RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

07 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

ブログランキング
人気ブログランキングへ にほんブログ村 音楽ブログ HIPHOP・ラップへ
にほんブログ村 音楽ブログ R&B・ソウルへ
Q's Tumblr
http://rocqueen.tumblr.com/
Twitter
ブログ内検索
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
165位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
44位
アクセスランキングを見る>>
訪問者数
現在の閲覧者数
Coming Soon
QRコード
暇潰しに携帯でどうぞ
QR
国カウンター
free counters
Category: 女性R&B  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Niia「I」
1-GLgLT76m_tK3_K8rBULJ8Q.jpg

ジャズを基調としたヴォーカルとピアノ演奏で魅せるSSW、Niiaの記念すべきデビューアルバム『I』を御紹介。LAを拠点に活動しているというNiia、僕は彼女のことは全く知らないつもりでいました。しかし、彼女との出逢いはWyclef Jean「Sweetest Girl」での客演だと後に判明、浅はかだった僕は(今も浅はかなのだが)Niiaの名前も歌声もまったく覚えていないという始末でした(懺悔)。New Yorkのオフブロードウェイで話題を集めているパフォーマンス“Sleep No More”なるものにも出演し注目は集めていたらしいNiia、何も知らない僕は美しいジャケットとRobin Hannibalが制作に関与ということで購入を決意。 Robin Hannibalと言えば、RhyeQuadronなどの活動でも知られる敏腕Producerで、やはり彼のプロダクションともなれば聴かずにはいられないのです。
それではお粗末で申し訳ないのですが感想を書いてみたいと思います・・・・・・まず本作の全曲の制作を手掛けるのはRobin Hannibal、そしてソングライトは全てNiia Bertino本人という二人で手製の一枚となっていて素晴らしい。やんわりとした飴細工のような音色が甘く伸びて花園を作り上げる「Prelude」、もうこの1分半の始まりでNiiaの彫刻のように滑らかに彫りの深いヴォーカルに胸を打たれます。そんなNiiaのふっと吐息を吹きかけるような甘美で線の細いヴォーカルが、聴き手の鼓膜を優しく絡め取って縛る「Hurt You First」も素晴らしい(溜息)。Robin Hannibalが織りなすシフォンのように薄く透けて柔らかな音色、そこから見え隠れするNiiaのスーッと伸びた白いヴォーカルが、水を蹴る爪先のように艶やかにして清冽。しとしとと降る長雨のように聴き手の鼓膜を濡らす「Sideline」、サンプリングにはChristine McVie「And That's Saying A Lot」とAl Green「I'm Glad You're Mine」を使用。雨に濡れたアスファルトのようにブルージーに色を暗くするメロディに、Niiaのヴォーカルは時に激しく呼応し、まるで空を仰いで雨粒を飲むような躍動感ある場面を思わせる濡れたモノクローム。Edwin Birdsong「Rapper Dapper Snapper」を下敷きにした「Nobody」では弾け跳ねる弦音の上を、まるで踊るようにして散る花吹雪のようにNiiaのヴォーカルがひらひらと落ちてゆくのが印象的。本作で最も好きなのが「Last Night In Los Feliz」で、夜明け前の空のようにうっすらと薄幸が微熱と共に滲んでゆくトラックに、Niiaの微睡みにも似た柔らかく曲線を描き揺らぐヴォーカルがなんとも幻想的で美しい(儚)。Robin HannibalのSade趣味が垣間見えるような「Girl Like Me」も中盤では、彼らしい電気的な断線ブレイクダウンが挿入されて聴き手のじんわり汗ばんだ熱を逃して巧いし、NiiaのヴォーカルはSadeほどに陰影を持たなくて、むしろ音色に対する反射光のように艶やかなプリズムを生んでいてとても綺麗。細く絡まり弾ける弦音がまるで夜空と朝焼けを結ぶ光の線のように綺麗な「Day & Night」、まるで朝露のようにキラキラと澄んだ輝きを放つNiiaのヴォーカルがなんとも麗しい。夜の雨のようにしとしとと静かにそぼ降る音色が潤んで消えるスロウジャム「Constantly Dissatisfied」、そんな潤いを含んだメロディの中を悠々と泳ぐNiiaの曲線ヴォーカルがまたしなやか繊細でグッド。遠くへ吹き渡る風のように壮大なメロディがそよぐ「California」も、美しい大理石の彫刻のような滑らかで透き通った光と流線を纏うNiiaのヴォーカルが映えます。秋になり葉が落ちるようにメロディが悲しげに散る「All I Need」、胸を震えて締め付けるNiiaの歌声は秋風のように、乾いて色を奪い、寂しげで、誰かをきゅっと抱きしめたい気持ちにさせる美曲です。1分半のインスト曲である「Mulholland」もやはり絶対に必要な一曲で、ここでこれまでを振り返り、光や影や匂いや色が断片的に蘇り褪せてゆくのが心地良いのです。最後はボーナス曲的な位置付けかと思われますが、新たにJazmine Sullivanを客演に迎えた「Sideline」が再び登場。Niiaの白く細い歌声とJazmine Sullivanの黒くふくよかな歌声が綺麗に混ざり、カフェオレのようにほろ苦な旨味を出していて素晴らしい化学反応を起こしています。

Robin Hannibalらしいまるで大理石で造られたギリシャ彫刻のような壮麗さ、完璧なまでの美しさでそこにNiiaの麗しく端正なヴォーカルが滑らかに響くのだから最高の一言に尽きます。Robin Hannibalが関与するとどうしてもSadeが引き合いに出るのですが、NiiaはSadeとはまた違う、ウィスパーな中にも力強さや筋のある隆起がそのヴォーカルにきちんとあって、そういう意味でも白く逞しい女神の彫刻を思わせる一枚だったなと感じたり。






スポンサーサイト

テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: グループHip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Run The Jewels「Run The Jewels 3」
image.jpg

Killer MikeとEl-Pが組んだ超強力デュオ、Run The Jewelsの通算三作目となる『Run The Jewels 3』を御紹介。Killer Mikeに関してはもうかなりのベテランで、あのOutKastの一派として活躍していたMCです。それこそ僕はOutKast作品でKiller Mikeを知りましたし、その後のKiller Mikeの1st『Monster』を聴いたぐらい。あとはJay-Zとの共演曲「Poppin' Tags」なんだけれど、その時でさえBig Boiのバーターぐらいの認知でございました(陳謝)。しかしその後、あのKiller MikeがEl-Pと組んでここまでの大躍進を遂げるとは、結構誰も想像はしていなかったんじゃないでしょうか(憶測)。そのRun The Jewelsも驚くほどの人気でもう早くも三作目、前作『Run The Jewels 2』からも約二年でのリリースなので精力的ですね。このジャケットで次はどんな仕上がりになるのかも楽しみ(今作では拳がチェーンを握っていない)、なかなか策士で御座います。
それではざっくりとご無沙汰ながら感想を書き連ねたいと思います・・・・・・まず制作に関しては例に漏れずEl-Pがきちんと担当しており、だからこそのクオリティで安定しております。まずはKiller Mikeと同じくDungeon Family出身のJoiが客演参加した「Down」でスタート、ドムドムと津波を起こすように飲み込んで吐き出すビートの中で、肉弾的なRun The Jewels(以降はRTJと省略)のラップとコケティッシュでいて魔術みたいなJoiのヴォーカルが渦巻くのがナイスシンクロ。ソウルフルでロックなトラックに有刺鉄線を張ってザクザクと殺傷能力を高くして突っ込む刺々しいアッパー「Talk To Me」、両者のラップは鈍器のような重たさのくせして、鋭く空を裂くような軽やかさがあってやはりガツンとくる。いい意味で瓦礫チックにガラガラと破片が転がるようなトラックがオールドスタイルなブレイクをかます「Legend Has It」は、サンプリングにGentle Giant「Knots」を使用しており、バツバツと切れる電線のような危なっかしいトラックが鉄球のようなRTJと合致。「Call Ticktron」はビリビリと放電するメロディやカットを、両者のパワー溢れる重量級なラップがドカドカと踏み潰すのが痛快で、聴いているだけでザクザクと鼓膜に大きな風穴を開けられるのが痙攣してしまう感触に酔うばかり。油塗れのビートとメロディをドバドバと辺りに排水するようなドロドロな水浸し感がダートでイルな「Hey Kids (Bumaye)」、これは終盤に登場する客演のDanny Brownが全部掻っ攫っていくほどの痛快さで、Danny Brownらしい夢魔のような暴れっぷりが狂っていて面白すぎる(発狂)。カキンカキンと金鉱を採掘するような硬い輝きトラックが荒削りに角張って煌めく「Stay Gold」も、やはり金剛のように硬くぶん回すRTJの重量級ラップが滑らかに輝きながら脳天を吹っ飛ばすのが本当に気持ち良いばかり。ブォーブォーンとまるでスターセイバーを振り回すようなシンセが怪しく響く闇裂き曲「Don't Get Captured」は、そんな暗闇の中で相手を睨めつけて目を輝かせてのそのそ徘徊する夜行性の猛獣のようなRTJのラップが、ヒリヒリと恐ろしく尖っていてカッコイイ。「Thieves! (Screamed The Ghost)」では客演にTunde Adibempeが参加(ソングライトにはBoots、PianoにはDangermouseが参加)しており、なんだか密教めいたべったりと張り付く湿気サウンドが陰気でダーク、しかしRTJはこの中でもメラメラと静かに燃えるラップでジリジリ迫り、最後にはTunde Adebimpeの青白いヴォーカルが鎮火するという素敵な構成に。「2100」では要注目なSSWのBootsが客演で参加、そのBootsのヴォーカルがゆらゆらと揺れてRTJの重量級のラップを蜃気楼のようにして歪ませて、聴き手の意識の奥底に沈殿させるのがまた面白い。「Panther Like A Panther」ではなんだか久々のTrinaが客演参加しており、ポカスカと叩き暴れるパーカッションの中で踊るRTJの棍棒みたいなラップと、ブリンブリンに弾力のあるTrinaのセクシーで挑発的なラップがナイス配置でやはり興奮します。心電図的なビートが無機質に脈打つ静寂系のトラック「Everybody Stay Calm」もシリアスで、RTJの太いのに鋭利という特殊なラップが堪能できる一曲。重厚なギターのリフと通電するようなシンセで交互にザクザクと進行する「Oh Mama」は王道スタイルなトラックがハードで格好良く、ゆるゆると飛んでくるRTJの二連結のキャノン砲のようなラップに黙って被弾するしかありません(降参)。あのKamasi Washingtonが参加ということで巷では話題なのであろう「Thursday In The Danger Room」は、僕的にはあまり引っ掛からなかった一曲で残念。最後は二曲が繋がった「A Report To The Shareholders / Kill Your Masters」、後半のズルズルと齲蝕するおうなドロドロのトラックは中毒性が高くてかなり好きな酸ミッド。

二人共が似たようなヘヴィー級のラップをするので、そういう良い意味では両極端なタッグだったらもっと聴きやすいかもと僕はいつも思ってしまうRun The Jewels(我儘)。しかし燻し銀な格好良さは当然ながら健在でタフそのもの、こういう一本芯の通ったラップ盤を聴きたいのも事実で御座います。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 1  Trackback: 0

Wyclef Jean「J'ouvert」
wyclefjou.jpg

これまで多くのヒット曲を手掛けてきたシンガー兼ラッパー兼プロデューサー、Wyclef JeanのEPとなる『J'ouvert』を御紹介。ハイチ産まれで9歳の時にNew Yorkへと移住し、Lauryn HillとPrasと共にThe Fugeesを結成し瞬く間にスーパーグループへと成長。Wyclef JeanはそのThe Fugeesの中でもProuducerを務め、その類い稀で自身の出自を活かしたサウンドは他の追随を許さず、Destiny's Child「No, No, No, Pt. 2」やShakira「Hips Don't Lie」などのプロデュースで特大ヒットを放っているのは周知のこと。2010年8月5日には、同年11月に行われるハイチ大統領選挙への立候補届けを提出するも、選挙管理委員会が「過去5年間ハイチに在住することが必要」として結局は認められず断念してしまいました。そんな精力的なWyclef Jeanですが、本作はEP扱いということで買おうかどうか迷ったんですが、10曲収録ですしシングルで好きな曲が収録されていたので買いました(結局)。
という訳でコンパクトではありますが感想をつらつらと・・・・・・まずはWyclef JeanとBrandon "Wavie Boi" Washingtonが共同制作した「The Ring」でスタート。トロピカルな風味は残しつつも、聖者が行進するような荘厳さと、終盤の咽び泣くようなエレキギターの音色が印象的で、塩辛いWyclef Jeanのヴォーカルとの相性が抜群。DJ Marley Watersが制作を担当した「I Swear」ではなんとYoung Thugが客演、本作の狙いの曲のうち一曲はコレ。ピカピカ輝いて撥水性のある軽快なダンスホールチューンで、冷たい水飛沫を浴びるようなスプラッシュ感がたまらない水玉トラックでグッド。またこのトラックでは潮風のような味わいで抜けてゆくWyclef Jeanのヴォーカルも、陽光に溶けるアイスキャンディのようなYoung Thugのヘナヘナしたラップもナイス融合。Wyclef JeanとBrandon "Wavie Boi" Washingtonが共同制作の「Rear View」は、漣のような白い細かな輝きが押しては返す一曲で、Wyclef Jeanのヴォーカルがやはり潮風のように聴き手の鼓膜を撫でる爽やかな一曲。Nicholas Petriccaが制作し、あのWalk the Moonが客演参加した「Holding On The Edge」のレイドバック感は最高の一言で、水の中をゆったりと漂いながら、陽光の熱を掬って遊ぶようなウォータリー感と微熱感がたまりません。Wyclef JeanとDJ Reymoが共同制作した「Littele Things」では、T-BabyとAllyson Casadoが客演で参加。女性を迎えることで火照った体をクールダウンさせるような効果を実現、トロピカルなアルコールのようにじわじわと聴き手を酔わせて躍らせる妖艶な一曲。もう明け透けに陽気で晴れ晴れとした海岸沿いを思わせる「Lady Haiti」はWyclef Jeanが制作を担当、ここでもやはり海水と塩分同濃度のWyclef Jeanの塩辛く掠れたヴォーカルが聴きどころで、からりと乾燥したダンスチューンはWyclef Jeanの専売特許だと実感。Wyclef JeanとJube Altinoが共同制作した「Party Started」はFarinaとNurtonが客演参加、Wyclef Jeanが自身の錬金術でEDMなテイストを足したビートも、程よい熱感でジリジリと聴き手のテンションを上げる一曲で、客演二人の艶っぽくと熱っぽい援護射撃も汗ばみ滑らかでナイス。本作で最も注目だと思っているのが、現行のトラップをWyclef独自の製法で蒸留した素晴らしいブルース曲「Hendrix」、制作はWyclef JeanとDJ Buttahの共同制作でこれが素晴らしい(溜息)。熱を放出しきった夕陽が海へ沈んで冷めてゆくような煌めきを、Wyclefの潮風のようなラップとヴォーカルが彼方へと運ぶ好ミッドで、トラップにこれほど儚い微睡みを与えたのはきっとWyclef Jeanの辣腕だからこその仕事。昔ながらのWyclef Jeanの焙煎トラックが香ばしく鼓膜に響く「Life Matters」は当然Wyclef Jeanの制作で、この夏の夕間暮れ感のあるトラックはいつ聴いても彼なりのブルース。Wyclef Jeanの潰えた夢を歌ったであろう「If I Was President 2016」はRon "Point 1" Carrが制作で、アコースティクギターを昼下がりの揺れるそよ風のように奏でながら、塩辛いWyclef Jeanのヴォーカルが混じることで潮風のように鼓膜をさらってゆくミッドで心地よい。

僕は音楽に詳しくはないので、レゲエとかダンスホールとかソカとか全て同じように聴いてしまっているし、だからこそこのブログではどうしてもトロピカルという表現を多用してしまいます(苦笑)。Wyclef Jeanの場合はルーツがハイチ音楽にあるのだろうけれど、それがなにかもまた僕にはわからない訳で。最近はこういうサウンドがまたRihannaやDrakeによって隆盛している気もするし(DrakeはSean Paulに批判されていましたが)、そういう意味ではWyclef Jeanにとっては追い風なのかもしれません。ちなみに本作も「Hendrix」の一曲狙いで購入しても損はありませんし、年内には新作アルバム『The Carnival III』のリリースも控えているとのことなので、夏真っ盛りな今のうちに買って予習しておくといいかも。








テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: グループR&B  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

M.T.B.「It's Meant To Be」
Its Meant To Be

2015年に結成された若手男性R&Bグループ、M.T.B.の記念すべきデビューアルバム『It's Meant To Be』を御紹介。彼らのことはネット上のR&B新譜情報で知った程度なので(つくづく便利な世の中になったものだ)、彼らについては何も知らず、届いたCDもブックレットなども何も無い簡素なものだったので情報は皆無。という訳でM.T.B.のTwitterなどを覗いてみると、どうやらPhiladelphiaで活動している十代のグループみたいで、グループ名はそれこそ“Meant To Be”が由来なのだとか。メンバーはDevonttae、Rizzy、Mire、Dashの四人構成のようです。もうこんな風なR&Bグループは流行らない時代なので、こうして新生グループが誕生してくれるだけで僕みたいな三十路は目頭が熱くなるのです(感動)。
それでは涙を拭いながら感想を頑張って書きますと・・・・・・まずブックレットなども無いし、ネットであちこち探し回ってみたんですが、クレジットを一切見つけることが出来ずその辺は割愛となります(涙)。まずはちょっぴりトロピカルな電子音がまるでタピオカのようなプルプル食感でキュートな「Do Your Thing」でスタート、こういう爽やかクリアで甘酸っぱいようなメロウには、ティーンで組まれたM.T.B.のような青臭いヴォーカルがバッチリ合体して聴き易さ抜群。夜霧に溶ける星空のような甘ったるい瞬きが煌めくミッドナイトチューン「All Night」は、M.T.B.の流星群のように輝きの尾を引くハーモニーがとても美しく、夜空の青とシンクロして聴き手の胸をスマートに包み込む一曲。鍵盤音とストリングスがひらひらと舞う「Off My Mind」も、M.T.B.の甘いヴォーカルが木枯らしのように吹き抜け、ちょっぴり薄荷のようなクールさを醸し出す寂寞メロウでとてもしんみり沁みるのです(胸打)。思わず仰け反りたくなるド直球タイトルが気持ち良い「R&B Song」はR. Kellyマナーを思わせる好ミッドで、ふわふわと浮き上がっては消えてゆくメロディとビートはまるでシャンパンの気泡のようで、そこにシャンパンゴールドのように甘美な輝きを滑らせるM.T.B.のヴォーカルが揺れるのがまた心地良い(快感)。どことなくオリエンタルな香りの漂う「Keep Her」はしっとりとウェットで甘いフルーツジャムのようなミッドで、ちょっぴり糸を引くようにグラインドするM.T.B.の大人顔負けのセクシーなヴォーカルで脱帽。昔のRodney JerkinsやJermiane Dupriを彷彿とさせる、メタリックシンセと鋭利ビートが交錯したクールなパワーボム「F.W.B. (Friends With Benefits)」が最高、M.T.B.の良い意味で軽妙で素早いヴォーカルがサクサクっと突き抜けるのも痛快で、結局はこういう板金製のアッパーにいまだに弱いのだと実感。「Go Go Girl」は柑橘系のシンセがビカビカと明滅フラッシュするのが眩くて、そんな光もばっちり反射してしまうピカピカなM.T.B.のヴォーカルもまた素晴らしく、R&Bに光を練りこんで作ったような清涼な発光チューンでグッド。秋の風が淡い色味を寂しくトーンダウンさせるようなメロディが切ない「Waiting」、M.T.B.の澄み切ったクリーンなヴォーカルがこのメロディを波紋にしてより聴き手のハートに広げてしまうのでもう涙腺崩壊です。雲海のように棚引いて光を漏らすシンセと雷鳴のようなビートが轟く「I Love It」も90年代から00年代R&Bの遺産サウンドで、カラカラと爪弾く乾いたギター弦とM.T.B.の淡色系のクリアなヴォーカルの相性が抜群。指スナップに水面に映る波紋のような音色がじんわりとぼやけて消える「Music」も儚げミッドで素敵、M.T.B.のエヴァーグリーンのように眩いヴォーカルは夏の日の思い出のように聴き手のハートをきゅっとさせて切なく、まるでピンぼけ写真のような甘酸っぱさ。最後を飾るのは、氷いっぱいのグラスソーダを思わせる冷涼な微炭酸ミッド「Crush」で、そこに柑橘果汁を滴らせるようにM.T.B.のヴォーカルが混ざってスッキリ美味になり完成します。

いや、本当にChris Stokesが一枚噛んでいるのではと疑いたくなるほど、あの頃のB2Kを思わせるサウンドとヴォーカルワーク。どれが誰の声なのかまでまだ判別できないのですが、Chris Brownっぽいヴォーカルの子も居てとにかく皆が青臭くも上手い。MVを軽く踊ったりも出来るみたいですし、なんとか頑張ってアルバム三枚はリリースして欲しい(懇願)。単純に個々が歌唱力も抜群ですしハーモニーもバッチリ、トラック提供も誰かは分かりませんがどれもバッチリ及第点ですし、今後も僕はM.T.B.を応援したいと思います。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 女性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Dreezy「No Hard Feelings」
dreezy-no-hard-feelings.jpeg

“Princess of Chicago Rap”と称されたりもする大型新人、Dreezyの記念すべきデビューアルバム『No Hard Feelings』を御紹介。その渾名の通りにDreezyはChicago出身の23歳、早くからMixtapeをリリースして話題になっていたらしく、そのラップを聴いて同郷の先輩であるCommonが見初めたのだとか(凄)。という訳で僕のDreezy初見はやはりCommon『Nobody's Smiling』収録の「Hustle Harder」で御座います。この時は正直あまり耳には引っ掛からず、名前だけを覚えているという状態で御座いました(恥)。という訳で早熟なRap愛好家からは待ちに待たれていたであろうDreezyのデビューアルバムは、大手レーベルInterscopeからの配給となっております。このジャケットからしてなんとも素敵、ジャケットが違っていたらもしかしたら買っていなかったかも(笑)。
それではどんなアルバムになっているのか聴いて書いて・・・・・・まずはSouthsideが制作し、Gucci Maneが客演で参加した濃密ギトギトな脂身ラップチューン「We Gon' Ride」で幕開け。Southside手製のトラックはズブズブと鉛玉のようなビートが上下するいつもの重ため、そこにDreezyの蝶のように舞い蜂のように刺す女性らしい軽妙なラップと、Gucci Maneの重たく引きずるような念仏ラップが響き沈殿するのが面白い。売れっ子のBryan "TM88" Simmonsが制作の「Spazz」も現行トラップを模った振り子ビートが催眠をかけるトラックで、Dreezyのミシン目のように正確細やかに打つラップがクールに鼓膜をチクチク刺激。BloodPopが制作を担当した「Body」では、客演にJeremihが参加しておりもはや鉄板な仕上がり。歌とラップの両刀使いであるDreezyのヴォーカルが活きた甘酸っぱいフルーティミッドで、果肉のようなJeremihのヴォーカルにツブツブ感触のDreezyのラップが美味しさを倍増させるトロピカル風味。「Wasted」はDetailとDre Butterzが共同制作(Co制作にGreg Kurstin)しており、火照った体を優しくクールダウンさせる夕暮れのような鍵盤音トラックに、Dreezyのちゅっぴり汗ばむように潤んだキュートなラップが単純に可愛い。本作でも要注目なのがTerrace MartinとLarrace "Rance" Dopsin、1500 or Nothing(!)と豪華な面子が共同制作した「Afford My Love」ですね。90年代R&Bを彷彿とさせる(もっと言えば黄金期のJanet Jackson)優しい雨音のようなトラックがビタースウィートにソウルフルで、しとやかにトラックの中を泳ぐ熱帯魚のようなDreezyのミルキーなラップも素敵ですし、器用者なWaleが客演参加することで余計にほろ苦さという旨味が凝縮されているエスプレッソ的美しさ。Larrace "Rance" Dopsinと1500 or Nothingが共同制作の「Don't Know Me」は、深い河を漕いで渡るようなドープなウェットサウンドが波打つ一曲で、Dreezyの弾力と丸みのあるラップが音を弾いて遊泳します。「Bad B*tch」はDwane "Key Wane" Weirが制作を担当、水気を含んだ潤んだDreezyのラップをも一気に氷結して白くしてゆく氷結トラックがクールでカッコイイ(凍傷)。J. Hillが制作(Co制作にDrew Fridge)した「Worth It」が僕的には本作の白眉曲でして、カラカラと触れては崩れる角砂糖のような鍵盤音がまずとてつもなくジャジーですし、そんなトラックの隆起のあいだを縫ってしっとりと滴るような、Dreezyのヴォーカルも織り交ぜた結露ラップも艶やかで唯一無二。「See What You On」はRon "Cardo" La Tourが制作を担当、これも水を潜らせたようなウォータリーなトラックがジャブジャブと鼓膜を洗い、Dreezyの瑞々しくフレッシュなラップがパチパチと弾けるのが爽快でウェット。Terrace MartinとLarrace "Rance" Dopsin、1500 or Nothingの豪華トリオが再び制作した「Close To You」ではT-Painが客演参加です(嬉)。静けさをそっと濡らして破る真夜中の雨のようにしとやかセクシーなスロウで、雫のように光の粒を連ねるDreezyのラップもさることながら、やはりオートチューンを使って漂うT-Painのヴォーカルは雨に煙る月光のように妖しくとろけて輝くのです(痙攣)。Fayo & Chaillが制作した「Ready」はRoy Ayers Ubiquity「Everybody Loves The Sunshine」をサンプリングし、もはやスチームにも近い湿度で聴き手をぼんやりと包み込む極上スロウジャムでDreezyも妖艶。Christian Davis制作の「Break The News」はボスンボスンと落ちてゆく乾いた部族ビートが土着化トラックで野性味があり、だけれどDreezyの華やかなラップ&ヴォーカルがそこに咲く強く儚い花のように輝きます。最後はDeputy & ZthePROが共同制作した「Invincible」で、これは撃ち抜くような太く先の尖ったビートと平行に、Dreezyの次々繰り出す薔薇の棘のようなラップが鋭く美しい、本作中で最もハードで華麗な一曲でラストに相応しい。

僕はDreezyのMixtapeは聴いたことがなかったので、Dreezyがこれほどまでにラップと歌の巧みな両刀使いだとは知りませんでした(驚愕)。まあ最近はこうやって歌との二段構えのMCは多い訳ですが、Dreezyは本当にその使い方が上手でバランスがすごく良い。歯切れのいいラップでハードな曲も、キュートな歌声のおかげでメロウな曲も自然にすんなりと鼓膜に届ける器用者で御座います。僕的にずっと推しているしアルバムを待っているDej Loafが足踏み状態な今、Dreezyの出現はかなりの脅威ですね。なんだかんだで気に入ってよく聴いている一枚、制作陣もハッキリ言って死角無しですし、もしかしたら年間Top10にもさらりと食い込むかも。








テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 女性R&B  Tags: ---

Comment: 1  Trackback: 0

Syd「Fin」
syd-fin-cover.jpg

The Internetのシンガー、Syd Tha Kydの記念すべきソロデビューアルバム『Fin』を御紹介。個性派揃いのOFWGKTAから男女デュオとしてデビューし、瞬く間にR&B愛好家にその魅力が伝染したのがThe Internet。これまでに発表した『Purple Naled Ladies』『Feel Good』『Ego Death』と軒並み高評価を得ていたThe Internetですが、ここにきてフロントマン(ウーマン)であるSyd Tha Kydが待望のソロデビューを果たしました。Syd Tha Kydが正式だと思うのですが、このソロ作ではSydとのみ名乗っている様です。
それでは簡素で質素な感想にはなりますが書きましょう・・・・・・まずはHitboyが制作を担当したメタリックな板金シンセが続々と折り重なりツヤツヤと輝く「Shake Em Off」でスタート、この板金加工な硬度高めのトラックにあって、Sydのコケティッシュな絹糸ばりに細くしなやかなヴォーカルが刺繍を施すのが歪で美しい。Nick Greenが制作の「Know」は昔のAaliyahを思い出さずにいられない(つまりTimblanadサウンドを思い出さずにいられない)刺刺とした通電チキチキビートが最高にクールで、Sydのシフォンみたく透けてひらひら揺らめくヴォーカルも幻想的でいて艶かしい。「No Complaints」はSydが制作を担当したアジアンな音色がはらはらと捲れるトラックに、Sydの曇ったエフェクトの施されたヴォーカルが陰気にも美しく溶けていきます。同じくSydが制作を担当した「Nothin To Somethin」は、乾いたキメ細かな白砂のようなSydのヴォーカルが、液体チックな潤い音色と潤いビートをゴクゴクと飲み干すようなポーションミッドで刺激的で美しい。夜霧のように冷たくしっとりと辺りを薄暗く支配する、ちょっぴりトラップっぽいトラックの「All About Me」はSteve Lacyが制作を担当しており、Sydの夜の帳みたいなヴォーカルがひっそりと忍び寄るのもミステリアスでクール。チタチタと叩くドラムスがまるで汗ばんだグラスの水滴みたいに滴る、Syd制作の「Smile More」も速度を落としてドロリとさせつつも、Sydの透明感のあるヴォーカルで深い水中へと沈む密閉感とシンクロしていてグッド。HazebangaとIsiah Salazarが共同制作した「Got Her Own」も、月も星も光っていない真っ暗な夜を踏みしめるようなトラックに、ふわふわと霧散して鼓膜を支配するミスト状のSydのヴォーカルが妖艶でいて不思議でツボ(中毒性)。「Drown In It」はAnthony KilhofferとJGrammが共同制作、ここでのSydのヴォーカルは、夏の真夜中に水を溜めた洗面台にそっと顔を沈めるような、そんな暗闇と清冽が混じり合うウェットチューン。本作中でも最も素晴らしいと感じたのが、Melo-Xが制作を担当した銀河系エロスロウジャム「Body」(極上)。いかにもMelo-Xらしい宵の明星を点々と繋ぐような芸術的静寂と、そこにあの華奢なSydのヴォーカルが柔らかな肉感としなやかさを生み出し、微熱を漏らしながら絡まる官能的な緩やかな曲線抑揚がたまらない(痙攣)。弾力もあり静かなる狂気も密かに感じるOdd Future印な「Dollar Bills」はFlipとSteve Lacyが共同制作(客演にはSteve Lacy参加)、こういう肉食なトラックでもSydのヴォーカルが響けば途端に生ハムサラダのようにあっさりと美味くなる。再びHazebangaが制作を担当した「Over」では新進気鋭の6lackが客演参加、黒瑪瑙ソリッドなビートが硬質な輝きをちらつかせ、客演の6lackと共にしとしと降る雨のようにビートを濡らし黒く染めてゆくのがウェットで美しい。最後を飾るのはRahkiが制作したアンティーク調でおしゃれなミッド「Insecurities」で、コーラスを重ねた光のミルフィーユチューンで中盤のギラギラした転調もグッドですし、こういう淡い明度のSydのヴォーカルは稀な気がするけれどさらりと木綿の白シャツみたくとても素敵。

The InternetでやっていたR&Bサウンドとは違う、Syd Tha Kydソロとしての世界観がきっちり提示されていて凄い。これまでのSydといえば朧げで幻影のようなヴォーカルだったのが、本作では輪郭も綺麗に生身となり、実態を伴い触れてきたような感触がしてより艶かしく美しい(個人的見解)。失礼を承知で毎度と触れてしまいますが、このヴォーカルとルックスの乖離さえなければもっと好きになれるのに、と。買うだけ買ってあまり聴いていなかったんですが、結構気に入ってしまってこれも夜にリピートが続いております。







テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性R&B  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Sampha「Process」
sampha-process.jpg

UKの名門レーベル“Young Turks”が新たに送り出す才能、Samphaの記念すべきデビューアルバム『Process』を御紹介。これがデビュー盤となる新人ではあるんですが、この時点でもはや説明不要な超大型新人がSampha。早くにはSBTRKTのデビュー盤の多くの楽曲でヴォーカルを務めたり、Drakeの「Too Much」に参加。最近でも、Kanye West『The Life of Pablo』の収録曲「Saint Pablo」、Frank Ocean『Endless』の収録曲「Alabama」にも参加していたのだそう。ここらはフィジカル専門の僕は触れられないままなんで、やはり僕としてのSamphaの功績は、傑作と名高いSolange『A Seat At The Table』収録の「Don't Touch My Hair」ですね(鳥肌)。これはきっとSampha抜きでは絶対に創出できなかった世界観、この時から僕はSamphaのデビューを心待ちにしていたのです。
それでは拙い文章で心苦しいのですが感想をひらひらと・・・・・・本作の楽曲は全てSamphaが制作しております、これだけでもSamphaの才能の片鱗がどデカいのがわかりますね。まずは琴のような音色がはらはらと舞い散るミッド「Plastic 100°C」で幕開け、光の屈折に似たトラックの転回の中で、モフモフとなんだか毛玉のような感触のSamphaのヴォーカルがドリーミーで、トラックの持つ光沢を毛玉のようなヴォーカルが隙間から柔らかに漏らしていてなんとも綺麗。しっかりしたドラムビートにカウベルがチカチカと点滅するように鳴る「Blood On Me」は、そんなバツバツと棘立ったトラックに追いかけられるように、Samphaの毛玉のようなヴォーカルがころころ転がるアップチューンでスリリング。カリカリとバンジョーの様な弦音が空気を鋭く振動させる「Kora Sings」はスパイシーで、中盤からは電磁波のような音色とビートがビリビリと通電するように交錯し、Samphaのヴォーカルはその電撃で光る豆電球のようでミステリアス。本作で最も僕が愛しているのが珠玉のピアノバラード「(No One Knows Me) Like The Piano」で、もうこの一曲を聴くだけの為にこのアルバムを愛せる一曲。なにもない空を眺めていると、なんだか空がふわりと落ちてきて、途端にふと自分が空に包まれて溶け込んでしまうような、ぽつんと佇むようなあの感覚。眩し過ぎる陽光を掌でそっと柔らかに遮ると、指先から光が透けて、鮮烈さも滲んで、じんわりと涙を温める感触。それをこのバラードに、感じるのです(曖昧)。Samphaの毛玉ヴォーカルがファルセットにより、ふわふわとほつれる様に響くのが優美な「Take Me Inside」も光芒のような鍵盤音が素晴らしく、もしも僕が光に触れられるならこの感触だと実感。「Reverse Faults」は夏の海を泳いで水の中から水面を見上げ、溶けた陽光に青が滲むような、あの幻想的な輝きにも似た潤んだ美しさ(溜息)。琥珀の持つあのキャラメル色の不可思議な輝きに似た「Under」、Samphaのヴォーカルが鉱物のような歪な輝きを魅せるのもなかなか乙なもの。あのKanye Westがソングライトに関与した「Timmy's Prayer」では、The Chi-Lites「The Coldest Days of My Life」をサンプリングに使用しており、原曲の持つほのぼのとした温かなメロディを、もっと標高を上げてすっきり鮮明に冷たく澄み切った音色に変化させたような一曲でグッド。「Incomplete Kisses」はとろとろでプルンとした弾力の寒天トラックに、Samphaのホイップクリームのような甘美ヴォーカルが乗っかる糖度高めのメルヘンメロウ。最後を飾るのはハープのような音色が水のせせらぎのように奏でられる透明感溢れる清涼スロウ「What Shouldn't I Be?」、なんともフローラルなトラックは小春日和の如く柔らかく暖かで、ここでSamphaのヴォーカルは毛玉ではなく綿毛となって、ふわふわと春のそよ風に乗って彼方へと消えてゆくのが夢見心地で素晴らしい(感涙)。

あれだけの前評判を集めながらも、蓋を開けると思ったほどそこまで話題になっていない気がするSampha『Process』、気のせいですかね(笑)。じゃあ僕はどうかというと、これが結構好きで繰り返し夜中に聴いてしまっているんです。あの毛玉のようなヴォーカルとじゃれあう冷たく無機質な電子音の違和感がなんとも心地良く、どうしても夜中に聴きたくなる一枚。僕の中ではJames Blakeと近い感触で、R&Bとするかどうかは微妙かもしれませんが、もはやジャンル分けが困難な時代ですから。しかし、Samphaの本作をなにか称するならば、僕としてはやはり毛玉ソウルと称したいのです(意味不明)。とにかくSamphaの魅力の詰まった素敵な一枚、「(No One Knows Me) Like A Piano」の一曲狙いで購入しても充分に元を取れます(太鼓判)。








テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Rick Ross「Rather You Than Me」
rickrossrather.jpg

元看守という異色の過去を持つも圧倒的支持を集めるボス、Rick Rossの通算九作目となる『Rather You Than Me』を御紹介。その巨漢がトレードマークだったRick Rossも現在は34kgも体重を減らし、すっきりとした体躯になってちょっと寂しい感じもします(笑)。しかしその存在感は全く痩せることなくどんどんと巨大化、アルバムに関しても年イチぐらいのペースでリリースを続け、本作も前作『Black Market』からたったの一年でのリリース、本当にハスラーで御座います。自身のレーベルであるMMGを率い、その所属MC達もバッチリ活躍させているあたりもすごいですね。
それでは中身はどんな感じなのかを僕の拙い文章で・・・・・・まずはChad Nineが制作を担当した「Apple Of My Eye」でスタート、客演にあのRaphael Saadiqが参加しているというだけで高得点必至。Rick Rossにとっては十八番なしっとりと濡れた雨上がりの夜空のようなトラックが高貴で、そこにベロア生地のように柔らかく厚みのあり滑らかなRick Rossのラップと、Raphael Saadiqのシャンパンゴールドのようにライトな輝きと刺激を鼓膜に与える酸味ヴォーカルがたまりません(失神)。「Santorini Greece」はなんとあのB!nkが制作を担当し、サンプリングにはJudy Bailey Quartet「Colours Of My Dream」をべったりとサンプリング。B!nk手製らしい凝縮ソウルフルなトラックは飴細工のようにねっとりと絡む金色ホーンが艶かしく、そこに黒塗りビカビカに輝く高級車マイバッハのごとく、のっそりと美しく気品を纏って抜けてゆくのがカッコイイ(痺)。Black Metaphor制作の「Idols Become Rivals」ではChris Rockが冒頭に客演参加、サンプリングにはもはや鉄板ネタのCamilo Sesto「Agua De Dos Rios」を使用。原曲の持つあの氷雨のように静かにそぼ降る音色が鼓膜を冷やし、角張った氷のようなRick Rossのラップが妖しい光を反射させるアイシーな一曲でクール。Yung Coke制作の「Trap Trap Trap」ではYoung ThugとWaleを客演に配置、タイトルまんまにボトボトとビートを垂れ流すトラップチューンに、のそのそ闊歩するように乗るグリズリーみたいなRick Ross、千鳥足寸前で軽妙にリズムを刻むYoung Thug、軽々とビートを飛び越える強靭なWaleと三つ巴でカッコイイ。Beat Billionaire制作の「Dead Presidents」ではFutureにYoung Jeezy、Yo Gottiともう胃もたれ確実な脂っこいメンツが揃い踏み。トラックは鉄鋼チックなゴチゴチハードなもので鉄の苦味しかしないのが美味、そこにもう蜃気楼のようなFutureや金切り音のようなJeezy、怪力でこじ開けるYo Gottiとおしくら饅頭状態で凄まじい(汗)。ブルンブルンの肉弾ビートで弾みながら破壊する強烈アッパーチューン「She On My Dick」はBeat Billionaireが制作、このギラギラと凶悪バウンスを振り回すトラックに客演がGucci Maneというのはもうカッチリ合致、共に体型はスリムになりながらも吠えるように獰猛な猛獣ラップで重くのしかかります(快感)。C Gutta制作(Co制作にJ Pilot)の「I Think She Like Me」ではTy Dolla $ignが客演参加、The Stylistics「People Make The World Go Around」をネタ使いしたトラックはやはり深紅のヴェルヴェットのような華やかさと滑らかさで壮麗だし、そこに転がるRick Rossのモフモフした毛皮のようなラップも上品、そして極め付けはTy Dolla $ignのブランデーのように芳醇な酔いが回るという美しさ。Sap制作の「Powers That Be」ではNasが客演参加しており、ちょっぴりナンプラーで炒めたようなオリエンタルな香味トラックに、両者のバキバキと角張って正統派なラップが風穴を開ける硬派チューン。またもやB!nkが制作の「Game Ain't Based On Sympathy」はThe Lotus Sound「Thelicia」をサンプリング、もう兎にも角にもラグジュアリーでふわっと香る高級パルファムのようなトラック、Rick Rossの甘く深みのあるラップが鼓膜をくすぐるのがもう快感。続く「Scientology」もB!nkが制作を担当しており、夏の夜にスーッと上がる花火を逆再生するような光の収縮がなんとも美しいミッドチューン(最高)。StreetrunnerとTarik Azzouzが共同制作の「Lamborghini Doors」では、客演にMeek MillとAnthony Hamiltonを準備するという徹底ぶりで、これはもうAnthony Hamltonの茶カテキンのような渋くも甘いヴォーカルがすべてを抱いて淡く昇華させてしまう良曲。The OlympicksとAnalogicが共同制作の「Triple Platinum」ではMMGの伏兵Scrillaが客演参加、なかなか良いんです。僕的にしれっと好みなのがDej Loafが客演参加したシリーズ曲第五弾「Maybach Music V」、制作はBuda Da FutureとGrandz Muzik、Beat Butchaが共同で担当。夕立のような熱と潤いが混じって輝くようなトラックがすごく幻想的で、だからこそ重厚Rick Rossにコケティシュでメロウでいて跳ねるDej Loafのラップが重なるのが単純で綺麗。最後はまたもやYo Gottiを客演に迎えた「Summer Seventeen」、Beat Billionaire制作の回転乱打ビートのトラックが攻撃力抜群で最後に撃ち抜かれます。

やはり僕的には、大好きなProducerであるB!nkが三曲参加しているのが大きなトピック(興奮)。やはり重厚ソウルフルなトラックを上品に仕立てるのはお手の物で、これはRick Rossでしか出来ない芸当。誰だったかRick Rossを“現代のBiggie”みたく評した言葉があって、それもなんとなく理解できてしまう存在感かなと。Rick Rossはいつも当然のように高水準のアルバムをしれっと送り続けるものだから、僕もいつも評価しないまま(さも当然という傲慢が働いて)で年間Top10から外れてしまうんですが、こうして落ち着いて聴くと凄まじい重厚感で恐ろしく素晴らしいです(畏怖)。








テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 5  Trackback: 0

Dave East「Kairi Chanel」
11d1aef611d637959cb81193c3c28d96.jpeg

かのNasが率いる注目レーベル“Mass Appeal Records”からの新たな刺客(New York出身)、Dave Eastの記念すべきデビューアルバム『Kairi Chanel』を御紹介。Mass Appeal Recordsは今やこのDave Eastをはじめ、Run The JewelsBishop NheruFashawn、はたまたMannie FreshやDJ Shadowまで在籍する強力レーベル。最初Nas関与と知った時は上手く機能するのか疑問でしたが、順調にリリースとヒットをしている(そこはやはりNasの御眼鏡に適っただけあるので当然)から少々驚きですね。このDave Eastは例の人気企画“XXL Freshmen Class 2016”で選出されてもいるので、まあ順当で御座います。
それではざっくりとになってしまい失礼ではありますが感想に・・・・・・まずはMr. Authentic制作でFuture Islands「Seasons (Waiting on You) (BADBADNOTGOOD Reinterpretation)」をサンプリングしたウェットでブルージーな「It Was Written」でスタート、Nasの2ndアルバムと同タイトルというだけで思わずニンマリ。深い河がゆっくりと流れるような濁流メロウの中で、ギラギラと厳つく角張った輝きを放つ石炭のようなラップをぶつけるDave Eastは激渋でグッド。Cardoが制作した「Type Of Time」ではもはや鉄板で愛されるSade「Like A Tattoo」をサンプリングし、Sadeの持つあのシルクのようなすべすべとしとやかなメロディにゴツゴツと撃つ銃声ビートで刺繍を施し、それをDave Eastの黒煙のようなラップがじわじわと焦がしてゆくような侵食が美しい(刹那)。Reverend W.A. Donaldson「Baptizing Scene」の民族的な叫びリフレインを拝借した「Again」はRich IcyとMoney Montageが共同制作、そんな谺の間を塗ってボコボコとマグマのように湧き上がるDave Eastの高熱ラップがそのまま熱い。Cardoが再び制作した「Can'tIgnore」では意外にも2 Chainzが客演参加、ぶらんぶらんと重たくもたれたビートが催眠術よろしく揺れ、ギリギリと締め上げるような音色がつんざめく一曲。ゴツゴツと石炭のように硬いDave Eastのラップに対し、2 Chainzのもったりとボール状のラップが弾むのが面白い対比。BudaとGrandzが共同制作した「From The Heart」ではZhane「Sending My Love」を濾過サンプリング、原曲の持つフルーティなメロディを客演のSevyn Streeterが微炭酸に仕上げているのが味噌で、それまで黒煙と称したDave Eastのラップが曇天の切れ間から射す陽光のような温かみに変換。Chava Alberstein「At Summer's End」をサンプリング使用した「30 N***az」もBudaとGrandzが共同制作、ネタ曲に銀匙を突っ込んでクルクルと掻き回したようなマーブルさが妖艶で、だからこそそのマーブルに苦味を溶かす濃厚エスプレッソ的なDave Eastのラップが活きる。Mr. Authentic制作の「Keisha」はAdrian Younge and Venice Dawn「Sound of a Man」の墨汁のように黒々としたファンクネスをねっとりと練り上げ、その黒でベタベタとペイントするようなDave Eastのボツボツとドット柄のようなラップが印象的。Phonixが制作した「Eyes On Me」ではNew Yorkの古参となったFabolousが客演参加、サンプリングにはDonell Jones「Shorty (Got Her Eyes on Me)」を使用。これはもうネタ曲を沸々と熱してほんのり気化させたテイストもナイスですし、ここではこれまでに聴いたことのない毒霧変幻したFabolousの妖しいミストラップがなんとも素晴らしく、完全にDave Eastのラップを霞ませて行方不明にしています(捜索)。再びMr. Authenticが制作した「S.D.E」ではCam'ronが客演参加、ここでもCam'ronの2ndと同タイトルを持ってくるのが憎い演出です(失禁)。霜のようにゆっくりと氷結させるようなメロディに乱舞するビート、この喧騒の中ではCam'ronの鮮烈でいてパンチのあるハイファッションなピンクカラーのラップがインパクト大で凄まじい格好良さ。「Don Pablo」はTha Jermが制作を担当しており、無骨にひたすら撃ち込むDave Eastのラップがゴチゴチ。Mark Henry制作の「The Only Thing」は高貴フローラルな女性ヴォーカルがなんとも華やかで、Dave Eastのバチバチと弾ける強炭酸なラップが輝きを散らすラグジュアリーな一曲。Cashflowが制作した「The Real Is Black」ではBeanie Sigelが客演参加、シリアスなトラックに細く薄くガスみたく蔓延するBeanie Sigelのラップ(例の銃撃事件で肺をやられたためか?)が昔と違いすぎてちょっと困惑。またまたCardoが制作した「Slow Down」ではSlick Rick「Hey Young World」をサンプリング、光を受けて埃が舞うようなちょっぴり退廃したような美しさが光るメロウトラックに、黒煙のようなDave Eastと客演の女性シンガーJazzy Amraの艶やかなヴォーカルが溶けあいます。最後はTriple Aが制作した「Don't Shoot」で早回ししたようなトラックとヴォーカルが甘酸っぱいセピア色で、90年代の東海岸を彷彿とさせるトラックでなかなか好み。

やはりNas路線といいますか、かなりビターなテイストのフロウで三十路の僕好みの渋さが光ります。スモーキーではあるけれどWiz KhalifaやCurren$yらとは違う感じで、まるで黒煙のように重たくて支配的な強さのあるラップで重厚感アリです。やはり三十路の僕としてはFabolous、Cam'ron、Beanie Sigelの登場に胸が熱くなりましたね(感涙)。Dave Eastも凛々しくも力強くてカッコイイので、次回作にも期待しています。








テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽