RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Jay Z「Magna Carta Holy Grail」
jay-z-magna-carta-holy-grail.jpg

最強歌姫Beyonceと結婚し愛娘Blue Ivyも生まれ、まさに音楽界のロイヤルファミリーとなったJay Zの通算十二作目となる『Magna Carta Holy Grail』を御紹介(以降は『MCHG』と省略)。まず最初に特筆すべきはJay Zの名前の表記、本作より“Jay-Z”の表記からハイフンを取って“Jay Z”と改名しました。これにどういう意図があるのかは分かりませんが、熱狂的なファンである僕は最初はかなり戸惑いました。ただ、TwitterとかブログとかでJay Zと打つのは一手間省けてちょっとラクだったりしまして、まー良いかと(笑)。Jay-Zは本作『MCHG』をサムスン「Galaxy」シリーズのスマートフォンを利用する一部のユーザーに、発売前に無料で提供するという型破りな方法を実行。結果、サムスンの“Galaxy S3”、“Galaxy S4”、“Galaxy Note 2”を利用する米国のユーザーは、リリースの3日前に同アルバムを無料で入手できたのだそう(限定100万人で専用アプリのダウンロードが必要)。この手法には賛否両論ありましたが、それでも結局は発売前に100万枚販売という結果になったんで、その点はやはりビジネスマンとして凄い手腕だなと感心してしまいました。
まあ四方山話はこのぐらいでよして・・・・・・まずはTerius "The-Dream" NashとTimbalandが制作(Co制作にはNo I.D.)した「Holy Grail」でスルスルとシルキーに幕開け、客演にはJustin Timberlakeが参加。これは大聖堂のようにどこか霊的で荘厳なミケランジェロ的メロディに、Timbaland特有なボスンボスンと打つ太いビートとピアノ鍵盤のチクチクと煌めいた音色が舞い上がるトラックがなんとも巧い。途中での時間が逆流するようなドロっとした転調、Nirvana「Smells Like Teen Spirit」をJustin Timberlakeと平行線で歌う演出、Justin Timberlakeの憂いを帯びた湿っぽいヴォーカル、変幻自在にピッチを変えて連打するJay Zのラップとどれもが秀逸。リリックに芸術家をふんだんに取り入れ豪華絢爛に弾けるアッパー「Picasso Baby」はTimbalandとJerome "Jroc" Harmonが共同制作、サンプリングネタにはAdrian Young「Sirens」をベッタリ使用した粋な一曲。パッと聴いた感じではJust Blazeが創る音に似ているこの曲(70年代ソウルっぽいベースラインがそう思わせる)ではJay Zは無敵状態、ビリビリと放電しすべてを麻痺させる電子鍵盤の尖ったメロディとハードに暴れる硬質ドラムスの連結は鳥肌モノ、The-Dreamの歌フックもなかなかイルで耳に残ります。途中の切り返しで大きく転調する二曲構成的なこのアプローチは、Jay Zの既出曲「Come And Get Me」でTimbalandが既に実験済み、このバックドロップ喰らわす転調はかなりインパクト大で、特に後半で用意されたザラザラした荒削りなヘヴィーなトラックでのJay Zの“あっ♪ちあっ♪っちあっ♪”は神の息吹に等しいです(卒倒)。そこから傾れ込むのはTimbalandとJerome "Jroc" Harmonが共同制作したシングル曲「Tom Ford」がお出まし、ドボドボと流し込む粘稠なボコボコビートと虚空に響く高音ビート、そして微振動を伴いつつ細やかに放電するシンセの波形が中毒性をより強めるナイストラック。後半で脆くボロボロと崩れるスクリューっぽい転調も面白いし、Jay Zのベタンベタンと叩き付けるトラッピーなラップも最高にホット。冒頭にPimp Cの言葉を挿入した「F*ckwithmeyouknowigotit」はBoi 1daが制作(Add制作にTimbalandとJerome Harmon)、客演にはRick Rossが参加。鋲を打つような硬質な厳ついトラックに重量級のRick Ross、悪くないんだけどなんだか嵌れない僕が居ます。Pharrell Williamsが制作(Add制作にTimbaland)した「Oceans」ではそのままFrank Oceanが客演参加、彼を起用しただけあって鉛色の暗澹として濁流めいたトラックで壮麗。すべてを飲み込む死海(という名のHip Hop業界、はたまたアメリカそのもの)を猛然と突き進む漆黒の軍艦のような、Jay Zの威風堂々なラップに痺れるばかり(痙攣)。そんなトラック全体を濃霧のようにマッタリじっとりと包み込む、Frank Oceanの妖しく滑らかな歌フックもナイスアクセント。TimbalandとJerome Harmonが共同制作した「F.U.T.W.」は単純なビート&電子鍵盤の延々ループなだけに極まってドープでかなりオールドスクール、そんなダイアモンドダストみたいな鍵盤音を武器に淡々と舞ってすべてを切り刻むチクチクしたJay Zのラップが最高にクール。Hit-BoyにDarhyl "Hey DJ" Camper, Jr.、それにMike Deanと強力な布陣が制作した「Somewhereinamerica」、ブバブバと毒ガスっぽいホーンを練り出すファンキーなトラックで、Jay ZのラップがTwerkを煽ってバキバキとへし折ります。Travis ScottとMike Deanが共同制作した「Crown」はSizzla「Solid As A Rock」をサンプリング、この音のタッチはどう考えてもKanye Westとの『Watch The Throne』の延長線上にありますね、やはりそこはKanye West近作を支えるTravis Scottの趣味が滲んでいる気がします。グニャグニャと歪曲しながら引き裂くようなナイトメアチューンで脳内をグルグルと洗脳、そんな明滅マーブルな暗澹メロディに乗せてJay Zのアンストッパブルなラップが高速で駆け抜ける醍醐味。TimbalandとJerome Harmonが共同制作(ソングライトにTerius Nash、Add VocalにJustin Timberlake)した「Heaven」では、またもやAdrian Youngの「Reverie」をサンプリング使用するというゾッコンぶり。REM「Losing My Religion」からの歌詞を引用したこの曲はまさに神懸かり、鋼鉄製の電子音とビートを編み込んだかなり厳ついループは脳天直撃で鈍痛を起こし、Jay Zの正確に急所を撃ち抜くラップがまた圧巻で恐ろしい。どことなくWu-Tang(というよりもRZA)を連想させる幽玄で殺伐としたトラック、凛として時に激しく美しい。1分弱の「Versus」はTimbalandとSwizz Beatzが共同制作という豪華さ、この短さの中でスリリングに“俺が最高だ”と言い切ってしまうJay Zの王様っぷりが鳥肌モノ。またもやTimbalandとJerome Harmonが共同制作(ソングライトにはJames Fauntleroy IIも)した「Part II (On The Run)」、客演には奥方であるBeyonceが登場。細やかな硝子細工のようにスベスベキラキラしたメロディを、高精度なメタリックでコーティングした宇宙船のような遊泳感と壮大さが華麗に広がるラヴソング。「Beach Is Better」はMike Will-Made Itが制作を担当、宇宙空間を捩じ曲げながら突き進むようなダークでギトギトしたオイリートラックはナイスなのに1分弱の短さ。“億万長者少年クラブ♪”と邦訳丸出しな日本語でスタートする「BBC」はPharrell Williams制作、Nasまで引っ張り出すも全くこの曲の意図は分からない(困惑)。TimbalandとJerome Harmonが共同制作の「Jay Z Blue」では、The Notorious B.I.G.「My Downfall」をサンプリングし疑似共演でラインを重ねます。Timbalandお得意の口音トラック、メランコリックで枯れた味わいのトラックに仕上がっています。「La Familia」もTimbalandとJerome Harmonが共同制作、ビロロロロロとレーザーみたく照射されるシンセがちょっと特徴的なくらい。最後を飾るのはKyambo "Hip Hop" Joshuaが制作した「Nickels And Dimes」、ゴツゴツとしたビートとざらついたメロディはまるで切り出した岩石のような頑丈さと無骨さ、Jay Zのハードさを表現しています。

ハッキリ言って捨て曲アリ、しかも所々そのフロウにJay Zっぽさが無くなっているような気もする(Kanye Westっぽい節回し?)。そういう意味でもJay Z自らが、自身の全作品に順位を付けた際、本作を第六位としたのは納得できます(ちなみに本作のコメントには「FuckWithMeYouKnowIGotIt」「Tom Ford」「Oceans」「Beach Is Better」「Part II (On The Run)」「Holy Grail」などの曲名のみを挙げている。この曲らがどういう意図なのかまでは説明無し)。確かにこれらの楽曲はカッコ良いし、及第点を余裕で超えていると思います、「FuckWithMeYouKnowIGotIt」以外は(執拗)。最終的にこの『Magna Carta Holy Grail』に決定的に足りないものを強いて挙げるならば、やはりJay Zの名参謀であるJust Blazeの不参加ではないでしょうか。いつものJay Zの神懸りなパフォーマンスの影には、いつもJust Blazeの鉄壁ビートがあった訳で、今回そのビートを欠いたのは(意図的に外したのでしょうが)Jay Zにとっては大きな痛手だったと思います。しかしそれでもJay Z、結局は神懸かりな格好良さで僕を飲み込んでしまうのです(偉大)。


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テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

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