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Britney Spears「Circus」
世界の姫君として君臨する(していた?)、世界のスターBritney Spearsの通算六作目となる『Circus』を御紹介。ティーンでデビューし瞬く間に世界を席巻したBritney Spears、音楽のキャリアを絶頂にしながらもプライベートでのゴタゴタが足を引っ張り、どんどん落ちぶれたスターみたいになってしまった感も(悔)。それでも二児を育てる母として奮闘しながら、03年『In The Zone』から約四年のスパンを空けて(それでも四年だが)『Blackout』で音楽活動を復帰。それからは中々と順調なスパンでリリースを重ねています。本作はその『Blackout』の翌年にリリースされ、見事に全米チャートでNo.1を獲得しております(流石)。
それでは簡単に内容がどうなっちゃっているかを・・・・・・まずはK. Briscoeが制作を担当した「Womanaizer」で幕開け、デジタルびびびびびな電子音をチクチクと尖らせたノイジーアッパーで、ザクザクとしたBritney Spearsの追っかけフックも手伝って余波が半端ありません。Dr. LukeとBenny Blancoの売れっ子タッグが制作した「Circus」も電子音をこれでもかと散りばめたシャイニーチューン、キラキラに細かくカットされたダイアモンドみたいな煌めきが眩くで目暈してしまいそう。これだけエッヂの効いたエレクトロ風味で仕上げつつも、途中でちょっぴりマイナー調でフォーキーな手触りも残す辺りが憎い演出。Guy Sigsworthが制作を担当したアコースティックギターの爪弾きで始まるフォークスロウ「Out From Under」も、生音と電子音の配分がちょうど良くて不思議な魅力を漲らせていますね(感心)。ふわりと指の間からすり抜ける涙みたいな、儚く脆い潤いを含んだBritney Spearsの囁くようなハイトーンヴォイスが切なくて切なくて(涙)。少しだけエフェクトをかけて重ねた柔らかな歌声が透き通っていて綺麗、Ne-Yo路線の楽曲なんだけれどBritney Spearsのキュートな声が全て飲み込みます(威力大)。「Kill The Lights」はBritney Spearsの新たな女房役となりつつあるDanjaが制作を担当、Timbaland譲りの泥臭いぬかるみビートをドカドカと振り下ろす歪なバウンスチューン。自分を捨て他の女性に走った彼を嘲るクールな「Shatterd Glass」はDr. LukeとBenny Blancoが共同制作、口元をにやつかせながら挑発的に歌い上げるBritney Spearsの顔が思い浮かぶ一曲。Britney Spearsの黄金期を支えたMax Martinが制作を担当した「If U Seek Amy」は、昔のMax Martin節ではないけれどやはりキャッチーさでは劣らない電子アッパー。「Unusual You」はBloodshy & Avantが制作を担当、突然と吹き抜ける生温い風みたいな、そんなちょっと輪郭がなくてあやふやなメロディラインが妖艶で滑らかな魅力を発揮していて、Britney Spearsの媚薬に似た歌声がほのかに香り立つ一曲でグッド。再びDanjaが制作を担当した「Blur」は大陸音楽みたいに壮大でエスニックなメロディに、キラキラと瞬く電子音のストロボが怪しく美しい微睡んだミッド。Let's Go To Warが制作を担当した「Mmm Papi」は、Andre 3000やJanelle Monaeなんかが好みそうなエレクトロレトロチューンでのりのりスウィング。「Mannequin」はまさかのHarvey mason, Jr.が制作を担当、しかし落ち着きのないソワソワジャカジャカな電子ダストを巻き上げるメロディと、コヨーテの遠吠えみたいなフックが炸裂する奇天烈サイバーな仕上がり。「Lace And Leather」はDr. Lukeの単独制作、サクサクと響く弦リフを軸に突き進みながらゆらーんと垂れおちるメロディラインがスペイシーでチープ。Guy Sigsworthが再び制作を担当したアコースティクバラード「My Baby」はとっても澄んでいて清廉としていて美しい、Britney Spearsの天使みたいな後光の射したブリっ子ヴォーカル(褒め言葉)がたまらなく胸をきゅっと締めつける子守唄。ズンガズンガとフロアを揺らすベロベロした感触の「Rader」はBloodshy & Avantが制作(Co制作にはThe Clutchの面々)、爽快感たっぷりでどこか80'sポップ風味なベタベタ展開の「Amnesia」はFernando Garibayが制作。
毎度と思うのだけれど、けして歌が上手い訳でもないし熱烈ファンでもないんだけど、Britney Spearsのアルバムってたまに無性に聴きたくなるんです。という訳できっとあのカワイイカワイイな感じが好きなんですよね、という訳で本作もそんな期待せずに聴いて、まあまあ上出来だったという印象でした。こうやって久々に聴き返すと、もう一曲ぐらいスローがあっても良かったかなと思うけれど、まあダンスなアッパーで攻めるべきか(無難)。あの頃のポップを牽引した重要人物、(Backstreet Boysと共に)30代付近のリスナーには思い入れが深い永遠のアイドルなのでは。
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テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE ジャンル : 音楽