RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Jay-Z & Kanye West「Watch The Throne」
Jay-Z-Kanye-West-Watch-The-Throne.jpeg

現在のHip Hop界を代表する二大巨頭、Jay-ZとKanye Westがまさかのコラボレーションを実現した歴史的共演作品『Watch The Throne』を御紹介。考えたらJay-Zの裏方として徐々に頭角を表し、そのまま大スターへと昇格したKanye West。今ではその影響力はJay-Zを凌ぐ程で、その奇抜且つ独創的な創作活動で多くのファンを魅了しています。片やJay-Zはラッパーとしてだけでなく、その類い稀なビジネス手腕を以てして経済界の重鎮にまで登り詰め、もはやHip Hop界のCEOともいうべき貫禄。そんな二人のコラボ作品が囁かれたのは、Kanye Westの傑作『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』が発表された直後だった気がする。当初はその作品に収録されなかったトラックを使用したEP的なものになるとの話だったが、蓋を開けたら全16曲も収録の(通常盤は12曲収録)フルボリュームでの登場で驚きました。このジャケットが最初はどうもピンと来なかったけれど、今こうやって見返すとすごく豪華で美しい、やはりKanye Westのセンスは恐ろしい。ちなみにこのジャケットを手掛けたのは、イタリアのファッションデザイナーRiccardo Tisciなる人物との事。
それでは早速と内容に触れて参ります・・・・・・まずは幕開けを飾るのは88-KeysにKanye WestにMike Deanが制作の「No Church In The Wild」、客演にFrank Oceanが参加(Add VocalにThe-Dreamも関与)しております。Spooky Tooth「Sunshine Help Me」やPhil Manzanera「K Scope」をサンプリングに使用したこの曲は、ベコンベコンと歪んだ太鼓ビートがグドグドと漆黒の渦を巻く、どこか酩酊気味ののらりくらりメロディが印象的。淡々としかし厳かに説く二人のフロウは静かながら迫力満点、Frank Oceanのあのべったりいなたいヴォーカルも雰囲気抜群。Kanye WestにJeff BhaskerにMike Deanが制作(Co制作にQ-TipとDon Jazzy)の「Lift Off」、客演にはBeyonce(ソングライトBruno MarsにSeal(!))が参加しています。希望に満ち溢れた輝きを存分に放つブライトチューンで、壮麗にして絢爛、しかもBeyonceの華やかで艶やかなヴォーカルが冴え渡るのでもう眩しい程。電子鍵盤をブイブイと捻って鳴らすメロディビートが躍動感たっぷり、もはや異次元を余裕綽々で優雅に飛び越える様なJay-Z×Kanye Westのフロウは楽しげで、宇宙旅行さながらの雰囲気は微笑ましくもアリ。シリアスで殺伐として乾いた金切りシンセをザクザクと斬りつける「Ni**as In Paris」、制作はHit-BoyとKanye WestとMike Deanが担当。ぐるぐるとループし続ける無機質で冷たく無慈悲なメロディに、これまた冷酷極まりない王者二人が見下し気味に奏でるフロウは何かの宣告の様。本作唯一のKanye West単独制作となるのが「Otis」、題名通りにOtis Redding「Try A Little Tenderness」をサンプリングしヴォーカルをループさせたシンプル曲。隙間のある単純なメロディは無いも同然な色味ながら、熱ッ々にホットなシットを乗り出し気味に繰り出すJay-Z×Kanye Westが居れば、恐ろしい程にパワフルで轟々とした迫力さえ生まれる、昔のKanyeサウンドを思わせる無骨な一曲。どこかアジアンなブーヒャラ節がスパイシーで辛味が効いている「Gotta Have It」は、The Neptunesが制作を担当(Co制作にKanye West)。なんともボヘミアンというか砂漠を思わせる乾いたメロディが異国情緒溢れて素敵、やはり面白くて際立っていますね。Kanye WestとMike Dean、それからあのRZAが共同制作の「New Day」も、残像チックに余波を残すシンセと、Nina Simone「Feeling Good」をサンプリングしたフックが不思議な魔力を放つミッド。暗く引きずる様なアンニュイなメロディに乗せて、二人がまだ見ぬ息子への想いを綴るドラマチックな一曲に。Kanye WestとQ-Tipが共同制作(Co制作にJeff Bhasker)の「That's My B**ch」は、James Brown「Get Up, Get Into It, Get Involved」とIncredible Bong Band「Apache」をサンプリング。まるで部族音楽の様に激しく暴れ散る太鼓ビートが炸裂するメロディは爆弾並み、スリリングでスピーディーで破壊力も抜群、闘争心を煽る攻撃的なトラックでガツガツと突破する二人はもはやアンストッパブル(神業)。しかしあのBeyonceを“B**ch”呼ばわり出来るのは(敬意を込めているとしても)、世界中でJigga只一人でしょうね(畏)。Swizz Beatzが制作を担当した「Welcome To The Jungle」は、電子鍵盤のほぼ一音にひたすら固執して一心不乱に撃ち鳴らすメロディに、硬質なドラムスがそれを引き裂く様に無骨に叩かれる、熱帯雨林改め電帯雨林なメロディを形成していて最高にクール。しかもここではほぼJay-Zの独壇場で、上から大きく振りかぶって下ろす様な豪快なラプで聴き手の心臓を突き破ります(痛快)。「Who Gon Stop Me」はShama "Sak Pase" JosephとKanye Westが制作(Add ProdにMike Dean関与)、Flux Pavilion「I Can't Stop」を警報音の様に執拗にループさせた気違い寸前のループ、しかし途中で激しく瓦礫の山を造り上げる程にぶっ壊れたビートが混戦し大破、中毒性が高くてとても危険ですね(狂想曲)。前半でIndiggo Twins「La La La」と後半でQuincy Jones「Celie Shaves Mr. Scarification」をサンプリングに使用した「Murder To Excellence」は、前半の「Murder」をSwizz Beatzが、後半の「Excellence」をS1が制作しております(分担)。こういう二曲使いも考えたら斬新でスタイリッシュ、全く毛色の違うトラックを継ぎ目無しでするりと繋いで聴かせています(Add VocalにKid Cudi関与)。再びFrank Oceanがそのまったりと不思議な魅力の歌声を貸した「Made In America」は、Shama "Sak Pase" Josephが再び制作を担当(Add ProdにMike Dean)。明滅するライトの様なぼんやりシンセ、繊細に爽やかに響き渡る上品なピアノ鍵盤がすごくドリーミーで穏やかで胸に沁みる優美さ。二人のセピア色の回想録を柔らかに彩るメロディがとにかくエレガント、二人もここでは少しリラックスしてしんみりと物思いに耽っていてそれがカッコ良かったり。Mike DeanとKanye Westが制作(Co制作にAnthony Kilhoffer)の「Why I Love You」ではMr. Hudsonが客演参加、Cassius「I Love You So」をサンプリングに使用した煌びやかなロックチューンでこういう毛色はあまり好きでなかったり。SouthsideにKanye West、Mike Deanが共同制作の「Illest Motherfucker Alive」は引きずる様な酩酊気味に這うシンセに、脆く神経質なピアノ鍵盤が冷たく響くミステリアスなスロウ。そして新進気鋭のLex Lugerが制作したのが本作から先行公開された「H.A.M.」、ここでいう“H.A.M”とは“Hard As A Muthaf***er”の略の様だ。Lex Lugerお得意のキリキリと締め上げながら甲高く鳴る金属シンセのつんざめきと、寺院に響く様な威厳たっぷりのコーラスが蠢き聴き手を圧倒する、Kanye Westが好みそうなスタジアムを(コロセウムを)湧かし大きく揺らすであろうオペラの如き一曲は圧巻。Kanye WestもJay-Zも鬼気迫るような神懸かりなラップで地獄の扉をこじ開けていますね、とにかく業火のように灼熱を帯びる一曲です(劇的)。そしてまさかの一曲のみ参加となったNo I.D.制作の「Primetime」はOrange Krush「Action」をサンプリング使用。曇ったオルガン鍵盤をポロポロと鳴らしベース弦を紡いだメロディは、ソウルフル且つオールディーズな仕上がりでやはり大人で燻し銀な味わいでたまらない(吟醸)。そして最後を締め括るのは、あのPete RockとKanye Westが共同制作(Add ProdにMike Dean)の「The Joy」。Curtis Mayfield「The Makings Of You(Live)」をサンプリングしそのままヴォーカルも用いたファンキーな一曲。とにかく煙たく立ちこめるCurtis Mayfieldの声と埃っぽいメロディがたまらない、こういうトラックで聴くJay-Zの語り口は(年齢を重ねている分)より魅力が増し輝いていますね(溺愛)。

やはりJay-ZとKanye Westのコラボレーションというだけあり、かなり(いや、もう相当に)期待が高かったのは事実ですし、それを果たして上回ったかというと、そうでないのかもしれません(困惑)。しかし、普通に考えたら、この作品のクオリティ(そして何より豪華絢爛さ)は半端じゃなく凄まじい、やはり圧倒的に芸術的に秀でた一枚となりましたね(敬服)。あとはこの二人の相性の問題、勿論Jay-ZはこれまでKanye Westという素晴らしい裏方(にして芸術家)がいたからこそ、ここまで登り詰めたとも思います。でもMC二人として考えると少しタイプが違うと思う、本作はあまりにKanye Westの趣味が強過ぎるし(それを承知の上でもJay-Zは組みたかったのだろうけど)。事実、ここまでKanye色の濃いアルバムで、すんなり乗っかってモノにしライムするJay-Zがやはり巧者なのだと痛感したぐらいだ。サウンドプロダクションの面で言えば、Kanye West一人で創り上げても良かったけれど、やはりJay-Zという王者を迎えてこそ、より作品が引き締まるとKanye West自身も考えたのでは。とにかく奥深くてとても厚みのある一枚、Kanye WestはやはりHip Hopという音楽を変えてしまった感があるな。
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