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自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Lil Yachty「Teenage Emotions」
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Atlanta出身の21歳の新世代MC、Lil Yachtyの記念すべきデビューアルバム『Teenage Emotions』を御紹介。Lil Yachtyといえばやはり登竜門“XXL Freshman Class”で2016年に選出された若きMC、そのビーズを編み込んだ赤髪とファッションでも人気と注目をかっ攫った感が強いです。実際にファッション界でも注目を浴びており、Kanye West主催の“Yeezy Season 3”ではモデルを務め、自身が好んで着続けていたスポーツウェアブランド"Nautica”のクリエイティブディレクターにも就任し、コラボコレクションのリリースを発表するなど大忙し。その反面、熱心なRapファンから“Lil Yachtyはラッパーじゃない”などの批判を食らうなど、とにかく話題に事欠かない若者です。しかしそんなのもどこ吹く風といったLil Yachty、デビューアルバムとなる本作『Teenage Emotions』のジャケットでは様々な人種やマイノリティと共に笑顔で写る、とてもピースフルな写真が微笑ましいです。
とまあこんな感じで感想に移りたいと思いますね・・・・・・まずはD33Jが制作を担当した「Like A Star」で幕開け、もうここからしてLil Yachty世界が緩やかに爆発します。誰もいない真夜中の遊園地にそっと忍び込んで、メリーゴーランドだけ明々と点けて動かしたようなメルヘンなトラックが柔らか。Lil Yachtyのヘロヘロと高低を変えながら巡るヴォーカルもまるで回転木馬、光の筋を残しながら流れてゆくのが幻想的。一転してなかなかハードな荒く削り尖らせたラップをゴツゴツした感触で聴かせる「DN Freestyle」はDigital Nasが制作、トラック自体もシンプルでキリキリと金属的な音色が谺しビートが弾けるという作りに、Lil Yachtyのマーブル模様に渦巻くラップが催眠効果を伴い聴き手を魅了する一曲。今のトレンドを作り上げた客演のMigosと共に、俗にいう三連符でラップを繰り出す「Peek A Boo」はRicky Racksが制作。耳鳴りのように遠くで膨張と収縮を繰り返すアメーバみたいなトラックはやはりシンプルで、だからこそMigosプラスLil Yatchyのマイクバトンの淡々としたリズムを楽しめる一曲。多面的な光の構築で彩られたステンドグラスみたいなトラック「Dirty Mouth」は30rocが制作を担当、シンプルにラップを吐き出し繰り出すLil Yachtyもなかなかクールでカッコイイ。ヘリウムガスを入れたカラフルな無数のカラフルな風船がふわふわと飛んでゆくように、軽やかエアリーなLil Yatchyのラップが響いては消える「Harley」はK Swishaが制作を担当し、このなんともいえないアホウドリの鳴く様にラップするLil Yachtyが愛し易い(笑)。まるで金平糖のように粒々して綺麗なメロディーとビートがやはり甘くて美味な「All Around Me」、制作はLex Lugerが担当しております。トラックとホイップクリームのようなLil Yachtyのモコモコしたラップがなんとも甘ったるくも、客演にはKamaiyahとYGを揃えていることでただただ甘いのではなく、きっちりほろ苦さもあったりと巧い。どこまでもふわふわとしてドリーミーなLil Yatchyの綿飴のようなラップが漂うのに、鼓膜を委ねてフワフワして弾むのみの「Say My Name」はBL$$DとReefer Alstonが共同制作、こういう可愛いトラックでもポップで甘美に着こなすLil Yachtyの面白さ。メープルシロップみたいにとろっと甘く、黄金色に輝くラップで鼓膜をコーティングするLil Yatchyに鼓膜が虫歯になってしまいそうなメルヘンメロウ「All You Had To Say」はEarlが制作。夕暮れに染まる海を小さなボートを漕いで進むような夕涼みトロピカルミッド「Better」、制作はThe Stereotypesで客演にはSteflon Donが参加。こういう海辺で揺蕩うようなトラックでもLil Yatchyの魅力は爆発していて、なんだか波音のような揺らぎを施した彼のヴォーカルがすべてを泳がせて洗い流します。Diploが制作&客演参加の「Forever Young」は、Lil Yachtyのラップが速度と音程をを変幻自在に操り、まるで白い水飛沫を上げて反射し輝く波打ち際のような美しさが弾けるのも良いし、トラックも長閑にレイドバックして水面のように揺れるのが心地いいのです。たっぷりと蜂蜜をかけたようにトロトロと甘く輝く金色のミッド「Lady In Yellow」、WondaGurlが制作したこの曲は本作中でも最も僕のお気に入り(悶絶)。これはLil Yatchyの色気が楽しめる艶美なハニー曲で、そんな蜂蜜みたいな音色の中にどっぷりとそのキャラメルみたいなフロウを漬けてより甘美にし、鼓膜の髄まで甘く溶かしジャムにします(骨抜)。Mitus制作の「Moments In Time」も甘い耳溶けの極上スロウジャムで、まるでメレンゲのように泡立てたようなLil Yatchyのヴォーカルがふわふわと舞うのがとびきりスウィートで美味。ザラメ砂糖のようなジャリジャリして甘い粒ビートが散らばってナイス食感を生み出している「Otha Shit (Interlude)」、こういうちょっと角のあるトラックでもLil Yachtyはいい塩梅でビターなテイストを足し格好良くキメるから憎い。氷結系のクールな透明トラックの中でLil Yachtyがエッヂーなシャーベット状のラップを滑らせ斬ってくる「X Men」は、Pierre Bourneが制作でEvander Griiimが客演参加。ぽっかり空いた穴隙間を埋めるように、暗闇の中で柔らかに光やメロディがぼんやりと瞬くのが幻想的な「Bring It Back」はFree Schoolが制作で、Michael Jacksonみたく吐息をビートにしつつ光を吐くLil Yachtyのミュータント感がグッド。The Good Perryが制作を担当した「Running With A Ghost」では、客演にGraceを迎えているのがちょっと驚き。キュービックな電子音がゴロゴロと転がる様なトラックに、ゼリーのようにプルプルしたLil Yachtyのラップと、Graceの滑らかで艶麗なヴォーカルがきらりと光るのが素敵。ILoveUPeterなる人物が制作した「FKI (Know Now)」はまたもや真夜中の煌めく遊園地へ迷い込むようなトラックで、Lil Yachtyが綿飴チックなラップを響かせるのがなんともドリーミーで毒々しい。K Swishaが制作を担当した「Priorities」もどこかファニーで可愛く、まるでぬいぐるみのような縫い目のある言葉を紡ぐLil Yachtyのラップがキュート。本作中最も芸術的な美しさを誇るのが、Mitusが制作した美しき悪夢のようなダウナー「No More」で、煌びやかな星屑を飴玉のようにポリポリと貪るようにして食べ、じんわりと暗闇を作ってゆくようなLil Yachtyの無邪気なラップがなんだか美しい。続くFree SchoolとR!Oが共同制作した「Made Of Glass」ではまたまた回転木馬に跨がり、そのまま星空へと駆け上がって綿飴みたいな白雲の中で戯れるような感触がなんとも幻想的。最後はTrapMoneyBenny制作で、客演にSonyae Eliseが参加したママ讃歌「Momma (Outro)」で、エフェクトを施したことでまるで涙を浮かべ滲んだようにヴォーカルが響き、とても優しく感動的に幕切れします。

なんだろうか、こののほほんとした空気感(笑)。それこそ“Lil YatchyはHip Hopじゃない、ラッパーじゃない”論争みたいなのもありましたが、そんなのは当のLil Yatchyもそもそも気にしていないだろうし、それはこのアルバムの自由度から考えても明らか。枠に囚われずに無邪気にはみ出して色を塗るような、そんなLil Yatchyの遊び心にしてやられた感じ(衝撃)。僕の中でこんなにLil Yatchyが再生回数を伸ばすと思ってなかったので驚き、このピュアな奔放さは21歳と若い今現在のLil Yatchyでないと出せないカラーかもと思うと、とても重要なデビューアルバムかもしれません。何度か書いたけれど、真夜中の寂しげな遊園地に、ほっと少しずつ明かりが灯って遊具が動き出すようなメルヘンさを感じました。










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Bone Thugs「New Waves」
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90年代のRapシーンを席巻し今でも唯一無二の存在であるBone Thugs-N-Harmony、その一員であるKrazie BoneとBizzy Boneが初タッグを組み、Bone Thugsを名乗り作った『New Waves』を御紹介。Bone Thugs-N-Harmonyといえばその類希なハーモニーと早口でのラップが特徴のグループで、そんなグループの中でも最も対極のヴォーカルを持つのが、このKrazie BoneとBizzy Boneじゃないかと僕は思います。自分の印象ではBizzy Boneは薬物依存などで脱退させられた経緯もあり、Lazie Boneとはタッグを組んでいたけれどKrazie Boneと組んだのは聴いていないので(前作『Art Of War III』もKrazie BoneとWish Boneは実質不参加だった)、この二人が組んだこと自体が驚きでした。やはり五人でなければ完全なハーモニーが出来ないということで、グループ名をHarmonyを抜いたBone Thugs(以降はBTと省略表記)にしたのでしょうか(憶測)。
それでは四方山話はもう止して感想に参りたいと思います・・・・・・まず本作を語る上で大きいのが製作陣、Avedonなる人物が全曲の制作に携わっておりまして。このAvedonを調べたところオランダ出身のEDM系のProducerらしく、少しだけ不安が過ったのも事実ですが如何に。まるで荘厳な大地を俯瞰するようなトラックがまるで自然的で美しく、BTの高低が見事に折り重なったラップハーモニーが勇壮な風となって吹き抜ける「Coming Home」でスタート。Clifford GolioとAvedonが共同制作したこの清涼感溢れるトラックも良いし、そこに客演のStephen Marleyのなんともオーガニックな歌フックが踊るのも鮮やか。静かにしとやかな夜風を思わせるスムースな音色が艶やかな極甘なメロウ「If Heaven Had A Cellphone」、制作はDamizzaとAvedonが共同で担当。BTのラタタタタタタと繰り出すラップはまるで、深夜の高速道路を走り抜けるヘッドライトのような滑らかさで流麗。客演にTankが参加することによって、逞しくも色香の滴る光芒トラックへと昇華されているのが素晴らしい(溜息)。「Good Person」はAvedonが単独で制作を担当し、柔らかに甘い霧のようにしっとりと辺りを支配するトラックはなんとも幻想的で、その中で花弁が舞う様なBizzy Boneのラップと、そんな風に散らし舞わせる風のようなKrazie Boneのラップ、艶やかに雨のように降るJoelle Jamesのヴォーカルとすべてがシンクロした花鳥風月メロウ。同じくAvedonが制作の「Fantasy」はどこかレトロなカッティングで跳ねる軽妙ファンクで、そんな跳ねるトラックに乗せてBTのラップもキラキラとめくるめくのが綺麗だし、Cee-Loっぽい歌声のJesse Rankinsの嘶くようなヴォーカルもド渋くてカッコイイ(痺)。なんだかファンタジーな雰囲気に溢れる桃源郷的ミッド「That Girl」、Avedonが制作を担当しており、乾いた感触のKrazie Boneが砂漠ならば潤んで溢れるBizzy Boneがオアシス、そしてそこに咲く一輪の大きな花が客演のKaci Brown嬢といった感じで素晴らしい。Avedon制作の「Let It All Out」は荒涼とした大地を思わせる赤土のようなトラックに、これでもかと早口で駆けるBTの二人のラップがまるで砂塵のように舞い、極めつけは遊牧民的に伸びやかに漂うJazze Phaの歌フックが昇天させるカラクリでグッド。Lazie BoneにWish Bone、Flesh-N-BoneとBone Thugs-N-Hamoryが集結した「Waves」はその事実だけで興奮確実、しかも制作はあのScott Storchというのも三十路には嬉しい特典。やはり巧者であるScott Storchが手掛けたトラックは息をのむ美しさで、まるで地中海を沈んで泳ぎ、見上げた水面のようにキラキラと澄んで美しく、そこにBone Thugs-N-Harmory全員の波紋のように半ば催眠効果を含んで広がるハーモニーラップが滑らかで綺麗。Clifford Golio制作の「Whatever Goes Up」では、KORNのJonathan Davisが客演参加しているのも面白い点。ザクザクと奏でる乾いたアコースティックギターの弦音はまるで荒野を吹き渡る風のようで、そんなトラックに乗せてBTのラップがはためくのがなんとも壮麗な土埃チューンがクール。漆黒を背景にさらさらと白い粉のような音色が舞うのがシリアスな「Cocaine Love」、制作はAvedon制作ながらもなかなかBTNHっぽいヒリヒリと低温でスリリングなトラックはナイス。それも客演にBun Bが参加することでよりハードでぶっとい鉛のようなマットな輝きが加わったのも大きいし、Jesse Rankinsの怪鳥のような歌フックもやはり乙です。小気味良く滑走するファンク風味な「Bad Dream」はAvedonが制作を担当し、ちょっぴり懐かしいIYAZが客演で参加。Krazie BoneとBizzy Boneがキメ細かなドット柄のようなラップが曲線美を描くのが流線型で滑らかになり、そこにIYAZのミント風味の歌フックが挿入されることで爽やかに鼓膜を吹き抜けるのがグッド。Far East Movementが制作した「Gravity」は、辺り一面に尖ったビートが浮かび空中で震えて止まるようなマトリックス的360度トラックが格好良い。その中で音速で飛び交うKrazie BoneとBizzy Boneのラップと、客演参加のYelawolfの負けじと弾丸みたいに速いラップが正面衝突して火花を散らすのが美しい。多分これこそAvedonの真骨頂であろう、EDMなシンセの眩い瞬きとテンポが炸裂している「Bottle Service」は閃光弾のようなアッパーで、そこから放射状に光線のように放たれる二人のラップはビカビカと鋭く刺さります。標高の高い山頂で澄んで冷たい空気を吸い込むような青いトラックが壮麗な「Change The Story」もAvedonが制作で、こういう少し白んだような秘境めいたトラック上で聴くBone兄弟の流水のようなラップはもはや鍛錬を終えた仙人の域に達したメロウさで、客演のUncle Murdaは恰好良いものの不必要だったかと思える程。Layzie BoneとFresh-N-Boneの二人も合流しまたもやBTNHの面々が揃い踏み、なんともブルージーなラップを聴かせてくる「Ruthless」もAvedonが制作を担当。乾いた空気を転がして鳴る風のようなBTNHのラップハーモニーに、Eric Bellingerの甘美で切ない歌声がしんみり響くのがまた憎い演出。最後はボーナス曲扱いなんですが、フローズンジュースみたいにキラキラと冷たくてキーンと鼓膜に響くのが美味な「Don't Let Go」。AvendonとVincent Berryが共同制作した曲で、こういう甘酸っぱいトロピカルな味を客演のRico Loveが演出し、そこにKrazie BoneとBizzy Boneの速射ラップがまるでシャリシャリとした氷食感に似た食感を生んで、つまりフローズンみたいな喉越し(ならぬ鼓膜越し)でたまらなく美味い。

裏方の主導者であるAvedonがそこまでEDMに振り切らずポップ程度に味付けしたトラック群は、元々よりメロディアスでハーモニーもあるBone Thugsにはなかなかお似合いで違和感はありませんでした。あとはKrazie BoneとBizzy Boneの二人に、ここまで明度の高い楽曲を求めるのかどうかかな。せっかくBone Thugs-N-HarmonyでなくBone Thugsとしてやるのだから、同じ路線でやっては面白くないだろうという判断だとは思います。僕はこの聴き易さは全然嫌いでなく、コアでなく広く聴いてもらうには成功だったんじゃないかと思います。もっと尖った曲は、Bone Thugs-N-Harmonyが勢揃いしてやればいいですし。







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Jose James「Love In A Time Of Madness」
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現行Jazzシーンにおいて重要なシンガーの一人であろう、Jose Jamesの通算七作目となる『Love In A Time Of Madness』を御紹介。まだR&Bならば少しは齧っているので知っている部分もあるのですが、ことJazzに関しては全くの無知なのでJose Jamesに関しても話せることは皆無(苦笑)。それでもJose JamesはR&B分野でも語られることの多いシンガーなので、一応『The Dreamer』と『No Beginning No End』の二作品は持っていて聴いています。そんなJose Jamesの本作『Love In A Time Of Madness』は、世界各地で起こっている貧困、人種、女性、移民への差別などの問題に向き合って、日々の暮らしや愛の大切さを歌ったR&Bアルバムになっているのだそう。そうなんです、R&Bアルバムなんです(驚)、という訳で気になって買ってみたんですね。
それではその路線変更は吉と出るか凶と出るか・・・・・・まず本作の制作に関しては、大半の楽曲をTarioなる人物が手掛けておりまして、なのでまずはTarioの制作曲から触れていきます。ひんやりとして霜が降りるようなキラキラした冷たさが美しいフローズンミッド「Always There」、Jose Jamesのそっと囁くようなヴォーカルが夜風のように揺れるのがなんとも心地良く、なんだかミステリアスでこれまでのJose Jamesとはやはり違う。そんな真夜中な空気感を保ちつつ妖しく漂うトラックが夜霧のような「What Good Is Love」、途中で鳴るピコポコとした音色がまるで霧散する月明かりのようで、Jose Jamesのひらひらとしたヴォーカルも妖艶で素敵。まったりと流れを変えて陽の光を採り込んだ「Let It Fall」では、なんと客演にMali Musicが参加。アコースティックギターと乾いたパーカッションが和やかに鳴るトラックはとてもボタニカルで、大きな河をゆったりと漕いでゆくような感触でとても長閑なソウル。こういう自然由来の無添加なトラックになると、どうしてもMali Musicの方が上手くて喰われてしまうJose James(惜敗)。コンピュータチックで少しノイジーな音色が明滅しながら流電するネオンみたいなミッド「Last Night」、Jose Jamesの真夜中に妖しげにぼやけて輝く電光のようなヴォーカルがまた趣深く、ねっとりと絡み合った昨夜の密会を湿やかに思い出して溺れるようなトリップ感。Jose Jamesなりのファンクをなんとも爽やかな薄荷味で仕上げた「Live Your Fantasy」は、Jose Jamesのふわっとしたキャラメルマキアートのようなヴォーカルでほんのり甘いのがナイスな塩梅。「Ladies Man」もまたベース弦がメリメリと鼓膜にめり込んでビートを強調して反り立たせるファンキーなトラックで、Curtis Mayfieldみたいに繊細で滑らかなファルセットを聴かせるJose Jamesが面白い。夜空に浮かぶ満月のように丸く柔らかな光に包まれるしとやかなムーンライトバラード「To Be With You」、これはもうJose Jamesの真骨頂という事でただただうっとりと鼓膜を任せて漂うだけで、月明かりの下で絹のドレスを着て踊るようなヴォーカルは美しいの一言に尽きます。「Closer」はちょっぴりチョップドスクリュー感の残ったトラックがエッヂーで格好良く、だからこそ果物をギュッと粗く絞ったようなドロッとしたJose Jamesの甘酸っぱいヴォーカルを鼓膜がゴクゴク聴く事の出来る旨味。Oleta Adamsを客演に迎えた「I'm Yours」はピアノ鍵盤の壮麗な響きが胸を打つバラードで、二人のヴォーカルが絡み合って大樹の様にどっしりとそびえる静かで大きな癒しの一曲。とここまでがTarioの制作で、あとの楽曲はLikemindsなる人物が制作を担当しておりまして。まずは、ツタツタと叩くドラムスがまるで、夜更けを超えて朝の陽の光を迎えて高揚する胸の鼓動にも似て愛おしい御来光ミッド「Remember Our Love」で、聴き手の体温をじわじわと上げてくれるJose Jamesの朝日のようなヴォーカルがたまりません(痺)。都会の夜にチカチカちらつくネオンサインに群がる虫の羽音のような電子音に、Jose Jamesのヴォーカルが優しくもひんやりと冷たく鼓膜をくすぶる夜風のような「You Know I Know」もダークでこれまでにないカッコ良さ。「Breakthrough」はぼわんぼわんと波紋を広げる音色が、まるでかじかんだ指を温めてやんわりと感触が戻るのに似ていて、それはひとえにJose Jamesのヴォーカルが澄み切って輝く陽光のようなだから(再認識)。

思ったより攻めたサウンドになっていて驚きを隠せないし、こういうサウンドをJose Jamesが纏う日が来ようとは。これはやはり賛否両論を巻き起こしそうな一枚で、純粋なJose Jamesファンには受け入れ難いのかなという印象が素直なもの。かといってR&B愛好家に歓迎されているかというと、なんだかそうでもない感じもしますし。僕も必ずしもこれをJose Jamesが歌う必要があったかと問われると迷うけれど、でもR&B好きな僕としては素直に聴き易かったです。Jazzシンガーとして優秀なJose Jamesだからこその難しさ、みなさんはどう受け取っているのだろう。






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Kid Cudi「Passion, Pain & Demon Slayin'」
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これだけ多種多様な才能が集う中でも異色を放つMC、Kid Cudiの通算六作目となる『Passion, Pain & Demon Slayin'』を御紹介。あのKanye Westが惚れ込み、そのサウンド世界観をも模倣した(と思われる)Kid Cudiの独特な月世界作品は見事の一言。デジタル配信のみであった四作目以外、1st『Man On The Moon: The End Of Day』2nd『Man On The Moon II: The Legend of Mr. Rager』3rd『Indicud』とどれもが僕のモロ好みで、年間Top10ランキングでも常にランクインしております。Kid CudiはKanye WestのG.O.O.D. Musicを円満離脱し自主レーベル“Wicked Awesome Records/Republic Records”を設立し活動するも、Kanye Westへの不満をぶちまけ不和が囁かれると、あのKanye WestがKid Cudiを讃える言を述べたことで不和も大きくならず収束。その後、鬱と自殺衝動のためにリハビリ施設に自ら入ったと告白、Kanye Westへの発言もそれがどうやら影響していたようで、皆がKid Cudiの精神面を安じておりました。しかしそんな中でこの新作をKid Cudiが発表、しかもゴッツリ二枚組という事で大ファンの僕としては涙が出る程に嬉しかったのです(歓喜)。
という訳で涙でPC画面が滲んで見えませんが感想を打ちます・・・・・・本作を語る上で重要なのはその構成、二枚組であるという点が一点。もう一点は大きく四分構成に分かれており、これは傑作デビューアルバムと同じ試みでこれも本作への期待値を一気に高めます。まずは第一部となる“Act I: Tuned”から。「Frequency」は制作をKid Cudi、Plain Pat、Mike Deanが共同で担当しており、地の底で蠢くマグマのようなトラックの中で、静かに延焼するように揺らめくKid Cudiの焔みたいなフロウが鼓膜をジリジリと焦がすのがもうたまらない(恍惚)。ぼんやりと海月が発光して漂う夜の海のように、妖しい月光を水に溶いてその中に溺れるような幻想的な「Swim In The Light」。制作はKid CudiとMike Deanが担当しており、Kid Cudiのヴォーカルもエフェクトを施してひらひらと泳ぎ回り、メロディをマーブルに仕上げ聴き手を音の深海へと溺れる錯覚を起こさせるのが魔法。闇夜の冷たい森の中を彷徨うようなトラックがなんとも恐ろしくも美しい「Releaser」、制作はKid CudiとPlain Pat、Mike Deanが担当。黒く棘のある暗闇を静かに踏みしめて、Kid Cudiの濃霧のようなフロウが聴き手を支配し纏わり包み込んでしまうのもまたKid Cudiならではの新感覚。Pharrell Williamsが制作を担当した「By Design」は、真夜中のネオンの瞬く街並みの遥か上空を滑空するような電子音と速度がスムースで心地良い。ビートやメロディのアプローチで言えば流行りのトロピカル風味なんだけれど、Kid Cudiのラップが絡まると、途端にそこに闇が生まれて音という光を瞬く程度にブラッシュしてしまうのが面白い。しかも客演にはAndre 3000 Benjaminが参加し、Andre 3000らしいコズミックでいて洒脱で鮮やかなラップが弾けるのも超絶クール。宵の明星のようにダークブルーの空間を鋭く引っ裂く一筋の光のようなシンセの輝きがシャープな「All In」、制作はMike Will Made Itが担当しており、その微細き光芒に声を絡めてダークな空間を遊泳するKid Cudiのラップがやはり幻想的でカッコイイ。続いては第二部、“Act II: Prophecy”です。大きな満月が輝く少し異様な明るさの真夜中、不思議な引力にみちびかれるように体中の水分が震えるような「Illusions」はMike Deanが制作を担当。このトラックもやはり月世界を自在に遊泳するロケットのような、Kid Cudiの無重力仕様なラップがふわふわと脳内をくるくる漂うのがたまらなく幻想的(溜息)。闇世の中を松明を掲げ行進するような力強く荘厳な黒瑪瑙チューン「Rose Golden」、制作はKid CudiにPlain Pat、Mike Deanが共同で担当しております。ここではWillow Smithが客演で参加しており、黒瑪瑙のように黒く重たく輝くKid Cudiの低音フロウが硬く尖った光を放ち、そこに薔薇の花びらのようなWillow Smithの艶やかで刺々しい歌声が伝うのも美しい。Kid CudiにPlain Pat、Mike Deanが共同制作し、Ataraxia「Deja Vu」を下敷きにした「Baptized In Fire」では、どこか似た世界観を構築しているように思うTravis $cottが客演参加。鋭く青白い月光が冷たい夜霧に散るようなトラックの中で、ひらひらと舞う夜光虫のように妖しく瞬く両者の暗澹としたラップが鼓膜を侵食する。再びPharrell Williamsが制作を担当した「Flight At First Sight / Advanced」ではPharrell Williamsが客演参加、サンプリングにはLeslie Davis「Cambell Soup Gospel! God Is Mmmmmm Gooood!」を使用。星屑のようにキメ細やかな粒々した輝きをちらつかせるシンセ&ビートのトラックはやはり壮麗で軽やかで、後半になるとジャングルチックに鼓ビートが踊り出し、Kid Cudiのシルバーに輝く滑らかなラップが滑空するのもグッド。真夜中に轟々と燃え盛る炎の前で踊るような民族的な「Does It」は、大気圏へと突入する時に轟々と炎を上げてそのまま宇宙空間に放たれるような、そんな闇夜を煌々と照らすようなKid Cudiのラップが躍動感溢れくっきりと鮮やかで美しい。
ここからはDisc 2になり、第三部となる“Act III: Niveaux De L'Amour”に突入。まずは「Dance 4 Eternity」、制作はKid CudiとPlain Patが共同で担当。波打つネオンシンセに接続して煌々と輝くトラックにはまるで、冬の星座のようにくっきりと澄み切って尖った輝きを放ち、夜風のようなKid Cudiのラップが煌めきをひらひらと瞬かせるのが美しく心地良い。同じくKid CudiとPlain Patが制作を担当した「Distant Fantasies」は、深夜に朦朧と夢魔に蝕まれるような深く暗く蠢くトラックと、そんなどっぷりとした夢遊感から切り離すようにKid Cudiの苦味が滲むカフェインみたいなラップが侵食し合うのもまた快感。月光を遮るように雲が流れるみたくダークな電子音がマーブル模様に広がるトリップスロウ「Wounds」、制作はKid CudiとJ Grammが共同で担当しており、その雲の切れ間から時折漏れる冷たい月光みたいなKid Cudiのラップがクール。「Mature Nature」はKid CudiとPlain Patが制作を担当し、嫋やかなストリングスがするりとほどけて鳴るミッドはまるで流星群が過ぎゆき消えるのを眺めるような繊細さで、Kid Cudiのオーロラのように闇に光の襞を閃かせるような柔らかなフロウが幻想的。スルスルと鳴り響くストリングスがまるで星降る夜のように煌めくミッド「Kitchen」はKid CudiにDot Da Genius、Plain Patが共同で制作を担当しており、Kid Cudiの無重力で銀河を漂うラップヴォーカルがなんとも面白い一曲。ここで第三部は終わり第四分、“Act IV: It's Bright And Heaven Is Warm”へ。まるで真夜中にあがる無数の花火のように輝いては散って消えゆく音色が儚くも美しい「Cosmic Warrior」、制作はDot Da Geniusが単独で取り仕切っています。そんな火花の波間をゆらゆらと揺蕩うKid Cudiの宇宙遊泳フロウがSFチックで、言葉の端々が無数の星のように瞬き光るのがまたカッコイイ(溜息)。Kid Cudiの呻きと吐息に囁きも含ませたフロウがじわりじわりと毒気を滴らせる、真夜中に虚ろに覚醒する不眠症チューン「The Guide」。制作はKid CudiにDot Da Genius、Plain Patが担当。ここで再びAndre 3000が客演参加するのですが、これがまたAndre 3000らしい綺麗に整列した粒選りの言葉を並べたダイヤのようなラップで美しい。偏頭痛で歪んだようなビートの乱立の中で、白昼夢みたく白んで暈けたメロディがズキズキと躍動する「The Commander」は、Kid CudiにPlain Pat、Mike Deanが制作を担当。Kid Cudiのインソムニアなラップがじんわりと浸食するのも味わい深く、カチカチと言葉(文字)が浮かんでは角砂糖のように溶けてゆくような感触がたまらなく素敵。最後を締め括るのはPharrell Williamsが制作&客演した「Surfin'」で、これはいかにもPharrell WilliamsらしいトラックでKid Cudiとの相性も抜群。パーカッシブなトラックはギター弦の爪弾きと小気味良いビートに乗せて、煌めく銀河をパドリングするように突き進むのが軽妙で、Kid Cudiの疾走感溢れるラップが星屑の飛沫をあげて煌々と輝くのが滑らかに綺麗。

Kid Cudiのラップはなんだかやはり幻想的で、彼の繰り出す言葉は、月明かりに照らされてぼんやりとした輪郭を浮かべて踊る、静かな真夜中のカーニバルのよう。Kid Cudiに関しては前作『Speedin' Bullet 2 Heaven』も持っているんですがかなりロック寄りな一枚で、そういった意味でも、かつてからの盟友たちと共に創り上げた久方の純粋なラップ作品でとても嬉しかったです。2017年の間違いなく優秀作品ですし、Kid Cudi作品の中でも一二を争う力作だと思います。アルバム一枚で物語を紡げる希有な才能の持ち主、ルックスもファッションセンスも抜群ですし、Kid Cudiのアルバムを題材にして映像化して欲しいと願うばかり(勿論、主演はKid Cudiだ)。それまではこの傑作を聴いて、自分で脳内映写して宇宙空間を彷徨いたいと思います。






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