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RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Lil Uzi Vert「Luv Is Rage 2」
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現Hip Hopシーンの新たなファッションアイコン、Lil Uzi Vertの記念すべきメジャーデビューアルバム『Luv Is Rage 2』を御紹介。その小さな身長とカラフルなドレッドヘア、ロックスターを標榜する奇抜でクールなファッションでも注目を集める小さな巨人ことLil Uzi Vert。Philadelphia出身の94年生まれの24歳、本格的にラップを始めたのは20歳前後と言われているみたいですから、あっという間に結果を出している様です。ちなみに名前の由来なのですが、“マシンガンみたいなラップ”という意味の“Uzi”(小型マシンガンの愛称)と“頂点まで真っ直ぐ登りつめる”という意味のVert(ヴァーティカルの略)を合わせたものなのだそう(又聞)。
という訳で薄味な感想を例に漏れず書きますと・・・・・・まずはLil Uzi VertとDon Cannon、Lyle Leduffが共同制作した「Two®︎」でスタート、どことなく漏れ出るようにジワジワと光るスライム状のトラックがなんとも美しくもグロテスク寸前で、だからこそどこか悪戯っぽくウイルス的な感染をするLil Uzi Vertのラップが魅力的。「444+222」はMaaly RawとIke Beatzが共同制作した明滅アッパーで、フックなどは分かり易いリフレインを練り込んだトラップ風も、声色の高低差やマシンガンのごとく的確に撃ち放つLil Uzi Vertのラップ技術で、ザクザクとした食感で美味な中毒曲に仕上がっています。「Sauce It Up」はDon Cannonが単独で制作した鉱石のように硬く輝くゴツゴツした一曲ながら、Lil Uzi Vertのキラキラと輝く研磨された宝石のような24カラットのラップが美しく乱反射するのが見事。またまたDon Cannonが単独制作した「No Sleep Leak」も闇夜のように漆黒のトラックの中を、音波を発しながら器用に怪しく滑空する蝙蝠のようなLil Uzi Vertのラップがダークでカッコイイ(痺)。Ike BeatzとDon Cannonが共同制作した「The Way Life Goes」は、夏の夕暮れに染まる波間のように揺らめくトラックがスウィートなメロウで、ここでもヴォーカルレンジが広くしっかり歌えるLil Uzi Vertの光を水に溶かしたようなフロウが最高に心地良い(賛辞)。ビヨビヨとして弾力のあるグミみたいなシンセが転がる「For Real」はDJ PluggとBobby Kriticalが共同制作、このポップでカラフルで無邪気なトラックの中でじゃれて戯れるウイルスみたいなLil Uzi Vertのラップが気付くと体中を毒し蔓延。「Feeling Mutual」はシンデレラガールことWondagurlが制作を担当しており、グニャグニャと融解する金属のような音色がマーブル模様に広がるトラックは素晴らしく、だからこそウイルスチックに感染に蝕むLil Uzi Vertの無邪気なラップが映えます。Pharrell Williamsが制作&客演した「Neon Guts」なんかもネオンというよりは夜光虫のようなジワジワ妖しい輝きで、Lil Uzi Vertの滑空して散るようなバイ菌ラップもグッド。Maaly Rawが制作した「Early 20 Rager」は淡々と超音波のようなラップを飛ばして反響させる、読経チックな催眠効果抜群な反芻チューン。Jason "DaHeala" QuennevilleとAbel "The Weeknd" Tesfaye、Don Cannon、Maaly Rawが共同制作した「Unfazed」では、濃い夜霧で冷たく夜空を濡らすようにThe Weekndのヴォーカルが響く一曲で、そんなミステリアスでダークな空間でLil Uzi Vertのラップが歪んだ月光のように射すのがクール。「Pretty Mami」はDon Cannonと!llmindが共同制作しており、蝕まれてうなされるようにグルグルと回る微熱トラックに、Lil Uzi Vertのラップが崩壊錠のように溶けてゆくのが鋭利。再びWondagurlが制作を担当した「How To Talk」では、色鮮やかな閃光のような音色が放射線状に散らばり、その閃光に乗っかり花火のように弾けるラップが面白い。Metro BoominとPierre Bourneが共同制作した「X」はどこかトロピカルなスウィートで眩いトラックで、Lil Uzi Vertのラップもドロドロのフルーツジュースのような喉越し(鼓膜越し)でナイス。「Malfunction」は三度目登場のWondagurlが制作でやはりどこか宝石チックな色めきを魅せる電子トラックはラグジュアリーで、変異型のウイルスとなってジワジワと侵食してゆくラップも高揚感を煽ります(病的)。Maaly RawとRex Kudoが共同制作の「Dark Queen」の雨降りのようなウェット感も、TM88とJ.W. Lucasが共同制作の「XO Tour Life3」の天体観測のような光の瞬きも、ピッチを自在に変化させ聴き手の細胞を愉快に破壊するLil Uzi Vertの新種ウイルスラップが最高に痛快。D. Rich制作の「Skir Skirr」はトラックからしてもう酩酊状態にさせられる平衡感覚麻痺の一曲で、ビートを少し外しながらも気持ちよくフロウで蝕むLil Uzi Vertがやはり巧者。TM88が制作(Co制作をS1)の「Loaded」は鉱石ビートに共鳴して輝くラップが幻想的で、Bobby Kriticalが制作の「Diamonds All On My Wrist」はボトボトと重たく鳴る重油系のビートがタフでカッコイイ。Honorable C.N.O.T.E.が制作した「20 Min」はR&Bマナーなねっとりと甘い音色が寝られたミルキーミッドで、光をも培養するヴォーカルがなかなかイケるLil Uzi Vertにただ身と鼓膜を任せるばかりです(遊泳)。

本当に全く期待しておらず、最近流行りの有象無象の中の一人だと舐めていたLil Uzi Vert。しかし、どうやら最近になって流行のトラップスタイルのラップに移行したらしい彼の、それだけに止まらない変幻自在なフロウの虜になってしまいました(謝罪)。結局は昨年度の年間Top10でも、第七位にランクインさせた程のお気に入りとなったアルバムで御座います。異論はあるだろうけれど僕的には、全盛期ちょっと前のLil Wayneを聴いた時の感覚に近い刺激がありました(厳密に言うとLil Wayne『Tha Carter』から『Tha Carter II』頃)。








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Leela James「Did It For Love」
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その抜群の歌唱力でR&Bファンを漏れなく虜にしている稀有なシンガー、Leela Jamesの通算五作目となる『Did It For Love』を御紹介。ジャケット含め素晴らしかった前作『Fall For You』から、おおよそ三年ぶりとなる本作。入れ替わりの激しい(最近ではもうHip Hopのポップ化が凄くてR&Bの新陳代謝は遅れ気味だが)R&B界で、特にドデカいヒット曲など無くとも、長く活躍してアルバムをリリース出来ている事が凄い(賛辞)。僕の中ではLeela Jamesのアフロヘアが大好きなので、それを拝めない被り物はちょっと減点対象ですが(笑)。
でも肝心なのは中身じゃんって事で感想を・・・・・・まずはEvan Briceが制作を担当した「Hard For Me」でなんともほろ苦くスタート、シャキッとするような熱さのトラックは程よく刺激的で、まるで濃いエスプレッソのようにビターな香りが立つLeela Jamesのヴォーカルを引き立てます。Calvin "Tubby" Frazierが制作を担当した「Don't Mean A Thang」なんかもやはりコクの深いソウルフルでダークビターなミッドで、ジャリジャリとしたビートは珈琲豆を挽くかのようで、そこにLeela Jamesの力強くも艶やかなヴォーカルが注がれて美味。「Don't Want You Back」はLeela JamesとJ Hammondが共同制作したとてもフローラルで芳しいスロウジャムで、シルクというよりはヴェルヴェットのように重みのある光沢がラグジュアリなLeela Jamesの歌声が品良く御洒落(惚)。同じくLeela JamesとJ Hammondが共同制作した、透け感のあるドリーミーなスロウ「I Remember」も秀逸で、キラキラと夜空に星が瞬き星座を象るように連なるメロディと、星空のようにしとやかな濃紺にも似たLeela Jamesの歌声が美しい(溜息)。Leela JamesとJ Hammondが共同制作の「Good To Love You」ではDave Hollisterが本作唯一の客演で参加、まるで春風のように優しく吹き抜けるトラックは爽やか一点で、だからこそビタースウィートが魅力の両者のハーモニーがほろ苦く絡んで美味。カリッと香ばしいちょっぴりファンク風味な疾走ミッド「There 4 U」はButta-N-Bizkitが制作を担当、本作中で最もスモーキーにど渋いヴォーカルで鼓膜を燻してくるLeela Jamesもグッド。Jarius "JMo" Mozeeが制作を担当した「This Day For You」は木漏れ日のように柔らかく暖かなトラックに思わず溜息が漏れるナチュラルグリーンな好ミッド、Leela Jamesの潤んだヴォーカルはまるで朝露のように澄んで清らか。Leela JamesとJ Hammondが共同制作したブルージーなスロウ「Take Me」のゆっくりと醸造させるような味わいも素晴らしく、そんなソウル酵母の中でふわりと香るLeela Jamesの芳醇なヴォーカルがまたこの上ない美味です(酔)。同じくLeela JamesとJ Hammondが共同制作した壮麗な透明ピアノバラード「All Over Again」は、トラックの持つ明度にLeela Jamesの潤んだ歌声が重なり、まるで雨上がりの空のような色彩と肌触りが生まれ、涙腺を優しく撫でます(沁)。ベシベシと叩くドラムビートがエッヂーで乾いて響く「Our Love」もLeela JamesとJ Hammondの共同制作で、こういうHip Hopソウルみたいな楽曲はカフェインたっぷりでダークビターなLeela Jamesの歌声にぴったりマッチング。最後はPhil BeaugreauとDawaun "D Park" Parkerが共同制作した、これまたHip Hopソウルな重厚ミッド「Did It For Love」、黒檀のように黒光りするLeela Jamesの艶っぽいヴォーカルでビリビリと痺れるばかり。

毎回なんだけれども、何故に本作を昨年度の年間Top10に入れなかったのだろうか(阿呆)。Leela Jamesって僕の中で“良くて当然”な感じが強過ぎるのでしょうね(遡れば前作も年間Top10の最終候補で終わらせているみたい)。本作ではJ Hammondと主に楽曲を制作していますがこれも吉、すごく相性が良くてすんなり聴き易いです。このブラックコーヒーにそっとミルクを垂らしたような、ほろ苦いLeela Jamesの歌声に万歳三唱です。






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Eminem「Revival」
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Rap界の永遠の神童にして悪童、Eminemの通算九作目となる『Revival』を御紹介。様々な話題を振りまきながら(良し悪しも愛嬌)ずっと最前線に立ち、ベテランMC達も口を揃えて最高のMCだと賞賛されるのが、この神懸かりなまでにスキルフルなEminem。前作は原点に立ち返るような続編『The Marshall Mathers LP2』だったのですが、次なる本作は『Revival』と来ました。本作の発売前にはトランプ政権を批判するキレキレのサイファーでも話題になり、全員の期待値もガンガンに上げて、かなりサプライズに近い形で発表された覚えがあります。
それではざっくりと感想を書いてみたいなと思います・・・・・・まずは伝説のProducerであるRick Rubinが制作を担当した「Walk On Water」では、Beyonceが客演で参加といういきなり豪華な幕開け。Johnny Cashも手掛けたRick Rubinならでは仕込みな鍵盤音とストリングスが清廉と響き渡るトラックは、どこまでも澄んだ水面のように滑らかに輝きを湛えます。その上を静かに説くよう繰り出すEminemのラップはまるで雫のようだし、Beyonceの神々しく優しい歌フックはまさにオアシスそのもの(潤)。Eminemが制作した「Believe」はやはり彼らしい氷雨のように冷たくチクチクと尖ったシリアスな鍵盤チューンで、その雨の中を弾丸のようにヒュンヒュンと音を立てて突き刺すEminemのラップが超絶とクール。Mr. Porterが制作を担当した「Chloraseptic」では客演にPhresherが客演で参加しており、少しノイジーにのたうつ様に響くダークシンセがEminemの毒々しいラップと共に、聴き手の神経に侵入し蝕み破壊するのが痛快。Phresherの歪で破壊的なラップがフックで骨まで砕いてくるのも最高。EminemにMr. Porter、Mark Batson、Emile Haynieが共同制作した「Untouchable」では、The Cheech & Chong「Earache My Eye」やら何やらをサンプリングしまくった継ぎ接ぎなアッパー。ガリガリにエレキギターを鳴らして電撃の様に鼓膜を感電させて痺れさせるEminemは最高で、かと思えばMasta Ace「Born To Roll」をネタにズルズルと擦ってビートダウンしてEminemもメルトダウンし、終盤ではオカルトみたいな仄暗いガクガクの鍵盤をバックに鋭利なラップで真空斬りしてくる始末。Emile Haynieが制作した「River」ではEd Sheeranが客演参加、ツタツタと叩く降りしきる雨音のようなドラムビートに、冷たく悴む様にヒリヒリと痛いEminemの深く刺さるラップと、横殴りの風のように鼓膜を叩き吹き抜けるEd Sheeranのヴォーカルもグッドで、やがて痛みがうねり大河となり氾濫するのを鼓膜で感じるのみ。大ネタ中の大ネタであるJoan Jett and the Blackhearts「I Love Rock 'n' Roll」を使用した(かつてファンだったBritney Spearsへの目配せか?)「Remind Me」は、やはりこういう王道ロックのブレイクビーツでRun DMCを大成功させたRick Rubin御大が制作を担当。やはりここまでべったりな大ネタサンプリングだとEminemと言えども単調に感じてしまい、自分的にはこれがアルバムを失敗と印象付けた気がしたり(文字通りリバイバルなのだろうけれど)。「Like Home」はまさかのJust Blazeが制作を担当し、客演にはAlicia Keysが参加。やはりこういうキラキラと輝きを加速させる夜明けのようなトラックで、Alicia Keysの品格漂うヴォーカルで高らかと歌い上げると、どこかJay-Z「Empire State Of Mind」の二番煎じみたいになってしまう恐ろしさ(惜)。と文句を付けつつもこの布陣が弱い訳もなく、追い風を受ける様にぐんぐんと上昇して光を裂くEminemの不死鳥のようなラップは燃え盛り美しい。Alex Da Kidが制作を担当した「Bad Husband」ではX Ambassadorsが客演で参加しており、このコンボがなかなか格好良くて本作でもお気に入りの一曲。やはり凍えるように冷たい零下ミッドでのEminemの悲しくて刺々しいラップもシンクロしているし、X Ambassadorsの木枯らしのように寂しげなヴォーカルもナイス。Alex Da Kidが制作し、もはやEminemお抱えになっているSkylar Greyが客演参加した「Tragic Endings」も既定路線で、淡々と行進するようなドラムビートにザクザクとメッタ刺しするようなEminemのラップが悲劇的で美しい。本作でも唯一Eminemが狂人化していてビリビリと鼓膜が痺れるのが、FredWreckが制作した「Framed」で、音程やピッチをくるくると変化させる事で挙動不審で火花めいたラップを体現するサイコなEminemの独壇場。Rock MafiaとHit Boyが共同制作した「Nowhere Fast」では、Kehlaniが客演参加。躍動感溢れるストリングスの金色の波の中で、Eminemの鋭くスピーディなラップで華やかなKehlaniの歌フックが舞い散る様が美しい。Run DMCとThe Beastie Boysをダブルでネタ使いした「Heat」はRick Rubinが制作を担当、これは王道過ぎてチープ寸前に感じてしまう辛さ。Illadaproducerが制作でCharles Bradley「In You (I Found A Love)」をサンプリングした「Offended」は、まるでマシンガンかミシンでバツバツと裁縫するように秒速で撃ち続けるEminemがキレキレ。Alex Da Kid制作でP!nkが客演参加した「Need Me」は、P!nkのラフでざらっとしたヴォーカルがヴィンテージな風合いを出す放浪ミッドで、こういう乾いた大地を踏み割るようなトラックにもEminemは合う。Scram Jonesが制作を担当した「In Your Head」は曇天に雨粒が吹き晒すようなコールドミッドで、ゆっくりと捻れてドリップするようなEminemの濃厚で毒々しいラップが硬いビートと共に侵食する「Castle」はDJ Khalilが制作を担当。最後を飾るのはRick Rubinが制作を担当した「Arose」なんですが、これがここ日本では結婚式なんかで流れやすいBette Midler「The Rose」のサンプリングで、確かに素敵な曲だけれどなんだか拍子抜けしてしまう(Eminemが使うと余計に)一曲。ただ後半に転調するところはいいんだけれど、時すでに遅し。

本作のEminemのラップは喩えるならば、勇者の聖剣といった感触なんです。僕としてはやはりまだどこか、愉快犯の振り回す刃物のような危なかしいラップが聴きたくて、その点が人間として円熟味を増したEminemでは物足らなくなるという僕のワガママ(苦笑)。大ネタ使いするのはEminemならば毎作とそうですが、本作ではその大ネタがあまりにも大ネタ過ぎて、狂人度が薄まったEminemと相まって面白みを下げた気がします。いや、けしてRick Rubinが悪いわけではないのです、けして(頑)。サウンドアプローチ的には僕のお気に入りのアルバム『Recovery』と非常に近い気がするのですが、なぜだか僕も世間様と同じく本作はそこまで聴かなかったという不思議(『Recovery』も世間様の(特にEmihemファンからの)評価は低かった気がする)。先日サプライズでリリースされた『Kamikaze』はいろんなMCを攻撃しまくる事でリスナーも興奮し高評価みたいなので、その点は世間様もそうなのかな。ただ、そうは言ってもEminemですから、本作も余裕でカッコイイのは確か。








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Wu-Tang Clan「The Saga Continues」
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Hip Hop界最強のクルーであろう、Wu-Tang Clanの通算七作目となる『The Saga Continues』を御紹介。2014年に発表された前作、六作目『A Better Tomorrow』からおよそ三年ぶりとなるのが本作(この『A Better Tommorow』が素晴らしく、その年の年間第九位に選んだほど)。レーベル移籍を繰り返しながら結局は、統帥RZAが立ち上げた自身のレーベル"36 Chambers Alc"からのリリースで落ち着いた模様です。
それではザックリと今更な感想を書いていきますと・・・・・・まず本作はWu-Tang Clan名義のアルバムなんですが、実はRZAではなく、これまでも沢山のWu-Tang Clan楽曲の制作をし活動を共にしてきたRonald "Mathematics" Beanが全曲のプロデュースをしています(MathematicsはあのWu-Tang Clanの“W”のロゴのデザインをした人物でもある。RZAはExecutive Prouducerとしてクレジットされていますが、RZA以外のプロデューサーが全曲プロデュースしているWu-Tang Clanアルバムはこれが初めての事なのだそう。まずは「Lesson Learn'd」で幕開け、ここではInspektah DeckとRedmanが参加。サンプリングにDavid Porter「I'm Afraid the Masquerade Is Over」を使用しており、いかにもWu-Tangサウンドなヒリヒリと冷たく鋭い氷雨のようなトラックとピアノの旋律、その中で雨の飛沫をあげて空を切り裂くInspektah DeckとRedmanの的確に突くラップが無骨でカッコイイ。「Fast And Furious」ではHue HefなるMCとRaekwonが参加、せせらぎの音のように鳴るピアノ鍵盤と流水のように滑らかな速度で進行するトラックの中では、あのごつい図体ながらもその流れに呼応しつつ弱点(鼓膜)を涼しげに圧迫してくるRaekwonの巧者っぷりが際立ちます。「If Time Is Money (Fly Navigation)」ではMethod Manが単独で参加、夜風に舞う花吹雪のように淡く軽やかな鍵盤音に、流麗しなやかにラップで空を切るMethod Manの演武術のようなラップがもはや芸術品の域。「Frozen」ではMethod ManにKilla Priest、Chris Daveが参加しており、絶対零度で凝結したような鍵盤音のゴツゴツしたトラックに、三者の拳骨のように尖った鈍いラップが絡み合うのが痛快。「Pearl Harbor」ではGhostface KillahにMethod Man、RZA、そして今は亡きSean Priceが参加しております。ねっとりと繰り出されるホーンとビートはまるで、鉛のように重たい曇天とその遠くでゴロゴロと呻く雷鳴のようで、そのトラック上でまるで涙を流す様にド渋いラップの雨を降らし、黒く濡れる彼らは最高に燻し銀(痺)。Wu-Tang Clan名義(Method Man→Raekwon→Inspektah Deck→Masta Killa→最後の語りをOl' Dirty Bastard)で、Redmanが客演となっている「People Say」は、サンプリングにThe Diplomats「I've Got the Kind of Love」を濃厚に使用。 フックは原曲をそのまま拝借しギラギラに発酵させて昇華し、その円熟味を武器に末梢神経まで研ぎ澄まし金剛のような艶と硬度をもって繋ぐマイクリレーは永遠の輝きを放ちます。静かに暗躍するWu-Tang Clanの面々の中に、火薬仕掛けのRedmanが飛び込むことであちこち発破するのもアクセントで醍醐味。「Why Why Why」ではRZAが単独で登場、歌フックには女性シンガーのSwnkahが参加し囁くようにしてうっすらとした艶を演出。ヒリヒリするような静寂の中を、騒ぐ血を漲らせて鼓動を打つ様な脈拍ビートの中で暗躍するRZAの暗殺拳法ラップが最高にイル(痺)。筋張って腱のような鍵盤音と鍛錬された曇ったビートが煙る「G'd Up」は、Method ManにR-Mean、Mzee Jonesが客演参加。淡々と仕事をこなす漆黒のMethod Manと甲高いラップで刺すR-Meanもなかなかの手練。Wu-Tang Clan名義で盟友(舎弟)のStreetlifeが客演参加した「If What You Say Is True」は、剣が鎬を削る音と共に暗澹たるホーンが血の様に流れ出る功夫チューン。永遠の悪童デュオことMethod ManとRedmanがタッグを組んだ「Hood Go Bang!」では、シンプルにピアノループを繰り続けることでシンプルな演武曲を実現。Steven Latorreの甘ったるい歌フックがトラックに憂いと湿り気を与える「My Only One」は、サンプリングにRenaldo Domino「Nevermore」を単調ループさせたほろ苦いソウルミッド。ここでマイクを回すのもGhostface KillahにRZA、そして準レギュラーなCappadonnaという劇渋で芳醇なマイクリレーでまるで墨汁で書いた書物のようなラップを披露。最後を締め括るRZAの「The Saga Continues Outro」も、淡々と語るようなRZAの有り難い説法のようなラップが神経を研ぎ澄ましてくれるナイスアウトロ。

蓋を開ければ「People Say」と「If What You Say s True」の二曲のみがWu-Tang Clanの名義で、あとはソロ曲の寄せ集めのような一枚でやはりそこは残念。GZAとU-Godが参加していないのは不和のせいなのか、それとも法的な問題なのか僕はちょっと覚えていません。Masta KillaがBillboard誌に明かした情報によれば、デビュー25周年に向けて制作中のアルバムがあり、そのアルバムではRZAが監督という立場で、Ghostface Killahが楽曲制作を担当しているという情報もあるので、そこでの全員揃い踏みに期待したいですね。








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