RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

08 2017
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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Tinie Tempah「Youth」
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本名をPatrick Junior Chukwuemeka Okogwuという、 Tinie Tempahの通算三作目となる『Youth』を御紹介。名前からも少し伺える通り、Tinie Tempahは両親はナイジェリア出身の方なのだそう。12歳の頃にサウスロンドンに引っ越してきたTinie Tempahは現在28歳、やはり英国で音楽の影響を受けているため、僕なんかは一聴してすぐにSo Solid Crewなんかを思い出した(懐)音楽性で大好き。その証拠に1st『Disc-Overy』はその年の年間第九位に、続く2nd『Demonstration』はその年の年間第三位に選出しているぐらい、僕にとってはランキング常連のお気に入りMCなので御座います。という訳で本作『Youth』もずっと楽しみにしていたんですが、延期を重ねてなかなか発売されずやきもきしましたが、無事にリリースされて嬉しい限りです(安堵)。
という訳でここからは感想を書きたいなと思います・・・・・・まずは、グラスの中で氷が転がるように鳴る涼しげな清涼ミッド「Youth」、制作はNana Roguesが担当。畳み掛けるように連射するいつものTinie Tempahとは違い、半透明でカラフルな色彩を瞬かせるようにゆったりとしたラップを展開。要注目のシンガーMNEKを客演に招いた「Not For The Radio」、制作はUzoechi "Uzo" Emenike(MNEK)が担当。グニャグニャとアメーバ状に動く電子音とビートの中で無邪気に暴れるTinie Tempahの放電に似たラップと、MNEKの甘ったるいシロップみたいな歌フックがいい感じ。太陽光を変電したようなトロピカルでエレクトロなギザギザアッパー「Lightwork」はLewis Shay Jankelが制作を担当、こういう閃光みたくあちこち尖って棘立ったトラックとTinie Tempahの斬れ味鋭いラップの相性は抜群。客演に女性シンガーのNeaが参加した「Chasing Flies」はTroy Henryが制作を担当、陽光に照らされた熱帯植物のような鮮やかな音色が青々と茂るボタニカルなアッパー。Tinie Tempahのラップも光が揺れるように柔らかで、Neaの日陰のように涼しげなヴォーカルも色っぽくてナイス。ラテン風味で刺激的スパイシーで汗ばんだ情熱アッパー「Mamacita」はGareth Keaneが制作を担当、客演にはWizkidが参加。Tinie Tempahのスピード感溢れる熱気を纏ったラップが鋭く刺さって気持ちいいし、Wizkidのまったりと伸びる歌フックもスパイシーでグッド。水を弾いたような飛沫スプラッシュなトラックが潤ってクールなアッパー「Text From Your Ex」、制作はTimucin Fabian Kwong Wah Aluoが担当。Tinie Tempahの弾んで飛び交うラップが水飛沫に似た清冽なクールさで、そこに客演のTinasheのフルーティなヴォーカルがこれまた程良くエロカワで艶やかにして晴れやかな果汁たっぷりR&B(好物)。シャッター音の後にぼんやりと色彩と共に浮かび上がるような写真現像メロウ「Cameras」は、制作と客演はDavid Stewartが担当しており、ふわふわとした綿飴のようなサウンドとヴォーカルが夢見心地。キラキラとクリスタルに似た刺々しい音色が連なる冷たくシリアスな「If You Know」はUzezi Eddie Onikoが制作を担当し、客演にTiggs Da Authorが参加。Lewis Shay Jankelが制作した「Holy Moly」は、これぞガラージなトラックに南部っぽいドカドカ踏み潰すようなビートが組み合わさったド迫力の突進チューンで、粉塵巻き上げながらながら猛スピードで駆け抜けるTinie Tempahの突き刺すようなラップが鋭利。ベッタリとネオンカラーな眩い電子音が瞬いて刺激的に鋭いダンスチューン「Girls Like」、制作はNana Roguesで客演にはZara Larsonが参加の話題曲。とにかくピコポコと炭酸のように弾けて消える電子ビートの中で、Tinie TempahとZara Larsonがごちゃごちゃに混ざって溢れる一曲でベタなのが良い。同じくNana Roguesが制作したは悪魔的なトラックがなんともおどろおどろしく、噛み付く様につんざめくTinie Tempahの鋸歯のようなラップがグッド。「They Don't Know」はYogeshi Tulsianiが制作を担当し、客演にはKid InkとSteeflon、AoDが参加。これはもう完全にKid Ink節で彼のノリをそのままに踏襲していて、だからもうTinie Tempahが客演しているかのよう。Nana Roguesが制作した「So Close」では、Guy SebastianとBugzy Maloneが揃って客演参加。鉱物チックな硬い輝きが粒々と煌めく結晶石トラックの中で、Tinie TempahとBugzy Maloneのそれこそ鉱石のように光るゴツゴツしたラップと、Guy Sebastianの青く輝くコバルトブルーな歌フックもナイス化学反応な鉱山チューン。またまたNana Roguesが制作した「Find Me」ではJake Buggを客演に迎える飛び道具を用意、これがアコースティックギターの音色に針金のように細く尖ったビートが荒涼さを演出するブルージーなミッド。その乾いた空気を醸し出すトラック上をTinie Tempahのエッヂーなラップが虚空に響き、Jake Buggの涙に濡れたようにしとやかなヴォーカルが湿り気をもたらす美曲(溜息)。同じくNana Roguesが制作した「Rehab」はTiggs Da Authorが客演参加、長く降る雨のように優しく静かに零れる音色がとてもドリーミーで、Tinie TempahもTiggs Da Authorの水溶性のラップとヴォーカルも色彩を滲ませて美しい。 Bipolar Sunshineが客演参加した「Shadows」はTerrell Parhamが制作、まるで影絵のように輪郭が暈けたりくっきりシャープになったり繰り返すトラックはどこかオリエンタルな情緒があります。Tinie Tempahの陽炎ラップも勿論良いんですが、Bipolar Sunshineの遊牧民のように揺蕩うヴォーカルも幻想的で素晴らしい。最後はBless Beats制作の「Not Letting Go」で、Jess Glynneが客演参加なのだからもう完璧な布陣。もうこれでもかな陽光燦々な快晴アッパーが爽快の一言ですし眩し過ぎて目を細めてしまうほど、その中でプリズムとなって交錯するTinie TempahとJess Glynneの熱気を放出する華やかなヴォーカルがグッド(昇天)。

これまでの作品の中でもサウンドの振り幅が圧倒的に大きい一枚で、Tinie Tempahの進化を感じた力作で御座います。Tinie Tempahの得意とするエレクトロ要素が半減しているのが玉に瑕ですが、そういう点でもLabrinthの参加があったらなお良かったかとも思います。リリースが延期を重ねたのもあって、中身のサウンドのフレッシュさも少し落ちているのかも(Kid Inkとの共演なんかも)。しかしそんなのは所詮は負け犬の遠吠えで、死角無しな全方位型アルバムですし、Tinie Tempahは唯一無二の存在感なMCですしやはり格好良さは抜群、聴かないのは損ですよ。














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Trey Songz「Tremaine The Album」
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これからのR&Bを背負って立つ色男、Trey Songzの通算七作目となる『Tremaine The Album』を御紹介。まだまだ若いTrey Songzですがデビューは今から約12年前の『I Gotta Make It』、あのTroy Taylorに見出されはしましたが、この浮き沈みの激しいシーンの中で、その後もこれだけ長い間活躍出来るとは想像していたでしょうか。Trey Songzはグングンと大人の男性に成長し、今やお色気路線を真っしぐら、これだけ露骨でセクシーなスロウジャムを色っぽく歌えるのは、若いシンガーの中では絶対にTrey Songzが抜きん出ています。前作『Trigga』も毎度ながらの良作だったんですが、そこからまた約三年ぶりでの本作でアンストッパブルで御座います(精力的)。
それでは前置きはここらで止して本題に・・・・・・まずはさらさらとまるで砂金のような音色が、Trey Songzの熱を帯びて潤んだヴォーカルに洗われキラキラと舞い上がる「The Plelude」でスタート。トラックはTroy Taylorが制作で、ひらりひらりと舞い上がる砂金のような音色はそのままに次曲へ。もはやピチャピチャと水の滴っているような音色を零す水際スロウ「Come Over」もTroy Taylorが制作を担当、やはりここでも艶っぽく濡れたTrey Songzの悶えるような喘ぎヴォーカルが健在で、静かにチロチロと滴らせていた潤んだメロディも気付けば静かに満ちてこちらが溺れている始末です(満潮)。青空のように澄んで清らかな「#1 Fan」、制作はRico LoveとDwayne "D-Town" Nesmithが共同で担当。陽光のようにひらひらとプリズム化した結晶サウンドが眩くて、それを優しく包み込むようなTrey Songzのヴォーカルも木洩れ陽のような淡さでとても和やか。グングンと水を掻いて泳ぐように強く弾力のある遊泳感のあるビートが肝の「Nobody Else But You」、制作はAlex Isaakが担当。気ままにグラインドして波打つTrey Songzのヴォーカルが柔らかくも逞しく、涼しげな抜け感のある歌唱で思わずリズムを刻んで流してしまう好ミッド。“水も滴る好い男”を歌で体現しまくるTrey Songzらしい、濡れ濡れを超えて水飛沫まであげているスロウジャム「Playboy」は早くも本作のハイライト、制作はEarl & EとRico Loveが共同で担当。この手のエロス溢れるトラックはTrey Songzの十八番で、キラキラと汗ばんだサウンドの曲線を、まるで女性のボディラインを撫でるように歌うTrey Songzはやはり焦らしのテクニシャンで痺れっ放し(昇天)。Jonh "$K" McGeeが制作を担当した「The Sheets...Still」は、ふんわり柔らかくしなやかな裸婦みたいなトラックを、優しく繊細にエロティックに揉みほぐすTreyのヴォーカルにもはや悶絶。ひらひらと舞う音色がまるで、一晩愛し合って夜が明け、朝陽を遮る真白なシーツのように色香たっぷりの珠玉のベッドバラード(妄想)。ゆらゆらと深く揺蕩うようなとろんとした水深ミッド「Song Goes Off」はChristopher "C4" Umanaが制作を担当、ゆらゆらと揺れる水面を覗き込むような波紋にも似た揺らぎを派生させるTrey Songzのヴォーカルが鼓膜にじんわりと浸透します。ザクザクとして角の立ったアコースティックギターの弦音がピリリとスパイシーな「She Lovin It」、制作はCook ClassicsとJeff "Gitty" Gitlemanが担当。そのスパイシーさも手伝ってとても香ばしくも刺激的なミッドになり、Trey Songzのファルセットを交えたヴォーカルが熱帯夜のような熱気でジワジワと鼓膜に纏わりつくのがなんとも色っぽい。野生的に響くジャングル獰猛ビートが面白い「Animal」はCirkutとMade In Chinaが共同制作、ボタボタと落ちるようにドリップするTrey Songzの濃厚なヴォーカルが美味で濃密セクシーな四足歩行チューン。PipとSermstyleが共同制作した「1×1」は直角に突き刺さる光線みたいなシンセと、ボムボムと跳ねるビートが颯爽と響く爽やかなポップアッパーでグッド。「Priceless」は再びCirkutとMade In Chinaが制作を担当、白光のように眩くて色彩も飛ばすようなトラックに反射するように、Trey Songzの澄み切って瑞々しいヴォーカルが煌めくのが爽快で美味。Sons Of SonixとPoo Bearが共同制作したEDM風味の「What Are We Here For」は、澄んで冷え切った炭酸水みたいな透明ポップチューンで、フックですっと音数が少なくなる感触は水の中にドボンと飛び込んで外界の音が聴こえなくなるあの感触にも似てる(潤)。Patrick "Guiter Boy" Hayesが制作の「Games We Play」はMIKExANGELが客演参加、深い深い水の中へゆらゆらと沈んで溶けてゆくようなリキッドミッドで、Trey Songzのヴォーカルもひらひらときめ細かな水泡となって消えてゆくのが切なくセクシー。仄暗くダウナーなビートが聴き手をゆっくりと沈殿させる「Picture Perfect」はA Wallが制作を担当、Trey Songzの高音を封じたビターでブラックなヴォーカルが暗闇の中ぎらりと光るのがクール(痺)。最後はPoo BearとJeremy Snyderが共同制作した美しきピアノバラード「Break From Love」で幕切れ、雨上がりのように光を滲ませて潤むトラックの中で、Trey Songzのあの少し震えるような歌声が凛として切なく響くのが素晴らしいのです(胸打)。

やっぱりR&Bというのはこれぐらにセクシャルでなければ、と再認識させてくれる素晴らしい一枚。Trey Songzは昔から凄く大好きなシンガーですしアルバムどれも高品質なんですが、毎回と何曲かは不必要に感じる楽曲があって惜しいと感じるのですが(本作では「Animal」がそれスレスレだった気が)、本作はとってもスッキリと纏まっていて聴き易さ抜群でした。全てのエロスを牛耳り司っていたR. Kellyがスキャンダルに見舞われ失速している今、Trey Songzがその王位を継承すべき時なのかもしれない、そう思わせるシンプルにセクシーな優秀R&B盤で御座います(断言)。










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TLC「TLC」
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もはや伝説のガールズグループと言える存在、TLCの通算五作目となる『TLC』を御紹介。T-Boz、Left Eye、Chilliの三人で構成されその頭文字を取ってTLCという、なんとも単純明快な理由(Michael Jacksonの名曲「P.Y.T.」の一説“Tender lovin' care”も関係しているのかな)のTLC。もう90年代を語るには欠かせないグループだったTLC、飛ぶ鳥落とす勢いで大活躍していた矢先、Left Eyeが交通事故で亡くなるという悲劇が起き、やはり残ったT-BozとChilliもTLC活動をセーブせざるを得なくなりました(T-Bozの病気も関係しているだろうけれど)。その後も新規メンバーを募集したりして復活への準備を進めていたTLCですが、結局は残るオリジナルの二人で復活してくれました(感涙)。Left Eyeの死後にリリースされた『3D』以来、なんと15年ぶりとなる新作はその名もズバリ『TLC』、Left Eyeこそ居ませんがやはりファンとしては素直に嬉しいですね。
という訳でそろそろ感想を書いてしまいたいと思います・・・・・・まずは、クネクネと妖艶に動く蜃気楼のようなトラックが中近東テイストでスパイシーな「No Introduction」で幕開け、制作はCharles Dunlap、Joshua "Tipz" Richardson、Cory "Knotch" Marksが担当。熱気で咽せ返りそうなトラックの中にいて、そこにTLCのステンレス製の錆びつかないクールなハーモニーが光るのがトラックをクールダウンさせて汗ばみ濡らし、美しく研ぎ澄ましていているのがナイス。シャボン玉のようにポワポワと浮かんでは消えるシンセの音色がなんともドリーミーな「Way Back」、制作はDernst "D-Mile" Emile IIが担当。こういうファンタジーなトラックもTLCの金属的なヴォーカルが重なることでちょっぴりSF的に格好良くなるのが面白く、そこにSnoop Doggの柔らかく煙るラップが絡まることで、マシュマロ的な弾力も伴うメロウ感も生まれ心地良い。EWF的にホーンが炸裂する感じが燦々と射す陽光のように眩しい「It's Sunny」は久々の登場Ron Fairが制作を担当しており、それもそのはずEarth, Wind & Fire「September」をべったりサンプリング使用(反則技)。案外ここまでベタなファンクっぽいトラックに乗っかるTLCは意外で、金色ホーンに二人の銀色ヴォーカルが重なる眩い板金ファンク。信号的に電子音を連ねて明滅させる抜けミッド「Haters」はMichael BusbeeとCasper & Bが制作を担当、この曲に関してはそこまで好きでもないのが残念。本作でも最もお気に入りなのはやはり、TLCのステンレス製のヴォーカルが切なげな冷たさを帯びて、琴線に触れてプツンと断ってはまた結ぶ「Perfect Girls」はCarnoy "Ayo Kto" WatkinsにDavid "Davey Remix" Reed、Desmond "Motown" Washingtonが制作を担当。TLCのメタリックヴォーカルがアコースティックなトラックを映して反射し、それが切なさを倍増させる反射光的バラードでやはりTLCでないと創出できない質感。同じくアコースティックギター使い「Start A Fire」はCarnoy "Ayo Kato" Watkinsが制作を担当。トラックの持つ煌々とした輝きはまるで遠く彼方で燃える太陽のような神々しさがあり、それこそTLCの歌声に銀色の銀河を感じてしまう僕としては広大深淵なミッド。後半でスロウダウンする辺りなんかも秀逸で、ゆっくりと明光トーンを移ろう夜空のような壮大さがたまりません。荒涼とした金鉱ビードの上を吹き渡る壮麗な風のようなメロディがなんとも雄大なミッド「American Gold」、制作はCarnoy "Ayo Kato" Watkinsが担当。TLCの白銀のようなヴォーカルはまるで、風にたなびく白雲のように悠々と流れてなんとも雄大。妖しく蠢くビートと発光メロディがTLCの金属的なステンレス製ヴォーカルを暗闇に鋭利にフラッシュして写し出すのがクールな「Scandalous」はCory Moが制作を担当、どことなく最近のCiara風味にも感じたダークでソリッドな一曲で、そのヴォーカルですべてのサウンドを研磨し輝かせるTLCの技が光ります。これまでのTLC路線をバッチリ踏襲しているように思うソウルとエッヂーを融合させたミッド「Joy Ryde」はCory "Knotch" MarksとJoshua "Tipz" Richardsonが制作を担当、溜めを効かせて鳴るホーンやクラップの中でTLCのメタリックなヴォーカルが乱反射してキラキラと変幻して輝く鮮麗なミッドで、音の先まで美しく尖ってグルーヴィー。

やはり三十路の僕としては素直にTLCの新作を聴けたことは嬉しい、Lefteyeが亡くなった時から、もうTLCの新作は聴けないだろうと諦めていたから。確かにLefteyeのラップが入っていないからそこに隙間が空いてはいるけれど、T-BozとChilliの歌声は昔と全く変わらずで、僕が思うステンレス製のヴォーカルがキラキラと鋭く輝いています。あとは資金集めてでもいいから、Dallas Austinとがっつり組んでアルバムを作ってほしいところ(切望)。






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Kehlani「SweetSexySavage [Deluxe Edition]」

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鳴り物入りでデビューを待たれていた女性SSW、Kehlaniの記念すべきデビューアルバム『SweetSexySavage』を御紹介。アフリカ系アメリカ人、白人、ネイティヴ・アメリカン、スペイン人、フィリピン系ネイティヴ・アメリカンと多くの混血であるKehlani、全身タトゥーだらけのルックスもですがやはり独特な雰囲気を醸し出しているのはその影響もあるのでしょう。Kehlaniはその昔、14歳の頃にあのTony! Toni! Tone!のDwayne WigginsがプロデュースするPoplyfeなるグループにフロントマンとして所属していた経歴があるのだとか。その後二作のMixTapeを出してその名を馳せたKehlaniですが、特に二作目となる『You Should Be Here』は第58回グラミー賞で“最優秀アーバンコンテンポラリー・アルバム”にノミネートされるなどし大活躍し、このメジャーデビューはR&B愛好家にとっては皆が待ち望んだ作品と言えますね。
それではサクサクと感想をここに書いてゆくとしますか・・・・・・まずはPop & Oakのコンビが制作した「Keep On」はゴクゴクとミネラルウォーターを飲み干すように鳴るディープなビートと、軽妙にパチンパチンと弾ける音色がまるで微炭酸テイストなミッド。とても色味の少ない透明に近いトラックながら、Kehlaniの甘みのある歌声と後半のトークボックス使いがジューシーで程よい鮮やかさを演出。同じくPop & Oakの制作となる「Distraction」はどことなくオリエンタルな音色が漂う滑らかミッドに、Kehlaniのヴォーカルが華麗に棚引く桃源郷的な桃色ミッドで、やはりKehlaniのフレッシュでジューシーな歌声が糖度を持っていて鼓膜が美味さを感じます。まるでオアシスで沐浴をするように音色が優しく飛沫を上げる「Piece Of Mind」もPop & Oakが制作を担当し、もはやマーメイドのように滑らかに泳ぎ回るKehlaniのヴォーカルが優雅で幻想的。Charlie Heatが制作を担当した「Undercover」なんかはまるで90年代後半のMariah Careyを彷彿とさせるピチピチ感があるミッドで、色とりどりなフルーツゼリーのようにプルンプルンとした弾力のあるトラックにぴったりマッチ。「Crzy」はBrittany Chi Coneyが制作を担当、うっすらとした茜空のように眩いトラックの中で、鳥が飛び回るようにしゃくりあげて独特な歌い回しをするフックが印象的。Jahaan Sweetが制作した「Personal」は、Aaliyah「Come Over」をサンプリングに使用。ちょっぴり冷たくて暗い水の中を思わせるウォータリーメロウなトラックが潤んで時折溢れるのが美しく、そんなちょっぴり冷たく感じるウォータリーなトラックの中で、ヒラリヒラリと泳ぐKehlaniのヴォーカルはまるで鮮やかな色味の熱帯魚みたく綺麗。Rhian Sheehan「Waiting」をサンプリングした「Not Used To It」は、Some Randomsが制作を担当で、これこそなんだかAaliyahみたいなトラックとヴォーカルのシンクロの感触が懐かしい。ゆらゆら浮かんでは沈みを繰り返すローションみたく粘液チックなトラックに、柔らかな曲線を描くKehlaniの歌声がダイブし、その溝に緩やかに艶っぽく音色を落としてゆくのが鼓膜を伝う感覚。「Everything Is Yours」は"Downtown" Trevor BrownとZaire Koaloが共同制作しており、静寂に小さな穴を開けるようにポツンポツンと滴る音色とビートが、Kehlaniのヴォーカルに伝染して次第に線を描いてトラックを細く紡いでゆくのが幻想的。波紋のように広がってゆくメロディが潤んでいる「Advice」はPop & Oakが制作で、Kehlaniのスーッと澄み切って冷たいミネラルウォーターみたいな歌声がたまらなく渇きを癒す壮麗なミッド。現行のトラップをもっとシロップ足して糖度を上げたような甘美スロウ「Do U Ddirty」、制作はThe Featherstonesが担当しており、こうなるとKehlaniのプルンプルンとした果肉のような歌声が良いアクセントになっていてグッド。乾いたアコースティックギターの音色が涙を拭う風のように淡く爽やかな「Escape」は、Pop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが担当。一時期のNe-Yo(もしくはBryan Michael Cox)を彷彿とさせるギターと鍵盤音とビートスナップの三種の神器的なポップバラードで、Kehlaniの真っ直ぐで水彩絵具のようなヴォーカルがすーっと綺麗に広がるのがなんとも美しい。Picard Brothersが制作の「Too Much」はビートの鳴らし方や歌声の多重エフェクト、その歌声に乗せられた重さと沈殿加減なんかが、昔のAaliyahとTimbalandコンビのような質感でたまらなく興奮する。と思って聴いていたらそれもそのはず、Aaliyah「More Than A Woman」が使用されているのですね。なんだか水浴びをしてるように潤んだ音色が跳ねるSven Thomas制作の「Get Like」も、Kehlaniのヴォーカルが可愛くて、艶やかでいてヴィヴィットな感触が映えてグッド。搾りたてのフルーツジュースのように甘酸っぱくて色鮮やかでフレッシュなミッド「In My Feelings」はPop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが制作を担当、ちょっぴりEDMっぽいテイストもあって尖り過ぎずの種っぽいツブツブ感ビートがグッド。夏の日の水辺みたいにきめ細かな眩さをキラキラと反射させるよう天然水仕込みのさらさらしたミッド「Hold Me By The Heart」、制作はPop & OakとAutoro "Toro" Whitfieldが共同で担当。Kehlaniの清水のように冷たくキリリと澄み切ったヴォーカルも美しく溶け合い、鼓膜を伝って体中に駆け巡るのが心地いい(浸透)。「Thank You」はPop & Oakが共同制作したこれまた瑞々しいポップ風味の清涼ミッドで、Kehlaniの清流のように自由に透明に流れを変えるヴォーカルが壮麗でまるで湧き水のよう。とここまでが本編の内容で、ここからは豪華盤のみの収録曲が二曲収録。P-Loが制作を担当しSasha「Dat Sexy Body」をネタ使いしたトロピカルテイストの「I Wanna Be」なんかも、キュートでいてピチピチと弾けるKehlaniの歌声がなんとも美味でグッド。最後はJMIKEとDjembaが共同制作した「Gangsta」で、漏電するようにビリビリダラダラと鳴るシンセの中で、妖しく揺らめく毒の華のような歌声がじわじわと聴き手を麻痺させます。

最近はダウナーが流行しているせいか、囁くようにとか静かになだらかに歌うR&Bシンガーが多い中、Kehlaniは跳ねるようにキュートでピチピチとしたヴォーカルで全編を彩っていて色鮮やか。アルバムの大半の楽曲をPop & Oakが担当しているのも手伝って、全19曲とこれだけのボリュームながら統一感はあって、なおかつ90年代のR&Bを彷彿とさせるサウンドの連続でがっちり三十路のハートを掴んでくれました。








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