RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
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趣味:古典的推理小説読書
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僕が選ぶ2017年アルバムTop10[R&B部門]
全く音楽を聴く時間が無かった、そうとまで言えるぐらいに自分の時間は無し。
いや、多分作れる方は家族がいようが作れるのでしょうが、僕にはなかなか難しい。
だったらCDなんかは買わない方がいい、そう思う時期もありました。
しかしこれが、十代の頃からずっとの趣味だから今更止められない。
今年もR&Bも豊作、の筈なんですがそれほど聴き込む時間は無かったです。
だからこそ、今年は年間ベストも発表を中止しようかと悩んだぐらい。
そんな中でもパッと浮かんだ10枚を、ここで性懲りもなく書き連ねます。
今年の選出は2016/12/11から2017/12/10までの発売盤が選考対象です。



第十位 112『Q Mike Slim Daron』
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三十路で90年代にR&Bに嵌った僕としてはやはり、Bad Boy Recordsには特別な思い入れがあるし、それは112に対しても(そしてヴォーカルグループに対しても)格別なのです。一時期は不仲とされ再結成も不可能とされていた112、各自がソロアルバムを出したりしていたのでそれで我慢していたんです。それがきちんとオリジナルの四人で電撃再結成を果たし、時代に変に迎合しない純粋なR&Bを、その紳士で淑やかなハーモニーで紡いでくれたことにただただ感謝。もう少し聴く時間があったらば、もっと上位に食い込んだかもしれない往年ファン涙の一枚。

第九位 Sampha『Process』
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R&Bなのかどうか難しいところもありますが、ピアノを弾きながらの繊細で儚げな歌声はとてつもなく美しく、胸に凛と一年間響き続けた一枚。James Blakeで感じたあのセピア色した情景をよりクリーミーに表現し、モフモフとした独特の感触でかえってエッヂーに聴かせた意欲作。その容貌からは見当付かない優しくミリ単位で調整されたウールみたいなヴォーカルも希有ですし、ソングライターとしての次回作や提供曲を楽しみにさせてくれる逸材。R&Bというジャンルに囚われず、あちこちの音楽サイトでも高評価を得ていたのも頷ける一枚でした。

第八位 SZA『Ctrl』
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巷ではもうKendrick Lamarと共に最強を誇っており、どの音楽サイトでも軒並み別ベスト3には確実ランクインしている感のあるSZA。勿論かく言う僕もSZAのこのアルバムはErykah Badu以来の感触を感じていて好きですが、Top3までには入りませんでした。その唇と同様に厚ぼったいヴォーカルがなんとも特徴的で、そこからなんとも熟れた果実が甘い果汁を滴らせるようにゆっくりと響くSZAのヴォーカルが艶っぽいこと(溜息)。だけどほどよく可愛くもある、二作目にはもっと好きになっていそうな予感がビンビンしています。

第七位 Demetria McKinney『Officially Yours』
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ハッキリ言って穴馬といいますか、僕はDemetria McKinneyのことは全く知らずにジャケットのみで購入を決意。女優もしているという美貌と違わず(というよりもそれ以上にきちんと)、実力溢れるヴォーカルで王道なR&Bサウンドを聴かせてくれて嬉しい驚き。トラックの振り幅もシンセをシンコペイトを使ったエッヂーなものからクラシカルなソウルナンバー、透き通るような純真バラードまで取り揃え、それらをバッチリと取り零し無く丁寧に歌い上げるDemetria McKinneyがナイスでした。飛び道具は無いんですがR&Bアルバムとしては、初期のBeyonceを思わせる作りで好みでした。

第六位 Kelela『Take Me Apart』
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世間様ではその洗練されたサウンドとの融合具合が高評価されている様ですが、僕はただただ単純にこのKelelaのヴォーカルに魅せられたんです。これまで何度も使われた“ネクストAaliyah”の称号ですが、本作でKelelaはその称号を確実にモノにしたのではないかと思います(しかもそれはTimbalandと合体した時のAaliyahを指している)。めくるめく煌びやかな電子サウンドの宇宙の中でも、Kelelaのしっとりとした女性的に生温かく官能的なヴォーカルが湿って響くことで、余計に深遠でミステリアスな音世界へと漂流させられるのが心地良いのです。

第五位 Brian McKnight『Genesis』
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僕の本当に大大大好きなR&Bシンガーが何を隠そうこのBrian McKnight、これまで何度と彼の音楽に涙し癒されてきたことか。こう書くとこれまでもランキングの常連だった様に思われるかもしれませんが、ここ近年では年間Top10には入っておらずかなり久々のランクイン。本作はやはりBrian McKnightのR&Bへの帰還を銘打てる内容で、それを支えたのはこれまたR&Bの名手であるTim Kellyで、このタッグが揃ったのだからもう美しい流線形のR&B曲のオンパレードになっているに決まっています。やっぱりBrian McKnightはこうでないと、そういう意味ではあまり息子達とガッツリ組んでやらない方が得策かな。

第四位 Ty Dolla $ign『Beach House 3』
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ハッキリ言ってリリース時期がもう少し早ければ、確実にTop3入りしていた気がするのがTy Dolla $ignの本作、本当に最後まで迷ったんです。曲数も多いのですがどれもTy Dolla $ignの味付けが濃くて、それでいて先鋭的で今を時めくサウンドというのをガッチリと呈示。これだけの幅広いキャラの立った客演陣を配置しつつも、やはりTy Dolla $ignのオリーブオイルのようなヴォーカルが数滴垂らされたらもう味付けはそれで決定、誰にも覆せないのです。話題だったし高評価だった前作よりも、分かり易くR&Bなアルバムだったこともこの高順位に影響しました。

第三位 LeToya Luckett『Back 2 Life』
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いや、確かに内容ではこれより素晴らしいアルバムが沢山あったでしょう、しかし僕はLeToya Luckettの本作がとても好きでした。まず何よりいまだに美人なLeToya Luckettが好きだし応援したい、このジャケットも最高でしたし、そんなに冒険していないけれど純粋にR&Bなアルバムは愛着が湧き易いのです。こう書くと内容が平凡だったのかと突っ込まれそうですが、そんな訳もなくLeToya Luckettのキリリと清廉で麗しいヴォーカルが堪能出来る、なかなか透明感抜群でクールな一枚で聴き応えありました。

第二位 Trey Songz『Tremaine The Album』
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本作がこれまでのTrey Songzのキャリアハイかと問われたら、きっと違うのでしょうがそれでも本作は今年ただ単純によく聴きました。現存の若いR&Bシンガーの中でここまで露骨にセクシーなのはTrey Songzしかいない、そう断言できると思いますし、それだけでも彼は国宝級ではないかと思います。しかしただセクシーだけに頼るのではなく色々な楽曲に挑戦しているのもTrey Songzの凄いところで、本作にも王道エロチューンから熱帯気候なダンスチューン、EDMっぽくもあるポップチューンまで取り揃え、聴き手を飽きさせることなく楽しませてくれています。

第一位 Elijah Blake『Audiology』
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前作『Shadows & Diamonds』もすこぶる快作で、その年の年間第四位に僕は選出していたほど。そのElijah Blakeも順調に二作目をリリースしてくれて、本作はその一作目よりもバランスの均れた(その点は彼のソングライターとしての成長なんだと思う)アルバムを完成させました。サウンドもなかなか秀逸かつ独特で、他のシンガーのトレンドの押さえ方とは全く違っておりその点も異色でグッドでした。それでも実験的という意味では僕は前作の方が優れていたと思いますが、それを加味しても今年の年間第一位に君臨させて然るべき一枚でした。



.........とこんな感じで10枚決まりましたが、どうでしたでしょうか。
うーん、なんかこうまだ釈然とした僕もいて、もっと違ったランキングでも良かったかななんて。
やはりそれぞれに聴く時間が限られていて、好きなアルバムが来ると他が後回しになっていたのも事実ですし。
世間様的にはやはりSZAと並んでKhalid『American Teen』が高評価ですが、僕はそこまで嵌らず。
この十枚以外で悩んだアルバムを挙げるとすれば、Mary J. Blige『Strength Of A Woman』Chante Moore『The Rise Of The Pheonix』Cody ChesnuTT『My Love Divine Degree』Bryson Tiller『True To Self』あたりがそうです。
特にBryson Tillerに関しては前作で全く嵌らなかったので、二作目となる本作を結構聴いたから最後まで迷ったんですが外れてしまいました(難)。
こちらもRap部門同様、まだブログに書けていないアルバムが6枚も入るという非常事態。
今年また書けたらなとは思っています、約束は出来ませんが。

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僕が選ぶ2017年アルバムTop10[Rap部門]
あっという間に2017年もあと僅か、皆様どんな一年でしたでしょうか。
僕はやはり第二子誕生、しかも娘が生まれたのが大きな出来事。
男三兄弟で育った僕なので、女の子をどう育てたらいいのか全く未知。
息子でもこんなにも可愛いのに、娘となるともう発狂するのでは......。
という訳で、嬉しいことと引き換えに、音楽を聴く時間はよりいっそうと激減。
奥様のお心遣いでお小遣いは貰えているので、買っている量はそれほど減っていないんですが、
やはり時間が限られると、好きなアルバムにばかり時間を割いてしまい、ムラが生じます。
そんな中でも気に入った十枚、ランキング形式で今年も発表します。
今年の選出は2016/12/11から2017/12/10までの発売盤が選考対象です。



第十位 Machine Gun Kelly『Bloom』
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あんまりにも話題になっておらず驚いたのが、MGKことMachin Gun Kellyの本作。ポップやロックにも目配せしたサウンドはMGKの文字通りマシンガンみたく乾いて撃ち抜くラップにバッチリとお似合いで、時にはMGK自身が歌う様にフロウしたりするのも抜群に格好良かった。話題のQuavoやTy Dolla $ignに、あのCamila Cabelloもいち早く起用したりとゲスト陣の選択もなかなかのもの。まったりゆったりとした三連符ラップやマンブルラップが流行る中、こういう白人らしいラッパーが活躍するのも嬉しい限り。

第九位 Joey Bada$$『All-Amerikkkan Bada$$』
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前作も軒並み高評価を得ていたJoey Bada$$ですが、本作はどうも聞くところによると聴き手の間では好き嫌いが分かれたとか耳にしました。確かにデビュー作である前作に比べると幾分かサウンドのトーンも明るくなり、Joey Bada$$もなかなかエアリーなラップを聴かせていた気がします。でもだからこそ僕的にはとても聴き易く、彼らしいソウルフルでしなやかながら骨太なトラックも燻し銀で、バランスは数段上だったように思います。Joey Bada$$曰く、このアルバムがJay-Z『4:44』に影響しているなんて断言(喧伝)しているのもちょっぴり頷かせる力作。

第八位 Lil Yachty『Teenage Emotions』
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ハッキリ言ってノーマーク、こんな若造に三十路半ばに差しかかる俺が嵌る筈もない、そう思っていたのが過ちでした。しかしこのLil Yachtyの恐ろしい程に気の抜けた、フニャフニャとしたラップと音世界で気付けば、笑気ガスを喰らったようにヘラヘラして浸る僕が居ました(苦笑)。マッチョなイメージの強いRapとはかけ離れた(そういう部分が好きな要因の筈なのに)Lil Yachty運営の真夜中の遊園地サウンドが極上、トラックもポップにレゲエにトラップにアンビエントにと何でもあり、ラップしているのか歌っているのか、はたまた欠伸の延長線上なのかと思わせるヴォーカルも面白い。

第七位 Lil Uzi Vert『Luv Is Rage 2』
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ハッキリ言ってノーマーク(二度目)、このアルバムジャケットがあまりにも素晴らしくクールだったので、一応買っておこうかで買ったというぐらいに期待ゼロでした。しかし蓋を開けてみて(聴いてみて)ビックリ、多種多様なサウンドとLil Uzi Vertのカメレオンばりに変色し繰り出すフロウが凄まじいびっくり箱みたいな一枚で強烈。極彩色の電子音との融合、というより音と一緒にはしゃいで踊るようなLil Uzi Vertのバウンスが最高に気持ち良い病み付き度抜群の一枚でした。曲数も結構多いのですが全く飽きさせない、案外長生きするのかもなんて思わせる(音楽に拘らず他分野でもいいだろう)Lil Uzi Vertに大いに期待。

第六位 Vic Mensa『The Autobiography』
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Jay-Z率いるRoc Nationからのデビューというだけでも、僕の中では高評価は約束されている訳ですが、このVic Mensaに関してはそのデビュー前からずっと気になっていて、だからこそRoc Nationと契約してくれた時は嬉しかった。そこからようやく放たれたこのデビューアルバムは、やはりVic Mensaらしい地味と見せかけて仕掛けの多いサイレント
キラーな一枚でグッド。なんとも豪華なゲスト陣も素敵な色を添えつつ、ラップも歌もこなし舞っては砕ける劇場型のVic Mensaがバッチリと主演を務めています。にしてもここまでド派手にあれこれと暴れ回るとは予想外で、僕の心配していたJ. Coleとの棲み分けはきちんとされていました。

第五位 Wu-Tang Clan『The Saga Continues』
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統帥であるRZAがそのサウンド構築をMathematicsに委譲したことで少し心配もしたのですが(本当に少し心配しただけ、MathematicsはこれまでもWu-Tangサウンドに関与していたから)、Mathematicsはそんな心配を見事豪快に吹き飛ばしてWu-Tang Clanを再び召還させることに成功。Wu-Tang Clanの面々も全く錆びていない功夫ラップで型のごとく華麗にマイクを繋げ、僕ら門下生の鼓膜をバキバキと鍛錬ししばくのもたまりませn。あとはWu-Tang Clanに縁の深いRedmanがあちこちに参加していたのも、僕の中で高得点を叩き出した要因です。

第四位 Lupe Fiasco『Drogas Light』
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僕が“好きなMCは誰?”と他人から問われた時に、すぐには名前が浮かばないであろう一人がLupe Fiasco。ですがこの毎年の選考の際には必ず名前が挙がり、ランクインも果たしているのもLupe Fiasco、という事で僕の好きなMCの一人なのです。本作はジャケットが不味かったのかあまり話題になっていないのですが、なんともLupe Fiascoらしい光に満ちあふれた一枚で、聖戦を連想させるLupe Fiascoの光の騎士っぷりがなんだか凛々しく美しかった。これだけ暗いサウンド(つまりトラップ)が流行し蔓延する中では、Lupe Fiascoの本作は宵の明星のようでした。

第三位 Big K.R.I.T.『4eva Is A Mighty Long Time』
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若手の中でも特に好きなのがBig K.R.I.T.でして、トラックメイクからラップまでこなす自作自演型のソウルフルな野郎でかなりイカします。なので前作もバッチリと年間の第二位にランクインしておりました。自分の音楽に割ける時間の少なさと、本作は二枚組のボリュームだったのも重なり、正直に言ってもう少しリリース時期が早ければ、もっと上位に食い込んだであろうポテンシャルはビリビリといまだに感じています。あまり多くは語りませんが(今後ブログに感想記事をきちんと書きます)、Andre 3000の不在の穴をガッチリ埋めてくれる才人がこの分厚くて豪快なBig K.R.I.T.だと思います(予感)。

第二位 Kid Cudi『Passion, Pain & Demon Slayin'』
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“現世こそ夢、夜の夢こそまこと”、これは僕の愛する推理作家の江戸川乱歩の言葉。彼の言う意味とは少し違うのかもしれませんが、Kid Cudiの本作にはこの言葉を添えたいなとふと感じたのです。薄暗い月明かりの中で青白く醒めたKid Cudiのラップが蠢き踊るのは、どこか狂気じみているの寸前にある美しさを感じるのです。前作『Speedin' Bullet 2』がゴリゴリのロックアルバムだったのもありますが、サウンドも以前の月世界を旅していた男の御伽噺をアップデートしたようなもので、“これぞKid Cudiであり、だからこそKid Cudiは唯一無二なのである”と実感させてくれる圧倒的芸術に満ちた二枚組アルバムで御座いました。

第一位  Jay-Z『4:44』
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ソングライターとして歴史に名を刻んだ2017年、その年に発表したJay-Zの本作は人種問題や同性愛、家族愛や家族の裏切りなど、これ以上に社会問題や私生活に踏み込んだ、ソングライターとして人間の深みに富んだ一枚となりました。しかし、Jay-Zのソングライターとしての巧さは(上手さではなく、巧さなのだ)その表現だけでなく、題材を扱うタイミングと切り出し方だと再認識。リアル(現実)を語るという上ではこれまでのビジネス指南や金融策、女性の扱い方などもリアルだった訳で、それを少しスライドさせただけ。リアルなのだけれどフィクションの物語というスレスレの塩梅(今回の懺悔がどこまで本気なのだろうか)が、Jay-Zが常に最先端で最前線に君臨している所以だと思います。



.........という訳で、2017年の年間ベストを10枚並べてみました。
世間様の年間ベストでいけば、当然とKendrick Lamar『DAMN.』とMigos『Culture』はランクインしている訳で、
僕もこの二枚は聴いているし格好良かったと思うし、年間ベストも少し考えました。
ただ、僕はそこまでKendrick Lamar信者ではないし、MigosよりもLil Uzi VertやLil Yachtyの方が俄然聴いていた感覚があったので、こういうランキングに落ち着きました。
今回のランキングからは漏れたけれど最後まで悩んだ作品を挙げるならば、Vince Staples『Big Fish』Big Sean『I Decided.』、そして一番悩まされたのがDreezy『No Hard Feelings』でした。Vince StaplesとBig Seanは最近の僕のお気に入りのMCなんで当然として、Dreezyはメキメキと綺麗になっているし歌もラップも織り交ぜ、Nicki Minajを超えることも可能なポテンシャルを感じました。
しかし、選んだ10枚のうちブログに感想を書けているのは、半分の5枚のみ。
今年からまたちょこちょこ書きたいなとは思っていますが、なかなか難しそう。



※番外編 Mac Miller『The Divine Feminine』
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昨年のリリース作品でTop10漏れした盤から選ぶ番外編、結局は僕の好きなMCでもあるMac Millerは選ぶべきだったと。大抵この番外編では“去年はあまり聴かなかったけれど、あとあとから聴くとじわじわ好きになった”な一枚を選ぼうと思うんですが、Mac Millerの本作は単純にやはり好きだった。Mac Millerの持つソウルフルさと華麗さ、その華麗さに潜む毒々しさがたまらなく、客演陣も豪華絢爛で相性もピッタリ。Mac Millerにしか創出できない世界観がそこにはいつもあって、次回作もまた期待をしてしまう芸術家なMCで御座います。

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Jay-Z「4:44」
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Rapミュージックにおける絶対的王者、Jay-Zの通算十三作目となる『4:44』を御紹介。このアルバム『4:44』を紹介するにあたっては、前段もかなりあって何から触れればいいのか分かりません。『4:44』はいろいろな噂が立つ中で(New YorkやLAなどの街中に突如“4:44”と書かれた広告があちこち出現)、Jay-Zが運営する定額制ストリーミングサービス“TIDAL”から、突如として独占先行配信されました。この“4”を並べた数字に関していえば、これまでにもJay-ZとBeyonceを繋げ象徴する数字として何度も互いの作品で重要視されていましたし、また第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが重要なインスピレーション源であるともJay-Zが述べているため、その可能性も示唆されていましたっけ。実際のこのアルバムタイトルの理由は、Jay-Zが朝4:44に思いつきリリックを書き留め、収録したところ曲時間もピッタリ4:44になったという(こういう仕掛け(演出)こそがJay-Zの面白さ)という、本作収録の「4:44」から来ているのだとか。
さてこのアルバムは様々な識者がすでに考察しまくりなので、僕は一ファンとしてただシンプルに聴いた感想を書きますね・・・・・・まず本作の楽曲制作のすべてを任されたのは、大ベテランであり今また王権復古しているNo I.D.で御座います。まずは、警報音が鳴りながら螺旋を描き仄暗い意識の奥底へと沈んでゆき、そこから小さな光が射すようにしてメロディが白んでくる「Kill Jay Z」。The Alan Parsons Project「Don't Let It Show」をネタ使いしたトラックは闇を光が裂くようで、脱皮するように軽やかになってゆくJay-Zが(これまでの最強のJay ZをJay-Z自身が責め殺すことで、内面に眠っていたJay-Zが出現し)、鈍色から次第に鋭く光を取り戻し加速してゆくのが美しい。モノクロ映画で観る雨の情景のように静かで、冷たさの中にほろ苦さの混じった全体に黒を基調とした名曲「The Story Of O.J.」、サンプリングにはNina Simone「Four Women」とThe Kool & The Gang「Kool Back Again」を使用。戦う黒人にその精神と生き方を説く中身もそうではあるけれど、これほどまでに荘厳で力強い“音色としての黒”を聴いたことはないし、Jay-Zは淡々と言葉を吐き出すも、その言葉ひとつひとつが黒真珠のように磨かれ高貴に輝き、そのずっしりと重みのある黒を静かに輝かせます(鳥肌)。“100万ドルの絵画が800万ドルに価値が上がった”と、いかにも実業家らしい先行投資を謳う詩をここで聴くと、物質主義と邪揄された前作収録「Picasso Baby」まで美しく回収していることが分かります。讃美歌をスパイラル状にして放ったような優しい光に溢れたトラック「Smile」、Stevie Wonder「Love's in Need of Love Today」をサンプリングし、実母であるGloria Carter(彼女が同性愛者だと告白している)もヴォーカルを寄せているこの曲では、Jay-Zにいつもの迫力というか圧が全く無く、ヒラヒラと光に煽られて軽やかに駆けてゆくのが印象的。Nina Simone「Baltimore」をサンプリングしたなんとも優美で長閑な「Caught Their Eyes」では、Frank Oceanが客演で参加。陽光に照らされ熱くなった砂浜の熱を、白波が熱ごとさらってゆくような微熱感がなんとも穏やかで美しい。がしかし詩の内容は自分を騙し利益を得ようとする輩に注意しろと謳う訓戒で、この少し抜けるように軽やかなJay-Zはそういう欺瞞を見抜き俯瞰している感を出し、それがこの熱された砂浜をクールダウンさせた感触に繋がっているのかも。Hannah Williams and The Affirmations「Late Nights & Heartbreak」とThe Isley Brothers「(At Your Best) You Are Love」を下敷きにしたアルバム表題曲「4:44」、サンプリングされたトラックとKim Burrellの熱っぽいヴォーカルを激しく揺さぶり破裂させるように奏で、その裂け目からJay-Zの懺悔が冷たく流れ出る感触が、まるで石榴のようなグロテスクな美しさのドラマチックな一曲。Jay-Zのラップをかき消しそうな程に叫ぶトラックが熱を内包していて、それを破裂させてメロディが熱い涙となり、Jay-Zの詞を伝って流れ溢れてゆくのもまた美しい(感涙)。なんだか美しい想い出が破壊され砕け散り、その破片がそれぞれ音色となって乱反射させながらも修復し歪にも美しい芸術品に仕上げたようなトラックが神懸かりな「Family Feud」では奥方で女王様のBeyonceが客演参加。これまでの暗いトーンは影を潜め、それこそJay-Zらしいシャンパンゴールドの絢爛なトラックはラグジュアリーでお似合い。雨上がりのアスファルトのような匂いと熱気がむっと立ち込めるレゲエ使いな「Bam」、客演にはDamian "Jr. Gong" Marleyが参加。そんなもわっとした熱帯の湿度を焦がすように、音色は火花を散るらすように、Jay-Zは夜空を焦がす炎のように眩く煌めき、Damianの焙煎されたヴォーカルがまたなんとも刺激的で香ばしい。「Moonlight」では元が大ネタ使いなだけにあまり使われない、The Fugees「Fu-Gee-La」をサンプリングに使用する飛び道具。青い夜空から冷たく細く射す月光、しかしその月光ではなく、その静かに囁くような月光がそっと切り出す闇を立体的なサウンドに。その月光と闇の狭間で、踊るとも蠢くともつかぬラップを幻想的に冷たく尖らせるJay-Zの格好良さが神懸かりで素晴らしい鳥肌)。音色をゆらゆらと発酵させるように熟成させた醸造酒チューン「Marcy Me」では、Quarteto「Todo o Mundo e Ninguém」をネタ使用。Jay-Zが生まれ育ったMarcyを題材にこれまでの歩みと支えてくれた偉人への感謝を謳うこの曲、終盤で登場するThe-Dreamの甘ったるいともいえる生クリームみたいな甘美なヴォーカルが、人生の苦味を優しく溶かします。愛娘Blue Ivyの“パパ、遺産ってなに?”の問いから始まる「Legacy」は、Donny Hathaway「Someday We'll All Be Free」をサンプリングに使用しており、艶っぽく丸みを帯びた金色ホーンの音色がそのままJay-Zの作り上げた黄金郷を容易に連想させるゴージャスなメロウで、Jay-Zのラップも余裕綽々で言葉ひとつひとつ綻んでいます。とここまでが本編の内容で、一応残る三曲はボーナストラック扱いかと思います。父Adnisに捧げた「Adnis」はJames BlakeとNo I.D.の共同制作で、美しい花がゆっくりと色褪せ枯れて散りゆくのを逆再生するような色彩の移ろいが美しい、なんともJames Blakeらしいサウンド。Blue Ivyのラップで始まる「Blue's Freestyle/We Family」はNo I.D.が制作を担当、 Totó la Momposina「La Verdolaga」をサンプリングしたごった煮スパイシーな一曲。最後はまたもやJames BlakeとNo I.D.が共同制作した「MaNyfaCedGod」で、ここでは客演にJames Blakeも参加。音色に白い吐息を吐いて曇らせコーティングした前半の淡いメロウ部分はこれまでの成功で浮き足立っていたJay Z、後半の冷たくそぼ降る雨のような部分は頭を冷やし現実と冷静に向き合う青いJay-Z。

多くのRapファンがこのJay-Zの本作を賞賛しているし(説明不要)、今年のGrammy Awardsにも多数ノミネートもされている、もはや僕が語らずとも素晴らしい作品であるのは確か(ただし本作も『Moonlight』よろしく、Jay-Zの手をすり抜けKendrick Lamarの手に渡るだろう。いや、それだけKendrick Lamar『DAMN.』は素晴らしい)。優れたソングライターとして“Songwriters Hall Of Fame”にラッパーとして初めて名を刻んだJay-Zだけれど、それは単純にJay-Zの書く詩がどうのではなくて、やはりその時代やタイミングに合った詩をエンターテイメントとして書けるからだと思う(天賦)。これまでの自分語りとは違い、弱さや過ち、苦悩を吐露しラップしたJay-Z。だがしかし、それもやはりBeyonceの傑作『Lemonade』があったからだし(ビジネスマンとして時流を読んだ)、それこそソングライトの殿堂入りを果たした直後だからこそ、これまでと違い、人間としての深みが出るこの内省的内容でいこうと戦略を立てた気がする。これまでのJay-Zアルバムをそんな聴いてないリスナーも諸手を挙げて本作に賛辞を贈っていたけれど、これはむしろこれまでのJay-Zアルバムを聴いた人でないと(アルバムを通してこれまでのJay-Zのキャラを理解していないと)、その凄さや反動、面白さはそもそも分からない筈。それこそ、あまり評価されなかった前作『Magna Carta Holy Grail』の物質主義な内容やトラックを楽しめていれば、本作をよりもっと純粋に心打たれ愉しめるだろう筈です。とまぁ、僕はJay-Z贔屓なのでどれをとっても傑作だと思うし、そんなファンの戯言ばかり書いてしまいました(笑)。ちなみに僕は先に発売された輸入盤を購入した後に、国内盤も買い直しました。
















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Fifth Harmony「Fifth Harmony」
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歌唱の才能のある女の子五人を集め結成された人気グループ、Fifth Harmonyの通算三作目となる『Fifth Harmony』を御紹介。Ally Brooke、Normani Kordei、Dinah Jane、Lauren Jauregui、Camila Cabelloの五人で結成されていたのですが、グループのフロントマン的な立ち位置でもあったCamila Cabelloが突然の脱退。平和的脱退だったかどうかは微妙で、先日開催されたMTV Video Music Awards 2017のステージでは、五人で登場した後に一人がステージから消えていなくなるという演出までしていて話題に。1st『Reflection』2nd『7/27』のヒットを経て、新たに四人で迎えた新作の名は『Fifth Harmony』、彼女達の“Camila抜きの私たちでようやく本当のFifth Harmony(以降はFHと省略)よ“という宣言が聞こえてきます(迫力)。
という訳で前置きはこれで終わらせて感想を書いちゃうよ・・・・・・まずはいかにもFHな伝統芸トラックで地盤を固めるフック連呼系のアップ「Down」、制作はAmmoとDallasKが共同で担当。どことなくトロピカルなテイストを滲ませる果汁のようなシンセとビートが弾けるトラックに、FHの麗しく果肉のようにプルプルとしたハーモニーもナイスですし、ダウナーなノイズビートに転調する部分ではGucci Maneを起用しキッチリと重心も取るバランス感覚が憎い。同じくAmmoとDallasKが共同制作(Co制作にはEster Dean)の「He Like That」でもトロピカルな路線は健在で、FHのドロっとして滴るようやココナツミルクみたいなハーモニーに飲まれてゆったりと波に揺れるように踊るだけ。一時期のYGとDJ Mustard的なノリで、怪しげな電光がピコポコと転がりバウンスする「Sauced Up」は、製作をHarmony "H-Money" Samuels(Vocal Prod.にRyan Tobyも関与)が担当。重ためのビートの糖度がなかなか高めで、それもこれも果肉をたっぷり含んでジューシーなFHのハーモニーが甘酸っぱいからでグッド。プルプルとした角切りゼリーみたいなカラフルな音色が跳ねるのが美味なゼラチンミッド「Make You Mad」、製作はDreamlabとRuffianが共同で担当。トロピカルなトラックは夕暮れの海辺を思わせる色合いで、これはFHの艶やかで弾力ある肉感的なハーモニーが活きた組み合わせで弾むような疾走感もあってナイス。高低差のある鍵盤音の連なりが不思議な煌めきを生む、Mariah Careyが好きそうなトラック「Deliver」はThe Stereotypesが制作を担当。まるでパールの首飾りのように丸みを帯びた煌めきが玉なりに連なるトラックも御洒落ですし、FHのカラフルでいてシックで大人の色香漂うドレッシーなハーモニーが素敵。The MonstersとStrangerz、Jason Eviganが共同制作した「Lonely Night」はFHの挑発的ながらもしとやかなハーモニーが刺激的なラテン風ミッドで、素晴らしいのは紫色に染まった夜の闇にパッと瞬く閃光のようなフックが官能的でクール(痺)。Ian KirkpatrickとThe Electrickが共同制作の「Don't Say You Love Me」もパトワ使いなビートがしなやかに踊るトロピカルなミッドで、でもやっぱり温度は夕暮れみたく涼しげで、水平線に沈む夕陽と波を蹴って走るような清涼感がナイス。「Angel」はPoo Bearが制作を担当したエレクトロに少しトラップのエッセンスを垂らしたようなアッパーで、ダークなトラック内で四色のネオンがとろーりと絡み合いながら妖しく輝くのが幻想的で美しい。再びDreamlabとRuffianが共同制作した「Messy」は、彼女達らしい澱みのないスッキリと純白の眩しい爽快ミッドで、FHの綺麗な歌声が光線のように伸びる抗菌作用。最後を締め括るのがThomas Brownが制作した「Bridges」で、これもいい意味でリラックスした軽やかエアリーなポップチューンで、風を受けてグングン上昇するようなFHハーモニーにただただ身を任せて昇天するのみ。

Camilaはグループの中でもダントツに、そして唯一キュートなヴォーカルの持ち主だったので、今回のFifth Harmonyはこれまでよりトーンが落ち着いてしっとりと聴こえる気がします。僕は個人的にCamilaが好きだったので弱体化は否めないかなと思っていましたが、この四人でもなんとかやっていけそうですね。あとはこの中から誰が抜きん出るか、すごく個性的なグループかと言われたら、そうでもない気もしますし。








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Sammie「Coming Of Age」
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わずか12歳でアルバムデビューを果たしているベテランシンガー、Sammieの通算三作目となる『Coming Of Age』を御紹介。かのDallas Austinのバックアップを受けて『From The Bottom To The Top』をヒットさせたSammie、その後はキッズシンガーならば誰もが通る変声期で休業し、2006年には『Sammie』をリリースし変わらず美しい青いヴォーカルでR&Bを湧かせた逸材。その後もずっとMixTapeなどを精力的に発表し、名前も一時はLeigh Bushなどに変えたりして活動を続けておりました。その前二作とも持っている僕としてはやはり、Sammieの11年ぶりとなる新作は嬉しい限りで御座います(感動)。
まずはキラキラと水面に反射するように輝く鍵盤音のせせらぎに、鼓膜も心もスッキリと浄化される美しいバラード「COA」で幕開け。制作はBryan "K-City" ElmoreとJason Cathyが担当しており、相変わらずと透明に澄んだ原水のようなSammieのヴォーカルが美味で、乾いたハートがゴクゴクと飲み干して潤ってしまいます。続く「Expiration Date」はXeryus Gittensが制作を担当した極潤ミッドで、トロトロとまるでアルコールで酔いが回るようなアダルトな音色の澱みに、Sammieのキリリと清冽な原水ヴォーカルが混じることで水割り状態になってより美味に。Dwight "Doh Boy" Richardsonが制作を担当した「Good Life」では、客演にどういう繋がりなのかRick Rossが参加。夜の闇に青い吐息を溶かすような妖艶なトラックの中で、悩ましげに曲線を描き堕ちてゆくSammieの繊細なヴォーカルと、Rick Rossのソウルフルにしてシックなバリトンのラップが闇を重たく沈殿させるのもグッド。ひらりひらりと鳴るギター弦の音がまるで、寄せては砕けて散る白波のように儚げなアコースティックメロウ「Tsunami」はFayo & Chillが制作を担当。遠く彼方で揺れる波音を聴く様な静寂トラックに、柔らかにウェーブし聴き手を飲み込むSammieのモイストなヴォーカルもなんだか幻想的。Bryan "K-City" Elmoreが制作した「Bad Girl」はトロピカルなビートとメロディが踊る心地良いミッドで、カラリと乾いているというよりは、波と戯れてビショビショに濡れたようなウェットな音色が悩ましくて面白い。「I Left...Because I Love You」はTroy Taylor(!)とBryan "Composer" Nelsonが制作を担当しており、ポタポタと滴る水滴のような音色が湿って心地良く響くオアシスみたいなミッドで、Michael Jackson的に少し震えるSammieの瑞々しいヴォーカルに見事にマッチ。またまたBryan "K-City" Elmoreが制作を担当した「Shoes」も90年代を思わせる良質な艶麗ミッドで、水を含んだようにプルプルと潤んだトラックに甘美で悩ましいSammieのヴォーカルが溶け合うのが綺麗。Justin "Henny Tha Bizness" Hendersonが制作を担当した「Show And Tell」では、これまたSammieと同じく苦労人なEric Bellingerが客演で参加。軽妙で鮮やかな絹糸のような音色が紡がれてトラックを成すミッドで、SammieとEric Bellingerの小気味良く跳ねるヴォーカルも軽快でキラキラと輝いていてグッド。Winston "Kangstunna" Draytonが制作を担当した「Good Girls」は真っ青な宇宙空間を思わせるヒンヤリとしたミッドで、メタリックみたくキラキラと鋭く銀色に輝くSammieの華奢なヴォーカルがクール。Troy TaylorにVontae Thomas、88Keys(!)が共同制作した「Be Alone」もバーボンで満たされたグラスで氷がカランと音を立てるような、そんんなアダルトな色香の漂うほろ酔いミッドで、Sammieの微かに震えるような悶絶ヴォーカルがひしひしと五感を刺激するのがたまりません(昇天)。Bryan "K-City" Elmoreが制作した「Too Long」は秋風のようにしんみりと心の隙間を吹き抜けてくすぐる哀愁ミッドで、優しく淡く響くSammieのヴォーカルにそっと鼓膜を差し出し温めてもらうのみ。「Daddy」はDwight "Doh Boy" Richardsonが制作しており、エコーが響くようにあちこちで反響して弾けるようなトラックがなんとも不思議な魅力を放ちます。最後を飾る「Confessional」はSean Marshallが制作を担当した砂煙舞うようなアコースティックバラードで、Sammieの叫び祈るようなヴォーカルが天を仰いで震えるブルージーな一曲で渋い(沁)。

僕みたいな三十路が聴いてホッと安心してしまう良質で純正なR&Bアルバム、Sammieに求めているものをきちんと理解していらっしゃる(嬉)。Sammieのヴォーカルの質も全く落ちていなくて綺麗で澄み切ったまま、なぜこんなにも不遇なのかが本当に不思議なほど。しかしこうなると惜しむらくはこのアルバムジャケット、Sammieも格好良く成熟している訳ですし、大人の男になったセクシーなSammieを全面に押し出したら良かったのに。






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Lupe Fiasco「Drogas Light」
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あのJay-Zに認められデビュー時にも異例のバックアップを受けた中堅、Lupe Fiascoの通算六作目となる『Drogas Light』を御紹介。とても素晴らしかった(その年の年間ランキングでも第七位に選出)前作『Tetsuo & Youth』を最後に揉めていたメジャーレーベル“Atlantic Records”から離脱、インディとなって初のアルバムとなるのが本作『Drogas Light』で御座います。『DROGAS』と『DROGAS Light』と『SKULLS』の三部作を発表すると宣言していたんですが結局は実現ならず、その後も引退宣言をして撤回するなどして、なんだかんだで世間を騒がせるLupe Fiasco。いつもそうしてウダウダしながらも、こうして無事に作品をドロップするから面白い(笑)。
それではザックリとですけれど感想を書かせて下さい・・・・・・まずはSoundtrakkが制作を担当した「Dopamine Lit (Intro)」でスタート、神経物質が光の速さで伝わり感覚を刺激するように音色が波を打ち走り、Lupe Fiascoの閃光のようなラップがバチバチと瞬くのも眩くてビリビリ刺激的。続くS-X制作の「NGL」では、客演に元レーベルメイトであるTy Dolla $ignが客演参加。力強く打つビートはまるで朝日の昇る音のようで、Lupe Fiascoのラップは朝露を払いのけ乾かすほどの朝陽の烈日、そこに漂うTy Dolla $ignの歌フックはまるで朝焼けのように鮮やかにそれらを溶かしまろやかにさせます。いったん光を消し去り鼓膜が眩む感覚に陥る漆黒ダウナーな「Promise」、制作はSoundtrakkが担当。そんな深い漆黒の中でもLupe Fiascoの閃光の如きラップは強烈で、ゆっくりと光が漏れるようにしてトラックを濃淡を変化させて幻惑に誘います。乾いた天空に向かってバンバン撃ち放つ銃声をビートに敷いた「Made In The USA」はStreetrunnerが制作を担当、ザクザクとエッヂの立ったLupe Fiascoの攻撃的なラップに、客演のBianca Singsの可愛くもロックな歌声が響くハードコアな一曲。シンプルながらもガブガブした捕食ビートが蠢き踊るのが、かなり癖になる肉食アッパー「Jump」は最高のキラーチューン。制作はSoundtrakkが担当しており、サンプリングにはGigi D'Agostino「Bla Bla Bla」を使用。その捕食ビートを的確に急所にぶっ刺し仕留めるようなLupe Fiascoのギザギザに尖った閃光ラップが最高にホットだし、客演参加の女性MCのGizzleも超絶クールで冷たく鋭くてグッド。Bsides制作の「City Of The Year」はRondoが客演参加しており、これはコンクリートに包まれた都会の夜に溶ける青い光のようなひんやりしたトラックに、Lupe Fiascoのネオンライトのようにねっとりと浮かび上がって輝くラップが妖しく美しい。Simon Sayzが制作&客演参加した「High (Interlude)」は早回しの歌フックがとにかく鮮烈で眩く、夜空のような艶っぽいトラックにLupe Fiascoの光芒ラップが帚星のように駆け抜けるのが流麗。Floss & Fameが制作した「Tranquillo」ではRick RossとBig K.R.I.T.とド渋い面子が客演参加、これもやはり冷たい青をすーっと溶かしたような夜景のようなトラックに、それぞれのMCが煌々と輝く大きな星を瞬かせて、大きな星座を輝かせる壮大ソウルフルな一曲で素晴らしい(鳥肌)。音色のひとつひとつを美しい油膜が覆うオイリーな美曲「Kill」はD'mileが制作を担当し、客演にはTy Dolla $ignとVictoria Monetが揃って参加。オリーブオイルのようにトロリトロリと揺蕩うTy Dolla Signのヴォーカルに、火花散らすようなLupe Fiascoのラップが触れ着火し(無論オリーブオイルで発火は出来ないけれど)煌々とまろやかに燃え上がるのが美しい。その光に照らされてゆらゆらと煌めき反射するVictoria Monetの艶っぽい歌声も最高で、ただただこの光の粘度の中で溺れていたい(夢想)。地層の奥深くで静かに流れる澄んだ深層水のような音色が滴る「Law」はFloss & Fameが制作を担当、潤んだトラックに光を射しキラキラ反射させるLupe Fiascoのラップと、客演のSimon Sayzの清冽なヴォーカルもキリリと冷たくて美味。Ishiが制作を担当した「Pick Up The Phone」はアコースティックギターの音色も奏でる晴れやかなポップチューンで、こういう軽妙にして燦々と眩いトラックならば光を蹴って滑るスケーターのLupe Fiascoは独壇場。Simon SayzとBsidesが共同制作した直球四つ打ちなディスコブギーなアッパー「It's Not Design」も単純に痛快で愉しく、こうなればLupe Fiascoはライムを丸く固めてミラーボールに昇華しキラキラと旋回する器用さ。Jake TorreyとSimon Sayzが共同制作した「Wild Child」は昔の懐かしいポップチューンみたいなトラックが格好良く、軽やかに踊るLupe Fiascoのラップもクール。最後を飾るのはSoundtrakkが制作した「More Than My Heart」で、客演はRxmnとSalimが参加。これがなんともエレガントにしてラグジュアリーな滑らか美曲でして、ヴェルヴェットのようにフカフカとして豪奢で高貴なトラックに、Lupe Fiascoのラップが光沢コーティングをしてより美しく仕立てているドレッシーな一曲。

まるでどこかの卵のロゴみたいな、“光”のみ描かれたアルバムジャケットはあまり好きにはなれないけれど、しかし如何なる時もこのLupe Fiascoは光を纏ったMCだなと実感。Lupe Fiascoの吐き出す言葉が聖なる光の剣となって、闇を切り裂き照らし出す様を鼓膜で感じることのできる、光の騎士の聖戦のような絵巻物アルバムで素晴らしい。いつだったか闇と対峙したLupe Fiascoは、僕の中では光の騎士なのです。レーベルとの諍いによる暗い話題に尽きた『Lasers』にあっても、やはりLupe Fiascoはその闇を切り裂いていたし、そういう意味ではやっと光を手に入れてこれからもっと真価を発揮するかもですね。






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