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G-Unit「T.O.S.(Terminate On Sight)」
50 Cent、Lloyd Banks、Tony Yayoから構成されるG-Unitの通算二作目となる『T.O.S.(Terminate On Sight)」を御紹介。御存知の通り本作発売前にYoung Buckが脱退しており、本作でYoung Buckが参加している曲は全てfeat.扱いとなっています。50 Centは僕の好きなMCの一人、ですのでG-Unitはスルーせずに購入してしまいました。
気になる内容なんですが……“視界に入り次第、抹殺”という物騒なタイトル通りにかなりギャングスタで男臭い一枚に仕上がっています(脂汗)。まずは硬質なビートに三人が唾吐きマイクを回すRon Browz製作の「Straight Outta Southside」で幕開け、やっぱG-Unitって怖いですね。電子鍵盤の音にプワワワと不穏に鳴り響く「Close to Me」はTeraike "Chris Styles" Crawford、50 Centは本当にこういう無名のProducerのトラックを多く起用する、こういう姿勢は凄く好きです。50 Centまでもがオートチューンを使って蜃気楼フロウをぶちかます「Rider Pt.2」はRick Rock製作、皆がオートチューンを使うのはどうかとも思うけれど、使えばやっぱり面白いから嵌ってしまう僕(浅)。Ky Miller製作でWu-Tang Clanっぽいノリがどこか懐かしい「Casualties Of War」、続くBappi Lahiri and Anjaan「Pahle Pahie Pyar Ki Mulaqaten」をサンプリングした不思議な楽器メロディに似合わない強面ラップが絡む「You So Tough」もKy Miller製作。ベテランTy Fyffeが製作を担当した「T.O.S.」は文句無しにカッコイイ、無機質に連打される電子音が50 Centのボケたフロウを最大限に活かしています。ちょっぴりチープなシンセの絡みが妙にクールに感じてしまう「I Like the Way She Do It」はこれまた聞いた事のないStreet Radioなる人物が製作、この曲にはYoung Buckが参加しているんですが、やはりこうやって聴くと存在感があり脱退は残念だったかなと(惜)。Hit-Boy製作の「Kitty Kat」はトラックがなかなか面白い、途中で挟まるデパートの迷子案内放送みたいな音が特に(笑)。Don Cannon製作でMavadoをゲストに迎えたほんのりRaggaeカラー「Let It Go」、Raggaeシンガー使いが苦手な僕としてはそんなに好きではないかも。「Get Down」はあのSwizz Beatzが製作、せっかくのSwizz Beatzなんだからもっとバンギンで暴れ回るアガるトラックを用意して貰えば良かったのに(残念)。続くJake One製作の「I Don't Wanna Talk About It」、「Ready Or Not」も、Ron Browz製作の最後を飾る「Money Make The World Go Round」もどれも悪くないカッコイイ仕上がり……なんですが、一枚通してずっとこのギャングスタビートの連続で、なんかこう一本調子に感じてしまうんですよねぇ(飽和)。R&B寄りのトラックに乗っかる50 Centが好みの僕としては、もっと歌モノも2、3曲入れて欲しかったのが本音(軟弱)。
絶対に聴いておかないと損、という感じではないかもしれません、だってなにより僕の大好きな“じじじじじじ~~ぃゆぅ~にッ(GGGGG・G-Unit♪の事です)♪”の掛け声が全く少なかった(笑)。やはりG-Unitに(いや、というより50 Centに)あの頃程の勢いが無いなぁ、と痛感せざるを得ません。G-Unitでの作品よりも、早くM.O.P.のアルバムがドロップされないかなと考えてしまいます。Kanye Westにセールス合戦で負けたあの雪辱、晴らす為にも次回の50 Centのアルバムに期待しましょう。
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