ファンクトラックながらも、やはりPrinceの挑発的でいて余裕綽々で柔らかくセクシーなヴォーカルが混ざると、途端にいやらしい曲線が生まれるんだから凄い(高揚)。まるで星が降るようにキラキラと細やかに輝く鍵盤音と弦音、ホーンの瞬きが眩い「Groovy Potential」。夜風のようにしとやかで涼しげなPrinceのヴォーカルが綺麗で、ドクドクと鳴るリフやビートが恋人達の静かな欲情や興奮と重なる刺激的なミッドナイトチューン。ゆったりと流れる河がやがて海へと繋がるような広がりを聴かせる、純朴で壮大なラブバラード「When She Comes」はレトロソウルではあるけれど、僕はなんだかJohny Cash的な慕情も感じたり。終始その繊細なファルセットで蚕糸を紡ぐようなPrinceのヴォーカルが、ゆっくりじっくりと聴き手を昇天させます(恍惚)。バキバキのギターとドラムスのサウンドでぶつかる直角ロックチューン「Screwdriver」、Princeのやるロックはすんなりと僕の鼓膜でも吸収してしまうから驚き。7分に及ぶ長尺の「Black Muse」はLiv WarfieldやElisa Dease、Andy AlloらNPGの女性陣のコーラスが効いていて、ミントのように爽快感のあるレトロソウルな仕上がりで心地良い。僕が本作中で最も好きなのが珠玉のバラード「Revelation」、シルクのシーツの上で恋人同士が躰と吐息を絡めあう様な、静けさと熱と密着感がたまらない一曲。もぞもぞと動き仰け反る曲線を指先や舌先でなぞるような、Princeの繊細で艶やかで変態的なヴォーカルがもうセクシー過ぎてたまりません(朦朧)。途中でのビリビリと鳴るギタープレイも最高にエロくて、オーガズムに達したようにビクビクと痙攣するようでもう凄い(昇天)。最後はNPG総力戦で演奏し聴き手を揺らす清涼ファンクチューン「Big City」で幕切れ、やっぱりこういう壮大なスケールの曲も巧い。

前作『HITnRUN Phase One』ではJoshua Welton(3rd Eye Girlのドラマー、Hannah Weltonの旦那様。ちなみにHannah WeltonによるPrinceへの追悼文がこちら)が共同Producerとしてクレジットされていて、その影響もあってかちょっと毛色の違う(僕的には違和感のある)斬新なトラックが多かったように思います。がしかし、その続編(?)となる本作ではそんなのが皆無、完璧にPrince節が戻っていて悲しいけれど最後の作品に相応しい最高の一枚となっております。Princeの新たな作品を聴けないというのはやはり悲しいけれど、こうしてPrinceの遺した音楽を聴けば、彼と会って踊って楽しめるからいいかななんて、最近は思えるようになりました。




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Chrisette Michele「Milestone」
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そのジャジーな歌声でグラミー候補の常連になりつつある、Chrisette Micheleの通算五作目となる『Milestone』を御紹介。Chrisette Micheleは07年にDef Jamより『I Am』で華々しくデビュー、その後もDef Jamから立て続けに『Epiphany』『Let Freedom Reign』をリリース。その後はDef Jamを離れて老舗名門のMotownに移り、傑作『Better』をリリースしました(これに関しては、この年の年間Top10を参照頂きたい)。それまでの流れでグラミー賞にもノミネートされ、絶好調の中でChrisette MicheleはMotownも離脱し新たに自主レーベル“Rich Hipster”を設立しました。自由に音楽を作りたいという意志のもとにこの決断をした彼女、その自主レーベルから初めてリリースされた本作はつまり、Chrisette Micheleのやりたい音が詰まった一枚になっている訳です。
てな感じで話が完全に逸れてしまう前に感想書いちゃう・・・・・・まずはBlickie Blazeが制作を担当した「Diamond Letter」でスタート、ここでは冒頭でChrisette Micheleのキジャジーでいてキリリとキレのある高音ヴォーカルが炸裂するのですが、途中からは極めてラップぽい歌唱で走ったりしていて度肝抜かれます。同じくBlickie Blazeが制作を担当した「Steady」では、まるでクリスタルのように硬く尖った半透明な音色とビートが反り立つザクザクしたミッドで、攻撃的で鋭利なChrisette Micheleのヴォーカルに驚き。芳醇な葡萄酒の澱のようにキラキラと深い旨味を輝かせる「Meant To Be」は、Lee On The BeatとRoc Da Producer、Austin Powerzが共同制作。Young StokesとBlickie Blazeが共同で制作を担当した「Soul Mate」は、夜光虫のようにぼんやり暈けて明滅するシンセがねっとりと美しく、そこにChrisette Micheleの濃厚クリーミーなヴォーカルが絡むのが心地良い。果肉のようにプリプリとした音色がちょっぴりレトロな「Unbreakable」はBlickie Blazeが制作を担当、酸味のあるサワーメロウなトラックに炭酸のように甘く弾けるChrisette Micheleのヴォーカルが美味。パッと聴きでBeyonceなんかが好みそうな(つまり時代の先端を切り取るような)スペイシーでクールなスロウジャム「To The Moon」がカッコイイ、制作はLee On The Beatが担当。衛星がジワジワと軌道を変えるように動くメロディと、月面をふんわりと無重力で歩くようなゆっくりながら力強いChrisette Micheleのヴォーカルが幻想的。途中でバキバキに吠えるChrisette Micheleのヴォーカルが肝で、銀河系の輝きを集約して放つかのよう。「Make Me Fall」はYoung StokesとBlickie Blazeが共同で制作、シャリシャリとしたフローズン感触のシンセチューンはキラキラと煌めいてサッパリと甘く、淡く透けて翻るChrisette Micheleのシフォンのような囁きヴォーカルも綺麗。またまたYoung StokesとBlickie Blazeが共同制作した「Equal」ではRick Rossが客演参加、枯葉のような色彩のピアノ鍵盤の音色がほろほろと崩れてゆく中でビターなChrisette Micheleのヴォーカルが淋しげで、Rick Rossの哀愁漂うドラマチックな重厚感のあるラップもエレガント。Young Stokesが単独で制作した「These Stones」も鍵盤音の欠片を静かに踏みしめて歩くような繊細スロウで、ゆっくりと練られてマーブル模様に変化してゆくヴォーカルも相俟って少しミステリアス。乾いた空気と地がシンクロして踊るようなボタニカルなミッド「Indie Girl」はBlickie Blaze制作、藍染めのように鮮やかでナチュラルに発色するようなインディゴ風のヴォーカルもグッド。同じくBlickie Blazeが制作の「Up Against The World」はピリピリと微細い光線が直線的に交錯し、まるで広大な夜空に星座を描くように転回する壮麗なミッド(夢想)。最後はBlickie BlazeとAntario Holmesが共同制作した「Reinvent The Wheel」で、客演にはちょっと意外なMali Musicが参加。そんなMali Musicの影響もあってか少しモカ色なメルティなスウィートさが香る一曲で、ほんのりとした微熱感が鼓膜を優しく撫でるのが心地いいのです。

これまでのChrisette Micheleからは少し想像しづらいトラック&ヴォーカルが続き、面喰らうことは間違いないと思います。Chrisette Micheleの魅力が存分に発揮されているのか、現時点で僕はちょっと微妙な気もするんですが、それでもこういう変化を起こしたことが素直に面白くて良いと思います。次回作ではどんな音を繰り出してくるのか、原点回帰してくるのか、どうだろうか。




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Clams Casino「32 Levels」
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New Jerseyを拠点に活躍する白人Producer、Clams Casinoのデビューアルバム『32 Levels』を御紹介。Clams Casino、気づけば最近よくその名前をクレジットで見るんだけれど、どんなアーティストに関与していたか。このRocBox 2で彼の名前を検索かけたんですが、A$AP RockyA$AP FergMac MillerVince StaplesJhene Aikoとここ最近の秀作に結構絡んでいるのがClams Casino。そんな敏腕ProducerであるClams Casinoがトラックメイクをし、ゲストを招聘して創られたのが本作で御座います。
という訳で早速ですが中身に話を移しますと・・・・・・制作は勿論全てをClams Casinoが担当しており、Clams Casinoの世界観を知るには充分な一枚となっております。まずはインスト曲の「Level 1」はDaniel May「Borabora Nui (Grand Bora Bora)」をサンプリング、パリパリと霜が降りそうなほどに凍ったサウンドがチクチクと刺さる氷結トラックで、ゆっくりと転回しながら幻想的な世界を生み出します。「Be Somebody」ではA$AP RockyとLil Bが揃って参加、夜霧が立ち込める冷たい空気の中を霊魂が彷徨うようなホラー趣味な一曲で、A$AP RockyとLil Bの血の気の無い冷徹なラップがじんわりと滲んでいくのがクール。小鳥のさえずりのような音が遠くで聴こえるのをアクセントに、薄い鉄板をグニャグニャと歪ませたような波打つ音が打ち寄せる「All Nite」ではVince Staplesが参加。このアメーバ状に動き回る波長に対し、きっちりシンクロして軽妙に暴れるVince Staplesのラップもキレキレ。真っ暗闇な洞窟の中でピチャピチャと水滴がポタつくような音色が続く「Witness」はLil Bが参加、この引き裂く様なビート使いはだんだんと中毒を起こさせます。生贄を必要とする悪魔教のようなおぞましさがあるインスト「Skull」、聴いているだけでおぞましさが抜群で背筋が凍るサウンド。表題曲となる「32 Levels」はLil BとNewmanが参加(Co制作にLil B関与)、ぎゅっと締め上げたようにじんわりと零れ落ちる冷たいサウンドに、Lil Bの毒が血脈をゆっくりと巡るようなラップがたまりません(瀕死)。本作中で最も好きなのが「Thanks To You」で、Roc Nation所属のシンガーSam Dewが参加。光の途切れそうな深く冷たい水の中をゆらゆらと沈んでゆくような幽玄トラックと、電気信号で象ったようなSam Dewの光ファイバーな青白いヴォーカルがはためくのがなんとも美しい(溜息)。「Back To You」ではKelly Zutrauが参加し、本作では最も温度の高い(とは言っても人肌程度)微糖EDMトラックで踊ります。Mikky Ekkoが参加した「Into The Fire」もとても秀逸で、オレンジ色に発色するような温かみのある熱が迸るメロウソウルで、それこそMikky Ekkoの柑橘系のジューシーでソウルフルなヴォーカルが澄んでフレッシュに弾けるのが美しいんです(溺愛)。新進気鋭の女性シンガーKelelaのどこまでも透き通ったヒアルロン酸のようなヴォーカルが鼓膜に浸潤する「A Breath Away」、Kelelaの歌声だけならば優しい軟水のような感触で済むところを、Clams Casinoが創る氷点下技術でどこか刺々しくも繊細で脆い、薄氷のようなサウンドが乱反射して毒々しさも生み出していたり(賛辞)。Samuel T. Herringがおどろおどろしい語りで参加した「Ghost In A Kiss」も、やはり冷たくかじかむ零度スロウで空恐ろしい。最後は虚空から鋭利で危険なものが一筋堕ちてきそうな、終焉を思わせる怪物インスト「Blast」で幕切れ。

考えるとProducerが単独でサウンドを作ってCDにして売る、なんてこんな形式は久々じゃないでしょうか。MixTapeが氾濫する中(Clams Casinoも元々はインストのMixTapeで登場し脚光を浴びたそう)でこうしてCDをプレスして売り出す、それだけ自信があるのだろうし、それも頷ける先進的なサウンドで格好良いの一言に尽きます。








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